2017/02/02 のログ
ご案内:「ルミナスの森 城」にテイアさんが現れました。
■テイア > 「あんまり森で見たことないものばっかり」
万全とはいないが、ベッドから起き上がれる程度には回復した女はシルキーが用意してくれたゆったりとした服に着替えて、寝室から出て城内を散策していた。
もー寝てるのにも飽きたーと駄々をこねても、体調が戻らない間はシルキーがベッドから起き上がりうろつくことを許してくれなかった。
そのシルキーからお許しが出たのだ、今日こそは見知らぬこの建物の中を見て回りたいと、10歳の少女の頃の記憶の女は意気揚々と城の中を歩く。
過度な調度品などは元々置かれてはいない城内だが、森の中で自然に囲まれ、自然を利用した生活をしていた女にとっては、人工的なものが多くきょろきょろと珍しげに見回し。
立ち上がってみれば、視線も記憶にあるものよりも随分と高い大人の体。
大きな鏡の前に差し掛かり、その姿が映し出されると嬉しそうに回って大人の姿を堪能する。
「おとうさんとおかあさん、この姿みたらびっくりするだろうなぁ。早く帰ってこないかなぁ。」
ふふ、と笑う顔は普段の女では浮かべることのない幼い笑顔。
■テイア > 廊下を歩いていけば、下階へと通じる階段へと出る。
じっと、階段とその手すりを見比べる。
階段も手すりも、透明なガラスのような水晶でできているのは壁や床と変わらない。
床の部分には絨毯が敷かれ、足音が響かないようにはされているけれど。
手すりは、いい具合に下階に向けて下っている。
よく滑りそう…。
いいことを思いついたというように、笑みを浮かべるといそいそと手すりを跨いで。
「それーーー」
滑り台のように手すりを滑り降りていく。
予想通り水晶の表面はつるつるしていて、よく滑る。
しゅーっと気持ちのいい速度で滑り降りるとその先には、手すりの終わりに飾りが施されておりまっすぐ滑り降りればぶつかってしまう。
「よっとっ…とっとっと…あいたぁっ」
身軽に手すりから飛び降りると、そのまま着地。
…といくはずだったが、いきなり長くなった手足と高くなった重心に体のバランスがうまくとれない。
着地と同時によろけると、そのまま尻餅をついて転んでしまう。
「ぅー…いたたた…失敗失敗…。」
■テイア > 「痛いけど、思ったとおり面白い」
木の滑り台はあるけれど、この手すりほど滑りはよくない。
これいいものを見つけたとばかりに、また下階に繋がる階段の手すりへと跨っていく。
「そぉれー」
しゅーっとまた勢いよく手すりの上を滑り降り。
「――とっとっあいたぁぁ」
また手すりの終わりの飾りの手前で、身軽に飛び降りる。
今度は大丈夫!そう思ったのだけど重心が前に偏りすぎていて勢いのままよろつくと、壁に額をぶつけてしまう始末。
「んー…どうもうまくいかないなぁ。」
ずきずきとする額を摩りながら愚痴る。
やはり、頭の感覚と体の感覚がずれている。急に大人になったから、感覚のズレが大変そうだとそういっていた男の言葉が蘇る。
こういうことだったのかと。
それでも、やはりよく滑る滑り台は子供にとっては楽しい遊び場だ。
この程度でやめるはずもなく、滑っては転びながら下の階へと向かっていく。
「――っと着地せいこー!」
何階か下ると、階段は廊下を抜けたところなどフロアごとに位置が異なるようになり、フロアを散策しては階段を見つけて下っていく。
そして、最後に見つけたのは一般開放された一階部分に繋がる階段。
そこは、シンメトリーなつくりになっており、カーブのかかった階段がホールへと繋がっている。
それを滑り降りると、すったっと転ばずに着地して。
■テイア > 着地したところで、シルキーと視線が合う。
うん、なんだかとても怖い顔をしている…。
「えー、面白いのに…。」
手すりを滑り降りるのは、危ないからダメだと怒られてしまった。
つまらない、と唇を尖らせて不満を口にするが手すりから落ちたときに怪我をするから、と正論に言い返せない。
出歩けるようになったとはいえ、まだ本調子ではないからと部屋に戻るように言われて来た道を戻っていく。
ご案内:「ルミナスの森 城」からテイアさんが去りました。