2019/05/03 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」蘭台書令史の官舎」にカナンさんが現れました。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」蘭台書令史の官舎」にネイトさんが現れました。
カナン > 宮中図書館に勤める官吏のための役宅の一室に、ふたりの女の姿がある。
ここは国号と同じ名を持つ帝都の中枢。中央官庁の集まる官庁街よりもさらに内陣に位置する場所。
皇帝の蔵書を護るという職掌ならではの理由から、書令史の官舎は禁裏近くに置かれている。
主上その人の気風を示すがごとく、虚飾を廃して奢侈を禁じ、どこまで実用に適した住居であった。

しかして、その設えは北方帝国の文化の粋を示すもの。
王国出身の人間がみれば、格調高くも独特の機能美をまとい、色濃く薫る異国情緒を感じ取れるだろう。
カナン・ファールバッハに宛がわれたこの部屋は、不在がちな主人のために生活感が乏しいところがあったのだが。
久方ぶりに主人を向かえ、止まっていた時が再び動き出したような雰囲気を漂わせていた。

「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ………」

身体の動きにあわせて、全身の骨がバキバキと鳴る。
まるで半年ぶりに思いっきり伸びをしたみたいな、それはそれはいい音がした。

一連の報告をつつがなく終え、久方ぶりの役宅に戻れば緊張の糸がふつりと切れて。
ハレの衣装がシワになってしまうのも構わず、寝台へと倒れこんだ。
いわずもがな、手荷物の類はネリーに任せてあった。

ネイト >  
「カーナーンー」

適当に喋りながら部屋に入ってくる。
そして異国情緒溢れる服を摘んで見せて。
それはとっても薄く、扇情的なアレだ。

「この服、もう少しなんとかならないかい?」

女性的というにもエロティックすぎる。
僕が男性の時にカナンが着てくれたなら大層素敵なんだが。

「ああ、手荷物はここに置いておくよう?」

カナン > 「郷に入らば何とやらです。下着はそもそも王国発祥の文化ですし……」
「そのうち慣れますよ。ここは天下の首府、永遠の都。帝都シェンヤンですから」

行き倒れみたいなポーズのままピクリともせずに応える。

「………ネリー。ネリー。がんばりましたよ私。できる限りのことはしました」
「成果がいかほどのものか確認できるまで、いま少しの時間はかかるかもしれませんけれど……」
「バフートのお土産はちゃんと届けることができました」

暗殺教団の秘密基地の廃墟に潜り込み、デストラップ祭りをくぐり抜けてたどり着いた忘却の書庫。
『プレーローマ法典』の形成期とほぼ同時代まで遡る博物誌。あれは期待が持てるかもしれない。
仙薬の調合に必要とされる薬草のかなりの部分が、現代ではすでに絶滅したか入手困難に陥っているためだ。

バフートで見い出した書物の中に、主上の探し求めるモノの答えの一端が含まれているかもしれない。
たとえこの名が知られずとも、主上が少しでも玉体を永らえる助けとなれたならば。
きっとそれは、身に余る光栄というべきものなのだろう。

「なので、ええと………おつかい、頼まれていただけますか」

ネイト >  
「帝都シェンヤンだからって言葉を万能なものに使ってない?」
「確かにすごい都会ではあるけどさ……」

女性がそんな疲れきって五体を投げ出すのは新鮮だ。
つまり、僕はこれまで女性と肉体関係を持っても、そこまで深い関係に至れなかったということなのだろう。

「ああ、頑張ったよ。君はとても頑張っている」
「そのためにあらゆる努力をしてきたし、苦労を支払ってきた」
「君はとても素敵だ、女性の頑張る姿というのは、美しい」

そして彼女の言った言葉に、頷いてみせた。

「おつかい? いいとも、なんだって言ってくれたまえよ」
「僕が君の努力に報いようとも」

そこまで言って、にへら、と笑って。

「あ、でもあんまり難しいおつかいならメモが欲しいかな」

カナン > 「おや。何でもするって言いました?」

首をもたげて少し思案する。

「そんな難しいことではなくて……果物を買ってきて下さい」
「帰り道に買おうと思っていたのですけれど、忘れてしまって」

私も成年に達していれば、ネリーと二人でお酒の一杯も酌み交わしていたことでしょう。
けれど、ええ。あいにくと私、花の十七歳でして。

「市場の場所はわかりますよね? この季節になると、おいしいお蜜柑が店頭に並ぶんです」

ぐるりと半回転して上体だけ起き上がる。
黒髪がぼさぼさに乱れて身体にまとわりついているのを感じながら。

「橙の色が濃くて、なるべく平らなものを選んで下さい」
「黴ているのが混じっていたら……衣装の丈がさらに二寸(6cm)ほど縮まりますので、そのおつもりで」

ふといいことを思いついて嗜虐的な笑みが浮かぶ。

「それと。今から男言葉は禁止です。では、いってらっしゃい」

私の目が無いからとズルをする様な人ではないと信じています。ネリーは意外に生真面目がところがありますし。

ネイト >  
「うん?」

悪い予感がした。
こういう表情をしているカナンは時としてすごい無茶振りをする。

「果物? それくらいならお安い御用さ」
「蜜柑か……あれ美味しいよなぁ、わかった。買ってくるよ」

そこで出された条件は。

「この衣装から二寸だって!? 色々見えるだろ!!」
「ぐ、うう………わかりました、お嬢様。では行って参ります」

買い物籠を手に部屋を出て行く。

それから。
僕はあれこれと苦労をした。

黴の入っていない蜜柑を選ぶ試練。
ナンパしてくる男を慎重に言葉を選びながらお断りする試練。
痴漢から超ダッシュで逃げる試練。
僕は、疲れ果てた。

「ただいま戻りました、お嬢様……」

ボロボロに疲れて蜜柑を籠に入れて帰ってくる。

カナン > ネリーがお使いに出ている間に身を清め、簡素な部屋着に改めて帰りを待っていた。
それくらいの時間はありましたとも。濡れた黒髪を乾かしながら出迎えて。

「お帰りなさい、ネリー。外の様子はいかがでした?」

ヨレヨレになって帰ってきたネリーの頬を両手で挟んで、笑みを向ける。

「ああ、私がいいと言うまで男言葉は禁止のままで」

王国と違い、この地ではふらふらと出歩く神獣族の姿は珍しくもない。
ただ果物を買ってくるだけ。ごく普通のお使いだったはずだ。
帝国臣民が普通に着用しているそれより、だいぶきわどい衣装さえなければ。

「おフロ、使っていいですよ。私が使っていない時間であれば、いつでもご自由に」
「その間に丈を詰める準備だけしておきますから」

籠の中の蜜柑をひとつ手にとって検分する。

ネイト >  
「とても人が多かったですね、さすが帝都といったところでしょうか」
「不逞の輩も大勢いて苦労しました……」

頬を両手で挟まれ、至上の笑顔を向けられる。

「ええ……お嬢様、私が何かいたしましたでしょうか…?」
「下々の者を無闇に虐げることはいかにお嬢様といえど許されておりませんよ」

はぁ、と溜息をついた。
それはとても重く、地面に転がってしまうんじゃないかとすら思えた。

「それでは湯浴みをさせていただきます」
「…これ以上、丈を詰めていたら着ませんからね」

そう言って風呂場に入っていく。
奴隷の頃は毎日、水を浴びせられるだけだったのでそれに比べれば今は天国だ。

カナン > 「あなたが親しくしていた女の子って、皆さんそんな言葉遣いをしてたんですか?」
「もっとこう……女の子女の子したのがあるじゃないですか。ナントカだわー!とか、そういう」
「吹っ切れてない感じがしますよね」

そういうのがよろしいのではなくて?などと、思いの丈を伝えつつ見送って。

蜜柑をむいて一房ずつ口へと運ぶ。
瑞々しい甘味がいっぱいに拡がり、ほっこりとため息をつく。
ええ。これはなかなか見る目があると認めざるを得ません。

「………ここだけの話、これは私の独り言のようなものですけれど」

水音を聞きながら、片手間に冷たいお茶を用意して。

「ここシェンヤンには本草学……というより、仙術の専門家がいます」
「そういう者たちの作る特殊な薬品、いわゆる仙丹の中には………」

二つ目の蜜柑をむきはじめる。

「人体における陰陽の和合を逆転せしめる性質のものがあると聞きます」

物音的にそろそろ出てきそうな感じでしょうかね。

ネイト >  
「と、申されましても……」
「私、女の子の口調を学ぶために女の子と仲良くしていたわけではありませんので…」

方言が聞き取れても方言が喋れるとは限らないのに似ている。
そしてメイドという女性社会に入ってからわかったこと。
女性は異種族なのではないか? ということで。
それは今、自分にも適用されるのであった。

湯浴みを終えた頃に独り言を聞いて、身体に布を巻いた状態で出てくる。

「その話、詳しくお聞かせ願えますか!?」

食いついた。ええ、食いつかざるを得ないとも。
男に戻れるのであれば、そういう話であれば。
僕は飛びついてしまうのだ。

カナン > 「蜜柑、美味しかったですよ。もうあなたに伝えることは何もありません……」

お蜜柑と冷たいお茶をお盆にのせてサイドテーブルに置く。

「えー。そこはもうちょっと頑張りましょうよ」
「世の中の女の子だって、生まれたときから女だったわけではありませんし」
「いえ見かけは女でしょうけど、中身とか言葉遣いとかのお話です」
「ぎこちなくても構いませんから。なんならお嬢様言葉でもいいですよ」

普通の女の子より、そういう方々の方がお詳しいでしょうし。

「さすがは名家のご令息。あえて回りくどい言い回しをしたのに感づきましたか」
「陽は発散、男性を司ります。陰は収束、女性を司ります。どちらが優れているという話ではありません」
「………男性が女性になり、女性が男性になる薬が存在する。察しがいいじゃないですか」

とび出てきたネリーをどっせーい!!と寝台に突き飛ばして押し倒す。
露わになった素肌の、腰骨の上に馬乗りになり、重力に引かれて横方向に広がる豊かな胸に両手をつく。

「可愛らしい言葉遣い、がんばれますよね?」

ネイト >  
「ひゃー」

危ない。突き飛ばされた瞬間、『どわー』とか言いそうになった。
彼女がそういうのを決して聞き逃すわけがない。
軋む寝台の上で真っ直ぐにカナンを見る。

「頑張れます、私、可愛くなるから……」

男に戻るために可愛くなるのか。
なんだこれ。なんだこれ。
というかいつも思うんだけどなんで元・男の僕が下なんだろう。

既に女の快楽を教え込まれてしまっている。
くっ……流されタイプの自分が憎い。

カナン > 「私の担当は外典部なので、古代シェンヤンの神仙思想は専門ではありませんが……」
「専門に扱っているお友達がいます。だいぶ年上の先輩なんですけどね」

大きな犬の耳の両脇に肘をつき、鬼灯みたいに赤い舌でネリーの唇を割り開く。
奉仕を求めて唾液をひとしずく滴らせ、迎え出でた舌と蛇の交尾みたいに絡まりあう。

「……ん、く………っ…ぷは。運がよければ、帝都に戻ってきているかもしれません」
「私の用事は済んでしまいましたし、無為に油を売っている時間もありません」
「これ以上……ふ、ふっ…滞在を伸ばす理由はないのですが………っ……」

唇が離れて、頬に、首筋に口付けの雨を降らせていく。
温もった膚がうっすらと汗ばみ、隙間なく重なって鼓動を伝える。

「どうしましょうね?」

柔らかく平らかに形を変える胸の頂きに口付けを残し、今度は前後の向きを変える。

「知ってますか? ネリーってすごく可愛いんですよ」
「今日だって、そういう目で見られたんじゃないですか。あわよくばお近づきになりたいと」

ふとももを割り開きながら、ネリーの視界いっぱいに情欲を煽るような腰使いを見せつける。

ネイト >  
舌を絡めて睦み合う。
女同士のキスがこれほど激しいとは、男の頃は思わなかった。

「ん、う……」

名残惜しそうに離れると、身体にキスの雨を受けて嬌声を上げる。

「あぁ……ん、うう………お願いだから、私のために滞在してよぉ…」

ああああ。男。僕。男なのに。ああああ。
自分の中で何かが崩れた気がした。

「いいでしょ? カナン……?」
「そんなに可愛い私のお願いを聞いてくれないの?」

男だってのに。
なんかこう。しっくりくるなぁ………

カナン > 「綺麗な声。あの人とそっくりの……」

むっちりとして肉づきのいい内ももに口付けして、吸い痕をひとつ残す。
チャイナドレスの裾からギリギリ覗かないくらいの場所に。

「天の時、地の利、人の和……どれかひとつが欠けても事は成せないといいます」
「ただ単に、そういう薬があると知っているだけではダメなんです」

仙薬の調合には別の専門家がいる。
もしも実物を望むのであれば、それは宮中図書館《蘭台》の職掌を越えた話になる。

「……問題はもうひとつ。珍しい植物や鉱物をふんだんに使う関係で費用がかさみます」
「ファールバッハのお家からお渡ししたお給金だけでは足りませんし」
「私も借金まみれなので、さらに借りを作ることになります」

湯浴みを終えたばかりで蒸れた下腹部、ふとももの付け根に顔を埋める。
目の前で動く尻尾に気を散らされながら、無遠慮に秘所をくつろげて舌を埋めていく。

「でもまあ」

すこし憎たらしくて、ぴったりと閉じた包皮に隠れた肉の芽を暴いて苛めはじめる。

「その顔にお願いされると弱いんですよね。私も大概に激甘なので」
「………なので、せいぜい私を満足させて下さい。ネリー。私の………」

ネリーの顔にまたがり、快楽を貪るようにふしだらに腰を使う。

ネイト >  
「あん。褥で違う女性の思い出を口にするのね…?」

自分で言っておきながらちょっと面白い。
あんて。あんて。

「あはは、あんあーん」
「ってこら、駄目でしょ。そんあところに吸い痕つけちゃ」

そして、来るのはお金の話で。
こればっかりはどうしようもない。
はっきり言って僕が稼いだ給金なんて高が知れている。

暗澹たる気持ちに支配されていると、秘所に舌を這わされてそれら全てが吹き飛ぶ。

「あ、ちょ、そこは……っ」
「もう……反撃するからね?」

女言葉もちょっと楽しいな。
そんなことを思いながら、カナンの秘書に舌を這わせる。
舌使いには自信があると思っていたけど。
彼女もたいしたものだ。
というか、だんだん余裕がなくなってくる。

何度も何度も絶頂をし、そして二人で身体を絡ませて淫らに体を捩った。

カナン > 「ネリー。無理にあんあん言わなくてもいいんですよ別に」

つられて笑いそうになって舌を使うことに集中する。

「そういうのは小説の中だけで……それとも何ですか?」
「俺に抱かれた女は皆喘ぎまくってたが?とか言い出したらごはん抜きですからね……」
「というか、だんだん小慣れてきたじゃないですか。その調子です」

敵もさるもの。もともと女の敵と呼ばれた(カナン・ファールバッハ調べ)だけあって経験はそれなりに。
でも、その身体との付き合いは私に一日の長があるはず。弱いところだって全部知ってるんですから。
情欲に突き動かされるまま、時間を忘れて交わりつづける。
重なる膚がひとつに溶けて、どこまでも堕ちていく。溺れていく。

「………ん、ぁ………っう……!!」

紫電が散る。小刻みに繰り返される絶頂と目くるめく余韻に身体が戦慄く。

「…………はぁ……はぁっ………ふふ、どうでした? いつもより気持ちよかったんじゃないですか?」

口もとを拭い、もう一度体勢を変える。今度はネリーの片脚を抱き、秘所をすり合わせるような形で。

「……仙薬のことは聞いておきます。相談するだけなら無料ですし」
「いいご主人さまでしょう私……ふぅ…っ」

ドロドロに熱く蕩けた場所がふれあい、淫靡な水音を立てはじめる。

ネイト >  
「ごはん抜きだけはやめてよー」

笑いながら、それでも行為が再開されると体を跳ねさせて。
体は正直に快感を受け入れる。
そして、今も。

絶頂の余韻に体を横たえて荒い呼吸をする。

「……確かに、気持ちよかったなぁ………困ったもんだ」
「あ、今のはノーカウントでお願いするわね? 丈を詰められるのは嫌だもの」

ふふ、と笑ってお互いの秘所を合わせる。

「ええ、時々無茶振りをするけど、いいご主人様だわ、本当」

秘めやかな時間が流れていく。
二人分の熱が、声が。そして時間が。
この行為を続けさせていった。

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」蘭台書令史の官舎」からカナンさんが去りました。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」蘭台書令史の官舎」からネイトさんが去りました。