2022/03/19 のログ
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > タナール砦 霧雨の昼間
早朝から雨が降り続いていたタナール砦
見回りはフード付きのローブで鎧の上から雨を受け止め、雨の向こう
霞んでしまう先を見据えながら待機していた。
雨の音 量 それはなりふり構わずに隠れ向かってくる場合には厄介な代物であり
こちら側は身を潜めて見張っているほかはない。
怪しいものでもいれば、それこそ身を潜め 雨の中斥候が周りを確かめもするだろう。
事の起こりは、雨が静まり始めた霧雨になってからだった。
細かく もはやローブの意味もなく濡らしていく顔を濡らしていく雨
口元を布を巻くことで、内側の吐息で身を温めて顔を濡らすのを防ぐ以外にできることはない。
その中、雨に構わず砦に向かってくるものがいたとしたら?
騎馬ではなく歩兵 砦内に侵入しようと長梯子をかけて入り込んでいこうとする手勢など
それらを弓で対処しながらも、中には投げ飛ばされるようにして砦に張り付く者もでてくるアナクロなやり方。
相手は人間ではない この境目は 魔と人を分かつ砦である。
火薬玉を投げつけて爆破し 弓を射かけて落とし 梯子を半ばまで引き上げては適当なところで破壊する
砦下の群れに隙間という隙間を造り 砦攻略の手段を消していく。
門を開けるなど、本来なら法度
しかしその中でも、狂気に身を染めて 黒い先頭が前進し それが伝染して剣を抜き、走り出す追従の勢
それがダンタリオの戦狂い 先頭に立ち、鉄塊と呼べそうな武器を手にしても、周りに置いて行かれない。
突進してくるかのような黒い塊のまま、背中の大剣擬きを抜き出す。
身幅と丈だけはある、大剣擬き。
その影を見据えた向こうと衝突するのではなく、間合いの内側に入った瞬間、真横に一振り。
「―――ッッ!!」
腰が引きねじられ、足がグヂリと捻りまわる。
鎧を着ていようと 鎧の隙間と隙間 鎧の中央 骨と皮
真横一文字に振り切った瞬間、力の反動で回転錐揉みしながら、上半身と泣き別れ飛ぶ姿
それが泥跳ねる音と共に、周りに一つを二つに 二つを四つに 四つを八つにしてみせて、ギザ歯を剥き出しにした。
「―――ハァァァァァァ……。」
白い吐息は、雨で冷えた空気で臓腑の熱の色を伝え
向こうの誰かが漏らす 人なのか いやあれでは
―――魔族だろう、と。 そうわたくしの耳に聞こえた。