2021/08/01 のログ
■メイラ・ダンタリオ > タナール砦
古戦場よりも有意義な殺し合いをし続ける場所にて
時折気まぐれな雨の天候がある中、現在 人間側に砦が占領されている
古戦場とは違う譲り合いや、程々という言葉がない
敗ければ逃げるか、捕らわれるか 殺されるかでしかない現実
今だ血が香る中で、砦の中では一仕事を終えたことで、罠を新たに張り直しながら
食事をとり、魔族側が蓄えていた武器や素材も再利用されているだろうか
一方的な行為を許せば、線引きが変わる砦という一か所
それは国境と等しい重要性を示す中で、メイラは革の鎧一式にフードマント姿
黒髪の蓄えている髪は上に結わえられた姿で、魔族国側が見える位置にて
篝火が点在する中、砦の上で刀の手入れをしている
砦の奥では、次の物資調達がいつやってくるかをはかせようと
捕虜に拷問を行い、此処に滞在する兵達の存在意義の一つとして
女魔族や顔立ちの良い男魔族の尻を犯しながら英気を養っているのだろう
悪態や悲鳴が砦の奥から響いている
「一発ヤるほどスタミナを喰うと、どこぞの拳闘士が述べいた下り
あれって本当ですの?」
メイラは手入れをするために口元にハンケチを咥えながら、混じり者である自身は別として
ただの人間らの鍛え上げた身体であったとしても、犯す云々で消費する体力を、これから先のことを考えると
そう突っ込みを漏らしていた 周りの同じく砦で魔族国側を眺めている同輩らも苦笑している
此処の者らは、首を獲ることに熱中していたせいで、後の祭りを味見する気もなかった者が多い。
メイラは肩をすくめる。
使用していた刀の血糊を改めて拭い、剣身をいたわる為の油を薄く塗り付ける
何人斬りつけてもいい いくら浴びてもいい 最後の手入れをおろそかにすればそれは錆びてそれは死ぬ
刀という分類の繊細な部分による手入れを行いながら、改めて鋼の色味を帯びた反りのややきついそれを眺め
そして満足げに黒鞘へとゆっくり戻すだろうか。
チ ィ―――ン
最後に間延びを付けて鍔を鳴らした刀に、メイラはギザ歯の笑みを浮かべて、愛刀に呟く
「嬉しそうに鍔を鳴らすものですわね。」
再び、剣身の色味を取り戻し、より斬れると刀が喜んでいるかのように
その刀の鍔鳴りは静かに伸び良く伝わっていた。
■メイラ・ダンタリオ > 腰に愛刀
身に着けているものも、日常や、外着とは違う戦場装備
それだけで、メイラの体の内側はいつもより、熱がある
一度一度ずつ点火させるような日常とは違う
土に埋めた焼けた火玉のように 埋み火のように外側が生温いだけ
一定期間の間の砦を取り戻し、砦を守る任期の間
暴力も、性も、どちらでも体は喜ぶのだろうか
王に絶対服従の身でありながら、王に迷惑をかけるつもりもないものの
刀を肩にかけるようにしながらポツリとギザ歯の向こうで言葉を漏らす
「夜襲でも来たらよろしいのに。」
のらりくらりとしているわけではない
絶対安全がない領域の中で、撚り暴力を求めるメイラの不謹慎な言葉
一定緊張が含まれている空気の中で、周りは縁起でもない、とメイラを諫める
『やめてくださいよお嬢 それこそ俺たちは、明日も玉無し同然ですよ。』
ここでもう一度さらに重ねたらと思うと、起つものも起たないと身を震わせる。
『ここで見張ってますから、誰か使ってきたらどうっすか?』
同輩数人が、少し溢れ出ている気力を消費したほうがなどという始末
赤い瞳は細まり、ギザ歯の歯列をへの字で見せながら首を廻すと
同輩らは明後日を剥きながら 異常なーし などと吹き
「どっちも切っ掛け次第ですもの。」
そう言って、鍔を親指が起こし、戻すを数度繰り返す。
ご案内:「タナール砦」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。