2018/08/18 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」 酒場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > ――此処最近、忙しかった。
九頭竜山脈での盗賊狩りの後、修行するための情報を集めに王都に戻り、そこからまたとんぼ返りのようにシェンヤンに。その後、今度は妖怪退治や道場破り等の修行を繰り返し、ようやく一息付ける段になったのだ。

「そんなわけで今日は自分へのご褒美!一杯飲むぞぅ」

幸いにして、シェンヤンは酒の多い国でも有る。
どれを頼もうかとメニューを見て楽しそうに迷っている。

クレス・ローベルク > まずは軽いものから、という訳で花びらを漬け込んだ酒、花酒を頼むことにした。陶器の瓶から盃に注いでみると、花のいい匂いが鼻孔をくすぐる。

「これは、中々……。女の子に飲ませたらいい感じに酔わせられるかな?」

そんな不埒な妄想をしながら一口すすってみる。
花の風味と言えるものが口の中に広がるが、しかしそれは酒の味を邪魔せず、寧ろ際立たせている。度数は高くないものの、しかし決して『ただ甘いだけの酒』という訳でもない。

「うん。これは後でお土産として持って帰ろう」

此処お酒売ってるかな、とかそんな事を思いながら、次の酒をどうするか考える。

クレス・ローベルク > 酒は弱くはないが、強いわけでもない。
いっぱい飲むのは良いが、あまり呑みすぎるのもそれはそれで店の迷惑になるだろう。
となると、変わり種も王道もどちらも呑みたいのが人情。というわけで、次は有名な白酒を頼むことにした。前と同じ陶器の瓶で運ばれてきたのだが……

「うっ、匂いつっよ!」

鼻から抜けるような匂いが、盃に注ぐ前から漂ってくる。
とぽとぽと盃に注ぐと、それが尚更伝わってくる。

「これは……覚悟して飲まないと駄目かな……」

そう構えて呑み……そして、むせた。

「げほっ、げほっ。強ッ、この酒強いよ!」

口当たりはまろやかだったが、しかしそれが何だというぐらいに度数が強い。一瞬、頭を殴られたかのようにぐらっとした。

「こ、これは悪いけど残そう。流石に飲めない」

と少し遠くに置いて、次の酒を吟味する。
次で取り敢えず終わっとこうかなーとそんな事を考えつつ

クレス・ローベルク > 最後に呑んだのは、ちょっと高いお酒、老酒だ。
トウモロコシで作った酒を、長年熟成させた物、らしい。
ワインのようなものかな、と当たりをつけて頼んでみたのだが

「赤い……というか、赤茶けてる?」

ワインのような濃い赤ではなく、どちらかというと赤土の色に近い。しかし、香りは良い。先程の白酒の如く強烈ではないが、芳醇な香りだ。

「では、早速……!」

先程の白酒の事もあり、慎重に一口。
そして口に含んだ瞬間、いきなり口からグラスを離した。

「何このお酒……美味い」

トウモロコシから作ってあるからなのか有って甘いのだが、その甘さはトウモロコシのそれではない。例えようもないほどの奥深さを内包していて、自分が今まで飲んだり食べたりした物では表現のしようがないのだ。

「(どうせお金はあるから、これも買うかなあ。でも、これはよっぽど特別なときじゃないと……)」

美味しいのだが、しかし何時も呑むような物ではない。
それぐらいの特別感――風格の有る酒だった。

クレス・ローベルク > 「それじゃあ、お会計しますか」

金貨を払い、店の外に出る。
外に出れば、また修行と盗賊狩りの日々である。
とはいえ、この国に着たのは決して悪いことばかりでもなかったな、とそう思った。

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」 酒場」からクレス・ローベルクさんが去りました。