2016/12/05 のログ
ご案内:「街道付近」にイアさんが現れました。
イア > 夜の闇の中、港湾都市から奴隷市場都市までを繋ぐ街道を一人の少年が走っていた。
奴隷の少年は野営の際に脱走を果たしたのだ。
奴隷の証である首輪を隠しながら、来た道をまっすぐに引き返している。

「くっそ、遠い……っ」

馬車で来た道を徒歩で戻るのは、どれほどの時間がかかることか。
無謀と分かっていても、奴隷市場都市へ向かうことを避けたくて。
何より、まだ見つけられていない母を探したくて、港湾都市へと駆ける。

不意に、石に足を取られて盛大に転んだ。

ご案内:「街道付近」にエニャさんが現れました。
エニャ > ふと音が聞こえた気がしてピクリと身を震わせた。
街道から少し離れた場所、落ち葉が吹き溜まり積もっている場所に身を丸め
寒さから身を守っていた少女はゆっくりと顔を上げる。
遠目に見える街道で蹲る人影に小さく息をのみ…恐る恐る近づいていく。
なんだかとても焦っているような、追われているような雰囲気があって
少しだけ同じような身の上の気がして…

「…----、---?(大丈夫、ですか?)」

小さく掠れた声でその人影に声をかける。
相手が聞き取れるかはわからないけれど…
同時に少し遠くに松明を掲げこちらに急ぐ人影があることに気が付きはっと身を固くした。

イア > 小さな声が、聞こえた気がした。
両手を地面につけて身を起こし、そして顔を上げると、白髪が見えた。
薄汚れた身なりに、首枷の跡。
ひと目で、そうだとわかった。
同じような境遇、だから。

「……あ」

声を掛けようとして、少女が身を固くしたのに気付く。
視線を巡らせれば、ほんの少し遠くに松明の明かりと人影が見えて。
咄嗟に少女の手をとった。

「逃げよう」

そう言って街道から外れるように木々の茂る方へと少しの早足で進んでいこうと。

エニャ > 「…ぁ」

手をひかれるままに森の中へと進んでいく二人。
幸いにも鬱蒼とした森の中には月明かりが届きにくく、少年の姿は闇に紛れる。
けれど白い髪と服は時折零れ落ちる星明りをよく映してしまって…
それに気が付くとハッとした表情になり一瞬手を振り払いそうになる。
そのまま左右に視線を巡らせると…

「…ぅ」

先ほどまで自分が横になっていた吹き溜まりを指さす。
そこは街道側からは陰になっていて、逆にこちらからは街道がよく見える場所。
二人とも小さくなって潜り込めば目につきにくい…かもしれない。