2016/09/18 のログ
■カナム > 「おっけぃ、やってやるさ」
一息つき、集中する
地面に落とす所まではハナビに任せ自分はトドメ
失敗すれば二人とも危険に晒される
失敗はできない
「まぁそれっていつも通りの事だよね」
ハナビとの修行だって傭兵の仕事だって
一歩間違えば死ぬものばかりだった、それを僕はこなしてきたんだ
今更デカい鳥が出てきたところで臆したりはしない
「熱いんだよ焼き鳥ぃ!僕みたいなガキに手間取るなよな!」
反撃は考えずスザクの攻撃を躱していく
汗が水をかぶったように流れていく
異常な程の熱さの中での激しい動き、そんな中でも一撃の集中力は残している
■ハナビ > 「五行・・・十二形」
空中に足場を生み出し、大気を蹴るようにして上に上にと飛んでいく。
相手はフェニックス族とはいえ、所詮は鳥。
トンボのように急速に方向転換やホバリングはできない。
対して自由に向きを急速に方向転換できるハナビは空中戦では持続力の代償としてかなりの小回りを有していた。
完全に相手の頭上を取った時、体をひねるようにして構えを取る。
「-崩龍!」
スザクの背中を叩きつけるように放つ遠心力を交えた蹴り。
叩き落とすような一撃に態勢を崩されたスザクは、ダメージこそ微量なものの一度着地しなければ飛べない状態になっていた。
そのままカナムのほうへと向かって急降下していく。
■カナム > 「…やっぱ凄いや、ハナビお姉ちゃん」
大空を飛ぶスザクよりも自由に、早く空を飛んでいる
まともに対応もできずにまともに一撃を食らい…
「修行の成果…見せるよお姉ちゃん!」
鉈に流れ出す魔力と気
何年も僕の魔力を吸って血を吸ってきた鉈
本当によく馴染む、さぁ…料理してやる
「くぅらぁええぇぇぇぇ!!」
多少のダメージは覚悟の特効
狙うはスザクの脳天、渾身の力で握りしめた鉈を振るう
流れ込んだ浸透勁はスザクの中身に少なくないダメージを刻む筈
■ハナビ > 「よし、行けカナム!・・・・・・って鉈!?」
弟子が鉈を抜いていた。
衝撃というものは物を通過するたびに弱くなる性質がある。
だから本来は素手で直接相手の体内に叩き込むのだ。
武器を通して行うのは、素手の数倍の難易度が必要となる。
単純に指で豆を掴むのと、箸でつかむのどっちが簡単か、という問題に似ているだろうか。
しかし、カナムの武器に通る魔力を見て、ふと気づいた。
「そうか、カナムはボクと違って・・・」
気だけではない、魔力と気を同時に流す魔法戦士に似たスタイル。自分ではできない戦い方。
魔力を媒介にすれば、流水に木の葉をのせるかのように、気を通しやすくなる。
しかし、元来の魔力を大して持っていないハナビには到底真似できない戦い方であった。
与えられた魔力は扱いが難しく、気を流せるほど体に馴染んでいない。
カナムが振り下ろした渾身の一撃は、ハナビの心配をよそにスザクを昏倒させ、地面に墜落させることだろう。
■カナム > 「ハハハ、びっくりしたでしょ?」
鉈を見て驚いた様子に満足満足
普通はこんな使い方はしないんだろうけど
ハナビが驚いた顔なんて久しぶりに見れた
「さぁて、今の内にバラしとく?」
十分ダメージが入ったのか地面に倒れたままのスザクを見下ろす
守護者と言うぐらいだし起き上がってまた戦闘となると勝ち目が薄くなる
早めに止めを刺した方がいい気はする
■ハナビ > すとっ、とカナムのそばに着地し、闘気を消し去る。
その視線は弟子の成長を喜ぶ瞳と、羨望、そして僅かな嫉妬が混ざり合っていた。
「ん・・・いや、大丈夫だよ 殺してもすぐに復活するし、今のうちに祠を開けちゃおう。」
相手はフェニックス族。殺したところですぐ蘇生するのでほっておこうと。
「ボクもあれくらい・・・力が使えればなぁ・・・」
小さくつぶやきながら、祠に手をかけて、ゆっくりと開いていく
■カナム > 「復活…嘘でしょ…」
なんて化け物…ズルくない?
まぁそれでも倒したことには違いないしさっさとお宝を頂いてしまおう
「ハナビお姉ちゃん?」
何か呟いた気がしたがよく聞こえなかった
祠の中はどうなってるのか…爪の宝具、有ってくださいお願いします
■ハナビ > 「不死鳥だしね そういうものなんだよ」
カナムの呼びかけには答えず、祠を開く。
中に祀られていたのは、一本の剣。
真っ赤な刀身に、炎のような波打つ刃。
柄にはルビーがはめられていて、灼熱の魔力が宿っている
そして、その脇にもう一つ。
猛禽類の爪を模した篭手。
こちらも同じく炎を模した真紅の爪で、波打つ形状の刃がついている。
しかし篭手の方は白と黒のモノトーンな代物。
まるで色がついてないかのようにアンバランスなものであった
「・・・これ、みたい こっちの剣はカナム使う?」
二つの宝具を手にすると、カナムにほいっと渡す。
ハナビとともに過ごし仙力が僅かに宿るようになった今なら、魔剣として扱うこともできるかもしれない
■カナム > 「実際やってみると不死鳥はズルい奴ってよく分かるね」
あぁやだやだと焼き鳥は諦める
祠の中には…有った!爪だ
「剣?まぁお気に入りのは壊れたままだったし貰えるなら!」
思わぬ所で剣を手に入れた
赤い炎のような刀身、それに魔力まで込められていて柄にはデカいルビー
絶対盗まれない様にしよう
「それで、爪の方はどう?ハナビが思ってたものだった?」
剣は一度しまって爪の方に注目する
ハナビが探していたものと同じ効果を発揮するのか
そこが一番気になっている
■ハナビ > 「さて、どうだろう・・・これだとは思うんだけど、なんか違うような・・・」
爪を手に取ってみる。触るだけならなにも変化はない。
マジマジと見つめてから、そっと篭手を手にはめようとした途端、まるで怒りの炎のように火が爆発するように燃え上がり、ハナビの手を大きく弾き飛ばした。
「つぅっ・・・!!」
妖狐の防護がなければ腕が弾け飛んでいたかもしれないほどの衝撃。
かろうじて右手が折れただけで済んだようだ。
「・・・いたたた・・・どうやら、ボクの力じゃまだこれを使えないみたい・・・」
宝具に認められるには、ハナビの力がまだまだ足りていない。
と判断されたのか、全くいうことを聞きそうになかった。
闇の力だけ強くなり、陰陽のバランスが崩れてる今、適応者としてはみなされなかったようで。
■カナム > 「え、違うの?」
少し残念だけど仕方ないか
もともと勘頼りだったし、間違ってても仕方な…
「ハナビ!?」
突如燃え上がった篭手と手を抑えるハナビ
違うどころか着けれすらしないじゃないか
「ちょっとハナビ、大丈夫なの?早く治さないと!」
今の衝撃で腕が折れたか?
にしてもこの篭手、いきなり何をするんだ
「…ぶっ壊してやろうか」
ぼそりと悪態をついてハナビの方を見る
まだ使えないって…どうすれば良いんだ
■ハナビ > 「うん、大丈夫。しばらく右手が使えないだけだから」
布を取り出すと右手に巻いて、端を口で加えてからぎゅっと縛り付ける。
激痛に顔を歪めるも、しっかりと固定して、口を離すと同時に重いため息が漏れる。
「コレなのは間違いないみたい。だから壊しちゃダメ・・・まだボクの力が足りないんだ もっと修行しないと、だね」
爪をカバンに放り込むと、さて帰ろうか、とカナムに視線を向ける。
「ボクはしばらく戦えないから、カナムに守ってもらおうっと♪」
■カナム > 「それ大丈夫とは言わないでしょ…」
固定は済んだけどさっさと治さないと
ハナビなら気で…あ、魔法じゃないから一気には無理だ
「……分かった」
不満はあるけど納得はする
修行…ハナビの場合精神の修行だけど早く完了してほしい
そうすればもっとハナビは楽ができるはずだ
「任せてよ、この剣にも早く慣れたいし。
ハナビの事はしっかり守るから安心して修行に専念してね」
■ハナビ > 「大丈夫大丈夫 慣れっこだから」
とはいえ綺麗な折れ方ではなくて複雑にダメージが入ったのか、ちょっと苦しそうにはしていた。最後の力を使って崖は空中歩行でクリアするも、魔力も覇気もそこで使い果たした模様。崖の上にたどり着くと同時に膝を地面についてしまって。
「はぁ・・・はぁ・・・うん、あとはよろしくね、カナム・・・・・・」
■カナム > 「慣れてるからって痛いのは痛いでしょ。あんま無理もしちゃだめだよ?」
平気と大丈夫は似ているけど全く違う
崖の上まで何とか登ってこれたけど…僕に比べてハナビはかなり息が荒い
「もう後は帰るだけだから安心だよ、帰ったら暫くはのんびりしよう?」
肩を貸す…には慎重が足りないから僕の肩を平気な方の手で掴んでもらう
目的の物は手に入れたんだ、帰ったらゆっくり休もう
■ハナビ > 「うん そうするよ・・・」
カナムの肩に捕まり、体を引きずりながら帰路につくのであった。
どうにか拠点に戻ってくることができたが、その日はもうすぐに寝てしまうのであった。それくらい、消耗していたようで・・・。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からハナビさんが去りました。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からカナムさんが去りました。