2019/01/15 のログ
ご案内:「魔族の国/上位居住区」にシュティレさんが現れました。
シュティレ > 私は今魔族の国におります、魔族に分類されるのですから、魔族の国にいること自体は問題はないのでしょう。
本当は人の国でもう少し人探しをしていたいところでしたが、最近は人の国の中が騒がしいので様子を見るためにこちらに来ていました。
何やら、ヒトの軍が活発に動いていたり、こちらに攻めてきたりするとかしないとか。
噂というほどのものではないのは、判っております。闇に零れる言葉も、調べればそれが真実だということが判明できます。
むしろ、闇の中に溢れるからこそ、真実なのです、あの国に表立って放たれるそれは、嘘で塗り固められているのでしょうから。
それに、可愛い眷属が今も国の中のさまざまな情報を集めてくれます。

―――今しがた、一匹のコウモリが帰ってきて、私に伝えてくれます。
タナール砦での、戦況も、王国の中にある不穏な空気も。

今、私は貴族など、上位種が住まう居住区の中、カフェでのんびりお茶をしてます。
魔族にはこういう眷属を持っているのが多いので、意外とカフェとかでのんびりしている人は多い模様です。
その中のひとりという形ですね。

シュティレ > 飲み物給仕……此処では、奴隷のヒトらしいですが、彼に頼み私は、それが来るまでの間、本でも読んでいましょう。
領域の中に仕舞っておいた本を取り出して、それを開きます。
今回の本は――――魔術に関するヒトの研究の本です、それはとある本屋にあったのを手に入れたので、それを買取りました。
それが本物なのかどうなのかはわかりませんが、ヒトは寿命が短い代わりに、研究とか勉強などで技術を作り上げます。
その技術が、異種族を脅かすものと成りうるのでしょう、私たちには理解しづらい感覚なのです。
ただ、それを理解すること自体はできるので、私はヒトの研究というものを手にし、それを読んで学ぶのです。
あとは、師事を受け、訓練するということですね。
今はとりあえず書物からの知識を確認することに集中しましょう。

シュティレ > ―――ぱらり、ぱらり、本をめくる音がしています、私が作り上げている音なのですけれど。
ちらり、と顔を上げてみるものの、まだ給仕は飲み物を持ってきていません、時間がかかりそうです。
それならば仕方がないので、私は再度、本を読むことに集中します。
こういう時間は、私としては好きなのです、落ち着いて何もせずにいるということ。
普段は使命がありますし、その使命のために邁進することも好きなのですが、こういうふうに、静かに居たいと思います。
使命が完遂したら、暇を100年ほど貰って本を読みふけるのもいいでしょうか、なんて思ってしまいます。
それは、全て終わってから考えましょうか、と視線を本に落として考えます。

シュティレ > しばらくして、給仕が私の頼んだ飲み物を持ってきました。
それを受け取り、私は本を片手にひと時の休息を堪能しました。
もう少しの間だけ、ヒトの王都の状態を様子みることにして、そこからどうするか決めましょう。
あの子を探しに行くのか、それとも、落ち着くまで、ここで待っているか。
あの子のことを考えれば今すぐ行きたくもありますが、状況がわからないまま動いてもいいことはありません。
ジッと我慢する状況、なのでしょう。

私は、王都の方ををみやり、息を吐き出しました。
そして、静かな時間を堪能し、本を閉じ、私は去っていくのでしょう。
次は、私はどうしているでしょうか――――。

ご案内:「魔族の国/上位居住区」からシュティレさんが去りました。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」にシュティレさんが現れました。
シュティレ > 今宵も、私は魔族の国の中を歩きますが、今日は先日とは違う場所を歩いています。
ただ、食事をする場所にいるというわけではないというだけであり、街の中、上位種の居住区なのは変わりはありません。
彼らの美意識での話で華美な服飾の売っている店、食事場、酒場、城や劇場。
様々なものがあり、彼らの無聊を癒すための施設がそろっている場所であります。
私は、眷属の蝙蝠を人の国との国境であるタナールへ飛ばし状況を確認しつつ、暇つぶしがてらに歩いています。
とはいえ、一人でこういうふうにぶらぶらしても状況も変わりません、どうしましょうか、と吐息。

シュティレ > 別に戦争に加わりたいわけではないのですが、降りかかるなら火の粉は払う積もりです。
ただ、気になる子が、王国にいるからその子の安否を確認したいのです。
やはり、いま戦争状態となっている砦を抜けて、国に入るべきでしょうかと、悩んでしまいます。
ただ、砦の防衛戦というのはいつも一過性のもの、今は騒いでいても、すぐに収まるものと認識しています。
ならば、焦る必要はないでしょうか、コウモリでタナールの状況を監視しつつ、私は思います。
とはいえ、こう、散策を楽しめる気分でも、ないのもまた事実。

シュティレ > 「――――――。」

言葉を交わすツレもいないので、私は一度道の端に移動します。魔族の国の人は血の気が多いのも多いので、ぶつかったことを理由に喧嘩をふっかけてくる人も多いのです。
人の邪魔に――――ぶつかったりしない場所へと移動した上で、私は考えることにしました。
ある意味、魔族の国での騒動は――――戦闘は日常のことですし。
むしろその騒ぎに乗じてしまえば安全なのではないでしょうか。
幸運なことに私は吸血種、彼らの目をかいくぐる方法はいくつでもあります。
例えば、蝙蝠に変化するもよし、狼に変化するもよし、霧が沸き立っていれば霧になればそれこそ見つかることはありませんし。
騒ぎが大きければ大きいほど、コウモリや狼に気を払うことは少なくなるでしょう。
なれば、今がチャンスなのではないでしょうか、と。

ご案内:「魔族の国/上位居住区」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 魔族の国を訪れるのは、これで何度目になるだろうか。
前回は、国境近くの領主の城で所要が済んだので比較的早く王都へ戻る事が出来たが、今回は魔族の国の奥。王都における富裕地区を闊歩している真っ最中。

客人として招かれた立場ではあるが、己の魔術で召喚したガーゴイル擬きを護衛として引き連れていなければ、己の身がどうなってしまうか考えるまでもない。

とはいえ、そういった危険も慣れたもの。魔族の上位種達との会談も終え、どうせ泊まりになるのだからと、魔族達の奇異の視線を存分に浴びながら観光の只中。
通りで起きた小競り合いを避ける様に道の端へと歩みを進めれば、今度は長身の女性とぶつかりかけてしまう。

「……っ、と。申し訳ない。衣服が汚れてはいないだろうか?」

辛うじてぶつかる事は避けたものの、謝罪の言葉と共に女性に視線を向ける。
沸点の高い魔族でなければ良いが、と内心溜息を吐き出しつつ――

シュティレ > 「―――――」

思考に耽っていた所に聴こえてくる声、視線を下ろしてみると、頭一つ二つ下の所に少年の顔が有りました。
聞こえてきた言葉を反するように思い返してみれば、ぶつかっていたのだと思います、思います、というのはぶつかったこと自体私が認識していないのです。
自分を見上げる少年を、見下ろす形になりながら、首を傾ぐ。
ヒトが、なぜ此処に、と思うのは不思議でもないでしょう、此処は魔族の国であり、ヒトは全て奴隷や愛玩用のペットですから。
彼の顔立ちや服装からしてみれば、どこかの誰かの愛玩用のペット……とは思うのですけれどその口調はペットというには傲岸な物でした。

「いいえ、私は問題ありません。」

怪我も何もしておりませんし、目の前のヒトがなにものかわかりません。
面倒事になる前に去ったほうがいいでしょう、私は視線を彼から外し、歩き始めました。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 此方を見下ろし、首を傾げる女性。
まあ、此の場所で人間が歩いていれば当然かと思う。仮に、自分が王都で同じ状況になれば首を傾げるのだろうし。

幸い好戦的な魔族では無かった様で、問題ないと告げた女性は此方から視線を外して歩き始める。
此方も、そのまま歩き去ろうとして――ふと、彼女の後を追いかける様に足を進める。
彼女の身形、言葉遣い、態度。魔族社会における上流階級の者ではないかと思い至った為。

魔族が愛玩用や奴隷以外の人間に興味を持つかどうかも怪しいところではあるが、駄目で元々。周囲の魔族の視線を浴びながら、彼女に声を掛ける。

「…不躾で申し訳ないが、やんごとなき身分の方とお見受けする。人間と言葉を交わすのは不快やも知れぬが、私も客人として招かれた身。もし御不快で無いなら、私の名前だけでも名乗らせて貰えないだろうか?」

シュティレ > 去ろうと歩き始めたところで、声を掛けられました。私は足を止めまして、少年の方を振り向きました。
ともに歩けば姉弟と言われても納得されてしまいそうな、紅い瞳と、白銀の髪を持つ少年。
名乗りたいというその言葉に、私は疑問を持ちました。

「何故?」

そう、何故、です。
私が招いたわけでもないです、先ほどのぶつかったぶつかっていないにしても、あちらが謝罪し、私は謝罪を受ける必要もないですが謝罪を受け入れました。
なら、そこで終わりのはずであり、彼と接点を持とうと思うほどの興味も浮かびません。
なぜ、彼はこちらと接点を持とうと思うのでしょうか。

―――魔族の国の存在に、王国の存在が、です。
問いかけた以上は、答えを聞くために、私はゆっくりと少年の方を向き直ります。
感情の揺らぎのない視線は、少年をしっかりと見据えるのが、見えるでしょうか。
ただただ、視界に入れて観察しているだけ、の視線です。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 此方を振り向いた女性の姿を、初めてまともに視界に捉える。
此方と同じ、白銀の髪と紅玉の様な瞳を持つその姿に、吸血鬼かサキュバスの類かと思考を走らせる。
とはいえ、此方から声をかけておいて、投げかけられた問い掛けに黙り込む訳にもいかない。彼女との身長差に幾分気を落としながらも、淡々と言葉を発する。

「理由は二つ。一つは、魔族の上位者とのコネクションに繋がればという利己的なモノ。もう一つは、私が魔族と敵対する意思が無い事をしかと示したかったから。……という答えでは、御満足頂けないでしょうか」

此方を観察する様な視線を向ける女性に、小さく首を傾げてみせる。作り慣れた社交的な笑みは此の場には不向きだろうと、本心を隠さずに淡々と、真面目な表情で彼女を見返すだろう。

「…私の名はギュンター。ギュンター・メルヒオール・フォン・ホーレルヴァッハと申します。隣国マグメール王国にて、王位継承権を戴く貴族として、今宵貴女に御会い出来た事を光栄に思います」

名前と家名を名乗ってはみるが、此処は王国ではなく魔族の国。王族としての威光等、無いに等しいものだろう。
それでも家名を名乗ったのは、上流階級の魔族であろう彼女に礼を見せる為。過度な阿りに取られぬ様、へりくだった言葉遣いは避けたつもりだが、果たして彼女の興味を引くことができただろうか。

シュティレ > 彼の理由を聞いた、そして、私はほほ笑みを浮かべました。
目を細くし、口元をきゅっと釣り上げた三日月のような笑みを作り上げることにします。

「ギュンター様でございますね。私は、シュティレ。
シュティレ・ズィゲルトーア。恐れ多くも、王より、伯爵位に封じられておりますわ。」

真面目な顔をして彼は、自分の名前を言って寿ぐのだけれども、私はもう一つ聞きたいことができてしまったのだ。

「ギュンター様は、先程、魔族の上位のものとのコネクションを欲しておられましたが。
貴方様は王族なのでしょう?魔族とのコネクションがなくても、自国で、自由にできると思います。
どうして、わざわざこのような危険な場所へ?」

王族、彼がどのぐらいの継承権を持つかはわからないが、貴族ということで上位者と見ていいとおもいました。
彼がここに来る理由、呼ばれる理由に、思いを馳せながら、それを問いました。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 大当たり、というには些か引きが良過ぎた。
上流階級の者だとは思っていたが、まさか伯爵位を持つ魔族に声をかけてしまうとは。

「…やんごとなき身分の方とは思っておりましたが、よもや伯爵閣下とは。伯位をお持ちの方とは知らず、御声掛けした御無礼を御許し頂ければ僥倖です」

魔族も人間も関係無く、他国の伯爵とあっては此方もそれなりの礼を示さねばならない。
しかし、言葉遣いこそ辛うじて流暢ではあったが、一礼するその仕草は年相応の僅かな緊張感が見て取れるだろう。

流石に殺されはしないだろうが、言葉遣いが礼を失していたかと悩んでいたところに、投げかけられる問い掛け。

「……私にも、成し遂げたい事。若輩ながら心に抱く理想が御座います。怠惰に朽ち行く我が国の貴族相手に大きな顔をしていても、それを成し遂げられぬ故。…それに、たとえ戦争状態にあるとはいえ、我が国と貴国は隣国。であるならば、ある程度の交流が無ければ、きちんと戦争をする事も出来ますまい?」

己の理想は兎も角、種族が違うからといって魔族の国を訪れる事を躊躇っていては物事は前に進まない。
戦争をするにも、互いの国に理解ある者。パイプを持つ者がいなければ、戦争の"落としどころ"を持つ事が出来ない。

そういった理由で、此の場所に立っているのだと、彼女の顔を見上げながら言葉を紡いだ。
魔族というのは、皆この様に美しい容姿をしているものなのだろうか、と思考の片隅で取り留めの無い事を煙らせつつ――

シュティレ > 「あら、王位継承権を持つものでしたら、公爵や侯爵位。私よりも立場上うえでございましょう。」

爵位の上で言うのでしたら、国が違えどあちらの方が上であるでしょうし、声をかけて無礼ということはないと思います。
むしろ、私の方が無礼ということになってしまいましょうから。
とはいえ、彼も私も、薄氷の上ということは自覚してます。

「成る程、お志のためというものなのですね。しかし、大変申し訳ありません。
私は、伯爵位を持っていても、この国の貴族ではなく、もっと別の国の伯爵なのです。
そして、私の職務は――――堕落した血族の誅伐にございます。」

私は、私の言葉が冷えていくのを感じます。
私の役割とは、この国に……もしくは、マグメールに逃げた血族。
堕落したもの、裏切り者を裁く、者。
彼のしていることは、彼の言っていることは、詰まるところ。

―――わたしのいちばんだいきらいなうらぎりこういであります―――

笑が、ついつい強くなります。
流石に、他国のヒトである彼を裁く権利などはありませんので、手を出す気は、サラサラありませんが。
溢れる不快の念は、止める気が起きません。
いつの間にか、空に登る月が紅く―――赫く。私の領域に犯され、周囲が、赤い光の夜の闇へと変わりましょう。
一種の警告でも、あります。赤い月の光の下に立つ私を害することは容易ではないこと、彼が恐慌に駆られ、攻撃してきてもいいように。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「継承権を持つとはいえ、爵位を持つのは当主である父であります故。一応、私も王国の爵位を持つ身ではありますが、伯爵閣下と並び立つ程ではありませぬ」

これは遜る、というよりも純然たる事実。
当主である父は兎も角、己は襲爵するまでは高位の貴族としての地位を持たない。それ故に、あくまで彼女が目上であると説き、その態度を崩さない。

「此の国の貴族では無いとはいえ、他国の貴族である事に代わりはありますまい。それ故――」

彼女の言葉に対し、改めて彼女が上位であると告げようとした際。その言葉に籠る感情が変化した事を察する。
堕落した血族の誅伐が職務だと告げる彼女の瞳を、深まる笑みを、ただ黙って見返した後――

「成程、成程。貴女から見れば、私の行いそのものが御不快な御様子。とはいえ、私は己の行いが間違っているとは思いませぬ。少なくとも、堕落しきった我が国の貴族よりは、国を憂える者であるという自負は御座います。それとも、怠惰に朽ち行く国家に忠義を尽くし、魔族との戦争を延々と続ける事が、貴女にとって正しき道と仰るので?」

周囲は紅く染まり、月は紅玉の様に染まる。
それは明確な敵意を見せつけられているかの様であった。
そうなれば、慇懃無礼な口調も、社交的な子供を演じる必要は無い。僅かに瞳を細め、愉快そうに口元を歪めると、眼前に立つ彼女に問いかけた。
己のしている事が、果たして裏切りと言えるのかどうか、と。