2017/04/24 のログ
ご案内:「魔族の国」に紅葉さんが現れました。
■紅葉 > 【人に会いに行くから待っておるが良い】
そう言われて丸一日。
少女は簡易のテントを立てて主を待ち続けていた。
主の結界で高位の魔族でもない限りは見えない、とは言われていたものの、見えないだけで入れはするわけで…少女はシーツに見をくるんで外をきょろきょろと見渡しながら…ため息をつく。
「夢中になってるのかなぁ…ご飯持ってきてよかったよ…。自力でこの辺でご飯、なんとかする自信ないし…」
沢山の兵士に、いろんな魔族の領土っぽいお城や建物が立ち並ぶこのエリア。
正直に言えば少女にとっては、いつもの町中も魔族の領土もさほど差はない、どっちもわからないことには変わりないのだから。
でも、主が居ないのは問題だった、本当に一人ぼっちになる、異世界から召喚された少女にとっては死活問題である。
「探しに行くのも、…うーん、流石に。一瞬で見つかりそうだもんね…」
気配の遮断もそういう魔法も一切使えない、そういう体術を持ってるわけでもない…戦って勝てる自信もない。
人間の中では腕利き程度、しかも借り物の力。
それが少女の現状だった。
満天の星空を退屈そうに眺めながら、少女は主を思い描きながら、大の字になって地面に寝っ転がって再び退屈な時間と戦いながら待ち始めるのだった。
■紅葉 > 比較的広めに作られた結界の中で少女は暇つぶしはないかと頭をひねる。
既に丸一日、頑張ったほうだと少女は自画自賛していた。
何せ、人気がない所、しかも音を立ててはいけない。
無理難題だよ…なんて思っても、それはいつものことである。
主は私が困ってうろたえるのを楽しんでみているふしがあった。
「そろそろなんとかしなきゃ、かなぁ…。うーん、でも…」
もう何度目だろう、なんとかしなきゃ、と思っても、異形の兵士や悪魔を見るだけで回れ右、元々ただの少女で、主は人外の強者。寧ろ少女がなんとかして貰う立場になるのは言うまでもない。
ぼろぼろにされて、主に再生されて、…恥ずかしい思いを覗かれる。
主人の娯楽である。
「もう少しだけ、頑張ろっと。もう少し…」
目を閉じ、何とか眠って時間を稼ごうという算段らしい。
もう何度目かになるから望み薄だが…少女はごろん、と横になってそっと目を閉じてみることにした。
■紅葉 > 「寝ちゃった…ふぁあ…」
どうやらうまく眠れたらしい、そしてぽかり、と主に頭を叩かれる。
【ほれ、寝ぼけておるな?さっさと帰るのじゃ】
散々待たせたくせに…なんて言えない、置いていかれたらそれこそ大変な目に合ってしまう。
ぎゅ、っと飛びつくように主にしがみつくと、ぱぁぁ…とまばゆい光とともに少女は家へと消えたのだった
ご案内:「魔族の国」から紅葉さんが去りました。