2016/09/11 のログ
デリア > 誰かと共に風呂に入るなど、考えてみれば初めての経験かもしれない。
村で暮らしていた頃は、湯を沸かすことなんてほとんどなく、水浴びで済ませることが多かった。
風呂という概念が無かったわけではなかったが、あまり一般的ではなかったのもある。
そのせいか、彼女にもどこか風呂というのは、しかも誰かと入るのは新鮮な気持ちだった。

「ふぅ、いい具合だ。丁寧で、心地が良い……」

戦士として考えれば背中をそうやすやすと他人に預けるべきではない。
ただ、彼女の中で少年に限っては、既に信頼を置いている。
背中を預けるどころか、すっかりリラックスすらしていて。
少年の気持ちが伝わってくるような、丁寧な洗い方に、思わず気の抜けた吐息が漏れてしまい。

レン・レイト > 「本当ですか?…ふふ、よかった」

戦士として逞しく引き締まっていながら、女性としての美しさを損なわない背中に少し見惚れながらも、一生懸命に磨く様に洗っていく。
背中を預けてもらえるのも…気の抜けた息が出るのも、自分に信頼を置いてくれている気がして、そしてリラックスしてくれているのが分かってうれしくって。

湯船からお湯を汲んで、泡をしっかり洗い流せば一通り背中を流し終わるだろう。
そうすると、次は自分の番になるのかと考えて、少し、恥ずかしく…また緊張もしてしまうだろう。

デリア > 穏やかな一時ではあるのだが、自分の村で起きた一件が無ければ味わうこともできなかった経験かと思うと、少し複雑な心境になってしまう。
しかし、くよくよと過去を悔やむ性格ではない。これからできることをするだけだ。
そして、自分を助けてくれる相手は多い方がいい。

「今度は私の番だな、髪も一緒に洗ってやる。土だからけだからな」

自分がふき飛ばしてしまったせいもあって、少年の髪は土だらけだ。
少し力を入れるだけで折れてしまいそうなまでに細い少年の体を丁寧に洗ってやり。
そこから泡立てた洗剤で少年の髪を洗いはじめると、自然と大きな胸が少年の背中に押し当てられ。

レン・レイト > 「お、お願いします」

ただ、背中を流してもらうだけなのにひどく緊張して体をこわばらせてしまう少年。
それでも、彼女の力強いながら優しく、丁寧な手に背中の筋肉を解されるように洗って貰えば、それはそれは心地よくって。
先ほどの彼女以上に、小さな吐息を何度も零せば、緊張も緩み、恍惚とした表情でリラックスできて。

髪を洗って貰えば、神に触れる手の感触がまた気持ちよくって眠ってしまいそうなほどだったが…ふと背中に触れた柔らかく確かな重みを感じる感触に

「…………ッ!?」

泡が入らないように目を瞑ったままだったがしっかり目が覚めた。

「あ、あの、先生…!あた、あたってます…!」

背中に当たる感触に気づいた少年。
手を振りながら、それはそれは慌てた様子。

デリア > 少年の体を洗っているうちに、やはりそれなりに筋肉はついているのだなと関心もして。
つい、あの力がこの体から出ているのかと気になってしまい、半ばマッサージのように少年の体を揉み解すように触ってしまい。

「なに、気にするな。お前も男子だろう?喜んでおけ」

村にいた頃の男と言う生き物はやたらとがっついていたのを思い出し、それも自然の中で生きているせいかと考え。
その点、少年の初々しい反応にクスッと笑みを溢してやめることもなく頭を洗い続け。桶に汲んだお湯で泡を流し、「終わったぞ」と、ようやく体を離してやり。

レン・レイト > 「…ん、くぅっ…んっ……」

マッサージするように解されればついつい、変な声がこぼれてしまう。
だって凄く心地よいのだから仕方がない。
ただ、たまに女の子みたいな声が出てしまうのはすこし恥ずかしくって。

「そ、そんなこといわれても…!」

わたわたと狼狽していたが、そういわれれば観念して、顔を真っ赤にしながらも、ぐっとうつむいて髪を洗うに任せていたが。
心地いはずのそれも背中を意識しすぎて全く分からず、身体もまた強張っていただろう。
そしてようやく泡を流してもらえれば、ありがとうございますと礼を言って。

別の意味で少しのぼせてしまったが、落ち着こうと、また、いったん湯船に肩までつかりに入るだろう。

デリア > 幼い顔立ちと言うこともあって、可愛らしい声が漏れてくるのを聞けば、母性本能がくすぐられるというか、なんというか
ただ、恥かしそうにしている少年に、口に出すのは失礼だろうと何も言わず。

「お前は……家族はいるのか?ダイラスの近郊に住んでいるわけではないと言っていたが……」

同じく湯船に浸かりながら、夜空を見上げつつ、そんなことを問いかけてみる。
正直、あそこまでの腕前の少年に自分が教えることはもう何も無いのではとも思っており。

レン・レイト > 「ついこの間まではいませんでした。ずっと一人で生きてきました。…でも、今は家族が…姉となってくれた人がいます」

そういえば、少年は先生に彼の過去を離し始めるだろう。
変な話をするが、大丈夫か?と前置きをして、彼女が了承してくれればだが。

本当に幼いころに母を失い、その後すぐ父が魔族と契約し、母を復活させようとしたこと。
それが失敗し、父は死に自分は魔族に”百死の呪い”を掛けられたこと。
以来人々に迫害されずっと一人で生きていたこと。
吸血鬼に家畜同然に買われ、変態には死なない玩具として弄ばれたこと。
人格破綻者ではあるが師に師事し、武を教わったが結局捨てられたこと。

信頼できる相手にだからこそ話したが、過去のことを話していると、最初は拳が震え、しまいには全身が震えだした。
彼のような年場もいかぬ少年が追うには重く、辛すぎる過去を思い出して。
でも…今は姉が、そして先生がいるから、それでもしっかり話す区とができた。

彼女は教えることがないと思うだろうが、実践ならば少年は死んでいた。
まず最初に腹を真っ二つにされたであろうし、過去にのまれ暴走したときも、彼女であればさばき切り、隙を突き少年を倒せたはずだ。

技術を身に着けてはいても、まだまだ荒いのだ。

デリア > 少年の素性を聞いたのは自分だが、いざ聞いてしまうと話させたのが申し訳なくなるような内容。
だが、それを下手に慰めるようなことはしなかった。
解ったようなフリをされて、自分の生きてきた姿を一言二言で済まされる方がよほど辛いだろうと知っているから。

「……壮絶な身の上だな。だが、それはお前だけの唯一無二の経験だ。その過去を、ただの忌むべき記憶として留めておくんじゃない。人は、熱した剣のようなものだ、その経験で自分を叩き、鍛えろ、そうすれば、切れ味鋭く、決して折れない、名刀になる。いいな?」

ただ、暗い過去を話させてしまっただけでは先生の名が廃る。
村を、一族を壊滅させられた自分が、こうして旅をして生きていられる心構えを、考えを少年に話し、優しくその頬を撫でながら諭すように微笑みかけ。

レン・レイト > 「はい!」

返答は短かった。だが、生成の教えをこの身に受け止めたという思いはこの上ないほどこもっていた。

先の掛かり稽古では、痛みと興奮により、自分の過去を思い出し…それに塗りつぶされてしまった。
それゆえに周りが全て的に見え、恐れ、憎み、怯えをぶつけるだけの存在となってしまった。
そして、こんなのも自分によくしてくれる先生を傷つけてしまった事。
そのことを猛省し、彼女の教えのとおり、それを鍛え、過去を克服し、自分の糧とするべきなのだ。
ぐっと、その瞳に灯がまた宿る。

ただ、優しく頬を撫でられれば…それが心地よいのと同時に、漸くできた家族と初めて離れたので、その温もりを思い出し少しホームシック気味になってしまい。
…そっと、縋るように、甘える様に彼女に肩を摺り寄せた。

デリア > 少年の元気な返事に、此方まで嬉しくなってしまう。
やはり、この少年の本質的な部分には闇や黒いものではなく、そういう前向きな、明るいものがあるのだろうと再認識させられる。
そして、少年はこれからその明るさを増していくのだろう。
我ながら、良い教え子を持ったものだ。

「そろそろ出よう、あまり長く湯に浸かるのも悪い」

あまりにも長く湯に入っていてのぼせてしまっては悪い。
最後にポンポンと少年の頭を撫でてやり、スッと立ち上がり備え付けのタオルで体を拭い。

レン・レイト > 自分に真摯に向き合い、しっかりと教えを諭してくれる彼女に、経緯と信愛を抱く。
しかり長湯が悪いと聞けば

「そうなんですか?…こんなに気持ちいいのに」

家でも長風呂しがちな少年、知った事実に若干ショックを受けつつも、頭撫でてもらい、目を細めて心地よさそうにしながら、彼女の後を続き、自分も出るだろう。

自分も身体を拭けば、ふと先生を見れば。
濡れて下した髪と、僅かに上気した肌が色っぽくて。
ただでさえ美人なのだからついどきりとしてしまって、慌てて服を着た。
多少慣れてきたとはいえ、やはり心臓に悪いので…なるべく彼女見るときは顔しか見ないようにするのだが……欲を言えば、やはり服を着てくれると助かるなぁ、なんて思ったり。
しかし、それは彼女の一族のポリシーからすれば、侮辱に当たるのかもしれないから、決して口にはせず、自分が努力しようと心で誓う。

デリア > 残念そうな少年を見て、あまり長風呂をさせるのも気が引けるため、また一緒にこの宿に泊まってやろうと思い、1人笑みを浮かべ。
風呂から上がり、濡れた体を拭いはしたものの、汗が浮かべばまた体が濡れてしまう。
ほどほどに体を冷やすのも彼女には必要なことだった。

「さて……私は少し夜風に当たってくる。お前は休んでいていい、疲れたろうからな」

と、今日の出来事を思い出し、少年も疲れているだろうと心配し。
家族がいるとはいっても、夜の中を返すわけにもいかない。
せめて、夜が明けるまでは宿にいるように忠告をし、自らは体を冷ますために部屋を出て宿から通りへと向かい。

ご案内:「設定自由部屋」からデリアさんが去りました。
レン・レイト > …そういうのであれば、怪我をしている彼女のほうが心配だったが。
適度に体を覚ましたいのだといわれれば、少年も渋々承諾して。
先に眠る準備をするだろう。

それでも、長いこと孤独を過ごしてきた少年でも、やはり一人は恐ろしく、落ち着かないので。
横になり、眠る努力をしながらも、一応彼女の戻るまでは起きていたのだろう。