2017/01/18 のログ
ご案内:「ルミナスの森 城」にテイアさんが現れました。
ご案内:「ルミナスの森 城」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > ……嗚呼、約束だ。 良い子にしてれば、な?

(――今、自分に出来る事を考えても、其れ位しか。
いずれにしても、身体の弱っている今では、連れ歩く事も難しいだろう
ひとつひとつ、回復に向かえる様付き添うのが、矢張り、一番か
浮かぶ其の微笑は、何時もの様で居て、けれど矢張り異なる
無邪気さ、幼さ、可憐さ――過去の姿を感じさせる其の微笑に
――守ってやらなければと、そう、希う。)

―――……身体が大きくなったから、歩いたりするのも少し大変だな。
……まァ、大丈夫、少しづつ慣れて行けば良いさ。

(――否定は、しなかった。 少女がそう納得するのなら、そう言う事にしておこう
彼女の中では、全てが過去の儘。 己の知る事の無い昔に、彼女は生きている
――ふと、思い立った様に、テーブルを引き寄せて、少女の前に紙を出す
ペンを取り出して、少女へと差し出したなら、お願いがあると一つ、切り出して)

テイア、悪いんだけど、お父さんとお母さんの、名前の綴りを教えてくれないか?
何か在って手紙を送ったりする時に必要なんだ、生憎、正確な文字を知らなくてね。

(――違う、それは、実際には、彼女の両親の知人、と言う立場の自分が
其の名前も知らないという状況を防ぐ為だ
綴りが間違っていても良い、名前の読みさえ判るなら、と)。

テイア > 「うんっ」

約束、との言葉にしっかり頷いて笑顔を浮かべる。
知っている森とは少し違うという森、それはどんなものだろうと楽しみだ。

「大変かな?でも、足も長くなったみたいだし、走るのも早くなってそう。早く体よくならないかなぁ」

早くこの体で走ってみたい、大きくなった体を動かすのが楽しみで仕方がないといった風に、シーツの中で足をパタパタと動かして。
しかし、そうやって足を動かすだけでも、体の重さを感じる。まだ十分に体が回復していないのだと自覚するには十分すぎる重さだ。

「名前の綴り?いいよ。えっとね…」

用意されたテーブルへとベッドの上を移動すると、すこしくらりと目眩を覚える。
頭をすこし振って、吐息を零せば視点が定まり目眩も消えた。
ふぅ、と小さく吐息をこぼして差し出されたペンを受け取り紙に向き合う。

「おとうさんは、イガルク…で、おかあさんはアリアンロッド…」

女が口に出しながら書くその文字は、この国の公用として使われているものでなく、エルフ独自の、そして古い文字だった。
まるで幾何学的な模様のような文字は、読むことは難しいだろう。
書き終えると、ペンを置いて、はい、と男に紙を差し出して。

イーヴィア > (頭の感覚と、身体の感覚の不一致も在るだろう。
魔力が枯渇し、体力的にも衰弱している身体は、寧ろ
今こうして喋って居られるだけでも十分に、驚異的な回復と言えるだろう
普段より弛まぬ鍛錬と研鑽を積んできたからこそ、乗り越える事が出来たのだと、そう思う
布団の中で、ぱたぱた足を動かす様子を見れば、こらこら、と微苦笑浮かべて。)

ほら、具合がよくなったばかりなんだから、大人しくしていな。
……偉いな、ちゃんと書けるんだ。 悪いけど、頼むよ。

(ペンを渡せば、代わりに彼女の背中を片腕で支えよう
隣へと腰掛け、其の肩へと毛布を掛けてやりながら、其のペン先へと視線を落として
――綴られる、其の文字は、己には読めない物。 けれど鍛冶屋として、様々な古物へと触れるが故に
其の字体への見覚えだけは在った。 ――古き文字、今では使われぬ物。
彼女が読み方を口にしてくれたのが幸いして、文字と名前を一致させつつ
程なくして差し出される其の紙に、ふ、と口端を吊り上げて。)

有難うな、助かったよ。 ……嗚呼、ちなみに…テイア、キミの綴りは?

(――それは、多分一寸した、唯の興味本位
別に文字を読める訳じゃあない、けれど、本来彼女が持つ名前が
果たしてどんな表記なのか、知りたかっただけだけれど)。

テイア > 「はぁい…。」

こらこらと嗜める声に、ぺろっと舌をだして悪戯っぽく笑う。
男が指輪越しに送ってくれた魔力と癒しの力のおかげで、笑えるだけの余裕を与えてくれている。
しかし、その顔色は決していいとは言えず。
水の中で揺蕩っていた体は、筋肉や脂肪も徐々に失い痩せている。
支える肩もペンを持つ手首、腕もいつもより細く頼りないものだっただろう。

「ちゃんと勉強してるもん、これくらい書けるよー」

ふふふ、とまんざらでも無さげに笑いながらも、当然だと言って見せて。
古い文字は、文字そのものがもつ力も強く今でも女が陣を描く時などに使用している。
今の女ほどその文字を女の中の少女が使いこなしているかと言われれば、それは否。
文字の種類も使い方も多いそれを、今学び始めたばかりの年頃でまず覚えるのは、自分の名前、そして父母の名前。
書いてくれと頼まれたのが、父母の名前で良かったと内心ほっとしながらも文字を書き上げて。

「私の名前?私の名前はね――」

自分の名の綴りを問われて、父と母の名前の下に自分の名前を書き込んでいく。
幾何学的な文字。自身の名を書き込めば、そこには父と母の名前と同じかたちの文字が一文字ずつ含まれているのがわかるか。
そうやって文字を書いている最中、扉が軽くノックされる。
そして入ってきたのはシルキーだ。
一度は女の叫びを聞きつけて部屋の前まで来ていたが、様子を伺い大丈夫そうだと判断したシルキーは入室せずに去っていた。
そして今、彼女のもつお盆の上には米を煮込んだ上澄み…いわゆる重湯が湯気をたてていた。

イーヴィア > (――触れる其の体躯は、矢張り、何処か何時もより軽い印象を感じる
彼女が聖域へと入ってから、経過した日数を鑑みれば当然か
ただ、それ自体は恐らく、ちゃんと食事が出来る様になれば回復を望める筈だ
――筈だと、今は信じたい。)

……そうか、勉強は、お父さんとお母さんが教えてくれるのか?
おにーさんは、生憎勉強の方は疎くてなァ。

(己も、あくまで見た事が在る、知識として存在を知っている、と言う程度
其の文字を真の意味で扱う事が出来るのは、余程の博識者か
彼女のような、エルフだけだろう。
父母の名の下に、綴られる彼女自身の名前、其れを表す文字を眺めれば
――こんな時では在るけれど、少しだけ、嬉しく思う所も在った
こんな、ちょっとした事では在ったけれど。)

……有難う、テイア。
……っと…、……嗚呼、そうか…、……食事が来たよ、テイア。
暫く何も食べてなかったから、先ずは柔らかいものから、だけれどな。

(――ふと、ノックの音に扉の方を振り返れば、其処に立っているのはシルキーだった
盆に載せられた重湯に気付けば、なるほど、と理解して。
名前を書いている少女が、記入を終えれば、其の紙を今度は受け取り、眺めて
そして二つに折りたたんで、便箋に入れて置くだろう。 机の上を空ければ、其処に重湯を置ける様にして
――そして、シルキーには少し、声を掛けておこう。 話がある、と
今の彼女の状態を、一通り、説明する必要が在るだろうから)。

テイア > 「うん、おとうさんとおかあさんと、あと最近は、おおばばさまのとこにも習いにいってるよ。
 すっごくすっごく長い時間生きててなんでも知ってるんだって。
 森であって森でない、この世界であってこの世界でない場所?にいるんだっておとうさんが言ってた。
 あんまりよく分かんないけど。
 でも、ちょっとこわいからあんまり行きたくないんだよね。
 私も、お勉強よりも外で遊んでるほうが好きかなぁ。」


ぽろりと本音が漏れる。
それに気づくと、内緒だよ?と唇の前に人差し指をたてて。
机に座って行う座学よりも、森の中に出て遊びの中で教えられるほうが好き。
でも、父母のような大人になるためには机に座って勉強することも大事だと言われるのだと、ため息を漏らす。

「シルキーだ。ここってシルキーがいるくらい古い建物なんだ。……ありがとう。」

そういえば、目が覚めた時に男がシルキーがどうのと言っていたような気がする。
名前を書いていた紙を男に渡せば、それを男は仕舞い空いたテーブルの上にシルキーが重湯の入った器をおいてくれる。
粒の入っていない、とろりとした米のスープ。
空腹感はなかった。空腹感を感じないほどに今の女の体は弱っていたから。
いただきます、と手を合わせてスプーンで重湯を掬い口へと運んでいく。
塩気の聞いた優しい味と暖かさが体に染み込んでいくようで、ほう、と吐息を溢し。
女のその様子にシルキーは何も言わないながらも、すこし不思議そうな顔をしていただろう。
男から話がある、と声がかかればすぐに退室せずに女が食事をしている間にすこし離れたところで男の話を聞くこととなるか。

イーヴィア > 成る程なァ…おおばばさま、か。 そう言えば、俺も小さい時はジイさんに色々教わったっけか。
あのジイさんも、まァガキの時は大分怖かったしなァ…。
……この世界であって、この世界で無い場所、か。
其れは、お父さんとかに連れて行って貰ってるのかい?

(――祖母、だろうか。 いや、エルフの里ならば、所謂長老的な立場の者かも知れないが
自分の子供の衣、同じ様に色んな大人に囲まれていたなと思い出しては、小さく笑い
それから、少しだけ興味を抱いた様に、彼女へと訪ねてみよう
彼女の言う事が、もし本当なのだとしたら、もしかしたらまだ存命なのだろうか、と
もし、会いに行く方法が判るのならば、一つ助けになるのでは、と。
座学に対する本音については、同じ様に人差し指を唇に当てて、ウインクしてみせ。)

嗚呼、結構由緒在る建物…、……なのさ。
急がないで、ゆっくり喉に通しな。 一気に吸うと咽ちまうからな。

(気をつけて、と一言注意を添えてから、一度彼女から離れて
シルキーを部屋の隅へと呼んでは、今、この時点で判明している事実を伝えよう
どうやら、今の彼女は10歳の頃に記憶が巻き戻っているらしい事
枯渇した魔力と衰弱した身体が、まだ動ける程には戻っていない事
故に、シルキーの事も、己の事も、今の彼女には判らないのだ、と

そうして――吐露するのだ。 これから、如何するべきか、と)。

テイア > 「ふぅん、おにーさんも怖かったんだ?
 うん、住んでるとこよりももっともっと森の奥だから、今はおとうさんかおかあさんと一緒にいってるよ。
 大きな大きな木の虚の中に入ってね、虚の中にある森の中を歩いていくの。
 おおばばさまのところで、泊まっていろいろ教えてもらうんだけど、おおばばさまのとこから帰ってきたら一日くらいしか経ってないの。時間の流れが違うとかで。」

男も、じいさんという人にいろいろ教わったらしい。
怖かったというのも、一緒だねと笑う。
木の虚の中にまた森があるのだと、子供夢の中の話のように感じるかも知れない。
何日も大婆様のところに泊まって、みっちりと様々なことを叩き込まれるのに、戻ってきてみれば一日位しか時間が過ぎていない。
不思議だよね、と首をかしげて。

「ふぅん、あんまり古い建物って感じしないけどね。
 はぁい。……熱っ……」

由緒ある建物なのだと説明されて、改めて室内を見回す。
シルキーが管理して、常に綺麗にされている室内。
痛みなどもなく、老朽も見られない。
注意に、再び視線を戻せば彼らがすこし離れていく。
自分は重湯へと意識を向けて、ほかほかと湯気を立てるそれをスプーンで掬い、覚ましながら口へと運んで。
猫舌なのか、時折スプーンを運んでは弾かれたように離して息を改めて吹きかけていることか。

そんな女からすこし離れた場所で、男から状況の説明をうけるシルキー。
記憶が巻き戻っているために、自分たちの存在を知らない家主のことに悲しげに瞳を伏せる。
どうすべきか、と吐露される男の心情。
この状況に、男も戸惑いなすすべも無いことが伝わってくる。
シルキーにもどうすればいいのかなど分からずに、ただ首を横に振った。
そういえば、と先ほど男と女の会話を聞いていたシルキーが女が聖域へと行く前に、大婆様のところに行ってくるといって城を出て行ったことがあると男に情報が齎されるか。