2016/06/08 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」にルゥエンさんが現れました。
ルゥエン > 地都・雑多な貧民街に程近い路地の一角。昼時を幾分か過ぎた時間帯、という事を踏まえても客は少なく、半ば閑古鳥が鳴きかけている酒場の戸を、どこか場違いな少女が開く。
銀色の髪は腰まで伸び、陽の光を受けては眩いばかり。黒い華の刺繍が入ったチャイナドレスを纏った身体は幼く、10代も前半に差し掛かった頃、といった様相。その背にはまた少女に見合わぬ朱色の木棒が背負われていた。
そして、その頭には狼を思わせる鋭い獣の耳と、尻からは艶やかな銀色の尻尾が伸びる。神獣族であるという何よりの証である。

「大将、強めの酒と何か肉料理をくれるかのう。」

カウンターについた少女へ、いらっしゃい、の一言も無い不愛想な店主に、注文を投げつける。
その内容はまたも少女に見合わぬ肉と酒。しかし、それが好物なのだから仕方があるまい。
了解、の一言も無く店主は注文の品を用意する為に奥へと下がっていく。
これがこのような貧相な店に通う理由である。
天都や地都の繁盛した良い酒場に通う金が無いわけでは無い。
店主が寡黙だから、良いのだ。
幼い容姿の者に出す酒は無い、そう言われる事が無いのだから。

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > 異国情緒……つっても、貧民街付近はどこもかしこも良く似たようなモンだな。
(運びの仕事も終えて、ひと段落。
適当に休める場所を探しブラついていた結果、たどり着いたさびれた酒場。
余り美味いモノは期待できそうにもないが、こういう場所のほうが空気が妙に落ち着く。
多少のぼやき声を交えながら入り口をくぐれば、ゆるりと周囲を見渡して)

適当に安い酒とツマミ、と思ったが店主が引っ込んじまってるな。
ふむ……
(誰かの注文が済むまで、ちょいと待つ事になりそうだ。
少し暇でも潰すかと、思えば目につく、場違いな格好をした少女の姿。
耳やら何やらから察するに、「コチラ」で言えばミレー族か。
もっとも、マグメール周辺とシェンヤンでは随分と扱いが違うのだけれども。
こうさびれた酒場では他に話す相手もなしと、緩い足取りで其方へと近づいていく)

ルゥエン > 席に着けば暇を持て余し、ここで飲んでいる客にちらり視線を向ける。
表通りにある酒場の活気とは、まるで真逆だ。酔っぱらって崩れているものはいるものの、騒いでいる者などいない。
無気力な目で酒を口に運ぶ作業をしているものや、どこか遠くを見ながら酒を味わっているもの…うむ、静かだ。
客層のほぼ全員が貧民と言った風情で、間違っても貴族などはいないし、平民らしき者もいない。…いや、一人増えた。

「……あぁ、すまぬの。お先じゃ。 注文が通っておれば、じゃが…店主は今、わしの料理を作りに行っておる。」

冒険者、であろうか、恐らくその類の匂いを持つ人種が店へ入って来たのに気づき、軽く声をかける。
何分店主は厨房、カウンターに座っているのは自分一人。
一人で飲みたい気分…などという訳でもなし、放っておくわけにはいくまい。

アシュトン > 構わんさ、別に急ぎでもない。
何処か休める場所がないかと探していてね、ふらりとここの空気に吸い寄せられた。
(くくっと、小さく喉を鳴らせば、挨拶代りに片手を振って。
足取りそのままにカウンター席へと近づいていけば、軽い会釈と共に隣にへと腰を降ろした)

しかしまぁ、こういってはナンだが、場所に似合わん恰好をしているな。
シェンヤンじゃミレー……いや、神獣族だったか。それも重用されるとは聞くが。
あまりいい身なりだと、危なくないか?
(相手の頭の天辺から、脚の先まで、軽くと視線を流す。
貧民街なら、まぁ真っ先に狙われてもおかしくない格好だ)

ルゥエン > 「そうか。まぁ、ここの店主は中々に自由人ゆえ、ゆったりと休みながら注文を待つにはもってこいじゃ。それゆえの閑古鳥なのかもは知れんがの。」
軽い会釈には同じように会釈で返し、ゆるり微笑む。急いで喉を潤したいなら、間違いなくこの店を選ぶべきではない。
しかし、ゆったりと待てるのであれば話は別である。

「なに、ここは案外気に入っておっての。わしは騒がしい場所を好まぬ。
ほれ…此の通り、多少耳が良いのでな。 まぁおかげで、不貞を働こうとする輩から逃れる程度容易なのじゃが。
…お、来おった、来おった…」
ゆらりゆら、と銀色の尻尾を揺らし、小さな頭に乗った獣の耳を見せつつ答え。
と、答えた頃にちょうど店主が顔を出す。その手には濁り酒と塩で味付けされた鳥肉。待ってましたと言わんばかりに、揺れていた尻尾がふりふりと。

アシュトン > どっちにせよ、場所が場所だけに儲からないだろうしな。
冒険者や傭兵みたいな荒くれが来れば話も別かも知れんが、そう言う雰囲気でも無さそうだし。
(呑めや騒げや暴れろみたいな雰囲気ではなく、まさに粛々、といった感じ。
国柄なのかこの地域柄なのかは分からないが、なんというか、生気のない客が多い気がする)

ま、ゆっくりと呑むには、こういう空気の方が合ってるかもしれんな。
ははん、なるほどね。
それにマグメール方面だと往々にして制御されてるが、コッチじゃそういうのも無いだろうからな。
それだけ余裕があるって事か。
(肩を少しとばかり竦めた後に、相手の方へとやってきたメニュー。
実にシンプルではあるが、悪くはない)

俺も同じ酒一つと、ツマミをなんか適当に。
あと、こっちのご婦人に良い酒を一杯頼む。おごりだ。
(次いでコチラが店主を捕まえると、適当に注文を済ませ。
待つ間は、暫く食べる様子でも眺めているとしようか)

ルゥエン > 「品揃えもサービスも他所へ行った方が表の方の店の方が良質じゃからのう。もしここが流行れば別の店を探す手間が生まれるからのう、このまま…おっと。酒とつまみの味は…まぁ、悪くない。」
言いつつ鶏肉を切り分け、その小さな口に運ぶ。うむ、とびきり美味いという訳では無いが、悪くも無い。次いで酒を口にすれば、熱い息を吐き。
流行って欲しくない、とは店主の前で言う事でも無い。店主は顔色一つも変えなかったが。

「王国の方は噂程度にしか知らぬ故なんとも言えぬが、ここで堂々と歩いておる神獣族を襲おう等という輩は酔っぱらいか、余程の愚か者のどちらかであろうな。」
確かに、怯えた様子などはひとかけらも見せず酒を飲む少女からは余裕が溢れていた。

「おぉ、おごりとは悪いのう。…くふ、少しぬしの事を誤解しておった様じゃ。」
自分を少女扱いせず、酒まで奢ると言うあまり起こりえぬ出来事に、少女は笑みを見せる。
食事を黙々と取りながらも、同じ酒を、と店主に注文を加え。

アシュトン > 酷い話だ、贔屓の店が流行って欲しくないなんて、店主の目の前で言うなんてな。
こいつは、見返してやるために頑張らないといけないやねぇ?
(何処か楽しげな笑みを隠さぬままに含め、店主に向かってそんな言葉を掛けてみる。
相変わらず、顔色一つ変わった様子はないのだけれども)

そうらしい、アッチの感覚で下手に手を出すと、まぁ大変な事になるのは予想出来る気がするよ。
もっとも、貧民街で飢えてるような奴らは、そんなの気にせず、なりふり構わんだろうけどね。
(それこそ、一儲けできれば、なんて刹那的に動くヤツはんて幾らでも居る話だ。
まぁ、そういうのは往々にして薄暗い路地で屍をさらす事になるのろうけども)

ここで会ったのも、何かの縁って奴さ。
折角綺麗なご婦人が相手してくれてるんだ、少し位は良い恰好したいだろう?
(ウィンク一つ相手へと向ければ、笑みを描くように口の端を上げた。
やがてやってきた分の濁り酒と、小鉢……中身は煮物か何かの類だろうか。
それを自分の前にへと置いた後、次いで店の割に小奇麗な器を受け取る。
中身は、透き通った色をした、清酒、という奴だろうか。
それを相手にへと――渡す、その前に。
コートの袖の影の影、そこから器の縁、そしてその中身にへと、相手に見えぬ角度を維持しつつ、「液体」をそろりと流しこむ。
種類は、『睡眠毒』
量は少ない分昏睡、とまではいかないだろうが。酒と合わせれば、意識が混濁しても不思議はないだろう)

それじゃま、ぐいっとやってくれ。
(さらりとまるで何もしなかった様な雰囲気のままに、その器を相手にへと差し出した)

ルゥエン > 「くく、是非とも見返して欲しいものじゃのう。店主にも、餓えている奴ら、というのにものう…」
肉と酒はみるみるうちに小さな腹へと収まっていき、酒はおかわりがくると分かっているか飲み干してしまっていた。
見返して欲しい、とは言うものの、まるでそうは思っていない様な微笑を浮かべつつ。

「あぁ、良い恰好をしたがるのが男という生き物じゃからの。よい、いただくとするかのう。…ん。」
アルコールも回り、良い気分になっているせいか、男の企みには気づいた様子も無く。
清酒の入ったグラスを受け取れば、一口……

「……う、ぷっ!?…これ、は…なんの、つもりじゃ…っ…店主、か、貴様…か…っ!」
普段ならば、口にするまでも無く、臭いで察知は出来たはず。
しかし、油断しきり、その異変を含む味に気付いたときにはもう遅く、一口めはもう胃の腑に落ちていた。半分ほど残ったグラスが倒れ、カウンターを濡らす。
少女は瞬く間に席を立ち、背にしていた朱棒を手に持ち構え二人を睨みつけていたが、銀狼たる勇々しさはそこまでであった。
勢いよく動いたぶん、酒と薬が回り、意識がまともに働かない。力が上手く入らず、朱棒をとり落としそうにもなった。

アシュトン > 男の子には、何時になってもそういう意地があるんでね。
女性にとってはそれが可愛く見えるのかもしれないけど、さ。
(喉を鳴らしながら、相手が口にするのを見れば、此方も濁った酒を含み。
そしてその直後、焦るような声を耳に聞きながら、嚥下に喉を鳴らした)

どうしたんだ、突然?
こんなに美味い酒なんだ、落ち着いて飲まないと勿体ないだろ?
(対人対魔物様にほぼ無味無臭には加工しているが、相手次第でバレる事もあるだろう――というのは置いといて。
言を荒立てる様子に此方は驚くでもなく、ゆっくりとグラスの中身を飲み干して。
相手にへと視線を戻せば、ゆっくりと立ち上がる)

残念だが、店主に非はないさ。
あぁそうだ、今のうちに迷惑料渡しておくぜ?
(中に金の詰まった皮袋を、店主に向かって放物線を描き投げる――と同時に、地面を蹴り出す。
行く先は、勿論ふら付いた彼女の方にへと。
棒を取り落としそうになるタイミングを狙い間合いにへと一挙に踏込み、まずは相手の反抗を奪うように鳩尾目掛けて拳を撃ち出す)

ルゥエン > 「…は、ん…っ、斯様に不味い酒、初めて…呑んだわ…ッ!」
すぐに逃げれば、酩酊状態であっても人間の足にはまず追いつけなかったであろう。
しかし、このわしに一服盛ったという怒りからか、思考がまともに紡げなかったからか、抵抗の意志を見せていた。

「貴様、か…っ、あぁ、それならば好いた店を潰さずに済んだ…の、う… …ぅ、ぐ…ぅぅっ!」
足元はおぼつかない、朱棒を握る手にもほとんど力が入ってはいない。それでも、僅か笑みを浮かべ。
迫る男の一撃。目は確かに襲い来る拳を見ていたが、手足が言う事を聞かず、防御し損ねる。
細い身体は衝撃に揺れ、押し殺した悲鳴が口から洩れる。
握られた朱棒は男へ向けて弱弱しく振られ、振り終ったところでその手から零れ落ちた。

アシュトン > 慣れれば旨く感じるようになるさ……これから、そう言う風にしてやるつもり、なんでね。
(相対して、此方はニヤリと、意味ありげな笑みに口の端が大きくと上がった)

そういうこと、恨むならたっぷりと俺を恨めばいいさ。
まぁもっとも、次にこの店に来る事が出来るかは、分からんがな。
(一撃、軽い身体に拳を撃ちこむ、確かな手ごたえ。
十分な衝撃を与えると共に腕を引き抜けば、弱くも抵抗に振られた棒を横へと動きかわし。
そのまま相手の側面、から後ろにへと周りつつ、背後から捕まえてしまおうとする)

折角だから、皆にも楽しんでもらわないと、な。
(特徴的な耳へと語りかけるようにしながら、捕まえる事に成功したのであれば。
手を胸元や太股にへと、這わせていくとしようか)