2021/07/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にテイファーさんが現れました。
■テイファー > 戦闘の音は砦の内部から。王国軍が防衛し、そこを奪還するために魔族が集団で乗り込んだところだった。
最前線送りと言う名の半死刑宣告を受け止めつつ、生き延びる為に剣戟の喧騒から遠ざかる。といって、外に逃げれば同族であろうと平気で惨殺する様な味方ばかり。
と、なれば。それは自然に人目を、同族の目を避けるように砦の内部へ内部へと侵入を果たす事に繋がっていた。
あわただしく響く足音は王国軍の物だろうか。
噂になる様な力量の持ち主が相手なら勝ち筋は見込みが薄い。
自分が生き残り、利益にありつくには「それなりの」強さを持った人間側の戦力を手籠めに。もしくは篭絡、無力化させる事しかない。
「―――――――――。」
声は人間の可聴域を超えている物。催眠ではなく催淫。それを砦内で反響させるのはデメリットこそあるが――。
あるのだが、この声に気が付くと言う事は力がある存在の可能性が高い。
本質に気づかれる前に、自分の声が、この音が相手の理性を揺さぶれば。
時間を掛けて長期戦にする事で自分の視線が相手を更に追い込めば、と言う期待があった。
(世の中そんな都合よくいかない物だろうがな。)
心の中では毒づくが、命惜しさもあり欲に忠実でもある魔族の行動は、あくまで捕食者。餌を求める立場での行動だった。
鬼が出るか、蛇が出るか――願わくば雌が出て欲しい物だが。
■テイファー > 慌ただしく足音が行き来する。
遠ざけた筈の剣戟の音が徐々に近くなってくる。
――人間側が何の策も弄していなければ魔族側が優勢なのだ。
となれば撤退するのだろうか。
(後ろ指を指されて生きるのは慣れているが)
面白い物でもない。何か一つ手柄を立てたところで所詮、自分は下級の淫妖。
力ある人間から力を貰うか、その人間を下僕とするか。
或いはいっそ――ここで魔族側から人間側に裏切るか、だ。
直接的ではない。魔族側の攻め手にも美麗な存在はいる。それを仲間面して近寄り、背中を襲う。裏切りの基本をここで行うか。
(しかし足音が煩い。それで掻き消されているか?これは期待値は薄いか。)
■テイファー > やがて戦は幕を下ろした。
この日辛くも勝利したのは人間達。結果、砦の中に取り残される事になった下級の淫妖はどうなったのか――それはまた、後日の話
ご案内:「タナール砦」からテイファーさんが去りました。