2015/12/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈の麓にある宿」にヴィクトールさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈の麓にある宿」にシャロンさんが現れました。
■ヴィクトール > 突貫作業で拵えられた防壁と堀、そして櫓。
まるで戦場に忽然と現れた前線基地の様な佇まいの場所。
少女と共に貴族の父娘を連れてくると、そこにいた男達が一斉に寄ってくる。
一緒に現れた怜悧そうな男に一言二言告げると、手際よく二人は暖かな建物の中へと誘われて行く。
「大丈夫だ、今後の生活についてとか、住む場所とか話すんだろ。あと治療も安心していいぜ、王都にいた医者をここに連れ込んでたらしいからよ」
万全の体制で二人を迎え入れるのを約束すると、俺らはこっちだと奥側の方へと誘っていく。
市場を思わせる屋台状の店が幾つも作られており、その内活気が湧くであろう前準備が伺えるはず。
そんな場所を通り過ぎ、一際賑わいのある一角へと向かった。
娼婦宿…なのだが、どちらかといえば普通の宿のように見えるだろう。
中に入り、酒場のカウンターに幾つか声をかければすんなりと2階へ。
ところどころから男女の営みが激しく響く中、窓のある角の部屋へと向かえば、そこの戸を開いた。
娼婦宿の割にしっかりとした内装に、ぴしっとしたシーツがはってあったりと、真面目な少女には気持ちのいい部屋かもしれない。
部屋に誘い、扉を閉めるやいなや、するりとその体を抱き寄せる。
「シャロンみてぇな女が嫁ねぇ……いいな、自慢の女になりそうだ」
気立ても良さそうだし、まだ青いが少しすればそこらの女では太刀打ち出来ぬ整いになるだろう。
そんな予測を浮かべながらにやりと笑い、後ろから抱きよせた状態で、擽るように囁く。
■シャロン > そこは山奥の割に賑わっていた。
簡素な作りの城塞のような、避難民達の隠れ里。その入口に少女はいた。
男の案内で訪れたそこに、少女の護衛対象であった貴族の父娘も混ざる予定。彼らは早々に暖かな建物へと連れられて行った。
そして二人きり。先の約束を思い出すと、顔が熱くなるのが分かる。優しく抱かれるのは久方ぶりで、それゆえにどうして良いのか分からなかった。
「……其れは良かったです。私の法術は彼女の体だけでなく病原菌も活性化させてしまうので、迂闊に使えなかったので」
もう一つ、彼にも話していない龍種の力を借りた治癒の術を持ってはいるが、これは切り札。所謂秘中の秘である。
死して半刻も立たぬ頃なら魂すら呼び戻せるという龍の血。人の血が入って薄まったとしても、万病の特効薬であることに変わりはない。
値千金たる血液を持つ少女は、しかし其れを使わなくて良い事に安堵し、男に導かれるままに街の中を進む。
行く先は酒場兼宿屋といった風情の建物だ。だが、こういう建物は往々にして、娼館を兼ねているのも知っている。
おそらくはそうなのだろう、と予想をつけながらも、今は柔らかな寝床が恋しかった。
部屋に入れば、清潔なシーツに簡素ながらも風情ある木目調の家具がお出迎え。少女の好みに合致するすっきりした部屋だ。
室内に足を踏み入れると、彼の腕に抱き寄せられる。距離が一瞬で縮まり、吐息が混ざり合うように肉薄する。
後ろから抱き寄せれば、野宿をしていた割には小綺麗な、甘い香りが漂うだろう。法術と香油による最低限の身嗜みである。
その髪は入念な手入れのおかげでくすみ一つ無く、僅かな動きにも揺れて、流れる糖蜜のようにきらめいていた。
「んっ……そんな、褒め過ぎじゃ、ないですか?――その、恥ずかしい、です」
花嫁修業は孤児院などでの奉仕活動で経験済み、剣の腕もそれなりだ。世の女性達に比べれば随分と秀でていることは間違いない。
ただし、少女には比較する相手がいなかったものだから、自身の能力にはすっかり無頓着で、自覚すらしていないのだった
■ヴィクトール > 「そりゃ不味いな、変な菌がいたら余計ひどくなっちまうんだろ?」
それでは手のうちようがなかっただろうと思えば、苦笑いで安堵の息をこぼす。
彼女が切り札を隠し持っているのは気づかないものの、魔法の便利さを最近よく思い知った男からすれば、意外な盲点だなとそっちにばかり意識が傾く。
部屋に満足そうな様子にひと安心しつつも、手入れの行き届いた髪からは欲を唆る甘い香り、蜂蜜の様に柔らかに揺れる髪も、男の嗜虐心を煽られる。
汚したい、真っ白な雪原に足跡を残すように、自分が一番だと。
謙遜の言葉が聞こえれば少し身を乗り出して、耳元に唇を寄せる。
「んなことねぇよ? こう…ごちゃごちゃ細かいこというの苦手なんだけどな、シャロンを見てから抱いたらすげぇいい気分になれそうだって感じたぜ」
欲に忠実に、飾り気のない言葉。
逆に言えば、偽るには飾り足りない言葉でもある。
囁やけば耳元にキスをして、向き合うようにしようと方に手を当て、こちらを向かせてしまう。
「見た目もいいし、真面目なのも逆に唆る。あとあれだ、俺はそんなに頭は良くねぇからな、シャロンがその分を埋めてくれりゃ丁度いい」
見た目も性格も。
両方に率直な感想で答えると、笑みを浮かべつつその顎に指を掛けて行く。
ゆっくりと上向きにさせれば、見つめるだけ。
自ら瞳を閉ざすのを待つかの様に……。
■シャロン > 「本職の神官様とは違いますからね。私のはあくまで戦いに赴くものを鼓舞し、その傷を癒やすものですから大雑把なのです」
実際、手の打ち様が殆ど無かったものだから、彼が通りがかってくれたのは非常に幸運だった。
こうしてあの父娘は新しい平穏を手に入れるだろう。召使の一人すらいない生活だが、きっと幸せになってくれると信じていた。
部屋の中、密着しているだけで心臓は早鐘の様に代わり、緊張に体が固くなる。純潔ではないが、しかし経験は少ないのだ。
彼が今までの経験を超え、上書きするほどに汚してくれるなら、其れは彼の色に染め上げられたことと同義になるだろう。
耳元に近寄る唇は、吐息が耳朶に当たるだけでこそばゆく、しかしその低めの声が何より少女の心を落ち着かせるように染みこんでいく。
――案外少女は、彼に今まで味わったことのない父性を見出しているのかもしれない。
「……ん、そう、ですか。――ひゃ、ふっ……あぅ……ヴィクトール、さん?」
耳元に唇があたった。暖かくて、僅かにざらついたそれは何処か逞しさを感じるものだった。
欲求を素直にぶつけられる。其れは直球な分だけ偽りを含めない、真実だけで作られた文言。
ゆっくり体を回されると、腕の中で向き合うような形。どこかあどけない顔立ちに、僅かに濡れた瞳が彼を見つめる。
その頬は上記した桜色を帯びており、残念な胸元は興奮と緊張による荒めの呼吸に従って上下していた。
顎下にかかる指が、少女の顔を上に引く。交じり合う視線。金の瞳は宝玉の様で、少しずつ魅せられていく。
「――そんな、えっと……本当に、私で、良いん、ですね?それなら、その……頑張り、ます」
甘い雰囲気に、少女は大衆向けの恋愛小説を思い出し、その一シーンと同じように目を伏せた。
見えなくなる彼の顔。その後にはきっと来るはずの、接吻。其れは少女が、誓いを立てる事に同意した証だった。
■ヴィクトール > そんな力の雑談を交わしながら部屋に入れば、一気に甘い話に変わってしまう。
高鳴る鼓動が体を伝って響いていく。
これからのことに対する興奮…というよりは緊張か。
少女の細さからは、厭らしいことより、初さば浮かんでしまう。
呼びかける声に、にっと笑みを浮かべながら見つめ返す。
言葉はないが、金色の瞳は男らしい意志の強さがいっぱいに籠もっており、食い散らかす獣ではなく、牝を手に入れる狩人の様に狙いを定めるかのようだ。
「――寧ろ、俺みたいな荒っぽい奴の女になってくれるなら、俺が感謝しねぇとバチが当たる」
彼女はもう自分の女にでもなるつもりなのだろうか、早い話だなと思いながらも、心身を明け渡すなら応えるまで。
幼さを感じる面立ち、濡れた瞳が閉ざされていく。
ぞくりと欲望が沸き立ち、ゆっくりと顔を近づければ唇を奪う。
優しく重なる唇、そのままぎゅうっと抱きしめながら重ね続けるだけ。
甘ったるいフレンチキスを交わし、その数秒が長く感じるほどに…。
「……は…っ、そんないい顔されたら、もう俺の女にしねぇときがすまねぇや」
金の瞳がニヤリと笑う、肉食獣のように欲の強い目で見つめると、再び唇を押し付ける。
何度も何度も重ねあわせる、激しさを増したもの。
唇を啄み、引っ張って甘く噛み、唇を解きほぐすように重ねあわせていく。
舌を伸ばせば、つんつんとその隙間を突っつき、すきあらば滑りこんでくるだろう。
■シャロン > 「だ、だって、子宝を授かるのは、好きな相手と交わらなければいけませんし、それで、その、孕ませるだなんて、言われてしまったらっ……!」
少女の価値観からするとあれはプロポーズのようなものだった。
性的な交わりは相手が誰でも請われればするが、子宝を授かるような愛の交わりをする相手は将来の伴侶と決めている。
そこに、彼の飾らない言葉が飛んできたのだから、恋愛を全く経験していない少女は大層慌てて、絆されていた。
今のこのときめきもきっと彼を好きになってしまったのだろうと思い込んでいる。だが、彼が少女を優しく導くなら、其れはきっと本物の恋に変わることだろう。
彼の瞳はいつしか自身を狩る狩人のように研ぎ澄まされており、逃がさないという意志がひしひしと伝わってくる。
――話が早いのは偏に少女が初心で経験不足だから。騙すつもりで甘く、少女を掠めるならば今が最大の好機だった。
「……荒っぽいですが優しいですし、その、誠実です。私の嫌がることはしないようにしてくれますし――」
その先は言葉にならなかった。距離が零になったのだ。重なった唇はそのまま、一瞬を長く永く変える。
人生の中で最も鮮烈で甘い一呼吸。数秒が長大に引き伸ばされているような錯覚の中、少女の艶やかな唇が男の物と交わった。
そして、まず最初の甘いキスが終わる。それはこれから激しくするぞという意思表示のような一拍を孕む。
「――ん、私をヴィクトールさんのものに、して、ください……」
薄く微笑み、身を委ねる。その表情は今までの中で一番柔らかいものだろう。
覚悟を決めたから、この人を好きになろうと思ったから、少女の胆力が良い方向に機能して、緊張が抜けたのだ。
次なる口づけは、一度すれば十度欲しくなる、そんな思いを表すような激しく濃厚なものとなる。最初は啄みを交えて。
そして、次第に口が開いて、互いの舌を絡め合うように。少女の舌使いは拙いもので、しかし彼に気持ちよくなってもらいたいからと懸命だった。
く、ちゅぷ、ちゅ、と小さな水音が響き、少女の下腹部はじりじりと情欲の熱を持ち始める。やがて舌を差し込まれると、後はされるがままだった。
出来たのは、舌を受け入れ唾液を味わい、彼の匂いと味を覚えること。そして、貪られながら蜜と汗の甘い匂いを撒き散らすことだけだった。
■ヴィクトール > いや、こんな荒れ果てた場所では、犯されるなんてことはあり得ることだ。
それを知らぬというかの様な初な反応はあまりにも可愛らしく、ニヤッと笑ってしまう。
嗚呼、これは逆に手放したら悪党に食い物にされて廃人になりそうだと。
ならば…食べ尽くしてしまおう。
自分という柱を叩き込んで、折れないように。
思いを巡らせつつ、少女の唇を奪った。
「シャロンが欲しいからな…嫌なことはしねぇよ」
覚悟を決めたような言葉、一番に砕けたほほ笑みにぞくんと欲望が湧き上がっていく。
それは気配となって、飢えた獣のように少女を求めるのを感じるかもしれない。
「お前は俺の女だ。喰う時は牝で獲物で…ぐっちゃぐちゃにしちまうけど、それ以外は…出来る限り満たしてやる」
粗暴で破壊的な雄としての本能。
それが開かれていくのを感じつつ、唇を貪った。
拙い舌使いに心の中で楽しげに笑いつつも、その舌を転がしてしまう。
追い掛け回して翻弄し、重ねて絡め合わせていけば、時折ずずっと吸い上げて少女の蜜を味わう。
密着させた唇からは一滴の唾液すら溢れ返すのを許さず、何度も何度も重ねあわせていくと、唇が離れた。
つぅっと伝い落ちる銀糸、熱のこもった吐息が溢れ、少女を見つめる。
「わりぃ…我慢効かねぇ、少し好きにさせてくれ…」
今直ぐ壊すほどに貪りたいが、それでは怖がるだろう。
お願いを一つ囁やけば、首筋にしゃぶりつく。
ディープキスに劣らぬ激しい口淫で擽り回して、片手は未発達な胸元に添えられる。
僅かな膨らみを、ぎゅむっと捕まえようとしながら先端を指で探っていく。
幼い体にむさぼりつく獣、荒ぶった呼吸で抱き寄せ、女の象徴を無遠慮に弄ぶ。
■シャロン > 犯されることを考えないのは少女がそれなりに使い手だから。少なくとも山賊の一団体程度には負けない程度だ。
また、最悪の時には自身の体を無差別転移させることで脱出を図ることもできるから、法術を封じられない限りは身を守れるのである。
ただ、同時に少女は犯されることを考えない分、幼い箱入り娘のような状態だった。
少女にとっての一番の敵は、魔法や龍の体質に詳しく、その上で少女の性格を利用できる狡知の持ち主か、あるいは彼のような真っ直ぐすぎる相手の二択である。
彼のくちづけの激しさから、自分への欲求の強さが分かる。貪られる気持ちよさ。女性として、遺伝子に刻まれた喜びだ。
もっともっと、食べて、貪って。そんな思いが自ずから湧き出て、少女の唇もまた積極的に彼を求める。
「……ん、ヴィクトール、さんっ――♪あむ、ん、ふぁ……ぅ、んっ♪」
もう、止まる気はなかった。後戻りする気もない。彼のものになるために全力を出そう。
飢えた獣のような、雌を組み伏せるために存在するような、そんな雄の気配が少女の心を、体を、くぎ付けにする。
だめだ、こんな強い意志には逆らえない――。好きだから余計にそう思いつつ、次いだ言葉に頷いて。
「わかり、ました。その……たまにデートしてくれるなら、いい、です。乱暴なエッチでも、ヴィクトールさんがしたいこと何されても、許してあげます。聖女ですもの、ヴィクトールさんのすべてを受け入れても、きっと神様だって許してくれます――♪」
初めて、神より自分の思いを優先する。好きが溢れて止まらなかった。ちゅ、ちゅ、と吸い付いて、乳飲み子のように甘く拙く吸い上げる。
差し込まれ翻弄されると、今度は舌を突き出す形になって。甘噛みや吸引に腰が戦慄き、足が崩れてしまいそうになった。
長い長い、貪るような接吻の最後は銀の糸が伝う形で終わる。とろけきった表情の少女は、しかし次の言葉には恥ずかしそうに、小さく首を横に振る。そして、小さな声で。
「だ、だめ、です……その、ここ一週間、お風呂、しっかり入れてないから、うぅ、に、匂いとか、汗臭いでしょうし……法術で、最低限は綺麗に、してますけど……は、恥ずかしすぎますから、お風呂、入ってからが良い、です」
体を愛撫されながら、言う。彼が胸を揉むなら、その先端が硬く勃っていることに、腹を撫でるなら潜伏生活のストレスのせいか腹部に張りがあることに、首筋を舐めるなら、普通の少女よりも遥かに濃厚で甘ったるい汗の匂いと塩味が羞恥心とともに露見してしまう。
なんだかんだで貴族の父娘の為に睡眠すら殆ど取らずの逃避行を続けていた少女は、疲れも精神的負担も溜まっている状態で、それら全てが発情という形に実を結び始めていた。ストレス発散のための代替行為。それが性欲と結びついた瞬間で。
もし彼が身を清めることを許可してくれるなら、風呂へと向かい安息を得ることだろう。一緒に入ろうと言われれば断れない少女だが、実際にどうなったかは二人のみの知ることだった。