2015/11/10 のログ
ご案内:「平民地区:魔具・雑貨店「月光の歯車」」にケイシーさんが現れました。
ご案内:「平民地区:魔具・雑貨店「月光の歯車」」にツァリエルさんが現れました。
■ケイシー > ママレードのジャムに暖炉からの熱で温められたお湯が注がれ、甘酸っぱい柑橘の香りが店内に広がる。
マグカップには、猫の足跡模様がワンポイント。
「ほら、これ。温まるから。別に教義で禁じられてたりはしないだろ?
ちょっと熱いめだから気をつけな。」
ほこほこと、カップからは湯気が立ち昇るカップを、ツァリエルの方へと差し出す。
香りを嗅げば、ほのかに蜂蜜の甘い香りも混じっているのが判るかもしれない。
「…で?なんか、気分変えたくなるような事でもあったの?」
■ツァリエル > 誘われてはいった店内をもの珍しげにきょろきょろと眺める。
こういった魔法具の店にはとんと縁がないのでまさに借りてきた猫といった様子で
おっかなびっくり雑貨に触らぬようにとそっとすすめられた椅子に座る。
差し出された猫の足跡柄のマグカップと温かいマーマレード茶の芳香に
少し肩の力を抜いて微笑み、ありがとうございますと受け取った。
ふぅふぅと息を吹いて冷ましながら、ケイシーの言葉に少しマグカップの中に視線を落として
「……あの、とても恥ずかしいことをお話しすることになると思うんです。
だから、これから話すことを誰にも言わないって約束してもらえますか?
それから、笑わないってことも誓ってもらえると嬉しいです……」
ひどく深刻そうな面持ちでそう告げる。
■ケイシー > 「あちゃ」
どうやら思ったより深刻そうである。
「ん、んん。じゃあ、ちょっと窓も閉めちまおうか。なんかの拍子に、知らない誰かに覗かれたり聞かれたりすると嫌だろうし」
自分の居場所から立ち上がり、先ほど開け放った窓の木戸を閉め、念の為に出入り口にも鍵をかけておく。
これでうっかり誰かが迷い込んでくる事はないだろう。
「誰にも言わない、のは…判った、言いふらされて恥ずかしいとかは嫌だものな。
ただ、その…わざわざそういう風に聞くってのは、もしかしたら笑われちゃうかもーってのは少なからずあるような話なワケ?
いや、まあ努力はする。けど、内容によるから、誓って笑わない!って宣言する自信はねぇな」
もそもそと戻って来ながら、帽子とマントをコートかけに引っ掛ける。
そして、やはり深刻そうなツァリエルの表情を見れば。
「…判った、判ったよ。笑わねぇよ。」
ママレード茶を一口すすり、多分、とポツリ余計な一言も付け加える。
■ツァリエル > 「人によっては、笑っちゃうことかもしれませんけれど……
だから別にケイシーさんが笑ってしまうのを咎めたりはしません。
僕にも、よくわからないことだから……本当は些細なことかもしれないし」
ケイシーが戸口や窓を施錠する気遣いに深く感謝しつつもじもじと重い口を開く。
本当に相手が信用に値するかどうかは迷うところだが、相手の秘密をこちらも知っているのだから
ケイシーだって下手なことはしないだろう。お相子だ。
ケイシーが自分の向かいに戻ってきてから一呼吸おいてそっと声を潜めた。
「……実は先日、貧民街で見知らぬ男に攫われかけたんです。
その時どういう経緯だったのかよく覚えていないのですけど……
廃屋で服を脱がされかけて、それで、気づいたら男の代わりに……
同い年くらいの少年……?いえ、少年というか……魔性のもののような相手が代わりに立っていて……」
記憶を思い出していくうちに顔が青ざめてゆく。
同時にあの時された行為の興奮もまた胸の内のどこかにじわじわと広がっていく。
マグカップを握る手がぎゅっと固くなりながら
「……ぼ、僕……い、いやらしいことをされて……
首筋から、血を、吸われて……それで……訳が分からなくて……
し、したを、さわられて……それで……」
ああ、と嘆くような荒い息とともに表情が歪みやがて両の瞳からぽろぽろと涙がこぼれ始めた。
■ケイシー > 「おい。おい、おい。」
ふいに涙をこぼし始めたツァリエルに、さすがに慌てる。
しっかりしろと肩に手をかけようとして、いやこの場合は触れられるのは嫌か?と混乱し、
手が行きつ戻りつ挙動がおかしくなる。
「とりあえず、深呼吸しよう、ツァリ。な。
男だろ、泣くなよ。……ああいや、男だってつらい時は有らぁな、
いっそワーっと泣いちまうのも手だぞ。」
明らかに自分が困惑しているのを感じつつも、とりあえず言葉を吐き出す。
一応、なんだったら胸を貸そうかとばかりに両の手を軽く広げもしてみる。
「とにかくアレだ、色々されて…その、辛かったんだな?
ああもう。まず気が済むまで泣いちまえ。うん。」
拐かされ、吸血された。首筋。跡は残っているだろうか。
気になり、チラッとツァリエルの首元に視線をやる。
■ツァリエル > 困惑するケイシーに確かに今日会った相手が急に泣きだしたら困ってしまうなとは
頭の片隅でわかりつつも一度思い出してしまった記憶は止めようがなく肩を震わせてすすり泣く。
いつの間にかマグカップを片隅に置いて両手で目元を押さえようとはするものの
涙は指の隙間から零れ落ちる。
「ご、ごめんなさい……こんなこと、誰にも言えなくて……
男なのに、情けないから……それに教えに反して……あんな淫らなこと……」
でも、と小さく呟いてから顔をケイシーに向けて上げる。
うるんだ瞳がすがるような何かを持って相手の顔を見つめた。
「あんなことがあったのに、い、いやだったのに、
あれから……体が変で……おかしくて……苦しいんです……。
あのいやらしいことをどうしようもなくしたくなって、嫌なのに……
でも自分でしようとしても、うまくできなくて……怖くて……」
涙が伝うその頬がほんのりと紅潮している。嘆いていた吐息が平静さを失い熱を持つ。
恐怖に震える体が、いつの間にか違う意味の震えに変わり縋るようにケイシーに両手を伸ばす。
衣服から垣間見える首筋にはよく見れば噛まれたような、あるいはキスの跡のような痣が見て取れるだろう。
■ケイシー > 「そう、か。…辛いんだな。」
咬み跡。…いや、キスマークか。しっかり見てみないとなんとも判断がつかなかったが、
もしかすると咬まれた傷の方は案外深くはないかもしれない。
伸ばされた手を、両方の手で包み込むように握る。
「ん、ツァリな。そんな怖がらなくて大丈夫だから。男なんだからさ、そりゃスケベな事に気が向くもんだよ、
品の無ぇ言い方しか出来ねぇけどさ、ムラムラ来るのは別に可笑しい事じゃ無ぇから、そんな不安がら無くていいんだ。」
片方の手は相手の手を握りつつ、もう片方の手でポン、ポンと落ち着かせるように叩く。
「ツァリの場合は、怖い事と、そういうムラムラ来る事がいっぺんに来ちまっただけなんだよ。
お前とこの神さんが、本当にムラムラくるのはいけないことだってんなら、
最初からそうは作ってないさ。だから、自分を攻めんな。な?」
…とは云え、魔族による吸血、魅了によって身体がほてって仕方ないというのならば、確かに厄介である。
そういった束縛は生き物としての本能に深く根ざし、なかなか抜け落ちない事も多い。
「よし、んじゃまぁ…上手くできないってんなら、使ってみるか?潤滑油。さっきは名前聞いたら顏しかめてたけどさ。」
不安を和らげようと、あえて明るい口調で冗談を言ってみる。
あまり思いつめると、それこそ身体に毒だ。ツァリエルの目を見て、ニカっと笑みを作り。
「あ、いけね。笑わねぇって誓ったのにな。いやでも、こういうのは許してくれるだろ?」
■ツァリエル > ケイシーに手を握られ、慰められるように触れられれば先ほどよりは震えも収まる。
嗚咽は止まらないが、相手の手の温かさにぎゅっと握りしめた。
「ありがとうございます……」
ぐすぐすと鼻を鳴らしながらケイシーの優しさに感謝する。
確かに生き物が繁殖するためには性行為は無くてはならない行為ではあるが
だからこそみだりにそれを行ってはならないとツァリエルは倫理的に考える。
ケイシーの気軽な誘いにも少し戸惑って不安そうに見上げた。
「でも、こういうことって……本当は、好きあっている人同士で……
ど、同性同士とか……そういうことは……しちゃいけないって……。
それに……その、潤滑油を……どうするのかわからないんです……」
娼館で使うのだから何かよからぬ物事に使われるというところまでは察しはつくものの
具体的にそれで何をするのかはわからなかった。
笑いかけるケイシーに、責めるつもりはないことを頷いて伝える。
「ぼ、僕……使っても変になりませんか?」
■ケイシー > 「あー、そうだな…ツァリエルは今、好きなヤツ居るん?
それだったらあんまりオレっちがしゃしゃり出るべきじゃないんだろうけど。
一人でも使えるモンだけどさ、どうするかわかんないんじゃ誰かが教えねえと、な?」
一旦ツァリエルの手をはなし、店内奥の寝床を仕切っていたカーテンを寄せる。
「変になっちゃうかもな。いいじゃん、なっちゃえよ。
ヘンになって、スッキリして、また元に戻りゃいいんだ。」
またツァリエルの方へと歩きながら、ブーツを片方ずつ脱ぎ捨てる。
ブカブカなシャツのボタンをいくつか外し、首紐にぶら下げた鍵を、手の届くテーブルに置く。
「選んでいいぜ。玄関から出てくなら、このカギで開けないと出れない。
…それとも無理やりだっこされて運ばれたい?あいにくオレのがチビだから、そういうカッコよさげなのは出来そうにないけど。」
■ツァリエル > 好きな相手がいるかという問いにはまさかという顔で首を横に振る。
「今は教えを守るだけで精一杯で、そういったことはまだ……。
本当は、一人で使うものじゃないんですね……」
離された手に不安そうな顔になるもケイシーが寝床を見せるのと
テーブルに鍵を置くのをじっと見つめる。
戸惑った視線がうろうろと寝床と鍵をさまよった。
正直に言えば、耐えられないほど苦しく辛い。
今もまた情欲の炎に掻き立てられて、頭がどうにかなりそうなのを必死に抑えているのだ。
本当にケイシーの言う通り変になった後すっきり元に戻れるのだろうか。
もっとひどいことになりはしないだろうか。
不安と恐れと少しの好奇心の間で揺れ動いた後
結局ツァリエルはそろそろと立ち上がり、しがみつくような必死さでケイシーの指の先を少しだけ掴んだ。
「お、教えてください……助けて……」
か細く頼りない声でそう呟いた。
■ケイシー > 「そう。本当はさ、人間防衛本能で身体からヌルっとしたモンが出る。
スケベだから出るんじゃなくて、身体を必要以上に傷つけない為の防衛本能。
そういうのの補助として、ローション…潤滑油は作られてる。そう聞いたら、ちょっとは見方変わるかな?」
助けて。その言葉を聞き、ケイシーは少しばかり強引にツァリエルの手をとって、ベッドへと誘導する。
「まあ、1人で使う手もあるんだけどさ。それ、脱いじまいなよ、ベタベタになるぜ?」
そう云うと自分もシャツを脱いでしまい、潤滑油の入った瓶を二つ程開けて中身をランプポットのような入れ物に移し替えた。
猫のような瞳がツァリエルに向けられる。修道衣を脱ぎ去るのを、観察するつもりなのだろう。
■ツァリエル > 「防衛本能……」
この間相手にされた時に出たものもそういわれればぬるりとしたものだった。
それなら自分は変ではないのか。あれは防衛的なものだから良いのか。
ケイシーの言葉にぎこちなく頷き、少しだけ気が楽になる。
誘導されたベッドに投げ出されるように座り込む。
みるみるうちにシャツを脱ぎ去ってしまうケイシーに戸惑うも
一着しかない服が汚されるのは困るので言われた通りに服を脱ごうとする。
襟もとのボタンを外したときに相手の視線を感じてそっと恥じらいながら背を向ける。
「あ、あまり見ないでください……脱ぎにくい」
人前で衣服を脱ぎ捨てる経験などあまりないのだから仕方がない。
顔を真っ赤にしながらもじもじとようやく脱いで、ベッドの脇にきちんと畳んでおいた。
褐色の肢体には下着だけで、居心地が悪そうに体を腕で覆う。
■ケイシー > 「そ。よく強姦まがいな事するようなのが、こんなにヌルヌルさせちまってお前はスケベだ、
なんて囁いて恥ずかしめようとするけどな。
わかったよ、じゃあ後ろ向いとく。でも神様はよくご覧になられてるかもしれないぜ?へへ。」
衣擦れの音がしなくなると、ケイシーは粘性の液体で満たされたポットを持ち、ゆっくりと振り向く。
「そんなに恥ずかしがる事ぁないさ、ツァリ、お前綺麗だぜ。こりゃ魔物じゃなくたって、拐かしたくならぁ。
さ、横になって楽にして。最初はちょっと冷たいかもだけど、すぐ気にならなくなるよ」
さほど急かさず、じっとツァリエルの行動を待つ。
怖い思いと、肉体的快楽を一度に味わったのだ。それぞれは本来別の事だと理解するのが良いとケイシーは思う。
ツァリエルがそのまま横たわるなら、ポットからゆっくりと体中に潤滑油をたらして行くだろう。
■ツァリエル > 神様に見られていると言われれば少し眉根を寄せて
意地悪なことを言わないでくださいと唇を尖らせた。
同性に綺麗と褒められてもあまりピンとこず、ただただ恥じらい困ってしまう。
ちらりとケイシーの裸も見比べてみるも痩せて猫背気味な体に猫みたいだと
それぐらいの感想しか持てない。
肌の色が違うだけで別に同じような貧相な体だ。
どこがきれいなのかさっぱりわからなかった。
そっとベッドに横になるとたらされた潤滑油の冷たさにひゃっと悲鳴を上げる。
「つめた……ケイシーさん、つめたいです……」
ぬるぬると体を伝うものに思わず身震いする。
■ケイシー > 「すぐ暖かくなるよ」
褐色の胸元から腹部へ。スラリとした脚にも。敢えて局部周りを外してローションまみれにすると、
一旦ポットをベッドサイドに置き、自分もベッド上へ。
「触れるよ」
肩口から手の先へ、マッサージをするようにヌルヌルとした潤滑油を伸ばしていく。
反対側の腕へ。腹から、胸へ。
「男でもね、ココは敏感だから。」
耳元に囁き、胸の先端部へ少々念入りにローションを塗りこめていく。
「どう?まだ、冷たい?」
■ツァリエル > ケイシーもベッドに上がると緊張したようにわずかに身をすくめる。
彼の手が自分の肌の上を滑って、ローションを塗り付けると段々と体温で冷たさが温くなってくる。
決して傷つけたり怖い思いをさせたりするような手つきではないとわかると
そっと体の力を抜いて軽く瞼を伏せる。
時折心地よさそうな吐息を漏らし、冷たいかどうかという言葉にふるふると頭を振った。
「大丈夫……、なんか、恥ずかしいのに……きもちよくてへん……」
素直にそう告げる。ケイシーの手が胸に伸び、指が先端に触れるとあ、とびっくりしたように身をよじった。
少し触られただけなのにむずむずとした何かを感じて体が跳ねる。
「そこ、だめですっ……」
耳元にささやかれたことも相俟って、くすぐったそうに手から逃れようとする。
反して胸の突起はいじればいじるほど固くとがってゆく。
■ケイシー > 「変でかまいやしないさ、気持ち悪くて変じゃ嫌だろうけど」
緩やかに硬さを増していく突起をギュっとつまむような指使いをするが、
てらてらと光を反射する粘液質がぬるりと効き、痛みは来ずに程よく刺激が残る。
「駄目?本当に駄目かなあ…」
ケイシーの頭部が胸元によせられ、ややザラザラとした舌を、突起物を避けながら胸に這わせる。
空いた手は更に下方へと伸び、大腿にもゆっくりとローションを塗り広げていく。
外側から、内腿へ。しかし、やはり肝心な部分には手をつけないでいる。
チュ。…チュ。脚へのマッサージを一旦止め、胸元から少しずつ上へ、わざと音を立ててキスをする。
鎖骨へ。肩へ。…首筋。ツァリエルの言った、魔族らしき少年のマーキングがそこに残っている。
■ツァリエル > 「ほんとに、だめ……っくすぐったい……!」
いやいやとシーツを握って頭を振る。
ぬるぬると肌に、乳首にケイシーの指や舌が絡めば過敏なほどに反応してびくびくと身をよじる。
だが肝心の部分に手を付けないことにじれったさを確実に感じてもじもじと内股をすり合わせた。
性器は緩く立ち上がり、膨らんでいる。いやらしさに恥じ入るも体は正直に気持ちいいと訴えている。
はぁはぁと息を荒げ、顔を半分枕にうずめながらキスを受けるたびにかすかにあえぐ。
そしてケイシーの唇がマーキングをかすめたとき、
「ひぁ!」と、一際大きく嬌声をあげてぐっと体が強張った。
ぞくぞくとした感覚が首筋から体の端々に走り、自分でも信じられない様子でケイシーをそっと濡れた瞳で見つめた。
■ケイシー > これはもしかすると、思っていたよりも根が深いかもしれない。完全に取り祓うのは骨だろう。
少しの間ツァリエルの瞳を見つめ返していたが、おもむろにベッドサイドからポットと手繰り寄せて下腹部へとたっぷりローションを滴らせていく。
「随分元気になっちゃったみたい。まだ、男同士は抵抗ある、かな?」
一応女性に変化する事は可能だが、大して見た目が変わるでもなく。何より、あれは酷く疲れる。
その事については黙っておくのが良いか。
空になったポットをまたサイドへ置いてしまうと、新たに注いだローションを掬い上げては、繰り返し性器の周りに垂らす。
「じゃぁ、そろそろご対面」
たっぷりのローションのせいでその中身が見て取れそうな下着へ、腹筋の腋から鼠蹊部へと連なるラインにそって指を侵入させていく。
■ツァリエル > 男同士に抵抗はあるかと問われると押し黙る。
ここまでされておいて今更嫌と言えば自分はどうなってしまうのだろうという恐ろしさ。
それに何より、ケイシーの手は自分を傷つけるわけではないとはっきりわかった。
今は傷ついた心や体に相手の触れる体温が心地よく抗いがたい。
胸の中で主に自分の罪深さを詫びながら、深く深呼吸すると
「大丈夫」
とそれだけ固い声音で小さく相手に伝えた。
下着にぬめるローションをたらされると一際震えが大きくなる。
透けたツァリエルの性器はたちあがってもなお少年の初々しい小ぶりなもので
剥け切っていない未成熟なそれだった。
ただはっきりと興奮していることを伝える様に固くはなっている。
他人にほとんど触れられたことのない場所を触れさせることに恥ずかしさと恐ろしさを感じながらぎゅっと目をつぶって堪える。
■ケイシー > 「もし痛かったら云うんだぜ?」
ケイシーの左手が、ツァリエルの右手をそっと握る。自らの右手は顕わになった少年の陰茎へ伸ばし、人差し指と中指の股でそっと挟み込む。
ローションの粘性を利用して竿の部分を幾度か上下に擦った後で、引っかかっている部分へ指をあてがい、皮をクっと引き下ろす。
「ここはあんまり激しくすると傷になる事があるから、自分でする時は丁寧に…ね?」
露出させた敏感な部分に改めてローションを垂らせば、今度は逆に包皮を引き上げ亀頭を包み込む。
「亀の頭に似てるから、亀頭って呼ぶの。知ってた?」
包皮をむいたり戻したりすることで、カリ首の部分へと刺激を与える。
まだ慣れてはいない筈なのであまり連続しては行わずに、竿をゆっくり刺激してはまた皮をむいたり戻したりを繰り返す。
「殆ど、経験ないんだっけ?もし射精しそうになっても、我慢せずに出しちまっていいからね。」
いやもしかして、射精という単語自体も知らなかったりするのだろうか。
修道院で兄弟子達にあれこれ可愛がられているかという偏見があったが、逆にそういう事もありえるのかもしれない。
■ツァリエル > そっと手が握られれば自分からケイシーの手を握り返す。
言われる言葉にいちいち小さく頷いて次に来る刺激に備える。
性器に触れられ、被っていた皮をそっと剥かれればぴりりとした刺激に少しだけうめくも
口元をもう片方の手で覆ってうめき声を押し殺す。
「かめ……」
説明される呼び名にぼんやりと視線を向けるとたしかに似ているなぁと納得する。
だが普段見慣れぬ形に腫れ上がってしまった性器にこわごわとした思いもある。
あの後は確かに元に戻ったが、このまま元に戻らなかったらどうしようという恐怖。
ケイシーの指が包皮をいじり、ゆっくりと優しく刺激を与えるにつれてはっはっと短く息を吐く。
魔族の少年にされた時と同じような波がざわざわと起こる。
下肢からじわじわと何かが昇るようなたまらないざわめき。
「しゃせ、……?っ、ぁ……うん、うん……」
たぶん、あの白いぬめるものを出す行いのことだろうとは思うが
言葉の意味を確認することもできないまま、性器を扱かれる快感にぶるぶると震え言われるままに頷く。
時折、ふさいだ口元から少女めいた嬌声があがり、もどかしそうに体をよじった。
■ケイシー > 「いいよ、声出しちゃっても。外にゃ聞こえないからさ。
ほら、この中に新しい命の種が入ってる。男の大事なトコだ」
睾丸を転がすように弄る。そして、竿の裏側に指を這わしていく。
「種はここんトコをズっと通って出口に向かう。
出口は…ほら、ココ。」
竿の裏側を伝わって来た指で、鈴口に触れる。
「ここから、ビュって種が飛び出して。女の腹ん中で卵と出会って。
そしたら、やがて新しい命が宿る。大々的に見せびらかす事じゃないけど、そう考えたら案外神聖なモンだろ?
さ、そろそろかな」
包皮の代りに親指と人差し指で輪を作り、直に亀頭を竿をしごき上げる。
緩やかに。徐々に、早く。
■ツァリエル > ケイシーの性教育じみた説明におっかなびっくり体の感触と快楽で直に刻み付けていく。
触れられたところから伝わる熱と快感、何かがせりあがってくるような感覚に
あぁこれが射精だと理解し始める。
あまりに強い刺激にくらくらとくらみながら自然と目じりからぽろりと涙がこぼれた。
「けいし、けいし、さっ……あ、っ、くる……たね、なんか……とおって……」
ケイシーの指が先端に触れると先走りがあふれ、とろりとこぼれた。
もはや性知識の講義も耳に届かない様子でぎゅっと目をつぶり、手の動きに合わせて無意識に腰を緩く動かす。
シーツをかき乱し、もはやふさぐのも忘れた口が喘いで普段のツァリエルなら決して見せないような蕩けた表情と痴態を見せる。
「んっ!あ、あ、……っは、あ、でる……っあっ!」
びくんと大きく体が跳ね、ついに射精した。
それほど多くない量の精液が、びゅっとケイシーの手を汚す。
背が弓なりに反り返り、ケイシーとつないだ手を縋るように強く握りしめる。
意識が真っ白になってバラバラに散ってしまったような感覚。
それも長くは続かず、やがて息を整えて余韻をやり過ごすとうっすらと瞼を開いた。
ぼんやりと、倦怠感の漂う視線でケイシーを見つめる。
■ケイシー > 「今のが射精。別に怖かったりはしなかったろ?
好きな相手と抱き合えたら、もっと幸せな気分になるけどな。」
ツァリエルの手を、またポンポンと叩く。
「疲れたろ?さ、後のこた任せて、もう眠っちまいな。
そしたら、明日はスッキリとした気分で目覚めて、お前の居場所に帰れる。
おやすみ、ツァリエル」
暗示でもかけるかのようにそう囁き、キスをするかのように互いの頬をひっつけると、
握っていた手を放してそっとベッドから降りていった。