2016/06/18 のログ
ご案内:「裏闘技場」にハナビさんが現れました。
ハナビ > ここは神聖帝国の地下にある地下闘技場。中規模のコロシアムには様々な人間が居座っている。
神父に聖女、商人に貴族。金のある人はストレス発散の刺激を求めて客に回る。そこには高貴さなど必要なく、肩を張る必要もなく、遊ぶにはちょうどいい場所だった。
今、ハナビがエントリーしているのは【賭け試合】
所謂、店vs客のギャンブルではなく、自身を担保にして相手と戦い、勝てば賞金と対戦相手を自由にできる権利が与えられるというものだ。
最も、裏では客席でどっちが勝つかというギャンブルも並行して行われるが…当人にとっては関係ない。勝てば天国負ければ地獄。そういう勝負の中に彼女はいた。

ルールは簡単。
1:種族は問わない。魔物でも魔獣でも構わない
2:手段は問わない。剣、魔法、道具、なんでも使って良い。
3:過程は問わない。対戦相手を気絶させるか、降参させれば勝ち。

勝者には賭け金の総額の何%かの賞金と、対戦相手を一日自由にしていい権利が与えられる。公開陵辱するもよし、持ち帰って好きに調教するもよし、一日中召使させるもよしだ。


「…ふぅ。そろそろかな」
プロテクターのついたジャケットと肌にぴったりついたアンダースーツ。スパッツは股座にぴったりと吸い付いてボディラインをハッキリと表している。白い髪から生えた耳を動かし、尻尾をふらふらと左右に揺らして、出番を待っている。
二色の瞳からは狂気は感じさせず、むしろ戦いが行われるのを楽しみにしてるように見えていた。

ご案内:「裏闘技場」にアルバトロスさんが現れました。
アルバトロス > 「………。」

闘技場の舞台入口の暗闇から、一定の間隔で金属の音が響いていく。
そして、緩やかに闘技場へと姿を現したのは黒い鎧に全身を包みこんだ男。たまたまやってきた帝国の酒場で、
たまたま噂を聞いた男はそのままの足で闘技場にまでやってきたのだった。

「………お前か。」

仕合に参加する時には相手は知らされなかった。待ちかまえていた女の姿を確認し、男は呟きを漏らした。
だが、話をするつもりはなく剣を抜いて切っ先を突きつける。

ハナビ > 「……よし、やっと出番!」

ぐっ、と気合を入れて、開かれる柵をくぐり闘技場に入る。
湧き上がる歓声の中、見えた相手はいつか遺跡で共に戦った者。

「…ん? あれ、アルバ?」
かくん、と首をかしげるも相手がそうと分かりしかも剣を抜かれれば小さく口角をあげる。

「…ふーん、アルバもこういうの出るんだ…それなら、全力で行くよ…!」
ハナビは、以前遺跡でであったときとは相当雰囲気が変わっている。
幼さ、あどけなさはそのままに淫気…ともいうべき魔力が元からあった魔力と半々に混ざり合い、右目は黄色く輝いて肌も小麦色に焼いたように薄褐色に染まっている。
トレードマークの白毛こそそのままだが、帯びる魔力は薄紫の物。

「それじゃ、勝負…だよっ!」

ゴングがなり、歓声が一際大きく響く。その歓声を受けながら踏み出し、覇気を四肢に纏って斬撃に対する防具、そして物理攻撃を強化する武器となるオーラを纏って牽制の飛び込み突きから、回し蹴りを2段と振り回していく。

アルバトロス > 「………酒場でただ酒を飲んでいるよりかはマシだろうとな。」

此処に来た理由など、戦うためというものしか男には無い。
それが必要になるまで酒場で酒を飲んでいるだけよりも幾分かマシだっただけのこと。
突き付けた剣を構え直し、女を見据える。いつだったか出会った時から印象が変わっているのは気付いたが、
だから何と特に言うこともなく。

「………俺を満たしてみろ。」

噴き出すような女の魔力に動じることもなく男は前へ出る。
飛び込みからの突きを盾で受けるが、どうやら強化されている一撃らしく盾がへこみ、
直後の回し蹴りであっと言う間に使い物にならなくなる。
後ろへと一歩後退し、駄目になった盾を投げつけると同時に女へと斬りかかる。

ハナビ > 「あはっ、それは言えてるかも♪」

体重を乗せた一撃は盾を粉砕するも、本体にダメージを与えるには至らない。軸足を回し相手の剣の切りつける向きに逆らわないように体を回して、ちょうど水を受ける水車のように攻撃を受け流す。
しかし、相手は山賊でも一般兵士でもない歴戦の冒険者。
いかに体を硬質化させる気といえども一流剣士の振るう剣を真正面から受け止められるわけではない。アンダースーツが裂け、鮮血がうっすらと滲む。

「つぅ……ゴーレムに殴られても平気なくらい覇気練ってるんだけどなぁ…前より強くなったんじゃない?」

間合いを離すわけにはいかず、前髪が触れ合うほど接近して剣のさらに内側の間合いに入り込もうと肩を押し込んでいく

アルバトロス > 「………酒を飲んでいる方がマシだったと、俺に思わせるなよ。」

情け容赦無く、それこそ殺意を込めたかのように振り下ろした剣は女の身体に食い込むことはなく受け流される。
やや予想よりも硬い手応えを感じたが、女のアンダースーツが裂けて血が滲んでいるのを見ると、大きな問題ではないと男は判断した。

「………ただ、死にそびれただけだ。お前こそ、知らない間に様変わりしたか。」

どうやら女は自分が知らないものを使っているらしいと男は理解する。
剣よりも内側の間合いへ入り込もうとする女の言葉に、男はただ死にそこなっただけだと答える。
そして、その女の腹部へと躊躇なく膝蹴りをお見舞いしようと足を上げた。

ハナビ > 「いろいろあったんだよ。あまり思い出せないで…」

試合どころじゃなくなっちゃうから、と小声でつぶやいてからぷぅ、と頬を膨らませながら伸びてきた膝に手を添えて、ぐっと力を込める。
手をクッション代わりにして膝の皿を足場のように扱い、伸び上がる勢いを利用して逆立ちのような上蹴りをアルバトロスの下顎めがけて放つ。覇気を足に溜めてまるで鉄棍のような蹴り。真正面からぶつかれば大男の顎骨すら砕く威力があるだろう。

「ここはボクの間合いだ…肉弾戦じゃ負けないよっ…!」

アルバトロス > 「………そうか。」

小声で呟いた後で頬を膨らませる女に、それ以上追及するつもりもない男は短い言葉を返した。
女の腹部へと繰り出した膝蹴りは、その手に阻まれる。ならば、殴りつけてやろうと空いている手を握り締めたところで、
此方の膝を利用した女がアクロバティックな動きで蹴りを繰り出してきた。

「ぐ、ッ!!」

下顎から脳天を綺麗に撃ち抜くような蹴りの衝撃と同時、骨が軋み砕ける音を聞いた。
兜が弾き飛び、そのまま仰け反るように倒れかけた男は

「………がァ!!」

獣のような叫びと共に、女へと悪あがきをするように拳を振るった