2016/10/06 のログ
ご案内:「沐浴の泉」にアニエスさんが現れました。
■アニエス > 空には銀色に輝く鋭い弓月、昼間の熱気を洗い流す、濃密な夜気が纏いつく深夜。
ヤルダバオートの街の外れ、鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた、
真冬にも滾々と、清水の沸き起こる清らなる泉。
その畔へ普段身につけているものを全て脱ぎ去り、一糸纏わぬ裸身を
薄い白絹の簡素なローブ一枚で覆って、ひそりと素足の足先を泉へ浸す。
「―――――、っ……」
冷たい、けれどこの冷たさこそが、今、この身に必要なもの。
身体の裡に絶えず蟠っている不穏な熱を、どうしても冷まさねばならない。
微かな水音を連れて、足先から踵、踝から脹脛、膝、太腿。
ローブを強かに濡らし、ごく淡い月明かりに蒼白い肌を透かしながら、
鳩尾から下を全て透明な水に浸し、その鳩尾辺りで両手を緩く組み合わせる。
俯いた面は未だ硬く、緊張を孕むままに。
細く押し殺した吐息を、ゆっくりと、静かに空へ逃がして、
――――冷水に弄られ、却ってあらぬ熱を溜め込みそうになる肌の震えを、
どうにかして宥めてしまおうと。
ご案内:「沐浴の泉」にユウキさんが現れました。
■アニエス > 刺激に満ちた冷感が心地良い、に変化して、安堵しかけたのも束の間。
水の中でしっとりと纏いつく薄絹の下で、下腹に蟠る熱が不意に昂ぶり始める。
ずきん、ずきん、鼓動めいた断続的な疼きに濡れた肉壺が痙攣し、
満たしてくれるものを求めて熱い蜜を滴らせているのが解る。
触れてはいけない、と思いながら、ひたりと水面へ沈む指先。
薄絹の上からなだらかな恥丘を滑り、粘つく熱感を爪先に絡ませながら、
―――ゆるり、秘裂の奥へと布地ごと忍び入る。
嗚呼―――と洩らした吐息交じりの甘声が、ざわめく木々の枝葉を揺らした。
今、誰かに見られでもしたら―――破滅だと、頭の何処かで感じていながら。
■ユウキ > 何故か、といえばたまたま、木々の間を縫うように歩いていて、美しく月を映す泉を見つけたのは。
こんな夜に街の外を出歩いているのも、所謂逃亡者たる自分の所為。
ヤルダバオートで宿をとるはずが、賞金稼ぎの一団を見つけ、念のためと街を後にしたのだ。
「少し……休もうか……」
狙われる身というのは心地良いものではない。
普通に歩いていても、普段の倍以上に神経を使うし汗もかく、喉も渇く。
偶然見つけた泉に少し表情を緩め、此処で一息つこうと思ったのも束の間、水面に浮かぶ女性の姿に一気に顔を赤らめ。
「ぁ、し、失礼……!覗きとかではないのです!本当に、たまたま……!」
と、咄嗟に女性へと背を向け、その場から立ち去ることもできずにまるで自分に言い聞かせるような調子で声を発し、偶然とはいえ覗きまがいのことをしてしまった自分を恥じ。
(/ありがとうございます、それでは改めてよろしくお願いしますね
■アニエス > 不意に何処か、とても近くで、乾いた音が響いた。
野放図に伸びる枝葉の、細いひと筋が誰かの身体に押され、
ぱきりと折れたかのような音。
反射的に強張った指先は秘部の泥濘へ深く沈んでしまい、
危うく上がりそうになった声を堪えて息を乱しながら、肩越しに
音のした方を振り返って―――暗がりの中、浮かぶ影を凝視する。
「―――――いえ、いいえ、……私の、方こそ、失礼、致しました」
どうやら、こどものように見える。
恐らくは10代後半なのだろうが、ちょうど、己の産んだ子が生きていれば、
このぐらいであろう、と思われる年頃。
異性であると認識するより先に、こどもだ、と思ってしまうのは致し方無く。
震える声で何とか、そんな台詞を返しつつ、脱いだ衣服の在り処へ目を向けた。
彼の直ぐ左手へきちんと畳み置かれた、漆黒の修道衣が見える。
それを拾うには勿論、今以上に彼に近づかねばならず、何よりも、水から
上がらねばならなかったが、いつまでも、こうしている訳にもいくまい。
「あの、……もう暫く、そうしていて、頂けますか?」
今、上がりますので、と。
とにかくこの、裸身に近い状態を改めるべく、水の中で一歩、岸辺へ歩を進めて。