2015/12/04 のログ
チェルトト > 「……それは、わからないこともないような気がしないでもないけど」

 こちらのこの季節は本当に寒くて、太陽や、温めた酒や、そういうものは確かに恋しい。
 誰かの体温もあるとうれしいかもしれない、と、彼女に挙げられてチェルトトは確かに思ったが、そのままそれを肯定するのがなんだか恥ずかしくて、口に出た言葉はずいぶん遠回りだった。
 唇も乾いたような気がしてカップを手に取ろうとするも、なんだかじたばたしたせいか、彼女のほうを見たまま伸ばした手が空を切る。
 もう、と、呟いてカップを探そうと視線を落とすと、いつの間にか彼女の視界の中で、下帯が全部露わになっていた。
 続く彼女の言葉に、赤くなりながら両手を自分の脚の間に挟んでそれを隠して彼女を睨もうとするも、ひるむどころか彼女は体を寄せて来て、それだけでなく自分の胸の果実の下の丸みをなぞり始める。

「……っ」

 甘ったるい声が零れそうになるのを無理やりかみ殺し、肩をすくめて守りを固める。
 雰囲気に惹かれたように視線が――特に男の視線が――集まるのを感じても、威嚇のために気を散らすスキはなかった。
 くぅ、と、小さく唸ると、仰け反っていた背中を伸ばし、ぶつからないように額同士を触れ合わせる。そしてゆっくりと、だが力を込めて彼女を押し返そうとしつつ、わざわざ尊大な態度でチェルトトは口を開いた。

「あたし、あんたに声かけなきゃいけない用事なんてないわ。だから、イイモノなんて別にいらない。
 ……だけど、こっちに来てから寝床がいつも固いから、柔らかいベッドがあるっていうのなら遊びにいってあげてもいいわよ。
 そんな風に言うからには、裸で寝てもちくちくしないいいシーツと、寒いって思わないベッドがあるんでしょうね?」

 ずっと押し込まれていた自分を無理やり奮い立たせ、なけなしのプライドを振り絞ってそう告げると、軽いキスを交わした後、唇ですいっと弧を描いてみせる。

「あんまりなめないでよね。やられっぱなしでなんかいてやんないんだから」

リラ > でしょ?つまり、なーんにも嘘、言ってないよ?私がチェルトトと色々シたいーって動機……ま、変態サンは、普通に寄り添う体温だけじゃ満足できるイイコじゃないーってのは確かだけど、ねー……
(ならば上着ぐらい着れば良い、と言うのは棚上げである。寒さを感じはしてもそれ以上に厚着するのが嫌い、と、至極我侭な気質である。そんな小娘は、流石に気づかれたか、と、これまでの会話中堪能していた下帯としなやかな太ももの絶景が隠れたのを勿体無く思い……さわ、と、下乳辺りをこっそり撫で、じわ、じわ、と、指をその布地の下へと這わせ柔らかさを僅かなりとて“味見”しようとの下心も―――隠す様子など皆無であった)
んっふ……今日は、このキスでオアズケ、かなぁその様子だと……あはっ、もっちろん。可愛い子をおもてなしして、裸にしたは良いのに肌触りがちくちくするからーって、夜衣が必要になるんじゃ……素裸で居て貰うのにも困っちゃうし、なんなら、ハダカのまま、ソファで蜂蜜酒を味わって貰える“お部屋”にご招待ーってシても、良いよ?
(翻って言えばどれだけの期間、彼女から衣服を奪う魂胆なのやら、と言った代物でもあるだろう。それでも、と、己は胸へと触れた手はそのままに、右手指を己の腰元へとやると―――其処にポケットでもあったのか、と思わせる挙動で小さなリングを取り出す。が、己の今の衣にはそういった類の収納部位は、それこそ服の下ぐらいしか存在しないのだが)
―――まずはお試しコース、ってコトで。回数限定、通信方向も私と、チェルトト……このリングの間のみ、けど、私が用意できる“ベット”の所に案内するなら、コレで連絡をくれると街の宿を抑える手間が省けるし……覗きの心配も一応ナイ所にご招待できる便利グッズ、ってね。あはっ。―――チェルトトの可愛いハダカも愉しみだし、チェルトトが私に快楽をくれるなら、それはそれで、嬉しい、よ?
(そんな戯言を紡げば、離れたとてまだ声を潜めれば周囲に聞こえないであろう間合いを保ち、取り出した通信用アイテムを彼女の胸を覆う布地に、ひょい、と、悪戯まじりに挟み込ませてしまおうとして)

チェルトト > 「ひゃ、冷た……っ! ちょっと、いらないって……ふん、しょうがないわね。
 今日はもうこっちで部屋取っちゃってるけど、今度、宿屋代わりに遊びにいってあげる」

 胸元に差し入れられた小さな金属のような感触に小さく悲鳴を上げ、それを手のひらの上に落とすと、酔いのせいか少し上気した顔を彼女に向け、勢いがついたのか尊大にそう告げる。
 小さなリングに指を通しかけ、そこでやめると、それをそっとポーチにしまいこみ、残っていた酒を一息に煽るチェルトト。
 はあっ、と、甘ったるい息を吐き出すと、ゆっくりと立ち上がる。乱れていた布がふわりと落ちて、元通りにスカートを形作ると、片方の手を腰にあててにっと笑う。

「あんたのことはまだ好きじゃないけど、あんたがあたしに供物を収めるんだったら、恩恵を授けないわけにはいかないわ。なんたって、あたし、神様だもの。
 快楽が欲しいっていうんだったら、たっぷりあげる。……そ、その時は、あたしのほうが上なんだって言うことを思い知らせてやるんだから、覚悟してなさいよね。リラ」

 びしりと彼女を指差すと、若干おぼつかない足取りで、その場から宿になっている二階へと向かっていく。無事にひとりで寝られたのかは……。

リラ > ふふっ、だーって……私は、また逢いたいモン―――宿代わり、でも歓迎しちゃう、だって“寝る”には違い無いしねぇ……?
(位置的には彼女の谷間付近に、となろうが……流石に細布に手をかける所は自重した。それこそ己の方の我慢が途切れてしまうだろうとの、なけなしの自制心である。―――深追いしすぎて完全に逃げられてしまっては、それこそ元も子も無いのだから)
……あ、指に通しても“使おう”と思わなければ一応無害と言えば無害だよ?見た目も、そう値打ちモノーって訳でもないし……ま、それでも貧民街とか行くと身包み諸共狙われたらもってかれちゃうだろうし、連絡までは大事にしてくれると嬉しいかなー?
(ならばこのリングの“受信先”はどこか、と言えば己の脳裏である。つまり簡易的な伝達系魔術を込めた代物、それも、今の所は数回使えば魔力切れを起こす代物、とは言え再会の導とするには足りるだろうし―――更なる連絡方法を告げるとなれば、互いにもう少し知り合ってからの方が良かろう、なんて思惑での事だった)
へぇ、チェルトトは神様なんだ?あ、ちなみに―――……どっちかっていうと、チェルトトの可愛い声とか姿を私の前で魅せてくれる方が好み、だよ?つまりぃ……ふふ、どっちが“食べちゃう”かは、次のお愉しみ、だねぇ
(こちらはあっけらかんとしたもの、指差されても臆した様子も無く……ラグの上を未だ陣取ったまま、干し損ねていたグラスへと漸く、といった頃合で手を伸ばして)
―――“また”ね、チェルトト?
(そう囁き、軽くグラスを掲げる。それ以外の細工はまだ施さず、魔なる身の上は潜めたまま……“相手”であった彼女が去った後、幾人か己に声をかけてくる観客であった男達は、それまでの甘い誘惑とは一転して袖にしてしまい、約束通り店主へと己の飲食代に彼女の飲食代を上乗せした額……そこにほんの少しのオマケ―――翌朝、彼女に暖かい朝食を、なんておせっかい分の貨幣を足し、ごちそうさま、と告げると己は再び寒空へ、その影は、いつしか夜闇に紛れる事となる―――)

ご案内:「紅竜の舞踊亭」からチェルトトさんが去りました。
ご案内:「紅竜の舞踊亭」からリラさんが去りました。