2016/04/07 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」にハーディさんが現れました。
ハーディ > 「これは、……確かにマグメールにも劣らぬ大きな都だ。しかし、通りは整然としてわかりやすい。
よほどの小路でなければ、迷うことも少ないだろうな」

黄龍大路は賑わいを見せている。
そのなかに、ターバンを巻いた南国風の男を中心とする十数名の隊商があった。
めいめいが、馬に荷物を載せている。
その中身は毛織物や香辛料や精油といった出身元の産物のほか、ルミナスの森で手に入れたいくつかの品物。

「さて、そうすると。
この通りからみて東側が、『天都』とよばれる地域か。
来たばかりでいざこざは避けたいし、まずはとりあえずの宿場を探さなければな。
……ふーむ、確かこの辺りでは旅人用の宿を『駅』というんだったか?」

とはいえ、シェンヤン、この国についてそれほど詳しいわけでもない。
通してくれた朱雀門の門番に、手短だが話を聞くと、旅の商人なら治安のよい東側が良い、と。
西側にいくほど治安が悪く、貧民街と呼ばれる場所もあるという。
金子を門番の袖の下へ滑り込ませ、「ありがとう、これで酒の足しにしてくれ」というと、相手は覆面を気にも止めず、快く送り出してくれた。

ハーディ > 一行は行き交う人々を避けながら、大路を東に向かって渡り始め、やがて横道にたどり着く。
どうやら、文化の流入も進んでおり、それほど勝手が違うような宿だけではなさそうだ。路を歩けば、やがて土壁造りではあるが立派な宿を見つける。裏手には厩だろうか、時折馬の鳴き声が聞こえてくる。

「よし、建物の規模もそれなり、造りも俺の地元にどことなく似ているな。
戸口には守衛と。周辺も明るいし、ここにしよう。
──やあ、宿をとりたい。こっちはざっと18人だ、上等な大部屋はいくつか空いてるか?
 ……そうか、8人部屋が2つと3~4人部屋が5つ。
いいだろう、では8人部屋2つと4人部屋2つで頼む。」

つかつかと入ってゆき、受付の人間に声をかけた。
しばらく会話した後、従業員が数名出てきて荷物を運び入れ、また数名が一行の馬を裏へ連れていく。

「さて、君たちに小遣いを上げよう。これで観光でもしてくるといい。」

そう言って、護衛たちに1つずつ、金の入った皮袋を渡すと、さあっと方々に散っていった。
残された商人たちは、部屋を案内する従業員、ターバンの商人、その後に続いて入り口をくぐる。

「さて、明日から忙しくなるぞ」

小部屋に引っ込み、窓から通りを眺めながら、ハーディはつぶやいた。

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」からハーディさんが去りました。