2019/01/29 のログ
ゼロ > 結果が出ないのであれば、結果が出るまで探索する。
 任務とはそういうものだ、そもそも期限を切られているわけでもないのだから。
 少年は闇夜の中、さらに魔族の国の奥に向かい進む。
 確認した人数、それを思い出せばそういった集団が集まる事のできる場所を特定する為に。
 今まで歩いた場所などであれば、いくつか候補もしぼり込める。
 その辺も探してみる必要があるな、と。

 そう、思いながら夜の闇の中に溶け込んでいく―――

ご案内:「魔族の国」からゼロさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」にビャクランさんが現れました。
ビャクラン > “去ネ”―――と、誰ぞの声が砂塵を揺るがした。

其れは新たな城主の声であったかも知れぬし、此の地、其の物の声であったかも知れぬ。
何方にしても、忌々しげな舌打ちすら聞こえて来そうな其れは、確かな意志の発露であった。

白々と月夜に浮かぶ砂の大地に、紫電の光、ひと筋。
鮮やかな紫がまるく印を描き―――気が付けば其の中心に、己は居た。

素足に砂地を捉え、乾いた風に膚を弄られながら―――思う。

“其方ハ、自由ダ”

誰か、はそう言ったけれど、果たして自由とは何か。
身を焦がす情熱も無く、荒れ狂う衝動も無く、本能に根差す欲求すら遠く。
そんな己に赦された自由とは、―――果たして。

腰に重く纏わりつく、錆びついた鋼の一振りに触れる。
例えば此れがもし、研ぎ澄まされた抜き身であったなら―――己にも、
自由、の意味が解ったのだろうか、と。
瞬きひとつで霧散する、刹那の淡い思考、感傷ではあったが。

ビャクラン > 「…………、ァ―――――……」

紅い唇を丸く開き、喉許に左手を軽く宛てて、微かな震えを指先で探りながら息を吐く。
随分長く声を発する必要も感じていなかった、けれど喉は幸い、刀のように錆びたりはしないものらしい。
細く擦り切れた、けれど確かに“音”が聞こえて―――成る程、耳も錆びてはいないと思い至る。

此処が何処なのか、何処へ向かうのが正しいのか。
標なぞ何も無いけれど、少なくとも、最低限、意志の疎通は出来るようだ。
ならば誰ぞに告げられた通り―――“自由”に、歩いてみようか。
紫電の印の消え失せた砂上へ、素足をそっと滑らせて、踏み締め、て。

ビャクラン > 目に映る、手に、足に触れる、色、香り、感触。
外の世界を構成する何ものに対しても、なんの執着も感じないけれど。

ただひとつ、腰に帯びた此の刀にだけは―――僅かばかり。
投げ捨てて行こうとは思えぬだけの、ささやかな想いが残っている。
幸いにして、重さ、は然程感じぬようでもあるし―――

やがて、白い足裏をじわりと覆う熱感が、痛み、であると知るまでに。
何処かへ、何かの許へ、辿り着けるのか、は―――今は未だ、風の中、に。

ご案内:「魔族の国」からビャクランさんが去りました。