2022/06/04 のログ
ご案内:「魔族の国」にヴァレリアさんが現れました。
ヴァレリア >  
ディアンドル姿の白髪の少女はタナール砦を抜けてしばらく東に進んだ、荒れた街道を歩んでいた
商工会のマリーとして、人間が奪い返した砦に色々と品物を納品搬入し
さてついでにと古巣を散歩しようとしたら砦にいた兵士達に激しく止められてしまった

大丈夫大丈夫、という言葉にもなかなか耳を貸してもらえず、隙を見て突破してきたところである

「はー、窮屈窮屈。あんなに止めなくてもいいのに」

砦からも目が届かなくなった辺りで、一言ぼやいた少女はくるんとその場で踊るように廻り──
紅い霧に包まれると、一瞬でその装いを血色のドレスにマントを羽織った姿へと変える

向こう──人間の国では夜にしか見せないヴァンパイアとしての服装、姿
それを顕にして、さてさてと魔族の国の街道を闊歩してゆく

ヴァレリア >  
「(この辺に集落とかなかったっけー)」

薄暗い魔族の国でもヴァンパイアの血色の瞳は辺りをよく見通すことができる
きょろきょろと巡らせる視線の先には、かつて集落が在ったであろう痕跡こそはあるものの、魔族の暮らしている街らしき景色は広がっていない

砦からも近いし、もしかしたら、ということもあるけれど
町があったらちょっと遊んでいっても良かったかな…と内心残念に思う

──もっと偏執的なこの吸血鬼の遊びといえば、人間よりも頑丈な魔族を弄ぶことに他ならない
少女の歩く先に街がなかったことはむしろ、享楽的な魔王の暇潰しの犠牲にならなかったという点で幸運だっただろう

ご案内:「魔族の国」にソラムさんが現れました。
ソラム > 「……確か、ここが集落だったって話だけど…廃墟になっちゃってるよね」

 魔族の国の廃墟と化した集落に点在する住居の1軒の壁に手を触れさせながらそう呟くのは、白銀の髪と真紅の瞳、そして額の右片方から縦に伸びた3本の黒く湾曲した角をもつ少女。
 150センチ程の小さな体の上からは黒いコンバットスーツと群青色のコートを身に着けた少女だった。
 そんな少女が背中に背負っているのは、少女の身の丈ほどある大型のバスターソード。

「とりあえず、記録は大事……っと」

 少女はコートの懐から黒いファイルを取り出して開くと、集落の痕跡を簡易的にだが書き込んでいく。

ヴァレリア >  
漫然と歩みを進める少女はやがて集落の廃墟へと辿り着く
自然と荒廃したのか、それともここまで進行してきた人間の軍に潰されたのか
景色として眺めるだけではそれはよくわからなかった、が

「流石に誰も住んでないかなー…? あれ?」

ただの廃墟、と興味もなくし、踵を返そうとしたところ
何かの気配を感じ、耳を済まし鼻を鳴らす

すん、と鼻に香る匂いは人間の血とは少し違う血の持ち主
さてこんなところに誰だろう、と再び歩みを進めると、程なくして視界にその人物が目に入る
その装いからみると冒険者のようにも見える
目立つ角が見えること、血の匂いが違うことから人間ではなさそう、と踏んだ上で

「こんにちわ~!こんなところで何してるのぉ?」

余りにも場にそぐわぬ大声で、眼前の少女へと遠慮なく声をかけていた

ソラム > 「ぁ……どうも…こんばんは」

 気を張り詰めていた少女の身体は大きな声に一度ビクリと身体を震わせる。その後声がした方へ顔を向けるつつ、挨拶する。
 そして視線の先には、自分と似たような白髪の髪を持つ少女がこちらへ歩み寄ってきていた。

「何……。う〜ん、探索?…記録?なんだろう、そんな所……かなぁ」

 一度壁から手を離すと、少女の方へと向き直りながらそういう。ファイルのページとページの間へ栞代わりにペンを挟めて閉じると、懐の中へと押し込めつつ、少女を見据えて。

ヴァレリア >  
廃墟という場所でドレスに身を包むヴァレリアの姿は異質に見えるだろうか、それとも──

そんなことは気にした様子もなく歩みを進め、やがて少女の下へと辿り着く

「ふ~ん。一人で~?ココもう魔族の国だよ?
 魔物もいっぱいだし、悪~い魔族もきっといるから危ないよぉ?」

へー、と少女がファイルを仕舞う様子をじっと視線で追いながらそんな言葉を向けつつ…
探索、記録…こんな場所まで来るなんて、と純人間ではなさそうな少女と視線を交わす

「あ、私ヴァレリア。見ての通りヴァンパイア♪」

ひらりとドレスの裾を翻して優雅な一礼
人間じゃなさそう、ということもあり特に警戒心もなくその正体を明かす

ソラム > 「ヴァンパイア……、なるほど…だからドレスでも平気なんだ……」

 納得したように___実際納得しているのだが__少女へそういう。ヴァンパイア、古い資料などでも見たことのある吸血鬼と呼ばれる種族。銀や聖水を弱点とする……らしい。

「私はソラム。……龍。または龍人って呼ばれているの」

 少女が優雅な一礼を行いつつ自己紹介するのを見ると、自身も簡単に自己紹介をしておく。3本の黒い角を見れば人ではないのが一目瞭然なのが玉に瑕だが、それ以外の尻尾などの要素は今のところ現れる兆候はなさそうだ。

ヴァレリア >  
ドレスでも、という言葉に工程するようににこりと微笑む
事実、魔族の国であろうと高位のヴァンパイアであるヴァレリアを襲うような魔物や魔族は──
いるにはいるのだろうが、大半の者はむしろ逃げるだろう

「ソラムね。──へぇ~、龍!
 お話にはたまに聞くけど、初めて見るかも…」

名乗りを受け、だから角が生えてるんだねーと納得しつつ
物珍しげにまじまじとその全身を舐め回すように見てしまう

「私も化物だから見た目通りの年齢じゃないけど、ソラムもそうなのかな?」

俄然興味が湧いた、と言うように
崩れかけた廃墟の壁にぽんっと飛び乗って椅子のように腰掛けると、続けて質問を投げかける
少女のように見えて、実は──なんてことも、人外にはよくあるコトである

ソラム > 「私も、ヴァンパイアを実際見るのは初めて……だね」

 少女の言葉に自身も初めて見たと伝える。自身がヴァンパイアを知ったのは昔の人々が遺した資料や文献からであり、まさか本物を見ることになるとは思ってなかったようだ。

「うん……、私もそれなりに年は重ねているね…」

 廃墟の壁に腰掛けたまま質問をしてくる少女へそう返す。正確な年月は不明だが、少なくとも1つの文明が崩壊するぐらいの悠久な年月を送ってきた身としては、同じくらいの年頃の人と出会えるのは、やはり嬉しい事だ。

ヴァレリア >  
「そうなの?その格好、冒険者みたいだから結構色んなコト見知ってるのかな、みたいに思ったんだけど」

でも確かにヴァンパイアなんてそうそう会えるものでもないのかな、と口元に指を当てて考える
自分は太陽光もなんのその、だけれど、そんな吸血鬼も多くはないのだろうし
何より自分のように人間の世界に溶け込んでいたりすると出会っても気づかないなどもありそうだった

「ふふ、見た目は年端もいかない女の子なのにね♪」

お互い、外見とその過ごしてきた年月は食違っている
魔族の世界ではよくあること、かもしれないが
それでも似た者同士に出会えるというのはどこか嬉しいもので

「ね。探索、記録?っていうことはお仕事で来てるの?」

ゆったりと廃墟の壁に腰を降ろしたまま脚を組み、問いかける
そうだとしたら人間の国にそういう需要があるのかもしれないし
そうでないとしたら…この子の趣味なのかな?なんて

ソラム > 「う〜ん、私は山から降りてきてそこまで時間が経ってないから、まだまだわからないことだらけ…だね」

 昔のことなら色々わかるんだけど……と頭の中で思案しながらもそう話す。

「3割仕事で、7割趣味?かな」

 少女の問いに10割で表現した場合の答えを返す。言い表すのが難しいため、これが自分なりの精一杯な例えになるようだ。
 実際のところは籠もりっきりの箱入り娘だったことも相まって、その探究心は底知れないもの。故に彼女はソレを仕事と称しつつ、気晴らしも兼ねて行っているものだった。そうして彼女は今まで冒険者兼情報屋として人間の国を渡り歩いていた。

ヴァレリア >  
「あ、そういう感じなのね。じゃあそういうところも私と変わんないんだー」

意外な答えに少し眼を丸くしつつも、嬉しげに
よいしょと腰掛けていた廃墟の壁から降り、ソラムと同じ地へと立って

「ふんふん、3割は仕事なんだ?
 てことは魔族の国の情報はやっぱり人間の国にも需要があるのね」

それがどういう方向に役立てられる情報なのかはわからないが
人間と魔族のこの国での関係を考えるとあまり良い方向には考えにくい
ま、それはそれ、これはこれ…と

「私もこっちではこんなだけど、向こうだとダイラスで商いをはじめたの。
 知らないことが一杯で、楽しいな、なんて思っちゃうよねぇ」

くすくすとあどけなく笑いながらそう話すヴァレリア
──実際には元々あった商工会を乗っ取る形で奪っているため物騒な話ではあるのだが

「向こうで会ったらお茶でもしましょうよ。
 あんまり似た境遇の子に合わないから、もっとたくさんお話したくなっちゃった」

ソラム > 「そうだね。魔物の国に赴く冒険者達には、それなりに需要はある……のかな?」

 依頼人が冒険者多め、とは行かずともそれなりの数の冒険者が魔物の国に行く旨を聞いているため、事前情報があるに越したことはないようだ。

「ダイラス……、確か海があるんだっけ?」

 自身と同じ地に立った少女__ヴァレリアへそういう。何回か、仕事の都合上で訪れた程度であり、そこまで情報が無いものの、海水があることぐらいは知っているようだ。

「その時は、うん。楽しみにしてる」

 ヴァレリアからのお誘いに、二つ返事?で少女はそういう。また会えることはあるようだし、今度はじっくりと思い出話に興じるのも悪くはない。