2015/12/15 のログ
ご案内:「魔族の国/とある屋敷」にハスタさんが現れました。
ご案内:「魔族の国/とある屋敷」にサリアさんが現れました。
■サリア > 「僕は、料理を食べるのは結構好きなんだよ?」
「『創帝』でケーキを作ることは簡単なんだけどね。」
「それでも知らない味を作ることは無理なんだ。」
「だから、知らない味を文字通り味わってみたいのさ。」
誰に言うでもない独り言。
自分の家、そして職場。
今日は新作ケーキが届く日だと楽しみにしていた少女。
買い出しに行った人は知らないが母親が楽しみにしていたので、サリア本人も気になっていた。
玄関にて、憧れのアイドルを待つかのごとく輝きで、爛々と待つ姿。
この姿だけなら、どこにでもいそうな普通の少女といえよう。
扉を叩く音が聞こえる。買い出しに人間界に行っていた冥軍の誰かが帰ってきた。
「おかえりなさい!さぁ、ケーキをよこすんだ!」
■ハスタ > 「はいただいまー。皆大好きハスタさんのとーじょー。」
扉を1秒26回寸分の違いない等速にて3秒、即ち78回叩き据えれば、扉も開けずゴーストの様にするりんと抜けて出てきて愛する(一方通行の愛)娘に手を振った。
物好きなおっさんであった。酒も女も、ケーキも人間界で済ませる男である。
人をして酔狂と言わしめるおっさんは、同じく錬金術とか自分でケーキを作ろうと思えば作れるのだが、
わざわざ買ってくるあたり、どうにも人間臭い魔王であるとも言えよう。
「はいはい、オマチカネのチョコレートケーキですよー。ホールケーキだからねー。」
やたらと豪華な装飾を鏤めたでかい箱に、西洋貴族が好んでいそうな上品な甘い香りが漂う。
このケーキ1つ2200ゴルド、一般市民なら一〇日は食事に困らんであろうと思われるバカみたいに高いケーキである。
富裕区域で何か売られてたので買った。娘零歳の誕生祝かもしれない。兎角、酔狂なおっさんの行動原理等誰一人理解出来るものはいない。
その大きさは、大きなおっさんの身体と横に並べても―――遜色ないかと言われれば、まぁまぁであった。
所詮ケーキの大きさなど、そんなもんである。
「美味しいからって一日で全部食べちゃあダメですよっと、さー、パパは手を洗ってきますから良い子にしてんのよ。」
これまた真っ白で金持ちの好みそうなテーブルクロスが引かれた如何にも骨董品らしい木製のテーブルに、
彩り飾られたケーキの箱を置き据えれば、愛する娘(一方通行)の頭を有無を言わさず優しく撫でやって、それから後ろ手を振って、
洗面所に行った。否、別にわざわざ手を洗う必要などないのだが、娘が見ている前ではしっかり衛生面にも気を付けねばなるまいて。
もっとも、不死身の魔族に病気なんて概念はなさそうだが、汚い手で食事をするというのは、些か高貴な者としては頂けまい。
■サリア > 「気持ち悪い片手の振動のさせ方してんじゃねーよ。」
待ち焦がれた恋人がやっと待ち合わせの場所に来るのを見つけたような表情から一転。
耐久力の高いボスが、HP1で耐えて全回復の魔法を使用したところを見たときのような憤りの目を向ける少女。
この二人。親子である。
信じてもらえないかも知れないが。
「創帝」を使い、16歳の姿を取る少女。
その性格は、「このまま外的要因が与えられず成長したら」と言うのを基準に形成された。
16年...体感では生まれてから一晩で顔合わせをしたが。
なぜかこの様に、父親の方に嫌悪感を持つ様に育ったらしい。
「いいから手ぇ洗ってきな。出来ればそのまま殺菌されろ。」
...親子、である。
死ねばいいと思うほど溝が深いわけでは無いのだが。
そもそも死なないが。
とは言え、ケーキに罪は無いのだ。
大嫌いなパパが買ってきた大好きなケーキに目を向ける。
一人で食べる。味気ない。
ママ。今は仕事中だ。
比較的暇そうな相手といえば、今洗面所にいるパパだ。
さすがに買うもの買ってもらってはいさようならが出来るほど、捻くれているわけでは無い。
豪華に装飾されたイスを音を立てない様にそっと引いて、腰をかける。
...ここらの行儀の良さは母親と通じるところがあった。
■ハスタ > 「ううむ。」
で、洗面所でめっちゃ悩む父親。虚数解を含む四次方程式の解を求める時くらい複雑そうな顔をするおっさんである。
いつもニヤニヤヘラヘラしているのだが、真剣に悩み込んでいるらしく下弦の半弧を描くおっさんの口元も、今日はヘの字であった。
確かに節操がない男ではあったと思う。女に手を出しまくる男でもある。しかし、彼女はそれを知らんはずである。
不老不死ではあるが、同じく魔王の血を引いた娘、それも同じく不老不死の恋人との間に出来た娘であるが故に、
愛情注いで育てようとも思っても居る訳である。
散々女を犯しているおっさんではあるが、孕ませて子供を育てようなどと思ったのは、はたまたおっさんの酔狂さに起因しているのやもしれん。
人間の貴族院を参考にして作ったそれは、石鹸の様なものも完備されている。
手をごしごし洗ってジャーっと流しながら、おっさんは考える。
基本的にこう、悪い事をした覚えはないんだが、なんでだろう。
「うううううむ。分からん。ちっともわからんッ。」
おっさんは四次方程式は暗算ですぐ解けるが、親子問題はいくら考えても解けない。
折角のチョコレートケーキは溶けそうなのだが。
取り敢えず殺菌されたらいいんだろうか?どうせ残機無限だし。
いやしかし、石鹸ごときでどうやって死ねと?足を滑らせて頭を打てばいいのか?
それで死ねるほど魔王も軟弱ではない。
故、一旦思考を放棄すると手洗いうがいを完了して洗面所から手のひらから桜の儚いながら素敵なにおいを漂わせるおっさんが帰ってくる。
無駄に転移魔法で。
取り分け無駄の多いおっさんだが、転移魔法に無駄は無い。
他の魔王たちの様に闇に飲まれて消える訳でもなければ、爆円渦巻く中から登場するわけでも、空間を歪ませるわけでもない。
味気もクソもない、今の自分の位置を瞬時に変えるだけの魔法である。…が、故、何の前触れもなく彼女の目前に顕れるのだ。
「はい、手洗い完了ー。…んま、折角なんで、1/4だけ食べましょうか?ね!さー、御開帳~。」
豪華に包装された箱を開けると、紙でさらに包まれて、それを剥がせばやっと素敵な茶色の良い匂いがする、
3色のチョコレートが層を為し、そこらにクリームが塗りたくられた、ブルーベリーとリンゴを盛り付けて、
上にチョコクッキーまで誂えた上に、そこには御大層に彼女の名前まで。更に外壁に色とりどりのチョコレートチップを鏤めてからのハッピーバースデーである。
ど真ん中の一番上に白色のクリーム。
随分と大層な仕上がりのケーキであった。主に暇を持て余した貴族の食い物である。
「どうよこれ。」
と、まあ選んできた自身の慧眼を誇りつつ、なんとか普通に接しちゃくれないものかと考えるおっさん。
娘が出来たんだが、どうしてこうなったんだかサッパリである。
■サリア > 「急に現れるなよ。反射で吹っ飛ばすところだったじゃないか。」
魔族という物は基本的に戦闘能力は高い。
今目の前で行ってみせたパパの瞬間移動魔法しかり。
ママも「瞬殺」を利用して一回限りの瞬間移動も出来る。
中には素の身体能力だけで瞬間移動と見紛う行動力を示す輩も居る。
話が逸れた。
問題は「急にサリアの前にハスタが現れた」ことであり。
つまみ食いの為にこっそり手を伸ばそうとしてた誰かさんは、突然の出現に必要以上に驚いてしまう。
「美味しそうだけど、パパが持ってきた事実がなんか嫌。」
「美味しそうなのはまぁわかるよ?」
「ロクに世間を知らない僕でも一目でいい品だとわかる果物。」
「クリームは甘い匂いがありながらしつこ過ぎる甘ったるさでは無くて。」
「わざわざ僕の名前が刻み込んだチョコレートまで付いている。
職人さんが手間暇かけて作ってくれたのがうかがえる、素晴らしいケーキだ。」
「だけどパパが持ってきたのが嫌。」
大事なことなので。
「創帝」してカットするための「刀」を取り出す。
刀を、取り出す。
「パパは、どこの部分が、欲しい?」
上段の構え。
視線は...ケーキだ。パパでは無い。
ただし、位置取りはケーキを切るには少々近い。
■ハスタ > 「ハッハッハ…吹っ飛ばないから大丈夫だ。仔細問題なし。」
おっさんは魔法使いタイプである。故に転移魔法も自由自在だし、体重も自由自在だ。
親指を力強く建てるおっさんは、物理的にも魔法的にも吹っ飛ばされる事が不可能なくらい体重を増やすことも出来る。
そんな革新的慢心に満ちたおっさんはとても良い笑顔で彼女に親指を立てて見せた。
食べようと手を伸ばしていたらしいが、その辺は見咎めたりはしない。
何だかんだ行って零歳である。喰いたいものくらい自由に食べさせてやるべきだと割とおっさんは娘に寛大であった。
「ふうむ…パパが持ってきた事実が嫌…かあ。なんでなん?なんでそんなハスタさんの事嫌いなん?
皆大好きハスタさんなんだけどなあ?パパはじゃあ、ソコで。」
ブルーベリーが多めに乗ったとこを指差すおっさん。いやべつにどうってことないが。果物は好きである。
因みにさされても切られても死なないし躱し身も変態機動で取れるので別に構える事はしなかった。
「じゃあ、ノアたんに頼むか、それともパパがパパでなくなるか、かねえ。どっちが良い?
っていうか、パパ的にはなんでそんなに嫌われてるかが理解できない。あれかね?ツンデレ?」
変態セクハラオヤジで有名なおっさんであるが、流石に実の娘に手を出したりはしない…筈である。
厭らしさが抜けたおっさんは最早ただの酔狂な魔王である。おっさんは目から水を流しながら、彼女に折衷案を迫った。
おっさんは魔法使いタイプである。今はこの形とこの心だが、魔法で幾等でも誤魔化せる。
ただ、本質的に残るのはやっぱり変態エロオヤジなわけでもある。
もっとも、そういう問題じゃないのかもしれないが。
悲しみに満ち溢れた顔をしながら二人分の取り皿とフォークとナイフを錬金術で用意する。
割とこういう所で能力が似ているのはつまり、親子だからである。
■サリア > 「殺傷力だけならママより強いからね?」
対照的に顔面に「ぴきぴき」と擬音が出てきそうなくらい青筋を浮かべる娘。
そのつもりがあれば世界崩壊すら片手間で起こせる力だ。
「つまんない」といった理由でやらないが...。
不死の肉体を死ぬ肉体に変える事は可能かどうかはわからない。
ただしかし、『必殺』なんかよりも数段上手の攻撃を起こせること自体は確かだ。
家の中だからそんな災害級は起こさないけれども。
というわけなので半壊にならない程度の攻撃を放つ。
自分の親でも容赦無く打つあたりは、誰かに似たのだろう。
手に持っている剣に光を纏わせて、刀身を伸ばす。
彼の希望通りブルーベリーが多くなる様に等分する。
剣の切っ先に誰かいたとしても、それは仕方ないことだった。
「離別とかしたらママが泣くでしょ。」
ママの方は大好きだったりする。
そのママはパパの事が大好きである。
自分のせいで関係に亀裂が入るのは、嫌いなパパへのダメージより、大好きなママへのダメージが多い。
きらえど廃除しようとしないあたりは、ここら辺が関係していたりする。
「だってほら。」
もぐもぐ
「パパって色んな女の子に手を出してるじゃん?」
もぐもぐ
「ママが餓死寸前になったらどうするのさ?」
ごっくん。
『黒い霧で体取り替えます』などと聞こえてきそうだが。
淫魔は異性...同性を食する淫魔も居るが、から吸性し糧としている。
文字通り交わる事が生きる事である淫魔。
通常の淫魔であれば妖艶な見た目などから引く手数多だ。
性に奔放なこの国であればなおさら。
通常の淫魔であれば。
■ハスタ > 「大丈夫だっつの。」
尚おっさんは不死身である。その上不滅であり、しかももし死んでも空気みたいに蘇ると来た。
不死殺しの曰く付きの武器も、連続する死の世界も、異次元飛ばしも経験済みである。
このおっさん、そもそも年季がやばい事になっている。悲しい事におっさんが刀で斬られたとして、
そこにあったはずのおっさんの斬殺された肉体は瞬時に横の椅子に転移して元通り、くっついている。
おっさんはありとあらゆる生命法則の干渉を拒絶するぶっちゃけありえん不死身である。
ただ、そのぶっちゃけありえん男の血を引く彼女の力も未来的にぶっちゃけありえん事になるんだろうが。
「んー、大丈夫大丈夫、たっぷり精は注いでますから。そりゃもう溢れるくらいね。」
淫魔との性交は死闘である。しかしながら、このおっさんは平然と彼女としこたま死ぬほどやってなお、
袋の中のソレも尽きることがなければ、性欲も尽きることがない、文字通り超弩級変態エロエロ大魔神なのである。
故に、大量に精を注ぎ込んじまっているので、割合おっさんは普通に淫魔とも性交してケロっとしているばかりか、
それでもまだ足りぬと女遊びする。といういきさつもあって、おっさんはこれまた確信を抱いたようにぐっと親指を立てた。
「っていうか、言葉の意味間違ってない?パパがパパでなくなるってのは、そういう意味じゃなくて。
別人になるって事かねえ?イケメン男子でも清楚女子でもなんでもござれなんだけどねっ。え?元からイケメンだって?照れちまうよ。」
ただし、おっさんは前述したとおり姿を変えることが好きではない。
このおっさん、どうあがいても変態エロオヤジである。自己は自己として在る事にこだわりを持つため、変身はするものの、
すぐにいつものイケてないおっさんに戻ってしまう。
取り敢えずブルーベリーが乗ったケーキを割と上品かつ貴族風に音一つ立てず流麗に召し上がりながら、
流暢に会話を流した。
■サリア > 「復活の仕方がキモい。」
直球。
細切れにせんと刀を増やして、それぞれを指の間に挟む。
合計6本。左右にそれぞれ3本ずつ。
竜の爪のように鋭く尖ったそれで再度刀を振るう。
が、結果は見えているわけで。
自分の母親との惚気のようなそうでないような話を聞きながら
「あほ、エッチ、すけべ、変態。死ねば?」
淫魔の血とその変態の血を引く彼女も性欲が溢れるのは...まぁ当然だろう。
とは言え目の前の男とするのは嫌だし、母親を襲うのも何か気がひける。
とは言え外に出て男を食べるなんて、パパみたいで嫌。
興味はあるが経験が無い、そんな彼女としては「そういう話」は聞きたがったりする。
「...いっつもママとはさ、どういった風にしてるわけ?」
「変身魔法もどきぐらい僕でも出来るよ。」
何故か対抗する娘。
光り輝く金髪に存在感を放つ脂肪。
母親...年齢的には姉妹と見られそうだが、の血を引いて、彼女も相当の美麗である。
今は16になっただけで姿は弄っては居ない。
性別変化くらいなら簡単にやってのけるだろうが、そこら辺は親同様こだわりがあるらしい。
■ハスタ > 「ヒャッハァ!ォゥッ?!ふぅっ!」
何か甲高い声を上げて、そのときおっさんは光を超越した。
文字通り零秒で別の個所におっさんの肉体を転移させれば、究極の回避になり、
速さの概念を超越した理不尽な緊急回避にて六刀流を事も無げに体勢すら変えず座ったまま横に避けた。
「死んでも生き返ります。パパはあほじゃなくて天才よ?例えばそうねえ、360の360乗って、何だかわかる?
パパにはわかるよ。因みにエッチとすけべと変態は同義的な意味だし自覚はしてるよ。んっふっふ。」
屁理屈を楽しそうに述べながら言葉を受け流した。
ふわんと空間の上に「360^360=?」という実に頭のおかしい数式が浮かんだ。
おっさんは光魔法もマスターしている。空間に映像を映写することは造作もない。
ついでに「エッチ=すけべ=変態」というこれまた頭のおかしい数式も浮かんだ。
「ん?ガラテアたんと?そーぉねえ。激しくヤってます。」
取り敢えず、このおっさんの言葉は参考にはなるまい。しかして、それは偽りではない。
文字通り普通であれば死ぬほど性交しているのだ。ただ、アブノーマルさにかけるイチャコラ性交なだけで。
おっさん的には、もうちょっと背徳感に浸ったり絶望を与えたりしたいのである。
このおっさん、サディストである。
「あー、はいはい、分かったから。んじゃま、美味しく喰いましょうや。なあ?」
対抗する彼女を適当にやり込めるように掌をぶんぶん上下にする。
しばらく、おっさんは彼女をどうやったら懐くのか頭を抱えることとなるだろうか。
しかし生憎、頭の中は変態的思考で割と満たされているのやもしれない。
こうして、細やかながら反抗的な娘との、ふとした日常の一コマは過ぎていく。
ご案内:「魔族の国/とある屋敷」からハスタさんが去りました。
ご案内:「」にサリアさんが現れました。