2021/06/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にルフィナ・エニコフさんが現れました。
■ルフィナ・エニコフ >
「まったく、王国軍の正規軍とはいっても、所詮こんな前線に送られる兵士なんてしれているわね」
弟よりタナール砦にて奪還作戦が実行されたと報告を受けたのが数刻前。
ちょうど近くの村まで来ていたことあり、様子でも見てみようかと訪れた時には戦闘は終わっていたようで。
現場にいた士官からきいた話だと魔族の数は少なかったものの、想像以上の抵抗を受けたこと。
また集めた兵士のほとんどが雑兵であったことから犠牲もそこそこ出たらしい。
とりあえず状況を自分で確かめようと砦の中を歩き回り。
休憩していたり警備に回っている兵士を見ればなるほど確かに装備は貧弱で練度も低いように見え。
一部の兵士は戦闘の興奮も冷めやらぬのか、時折こちらに劣情のこもった視線を向けてくるものさえいる。
しかし一人で手を出してくるほど度量のあるものもいないようで。
どこかつまらなさそうに砦の様子を見て歩き。
ご案内:「タナール砦」にサシャさんが現れました。
■サシャ > (性癖が不一致でしたので退室します!すみません!)
ご案内:「タナール砦」からサシャさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にネメシスさんが現れました。
■ネメシス > 正規軍ではないが、砦の戦力の一環として送り込まれていた聖バルバロ騎士団。
雑兵の群れと言えばこの一団こそその典型と言えるだろう。
練度も悪く、兵の質は酷い。
街のゴロツキを集めて装備だけは整えた様な集団も砦の中を屯していた。
一隊を率いている副団長のネメシスは戦勝の余韻が漂う砦の中を一人で歩いていた。
「あら貴女、この辺では珍しい格好ね。
正規軍が雇った傭兵や冒険者でもなさそうだけど。
ここに何しに来たの?」
魔族の集団は追い返した後とは言え、まだまだ不審者が潜んでいても不思議ではない。
ネメシスは瞬くと、興味本位で声を掛け乍ら近づく。
■ルフィナ・エニコフ >
砦をあらかた見て回り、特に興味を惹かれるようなこともなければ軽く肩を竦め。
宿舎に戻って朝一番で出立しようとと考えていた時。
唐突に女性の声で話かけられれば振り返って首を傾げ。
「あら、貴族が戦場にいるのはさほど珍しいことではないでしょう?」
腰に差した細剣の柄に左手をそっと乗せ。
相手の問いかけに軽い調子で答え。
■ネメシス > 「え、貴族?」
ふむと唇を閉じ、顎に手をやる。
こんな物騒な所に態々足を踏み入れる酔狂な貴族はこの国にはこれでもかと居るが。
素直にそれを信じるべきだろうか。
ともかく尋ねてみるとしようか。
「えっと、貴族なら名前を名乗ってくれる?
私はネメシス・フォン・マクスウェル。
貴女は?」
身なりや腰の細剣の装飾を見るに豊かそうに見える。
ひょっとしたらとんでもない大身かも知れない。
そうなるとこちらが畏まる必要があろうか。
そうでなくても折角ここまで来たのだ。
簡単なもてなしくらいはするべきだろう。
■ルフィナ・エニコフ >
「マクスウェル……。
噂に聞いたことがあるわ、ずいぶんと活躍しているらしいじゃない」
相手の名前を聞けばなるほどと軽く顎を上げ。
品定めするように相手を見てから腕を組みながらどこか含みを持たせていい。
「私はエニコフ家の子女。
ルフィナ・エニコフよ」
こちらもそれなりに悪名高い家名でもある。
最近爵位を受けたばかりと聞くマクスウェル家の人間でも。
社交界や貴族との付き合いがあればそれなりに狂った姉弟とその親のうわさを耳にすることがあるかもしれない。
■ネメシス > 「まあ、そうね。
今も活躍した後って所よ。」
白銀の鎧はよく見ると返り血や埃で汚れている箇所もあった。
品定めをするような視線に口の端を伸ばす。
「あら、エニコフ家の。
研究家で有名とは聞いているいるけど実地にも赴くのね。
で、今日は面白い物でも見つかったかしら?
この時間はもう遅いし、良かったら食事と寝床を提供するわよ。」
王城への出入りが少ないネメシスでも名前くらいは聞いていた。
正真正銘の貴族である。
ネメシスはルフィナに視線を一度向けてから踵を返す。
後を付いてくるのなら砦の部屋の一室へと案内するだろう。
広くて比較的調度品の状態なども良い部屋。
元々上流階級へ供される部屋の様だ。
■ルフィナ・エニコフ >
「研究一家といっても、私は実地での調査が好きなのよ。
じっとしていられない性分でね」
相手の言葉に軽く肩を竦め。
続く言葉には少し考えるように、踵を返した相手の背中を見て。
「ま、特に何もなくて戻ろうと思ったところだし。
マクスウェル家のお誘いとあれば受けないわけにはいかないわね」
一応貴族間の付き合いも大事にしろと弟に口酸っぱく言われていることもあり。
同じように実地での戦いで活躍する相手と付き合いがあってもいいだろうと判断し。
後をついていけば最優先で片付けたのだろうか。
思った以上に状態の良い部屋に案内され。
■ネメシス > 「それは分かるけど、こんな場所まで来るのはやりすぎじゃない?
ここって本当に危ないのよ?」
見た目だけなら同年齢程に見える相手。
噂通りに常識外れらしい言動にため息を吐く。
「魔族も皆追い返した後だから見ても面白くなかったでしょう。
ま、折角だし砦の中ってのを楽しんでいけばどうかしら。
お酒も状態いいのがあるようだけど。」
部屋に入れば複数置かれた椅子の一つに腰かける。
ルフィナにもどれかに座るように視線で促し。
程なくして部屋の奥からやってきたネメシスの従者がテーブルに飲み物を並べる。
従者は女性であり、身のこなしから護衛役も兼ねて居ると伺えるか。
飲み物はネメシス用にはアップルジュースを、ルフィナにはワインやジュースなど要望に応じたものが用意されるだろう。
部屋の周囲では概ね片付けも終わりつつあり、戦場特有の物々しい空気は抜けていた。
「それで、今日は何か見たい物でもあったのかしら?
良かったら捕虜の顔位は見せてもいいけど。」
■ルフィナ・エニコフ >
「危険?ふふ、そんなのは今更ね。
私を他の箱入り娘と同じにしないでもらえるかしら?」
相手に促されるがままに椅子に座れば相手の従者にワインを頼み。
投げかけられる言葉には不敵な笑みを浮かべて答え。
「私は好奇心のためならその身や娘ですらささげるエニコフ家の女よ。
下手な奴隷よりこの体は汚れているし、その辺の兵士よりも血を浴びてきたわ」
従者がワインを持ってきてくれば軽く礼を言ってから口に含み。
「そうね……もう少し骨のあるような兵士か、魔族の捕虜でもいればいいかと思っていたけれど。
あの雑兵に負けた程度では話にならないわね」
■ネメシス > 「あら、それは悪いことをしたわね。」
向けられる笑みからただならぬ雰囲気を感じるネメシス。
若くても醸し出す空気はしっかりと王城の貴族であった。
アップルジュースを口につけている間、従者は摘みとしてチーズや干し肉などを並べる。
「その話初対面でいきなりしちゃうんだ。
聴いてた以上に凄い相手ね。
…骨のある兵士なんてここにはそれほど居ないし、
捕まっている魔族も大したのはいないわよ。
魔王とか居ればお気に召したのでしょうけど。」
さて、このご令嬢に喜んでもらうにはどうしたものか。
グラスを傾けながら、視線を天井を見上げていた。
■ルフィナ・エニコフ >
「私、あまり謀略とか得意じゃないのよ。
どうせ貴族連中に聞けばすぐにわかることを隠す意味もあまり感じないしね」
相手のどこか呆れたような言葉に小さく首を傾げてみせ。
出されたチーズや干し肉をつまみとして口に含み。
「そういう貴方だって、割と黒い噂を聞くわよ。
なんでも女の子を何人も孕ませてるとか、検問ついでに手を出しているとか」
仕事柄黒い噂の絶えない貴族とも付き合いがあるため。
ある程度相手のうわさについても把握してるようで。
しかしその声は咎めるような要素は一切なく、まるでお茶会の会話のようにたわいなく尋ね
■ネメシス > 「あらそうなの?
私もあまり得意ではないんだけど、流石にそこまであからさまにはできないわ。」
いつもならあっという間に飲み干すアップルジュースだが、なんだか今日はあまり減らない。
目の前の少女から醸し出す見透かすような何かが凄く気にかかる。
「あ、その話しちゃうんだ。
本当になんでもその場で言っちゃうのね貴女。」
危ない危ない。グラスを傾けるタイミングがずれていたら派手に噴き出してたかもしれない。
先ほどまでの戦場でも感じることのなかった冷や汗が頬を伝う。
従者も微妙な空気を察し、困ったように部屋の隅で立ち尽くす。
微妙な表情を浮かべるも、ネメシスが指摘された内容について取り繕うこともなかった。
それこそ調べずとも知れ渡っていることである。
それをさも平然と口にするご令嬢の姿はネメシスに取って少し異様に見えた。