2016/06/08 のログ
■レイカ > 「組織とは本来そういうものです。……一人で何でもできるわけではないので。」
だからこその役割分担、私はこの班分けというシステムはとてもいいと思っている。
戦えないものは後方支援に回り、戦えるものは家を護る。
私も本来は家を護る側だろう、戦える力があるから。
だけど、それを一度捨ててしまった私は、今は戦える力がないのだ…。
「それをいうなら、私も知らないヤツでしょ…。まさか、一度会ったくらいで私の全てを知り尽くした、とでも?」
若干睨みつけながら、私はそう答えた。―――その迫力に、ミレー族の子が少し後ずさりして逃げていく。
ただ―――どうやら何かあったらしい。中央街がにわかに騒ぎになり始めた。
それならちょうどいい、本気でこの男と話し合いが出来る。
「…ええ、解りますとも。用は…私の力を当てにしているのでしょう?
…遺跡はとても入り組んでいて、いつなにが起きるのかわかったものではない。だからこそ、バックアップが欲しい、と。」
戦術的なことならば、私にも知恵がある。
陣形、配置、そのあたりのことは昔取った杵柄とでも言おうか。
だが、だからといってこの男と一緒にいくのはどうしても気がひける。
…ミレー族を人質に、私を犯したこの男とは……。
「……助けたくないはずないでしょう?…ですが、出来ないから私はいかないというんです。」
囁きに、私は少語尾を強めて言い放った。
出来るならば助けてあげたくはある。だが―――それをするのは私の役目ではない。
私はただ、後方にて彼らが攻めて無事であることを祈るだけだ。
■フォーク > 「そりゃ全てを知り尽くしたわけじゃないさ。でも、身体能力とか頑丈さはわかるぜ」
あれだけ肉の交わりをしたのだ。相手の細かい筋や身体の柔らかさはおおよその推測がつく。
そして先ほどの蹴りの威力。本気ではないにしろ、相当なものだった。
魔術の有無はよくわからないが、エルフで魔法が全然できないって話はちょっと聞いたことがない。
弓を装備していることから、遠距離での攻撃ができることもわかる。
相手の格好や、身のこなし、動きから実力を測るのも、いくさ人にとって必要な要素なのだ。
何か向こうで騒ぎが起きたらしい。
これで少しは腹を割って少女と話せそうだ。
「当てにしてるよ。お前は俺にできないことが、いっぱいできるからな」
ここで偽りを言っても仕方がないことだ。本音でぶつかった方がスムーズに行くこともある。
それにここに来て間もない男には、土地鑑がない。そういった面からも一人で動くのは嫌だった。
「なぜ、できないんだ?」
少女に気圧される男ではない。できないというのなら、その理由を問う。
少なくとも自分よりも、少女の方が助けたい想いが強いだろうに、と男は思った。
■レイカ > 「……あの後、私がどれだけ寝込んだかわかってるんですか?
まったく……約束だったとはいえ、孔と言う孔を犯し尽くして、よくそんなに馴れ馴れしくできますね?
いっておきますが、私は貴方とは親しい関係ではありません。…いいですね?」
だから、私に頼むのはお門違いというものだ。
私は彼に協力するつもりはないし、信頼するつもりも、力を貸すつもりもない。
たとえ彼が私の力を信用しているとしても、私は彼に力を貸すつもりはなかった。
たとえ、見殺しにするのかといわれても、既に希望が持てないならばそれは当てはまらない。
私は、理想を追いかけることは辞めたのだ。
「そうですね、出来ないことができるならば、私の力も必要でしょう。
ですが、私は貴方を信用していません。…それが全てです。
そして、協力しないなら私の秘密をばらすと言うならば…この場で貴方の瞳をつぶします。いいですね?」
彼が本音で繰るなら、私も本音をストレートにぶつけよう。
私の弱みを知っている彼だ、協力しなければ―――と言い出すかもしれない。
だからこそ、私は先手を打った。話さないならばこの場で眼を潰すと。
「……貴方には関係のないことです。」
何故出来ないのか。そんなことを彼にいうつもりはない。
勿論助けたい、助けたいけど―――心のどこかで、私は既に諦めている。
『もう手遅れだろう…』と。
■フォーク > 「なんだ、あの事を怒っているのか」
当たり前か、と男は太い腕を組む。
それが原因で手を貸せないと言っているのなら、しょうがない。
行方不明になった人たちはあくまで他人。自尊心と比べれば軽くなるのは致し方ない。
「俺の目ん玉潰して気が晴れるなら試してみりゃいいが……
取引は済んだだろ。どうして俺があの場所のことを話すと思った?」
少女は男との取引に応じた。そしてそれは成立した。
取引が成立したということは、それはすでに終わった話ということだ。
だから絶対に男は口外することはない。なぜなら、すでに代償は貰ったからだ。
「そりゃあ関係ねえが……面倒くせえもんだな、自分の意地も通せねえ生き方なんてよ」
少女が何を考えているか男にはわからない。
しかし男は手遅れとは考えていない。行方不明者が一人ならまだしも、複数ならまだ希望はある。
緊急時に力を合わせることの尊さと逞しさを、知っているからだ。
「捜索隊とは逆のルートで探してみる。その方が効率がいいからな」
男はそれだけ言うと、少女に背を向ける。
少女を責めはしない。自分にはわからない事情があるだろうと思ったからだ。
そして自分がなぜ損得考えずに行方不明者を捜索しようと考えたか。
それもまた意地なのだから。
■レイカ > 「…女を玩具にしておいて怒るなというのも無理な話だと思いますがね……。」
随分と責任感のない男だ…。傭兵だからこそ、七日も知れないが。
かつて傭兵を見たことはあるが、皆ぎらぎらしていてとてもではないが、一緒に行動していて気持ちいいとは思えなかった。
この男からも、私は同じような匂いを感じ取ってしまう。
「……貴方が言ったんでしょうが、口が軽いと…。」
だからこそ、信用ができないと言う話だった。
逸れに、冒険者ギルドは奴隷ギルドとの繋がりもある。―――おいそれと信用して、あの場所を危険に晒すわけにはいかない。
絶対に口外することがないというならば、その証が欲しかった…。
「通せるほどの意地は既に折られて………あら?」
彼が別ルートで捜索してみる、そういって背中を向けたときだった。
先ほどのミレー族の女の子が、大慌てでこっちへと戻ってくる。
眼には……大量の涙を浮かべて。ただ事ではないと、私は直感した―――。
「……どうかしたんですか?」
私は、率直にそのこに尋ねた。すると―――。
『死……死んでた……。みんな、皆死んでた……!
皆、陵辱されて、壊されて……皆、みんなぁぁぁぁぁ……!!』
おお泣きするその子の言葉を、私は目を見開き……そして、言葉を失った。
■フォーク > 「そういう取引だったもんな。お前さん、受けたんだろ?」
取引をしたあとで文句を言うのは無しだぜ、と男は頭を掻く。
それに『ミレー族のいる場所』という情報を、少女には買い取る金は持っていなかったはずだ。
だったら身体で払ってもらうしかないではないか。
「へへ、そんなに俺が信用できないっつんなら、四六時中着いて回ったらどうだい?」
男は口が軽い。軽いというよりも思ったことをすぐ口に出してしまうタイプなのだ。
しかし、取引はきちんと守る。それは傭兵だろうが冒険者だろうが、当たり前のこと。
「折れた意地なら、立て直せばいいだろ」
と、言っていたらミレー族の女の子が飛び込んできた。
どうやら行方不明の連中は、殺されたようだ。
少女は言葉も無いといった様子だった。
「ブーツはちゃんと山岳用の奴がいいな。薄い奴だと足が疲れるしよ」
などとブツブツ言う男。
世の中に、悪は山ほどいる。勿論、男も全ての悪を倒すつもりもないし、
自分だって見方を変えれば立派な悪だろう。
しかし、そんなことはどうでもいいのだ。
腹が立ったら、そいつをぶん殴る。
「殺った奴らの当てくらいはあるんだろ? 復讐に行こうぜ」
まるで食事にでも誘うかのようなノリだった。
どこだって戦場。傭兵という生き物は、どこか壊れている。
■レイカ > 「…限度というものが…いえ、今はよしましょう……。」
確かに、取引をした後で文句を言うのは、ただのクレーマーだ。
私は確かにあの時、自分の体と引き換えにあの場所の秘密を買った。
此れに関しては、彼のほうが正しい。だが、今はそんなことはどうでもいい…。
「……落ち着いて、話してください。…どういうことですか?
皆が死んでいた、というのはどういうことですか……?どういう状況で、どこの誰が…誰が殺した……?」
私だって、怒りを覚える相手はいる。
誰だってそうだ。私だってエルフ、しかし大本は人間とほとんど変わりない。
……許せなかった。ただ、それだけだった。
『わかんない……。ただ、組合長さんが……そういってた…。』
そのこの話によると、組合長の部屋の窓に一通の手紙が置かれていたらしい。
それによると、遺跡の地底湖で、複数のミレー族が快楽により壊され、そして死んでいったらしい。
―――しかし、その手紙がいつ、誰の手によっておかれたものなのかは不明だった。
だが、この集落の奥。軍事施設に入るために必要な身分証が同封されていたので、情報は確かだろう、という判断だった。
「遺跡の地底湖……か。解った……。聞いてのとおりです…。」
快楽による死亡ならば、相手はおそらく魔族。
遺跡を根城にしている魔族に、彼らは殺されたのだろう。
私は怒りをあらわにしながら、後ろにいる男へと言い放った。
■フォーク > 手紙の主も気にかかる。
が、遺跡の地底湖とやらに行ってみなければ、事の真意ははっきりとしないだろう。
男の背筋から後れ毛にかけて冷たい悪寒が走った。
この悪寒が出た時はいつもそうだ。今回も命がけの大いくさになることだろう。
「随分とすっきりとした顔になったじゃねえか」
先ほどとは打って変わって、少女の顔から影が抜けている。
迷いが無くなったからだろうか。それとも強い怒りが迷いを凌駕したか。
どちらにせよ、心強い。
「連れてけや、俺は全く場所がわからん」
少女の尻を、ポンと叩いた。
■レイカ > 「…………。」
お尻を触られても、私はなんら感情を出すことはなかった。
あまりの怒りに、私は既に腸が煮えくり返る気持ちだ。
……迷いだとか、そういうのは一切感じなかった。
いや、それはさっきもなんら変わらない。私は護るための戦いがしたい。
手紙の主が何を考えたのかはわからないが、何かしらの情報を盛ってるのは事実。
だとしたら―――私のとる行動は一つだ。
「復習は貴方に任せます。…私は手紙の主を探します。
復習する相手がわからない以上、無闇に特攻して疲労するのは目に見えてますからね…。」
此れが役割分担だ。彼よりも小回りが利く私の体は、そのためでもある。
私は、傍らで泣いているミレー族の子に、彼を無名遺跡まで案内するように頼んだ…。
「……先ほど、言いましたね。何故出来ないのかと…。
…情報がまったくないから、ですよ。漠然と無名遺跡で行方不明になったといっても、あの遺跡は広い。
だからこそ、確実な情報が出るまで動くのは得策ではない。…そう考えたからですよ。」
私は、彼にそう言い放ち、集落の奥へと向かう。
まずは組合長に会い、手紙を見せてもらわなければ。
■フォーク > 「ああ、わかったよ」
とりあえず遺跡の地底湖まで行って、でてきた奴をぶっ飛ばす。
それで蹴りが付くと思っていたが、少女はまた別の思惑があるようだ。
それに関しては特に思うことはない。
情報が届くまで留まっておくという考えは「拙速は巧遅に勝る」主義の男には難しい話なのだ。
「おっと、レイカ」
どこかに向かおうとする少女に、男は声をかけた。初めて、名を呼んだ。
「帰ってきたら、飯でも食おうや」
それくらいいいだろ、と男はウインクを飛ばす。まったく懲りない悪びれない。
相手の同意を得るか得ないかはともかく、男は遺跡の地底湖に案内されたわけである。
そして、フォーク・ルースは勝った!!
■レイカ > 私の考えと、彼の考えはまったく違う。
私が甲だと思うものを彼に押し付けるつもりはナイし、先ほどのように平行線もあるだろう。
だけど―――ひとつだけ理解できたことがある彼もまた、人間だという事だ。
「……先に生きて帰れるかどうか保障してからにしてください。
帰ってきたら……マスターに美味しい肉料理でも作ってもらいましょう」
勿論貴方のおごりですからね、と言い残し―――足跡を立てて、私は集落のほうへと足を進めた。
話を聴き―――まず、探す人物が現れたことを確認すると、マスターへと手紙を出す。
しばらくは帰れないので、後のことをよろしくお願いします、と。
ご案内:「ドラゴンフィート 居住区」からフォークさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンフィート 居住区」からレイカさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンフィート観光地区」にクライブさんが現れました。
■クライブ > 「そんじゃまたな。次もよろしく頼むぜ」
面倒な仕事も終え今ではこの集落を拠点に魔物や野盗を狩る事で日銭を稼ぐ生活。
何度か買う間に顔馴染みとなった娼婦と別れ観光地区へと足を踏み出して骨を鳴らす様に背を伸ばす。
「さて、また討伐でも探すかそれとも……近場を回ってバカでも探すか」
昼で切り上げるつもりがすっかりと日の傾いた空を見上げ、今から魔物の討伐の仕事を探すか…それともここのミレー族に目を付けた奴隷商人でも狩るか決めかねながら先ずは飯でも食おうと店を眺めて歩く
■クライブ > 「…この店は確か…」
何軒か冷やかして歩き途中から匂いに引かれるように覗き込んだ店。
一度中を見てから店名を見れば着た初日に美味しいと教えてもらった店。
丁度良いのでここで食事にしようと暖簾をくぐり店にと入っていく。
ご案内:「ドラゴンフィート観光地区」からクライブさんが去りました。