2016/04/09 のログ
ハーディ > 通りをしばらく進んでいくと、奴隷市に出た。
政争に敗れた王族や貴族たちの末路だろうか。あるいは、ハテグの主戦場で捕虜になり、連行された敵側の将兵だろうか。
それとも、不運にも攫われてしまった無関係の民だろうか。
皆一様に裸同然の肉体を拘束具で固定され、口には猿轡のようなものが押し込まれている。
やがて売主と思しき、立派な身なりの人物を見つけると、ターバンの男は馴れ馴れしく手を振り、近寄っていった。

「おう、兄弟。景気はよさそうだな。俺か?まあまあってところだ。
いつものメンツで砂漠をてくてくと、今回もやってきたところさ。
水上輸送は相変わらず海賊がうるさくてな。奴隷船の安全な航行も、正直なところ運次第というところだろうよ。
で、今の売れ筋は何だ? やっぱりマグメール人か?」

売主が部下に合図して、値段表をもってこさせると、ハーディはそれをざっと眺める。

「マグメール人と、お、今回は魔族も出されてるのか。
良く捕まえたよな。結構てこずったんだろ?値札が生々しいぜ。
……俺か? いや、今回はそんなに連れていけなくてな。中継地点までだったら請け負ってやるが」

ハーディ > ハーディは売主と詳しい話をつけるために、一緒に奥に引っ込む。
やがて商談がまとまったのか、握手を交わし、表に出てきた。

「じゃあ、とりあえず、これと、これ、この列だな。
ああ、出立時に引き取りに来る。逃げないようにしっかり見張っとけよ?」

冗談をかわし手を振ると、また品物を眺めにもどった。
しばらくきょろきょろと何かを探していたが、やがてため息をつく。

「この辺りにはなさそうだな。
明日はもう少し、庶民的なところへ足を向けてみるか?」

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」からハーディさんが去りました。