2021/04/25 のログ
ヴェルム > こちらの問いかけに対する彼女からの答えはなかった。
一瞬、ヴェルムは部下に視線をやるとすぐに彼女に視線を戻す。
すると部下たちは顔を見合わせて、砦屋上から砦内部に移動…というより退避を始めた。

「…ああそうだ、我々は強力な兵器を用いて砦を占拠することができた…
ただそれだけだ」

彼女の問いかけに堂々と答える…それに嘘は無かったが。
ヴェルムもまた腰に携えた剣に手を添える…彼女が戦う意思を見せたのであれば応戦するつもりだ。

「んんっ、既に魔族軍は撤退しているから、戦う意味は無いと思うよ」

ふうと息を吐いてから、彼は堅苦しい軍人の話し方から、年相応の砕けた話し方に変わる。

ソラム > 「まぁ、そうだね。理屈から言っちゃえばそうなるよね」

ヴェルムの言葉に同意しつつも、でもと言葉を切ると、

「半分は傭兵として。半分は興味本位でいるの」

そう言葉を続ける少女の手には身の丈ほどある大きなバスタードソードが。右手で掴んでいるそれの切っ先をヴェルムではなく、奥の方に向けるだろうか。

「さっき私を撃ったやつ。一体だけ連れてきてもらってもいい?興味が湧いたの」

それでチャラってことでいいよね?とヴェルムに問いかけるだろうか。
正直なところ、彼女の興味は兵器という言葉にある。
自身を吹き飛ばすことができるモノが出てきた事にも興味があるが、まずその正体が気になり、ヴェルムにそう問いかけたのだった。

ヴェルム > 「…はぁ、うーん…」

彼女の要求はまぁ想像通りだった、だからこそのため息だ。
難しそうな顔をして腕を組んで少し考え始める、大剣の切っ先を向けられようがお構いなし。
軍人だからいろいろあるのだろう。
ふと振り向いて遥か後方を見るような所作をしてから…顔を戻した。

「…壊さない、盗まないなら…いいよ」

仕方があるまい、要求を呑まなければ余計に面倒な事態になるかもしれない。
そう考えると件のゴーレムがここまでのスペックを持っていなければとも思う。
この場に他の部隊の兵士がいなかったことは幸いだ、気心の知れた部下たちだけなら、多少の命令違反があったとしても…

「一体戻してきて…大丈夫だから」

通信魔法で部下にそう命じれば、ほどなくしてずんずんと足音を立てて、彼女を撃ったゴーレムが一体戻ってくる。
大きな体躯に甲冑のような装甲、その身体に見合った大槍、そして内包する魔力はかなりのもの。
正直、隣にいられてはどうにも落ち着かない。

ソラム > 「盗む気も壊す気もない、よ」

知りたいだけ、そう答えた彼女は足音を立てて戻ってきた一体のゴーレムに近づくと、軽くコンコンとゴーレムの表面を叩き、

「金属かな?それとも別の素材?」

一人で自問しつつゴーレムの周りをグルグルと回る様は子供のようだ。
ゴーレムを刺激しないようにしつつ観察しているところを見れば、気を使っていることがわかるだろうか。

ヴェルム > 「それならいいんだ、まぁ僕らも詳しいスペックについては知らされてないから」

近づき、ゴーレムを観察し始める彼女は興味深そうな子供のようでもあり、しかし刺激しないよう気を使ってもいるようだ。
その方が助かる、こちらの指示に従うものとはいえ、過度な刺激はどんな反応を起こすかわかったものではない。
ゴーレムは彼女の仕草に反応することなく、索敵でもしているかのように首を左右に振っている。

「魔導機械に興味があるのかな、それともゴーレムだから?」

かつて王国のダンジョンに出現したとされる古代の魔導機械を模して造られたコレに興味を示すのであれば、オリジナルについても知っているのではと。

ヴェルム > 中断です
ご案内:「タナール砦」からヴェルムさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にソラムさんが現れました。