2023/04/10 のログ
■ホアジャオ > 「…是吗(ふゥん)……」
外壁を反り返るまで見上げて、首を慣らすように左右に傾げると、女は鉄鋼を付けた腕をぐるぐると回す。
ちなみに、仕込みナイフがあって握り込むと拳の側から刃た飛び出るシロモノである。
中々に重みがあって、遠心力に引っ張られるようにも思いながらそうやって準備運動を済ませると、ぽんと飛び上がって外壁に取り付いた。
どうやら、登攀で登るつもりらしい。
もちろんすぐに衛兵に見付かって大層怒られる事になるのだが、口喧嘩している間に登りきる事には成功したとか―――
ご案内:「タナール砦」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にラストさんが現れました。
■ラスト > (結果だけが残る。
戦いが在った、そして、勝者が確定した。
敗者は地に伏せ、勝者だけが最後に立つ
―――今回は、其れがただ一人であったと言うだけの事。)
「―――――終わりだ。 すべて奪っていけ。」
(何処からともなく現れた、数多の魔族達
されど、其の全てが先の戦闘には参加して居なかった、戦後処理の為の人員
生存者がいれば鹵獲し、使えそうな装備が在れば回収して行く
撤退して行った少数兵への追撃は行わず、勝者としての権限を行使し
後は、奪うだけ奪い尽くして、帰還させるだけ
――何の事は無い、当たり前のように行われる事が、行われただけ。)
「―――――……終わったら、砦を解放してやれ。
中に居る"連中側"の捕虜は、丁重に届けて遣ると良い。」
(この場合の"連中"、とは、同胞たる魔族側の捕虜の事
今回の砦襲撃の目的の大半は、捕虜の奪還に在った――らしい
ただ、救援依頼を受けただけの己には知らぬ事だ
仕事、と言う義務感以外に、さしたる興味も無い
――此の儘、王都へ進軍する為の足掛かりだと言うのなら話は別だ
だが、そうじゃない。 以前から続くこの砦の奪い合いは
所詮形骸化し始めている、ただの陣取りに過ぎぬ
前線に駆り出されている兵達にとっては、死活問題であろうとしても
己にとっては、余りにも無味蒙昧で、退屈な戦争の一つであった)。
■ラスト > (戦場に残るは、焼け焦げた様な跡と独特の臭気
戦争であるなら、火薬や銃器の類、爆発物の類が使用されても不思議はなく
人間と言えども魔法、魔術の類による攻撃が行われるのは当然の事
だが、それらは通常多岐に渡るが故、戦場に"其の痕跡ひとつだけ"が残る事は先ず無い
だが、今戦場に残って居るのは、先述した、焼け焦げたような気配が殆ど
まるで、無数の落雷に晒された後の様な――)
「砦の中は、軽く片付けて置け。
ただ、何が仕込まれて居るか分からない、注意しろよ。」
(人間の兵達が、撤退時に何かを仕込んでいった可能性は或る
罠、魔術、或いは毒。 僅かでも此方に被害を生み出すための方策であれば
別に、人間でなくとも仕掛けることは定石だろう
命じた魔族達の半分が、砦の中へと向かう中で
自らもまた、砦の正面、跳ね橋の前まで歩みを進めて行く
こうして、此処まで足を延ばしたのは久方ぶりだ
此処最近は、魔族側の領地を放浪して居たが故に、世情からは離れている
もう少し骨の在る者が混ざって居る事を期待したのだが
――生憎ながら、そう都合良くは行かなかったようだ)。
■ラスト > (暫く時が経ち、砦内部の”清掃”も終了する
砦を防衛する所までは依頼に含まれて居ない
恐らくは、程なくして他の魔軍が砦の占拠と、捕虜の回収に来るのだろう
其の辺りまでを、己が構ってやる筋合いはない。)
「―――――帰るぞ、もう用も無いだろう。」
(一言、声を掛け、撤収を命じる。
ばらばらと砦の中から出て来る魔族達が、散り散りに領地へ向けて帰り始める
金物を目安に回収した防具や装備を荷物に積み、好きな様に人間の捕虜を取り
勝者として当然の報酬を各自確保する事に、特段何の咎めもしない
それは、戦人としてこの地に訪れた時点で、各々が覚悟するべき処遇なのだ
――最後に、残されたもの、遅れた者がいないかを軽く確かめた後、自らもまた踵を返す
後にの頃は、誰も動かぬ戦の痕。 戦場の砂埃だけが、無限に舞い踊っている様で――)
ご案内:「タナール砦」からラストさんが去りました。