2016/05/15 のログ
ご案内:「平民地区 とある寮の一室」にリリアさんが現れました。
ご案内:「平民地区 とある寮の一室」にテルヴェさんが現れました。
リリア > (――まぁ、家とは言ったが実質は寮である。こちらもふらりと気侭に旅をする冒険者だ。家を持っても別にいいが――管理がメイドでも雇わないと大変だ。その為に、それなりにサービスの良い寮を選んだ。平民地区の寮にしてはやや割高であるが・・・それでも部屋も広く、サービスも良い為気に入っている。)

さ、ここまで来たんですもの。入ってくださいまし。お茶くらいご馳走しましょう。

(かちゃり、と鍵を開きここまでエスコートしてくれた彼を部屋へ招き入れる。ここまで誘い出したのだ。今更彼を逃がすつもりもない。そして、部屋の内装はといえば――完全に、少女の趣味と思わしきゴスロリチックな部屋が広がる。吸血鬼のこだわりと思われる天蓋付きのベッド。美しい漆黒の机に、ソファ。それから赤い絨毯も引かれ、寮とは言うが貴族のお嬢様の部屋をそのまま小さくして、この寮に詰め込んだかのような部屋が広がるだろう。)

その辺りに腰掛けて待っていてくださいまし。今、お茶を入れますからね。

テルヴェ > エスコートとは名ばかり、ほとんどこの女性に手を引かれ誘われるようにしてやってきた、見知らぬ住居。

「は、はい。ぜひご馳走になりますっ…!」

それでもテルヴェ当人としては彼女を護って貧民街からここまで連れてきたつもりでいるので、お茶の1杯でも貰っていくのも吝かではなく……。
それ以上に、彼女の溢れんばかりの好意を無碍にすることがひどくためらわれた。

促されるがままにリリアさんの寮室に入り、小さな椅子にちょこんと腰掛けると、口を半開きにしながら部屋全体を見回している。
赤を基調とした色とりどりの調度、豪華な装飾。乙女の世界。テルヴェには無縁の世界であった。まるで絵本の中に迷い込んだような……。
それにしては赤と黒のコントラストは若干目に痛いが、貧民街にひとり足を運ぶ彼女の危なっかしさを表しているようにも感じれば、溜飲は下がる。
――ここに来てもなお、彼女が魔の者であることに気づく余地のないテルヴェであった。

鼻をひくひくとさせると、女性の生活臭がほんのりと感じられる。心がぽっと熱くなる。

リリア > (そして、彼を部屋に残し、自分は台所へ向かおう)

ふん、ふんふふ~ん

(なんて、上機嫌な鼻歌を歌いながらカップに紅茶を注ぐ。――ご馳走になる、と彼は言ったけれど、さて・・・ご馳走になるのは彼だけではなく、私も同様、なんだけどな。なんて、悪い考えを浮かばせて。そして、部屋を見渡しひくひくと匂いを嗅いだならばほんのりと甘い香りを感じるだろう。それはここにある吸血鬼の生活臭、というものもあるがそれ以上にここは吸血鬼が多くの日数を過ごした場所。ここには濃厚な吸血鬼の魔力が染み付いている。吸血鬼の意図する、意図しないに関わらず。本人は自分の魔力の香りであるが為、気にした様子はないが・・・外からの来訪者であるならば、その甘い香りは脳を蕩かすに値するかもしれない。特に――彼のように少女に好意を抱いてここに訪れたものであるならば。
そして、紅茶を作り終えれば彼の元へ戻り)

お待たせしました。お口に合うと良いですが。

(コトリ、と彼の目の前にカップを置いて、自分もその隣に腰掛けよう。あいにくとソファは一つしかないので、向い合せ、というのはちょっと出来ないのだ。まぁ、しかし・・・今回ソファが一つだけというのは都合が良かったかもしれない。こうして、彼と近くに座ることが出来たのだから。)

テルヴェ > 台所で奏でられるリリアさんの鼻歌、沸き立つお湯のメロディをBGMに、テルヴェは借りてきた猫の如くちぢこまりながら部屋を観察する。

……強烈な色彩と、鼻から脳へ染み込むような魔の香り。
先ほどリリアさんに耳元で話しかけられたときと同じく、再びテルヴェの思考には靄がかかり始める。

――この部屋で、リリアさんが暮らしている。いつも何時に起きて、どんな仕事をしてるんだろう。
――あのカーテン付きのベッドで、毎日眠っている。どんなカッコで眠ってるんだろう。
――お風呂もこの寮にあるのかな。お風呂から上がったあとのリリアさんはどんな匂いだろう。
――……そういえば、さっきリリアさんが買っていた「おもちゃ」、あれを彼女はどこで、どう使うんだろう。

妄想が加速し、口の端が吊り上がり、涎が垂れそうになる。
この部屋に入ってからというもの、リリアさんのこと以外を考えられなくなっていた。

そんなトリップ状態のテルヴェを紅茶の香りが包み、正気に戻す。

「へあっ……? あ、あっ、ありがとうございます! い、いただきます!」

いつの間にか茶を淹れ終え、隣に座り込んだリリアさん。テルヴェは首を振って妄想をはねのけ、そっとカップを持って茶を口に運ぶ。
紅茶の苦味と熱が、思考の靄を拭っていくような気がする……少なくともそれを期待した。

「お、美味しいですっ、リリアさんの紅茶。えへへっ、今まで飲んだ中で、一番おいしい!」

これは素直な感想だ。もちろん、女性の部屋に招かれて…というシチュエーション補正もあるだろうが。

リリア > (――強烈な色彩。彼はそう言うが・・・少女にしては最早なれたものだ。実家に帰っても自室はこんな感じだし、時々宿に泊まることはあるけれど、基本就寝するのはこの寮だ。もっとも・・・彼と少女の価値観の違い、なんて可能性も多いにあるが。)

あらあら、涎なんて垂らして。はしたないですよ。

(コトリ、と紅茶を置いた後涎を垂らした姿を見れば、紅茶を飲もうとする彼に待ったをかけた後、指を伸ばしその涎を掬おう。そのまま ちゅっ、と音を立てて指に付着した彼の涎を舐めとるだろう。)

ふふ、それは何よりでございました。私も愛情を込めた甲斐があるというものです。

(くすり、と満足そうに微笑む。こうして率直に好意をぶつけられるのも悪く無い。知り合いに少年愛をこじらせた魔族がいるが・・・彼女の気持ちも分かる気がする。確かに、緊張しながらも純粋な笑顔を向けられるのは良い気分だ。つい、頬が緩む。)

テルヴェ > 「……えっ? あ、ぼ、僕なんで涎なんか? リリアさんの部屋を汚したら大変……あっ……」

指摘されて咄嗟にカップを置き、口を拭おうとするが、それに先んじてリリアさんの指が伸び、唇の端を撫でる。
そして、己の唾液で濡れた指がリリアさんの紅い唇へと運ばれ、触れる……。

「ぁ……あ……」

その瞬間、テルヴェは自分自身がその唇に吸われた……いや、呑まれたような錯覚を覚えて、ぴくりと全身を戦慄かせた。
やや遅れてその全身が興奮に紅く染まる。

――この女性に会ってからの自分は、何かが変だ。おかしい。
違和感をようやく自分自身の理性で認識し始めるも、妄想は止まらず、思考はまとまらない。
意識を鮮明に保とうと、震える手で紅茶のカップに手を伸ばし、啜る。

「……そ、そうだ。リリアさん。リリアさんって、普段どんなお仕事を?
 それにその長いお耳……リリアさんって、エルフの方なんです?」

何を今更感が漂う質問を矢継ぎ早に飛ばすのも焦り故か。

リリア > ん、美味し・・・。

(ぼそり、とそんな感想を零す。元より体液を好む種族だ。血や精液、といったものを主食としているが・・・汗や涎、なんてものも好む。特にそれが純粋な少年少女のものであればそれは甘く、蕩けるような味だ。好ましい。ついうっかり、美味しい な感想を零してしまう程には。)

顔をそんなに紅くして・・・どうかなさいました?

(理由なんて容易に把握できる。さっきの、涎のせいだろう。だけど・・・あえて、彼に訪ねよう。その理由を正直に話すのは恥ずかしいだろうが・・・だからこそ、尋ねる。ねぇ、どうして顔を紅くしてしまったの?)

私、ですか?私一応冒険者をしております。ちょっと外に出かける時に通りがかかりについでに依頼をこなす程度ですけどね。

(そんなに積極的に動いている訳ではない。ただ、ふらっと依頼を受けて、ふらっと出かける程度の、気まぐれな冒険者であるが。・・・どちらかといえば旅行するついでに依頼をする、とかちょっと近く通るからついでに依頼していく、とかそんなレベルであるが。)

ふふ、耳が気になります? ――触っても、良いですよ?

(ぴょこぴょこ、と耳を揺らしながら誘惑するようにそう囁いた。)

テルヴェ > 「えっ? あ、いや、その……いきなり唇拭ってもらっちゃって、びっくりして……」

赤面の理由を質されれば、うつむき、途切れがちに答える。
顔を上げるとまた彼女の艶やかな唇が目に映り……そこに自分の唾液が吸い込まれた光景を思い返すと、さらに顔が火照るのを覚える。

リリアさんも冒険者であるという返答には一転、テルヴェの顔に無邪気な笑みが戻る。忙しい子である。

「へぇ、リリアさんも冒険者だったんですね! じゃあ同業者です!
 まぁ……僕はまだロクに稼げてないひよっこなんですけどね。フフッ。でも同じ仕事かぁ、嬉しいなぁ……」

にっこりと目を細めて微笑みながら、紅茶を飲み進めるテルヴェ。
冒険の頻度は人それぞれだろう、テルヴェもそれほど頻繁に王都の外へ出るわけではないし、最近はさらにインドア派になってしまった。
その点でも親近感を感じ、無性に嬉しくなるのであった。

「ん、耳……。そうですね。エルフの方はあまり見たことがありませんし。ちょっと気になって……。あっ、とてもかわいらしいと思いますっ!
 触ってよいとおっしゃるのであれば……その、是非いちど……」

触っても良いと言われれば、テルヴェはカップを置いて横に座る女性の姿を見、こくりと一つ唾を飲み込んだあと、そっと耳たぶに手を伸ばして触れる。

……長い耳の女性。別に見慣れないというわけではなかった。このような耳を持つ女性とは何人とも出会ってきた。
その出会いのことごとくが忘却の彼方で、テルヴェにはハッキリとは思い出せないが。
改めてこうして面と向かい、わざわざ耳を触らせてもらうという体験。テルヴェには何か引っかかることがあったが、その正体を確かめる気持ちもあって、あえて積極的に手を伸ばしてみた。

リリア > ふふ、ちょっと刺激的でしたか?

(初心な姿を見せる彼にくすくすと笑みを浮かばせながらその反応を愉しむ。やはり、幼い外見から察せられる通りまだまだ性経験については初心なようだ。唾液を吸うだけでこんなに良い反応を見せてくれるなんて。――もっと辱めて、良い反応を引き出したい。吸血鬼の献身はそろそろ嗜虐嗜好を覗かせつつある。)

ふふ、ではいつかご一緒できる日を楽しみにしておりますね。

(とは言うが、基本この吸血鬼は一人・・・ソロで動く。誰かと組んで動くことは稀であるし、まだまだ彼と吸血鬼の力量の差は大きく見える。果たして彼が少女の隣に立つ日がくるのかどうか。それはまだわからない話である。)

ふふ、そろそろ口が達者になってまいりましたね。

(すかさず可愛い、と褒め言葉を発す少年に、満更でもなさそうに微笑み、そっとその頭を一度撫でてやろう。そして、どうぞ と彼が触れやすい位置に頭を下げてその耳に触れる許可を出そう。そのまま耳朶に触れれば)

んっ・・・!

(と、くすぐったいのかどこか色気のある甘い声を出そう。ぴく、ぴくんっ、と小刻みに耳を動かしながら彼の手に少しだけ、委ね)

――では、私の方も貴方の耳 頂きますからね・・・。

(そして、彼が自分の耳を満足いくまで触れれば今度は自分も、と彼の耳に顔を近づけて)

はむっ、

(と、唇で彼の耳朶を食んだ。むにむに、と美味しそうに彼の耳朶を甘噛みし、悪戯するようにして。

――この、甘噛みをスタート地点として吸血鬼はいよいよ少年の 食事 を開始する。甘やかし、蕩かせ、愛を送りつけ。そうして、優しく接してきた彼であるが、その全ては最後に美味しくいただく為の布石。愛を送り続け、自分に夢中にさせ肥え太らせた相手を、ついにその牙にかける。やがて、きっと少年はこのお姫様のような部屋で、ベッドで彼に先程購入したオナホールで精を絞られ、涙さえも愛おしそうに舐め取られることだろう。

――そうして、全てが終わった朝。気がつけば平民地区のなんでもない宿の一室にて少年は目覚めるだろう。全ては夢であったかのように。それを証明するかのように、吸血鬼の家についてからの記憶が曖昧になってしまっているだろう。しかし・・・首筋や肌に残った口づけの痕に、残されたオナホール。その二つが 夢ではなかった ことを確認できるものとなるだろう。 ――また大きくなっていい男になったらいらっしゃい。 そんな言葉が、最後少年の耳に残るだろうか。)

ご案内:「平民地区 とある寮の一室」からリリアさんが去りました。
テルヴェ > ――実のところ、リリアさんに最初に魅了の魔力を送られてから、すでにテルヴェの正気は蝕まれていた。
夢心地のままにオナホをプレゼントされ、彼女の家へと導かれ、茶を頂き、会話の流れの中で互いの顔が接近し……。その後のことは、夢心地にしてもひどく記憶が混濁していた。

「……………」

リリアさんの部屋とも、普段の宿の自室とも違う部屋で目覚めたテルヴェは、ぼんやりと壁を見つめている。
ぬめりの残っているオナホ、吸い跡だらけの全身、そして、ピアス穴を開けたように小さな穴が穿たれた耳たぶ。
夢で見たと思っていた光景が夢ではないという証拠だが、それでも、テルヴェにはその事実を受け止められずにいた。

「………リリアさん……」

すべてを疑い出すと、そもそも、リリアさんという女性の存在すら定かではなくなってくる。
しかし、貧民街で出会った時の、肩に触れた温もり。握った手のすべやかさ。紅茶の味。『素直な君が好き』と言ってくれた、優しい声。
それさえも嘘になるとすれば、それはテルヴェには耐えられない経験であった。

いくら記憶を整理しようとしても、思い出せない領域はいつまでも思い出せず、それ以前の記憶はまるで粘土細工のように曖昧だ。
魔の力による記憶改ざんに抗うすべをテルヴェは持たない。
結局、かろうじて覚えている『会ってから、家まで護衛するまでの間』の記憶だけを持っておくことにし、自らへのピリオドとした。

それだけでも、リリアさんという素敵な女性との、大事なひとときの記憶だから。

ご案内:「平民地区 とある寮の一室」からテルヴェさんが去りました。