2021/04/11 のログ
■ソラム > 「はぁ______邪魔」
飛びかかってくるゴブリンの眉間に純白の刃が突き刺さり、動きを止める。
ピクリとも動かなくなったゴブリンの死体をそのまま放り捨て、砦の中に突入する。
砦に襲来したのは、小柄な体格の少女。
群青色のロングコートを羽織り、背中に漆黒の刃をもつバスタードソードを吊り、右手には純白のエストックを持っている。
彼女がここを訪れたのは単なる気まぐれそのものだったが、魔物達からしたら最悪と言ったらありゃしない。
深紅の瞳で睨まれたゴブリンやオーク達は足がすくんで一歩も動けず、動いて襲いかかったオークが一匹居たが、大柄なオークがもつ鉈を片手で受け止めバキンと刃からへし折ると、少女はオークの顔面を殴りつけ易々とオークの頭部が爆弾のように爆ぜる。
その返り血が少女の顔を彩る様をみると、魔物達は我先にと逃げ出してしまう。
「...今日は、まぁ、これでいっか」
静かになった砦のなかでポツリと呟いた少女はエストックを収め、頭部を無くしたオークの体に手を入れ、体内から心臓を、右腕を引きちぎると心臓に歯を入れ、分厚い皮を喰らい獣臭い血で喉を潤すと、右腕の一部を噛み千切りボリボリと音を立てながら咀嚼しつつ、地下へと下りていく。
トントンと軽い足音と共に生々しい音、ポタポタと血の滴る音が聞こえてくるだろうか。
■ブレイド > 足音が聞こえる。
ようやく見張りが来たのか?
そういえば食事もまだもらっていない。
むしろ、捕虜に食事を出す気とかあるのだろうか?
魔物たちのラインナップをみた限りでは、期待もできなさそうだ。
ではなんだろう?
拷問的なあれだろうか?
できればゴブリンやらオークではなく、もうちょっと頭のいい魔物が担当してくれればいいのだが。
「はぁ…」
ため息を付きつつ通路の方へと視線を投げて
足音の主が来るのを待つ。
■ソラム > 地下へ辿り着くと、そこには牢屋が連なる道が続いている。
ある程度歩いていくと、かなり奥側の牢屋に人影が。心臓の欠片を口に放り込むと、その牢屋の前で脚を止める。
その牢屋の中には、両手両足を拘束された見慣れた男がすわっていた。
「....ブレイド?なんでここにいるの?」
もしかして捕まってたの?と問い掛けながら、牢屋の扉を片手で抉じ開け、中に入るだろうか。
右手にはオークの右腕を持っているが、ブレイドは何と思うだろうか...。
■ブレイド > ちらりと視線を送ったその先には
見慣れた少女。思わず目を丸くしてしまう。
なんでこんなところにいるのか。
オークの腕とか持ってるし、口の周りは血まみれだ。
まぁ、彼女は龍なのでオークを食ってても問題はないかも知れないが…
それにしたって、なんで…
彼女もこちらにそう問うが、こちらも聞きたいところだ。
「…オレは、たまたま捕まったんだが…むしろお前こそどうして」
牢屋の扉はまるで薄い木の戸板のようにもぎ取られて彼女は中にはいってくる。
かっこ悪いところを見せてはしまっているが…
■ソラム > 「え?暇潰し、だけど」
たまに遊びにくるんだよとブレイドにそう説明しつつ、オークの腕を口で咥えるとエストックを抜き、切っ先でカチャカチャと鍵穴を弄り開けようとするが、なかなか開かず面倒くさいと呟くと、両腕の拘束具を繋ぐ鎖に手を掛け、引き千切るだろうか。
「....ふぁい、ひょれで..大丈夫だよ」
脚の鎖をバスタードソードで叩き切ると、ブレイドから一歩離れるだろうか。
■ブレイド > 「暇つぶし…」
この砦の連中も不運だ。
自分は幸運だと言えるかも知れないが。
突然ドラゴンが襲ってくるとは誰も思うまい。
いや、この少女の正体が…か。
ともあれ拘束から開放されれば、立ち上がりひらひらと軽くなった脚や手を振って
「おう、ありがとよ…ってか、生食かよ」
腹は減ったが流石にオークの腕は食いたくない。
まぁ、装備品ももどってきたし、あとで携帯食を食えばいいか。
面倒が起こる前にさっさとここから退散したほうがいいかも知れないが…
■ソラム > 「ちょっと獣臭いけど、食べないよりは、マシだよ?」
残っていた指を口に放り込むとブレイドにそう答えるだろうか。
何かあったかなと彼女は懐を漁り、保存食として作っていた干し肉があることを確認すると、その干し肉を何枚か取りだしブレイドへと渡すだろうか。
「こんなのしか、無いけど」
ブレイドから視線を外すと流れるように腰から拳銃を抜き、ノールックで引き金を引く。
放たれた魔力弾は息を潜めていた一匹のゴブリンの脳天を打ち抜くだろうか。
■ブレイド > 「お、おう、ありがとよ」
干し肉を受け取りつつも、なぜこっちを食わなかったのかと考える。
やはり生肉のほうが好きだったりするのだろうか?
とにかく、これは普通の干し肉だろうし、ありがたくいただくことにする。
肉を一枚かじりつつ、装備を整え直していると、ソラムが何かを引き抜く。
見慣れない武器ではあるが、何かを飛ばしたようで
生き残っていたであろう遠方のゴブリンが倒れ伏していた。
「やるなぁ…」
流石に強い。龍であるのだから当然ではあるだろうが…
■ソラム > 「まだまだだけど、ね」
称賛してくるブレイドに苦笑気味な笑みを浮かべてそう返すだろうか。
バスタードソードのように力で振り回したり等はせず、あくまでも狙いをつけて放つだけ、だがその作業が難しく、さらに詰まってしまえば使い物にすらならなくなる代物ゆえ、彼女はあまり好んで使ったりはしていなかった。
「準備、終わった?」
ブレイドが装備を整えて終わったのをみると、そう声をかけるだろうか。
■ブレイド > 「一人で砦落としといてまだまだとか言われたら立つ瀬がねえな」
苦笑する彼女に対してはこちらも苦笑を返すほかない。
普通の人間や魔族にとっては彼女ほどの力はオーバースペックだというのに。
自分もそれなりに流行るようにはなったとは思うが
まだ、人間の範疇のレベルだ。
それでも個人的には弱くはないとは思っている。
だが、やはりスケールが違う。
「おう、終わったぜ」
人でも魔族でもこの状況。
来られたら色々とまずい。
さっさと去るが吉だ。
■ソラム > 「さっさと行こっか」
そう言うとブレイドの手を握り、そのまま砦の出入り口へと連れていくだろうか。
途中罠などがあったものの、強引に突破し、出入り口へと辿り着き、外へと出るだろうか。
「んー、外の空気が美味しい.....」
そんなことを言いつつ辺りを見回す。
砦にいた魔物達は逃げてしまったのか、影も形すらも残っていなかった。
「....居たらお肉調達しようと思ったのに」
ブレイドの前でそんな物騒なことを言いつつ、これからどうするのという意味でチラリとブレイドへ視線を向けるだろうか。
■ブレイド > 彼女に手を引かれて砦から脱出する。
脱出と言っても、もう何もいないようで
途中何かあったようなのだが、ソラムが強引に引っ張って突破してしまった。
何でもかんでも力任せだ。
「まったくだ。ったく、暴れまわったもんだな…」
血塗れの砦の中の臭いに比べれば
外の空気もそりゃおいしかろう。
今度ここを占領する連中は掃除にだいぶ手間取ることだろう。
ご愁傷さまだ。
「さて、と…どうするかな…」
さっさと王都に帰るにしても、どこかで野営を挟む必要はある。
彼女はどうするのか。
今回は傷ついてはいないから、戦闘後といえどこの間のようにはならないだろう。
■ソラム > 「うーん、距離があるもんね...」
ブレイドはミレー族にしろ人間。何処かで一度休息を挟む必要が出てくる。
そう判断すると、彼女は頭をポリポリと掻き、
「王都の門ギリギリまで飛んでく?」
ブレイドにそう提案するだろうか。
大胆だが、少し高めの高度で飛べば問題ないだろうと割りきった判断だった。
■ブレイド > 「また冒険者と鉢合わせたら困るだろ」
前に冒険者とひと悶着あった少女の頭をポンポンと撫でる。
気持ちはありがたいが、また怪我をされてしまっては申し訳ない。
歩いて帰るにしても問題はない。
装備も全部戻ってきているわけだし。
「まぁ、歩いて帰るさ。
ソラムはどうする?」
彼女も暇でここに来たのだ。
特に予定があるとは思わないが…。
■ソラム > 「む、それは。そう、だけど」
苦い顔をして彼女はそう言葉を濁す。
確かにまた致命傷を負わないと決まったわけではない。だからこそ、今回はブレイドの言葉を信じることにして、コクりと頷く。
「私は....気ままに飛んで帰るよ、ここから巣までは遠すぎるし」
頭上に浮かぶ青空を見つめると、フッと自然に彼女の口から笑みがこぼれるだろうか。
そのまま彼女は姿を変え、あっという間に銀色の鱗で覆われた龍へと変化する。
『....暫くの別れですね』
ブレイドに聞いたことのない綺麗な声色で彼女は語り掛ける。
否。脳内へ直接話しかけるだろうか。
■ブレイド > 「そっか、気をつけて帰れよ」
龍へと姿を変えた少女。
飛んで帰るらしいが、気をつけてほしいものだ。
だが、先程まで砦は魔族に占領されていたのだから
このあたりに冒険者はいないだろうが…
脳内に響く声に小さくうなずけば、龍の巨体を見上げ。
「またな、ソラム。そうだ、少し頭下げろよ」
■ソラム > 『え?わかりました』
ブレイドの提案にそう答えた少女は頭を下げ、ブレイドの近くまで下ろすとそのまま保持するだろうか。
何をするんだろうなと言う好奇心でブレイドを見つめつつも、念のため、近くに敵が居ないか、第六感とも呼べるツノの知覚能力で探知を始めるだろうか。
■ブレイド > 素直に頭を下げてくれた龍のソラム。
その鼻先を、彼女の頭を撫でるのと同じように撫でてから
キスをおとして
「助けてくれてありがとな。
まぁ、たまたまだろうけど…助かったぜ」
改めて彼女に礼を言えば
再び一歩下がって
「じゃ、またな。今度はゆっくりしてぇもんだな」
■ソラム > 『え、あ、はい』
キスをされたことに反応できず暫く放心状態だったが、お礼を言われると反射的にそう返す。
『今度はゆっくり、ですね』
少し含みを加えてそう告げると、翼を広げ羽ばたかせると、その巨体がふわりと浮かび上がるだろうか。
ブレイドに出きるだけ強風が当たらないように配慮しつつ、ある程度高度をとると、挨拶代わりにクルルルルと喉を鳴らすだろうか。
『それでは、また______』
そう言葉を残し、彼女は上空へと舞い上がるだろうか。
その姿は幻想的でありながら何処か原始的、そんな印象をブレイドに刻ませるだろうか。
■ブレイド > 飛び去っていく龍の姿。
その幻想的な姿は美しく、きらめく銀の龍鱗をみおくる。
その姿が見えなくなると、苦笑して歩き出す。
「ゆっくりね…」
きれいな声で含みのある言い方をされたので
思わず笑ってしまった。
なんだかんだ、彼女としてはシたかったのだろうか?
遠慮なく言えばいいのに。
お互い知らぬ仲ではないのだから。
「今度は可愛がってやらねぇとな」
今日の礼も含めて…。
■ソラム > 『(なんやかんや、だね)』
人の目に付かない天空を優雅に飛びながら、彼女は思う。
自分が如何に自身に溜まる欲に興味を示さなかったのか、と。
自嘲気味に笑みを浮かべると、飛ぶ速度を速める。
自分の家がある、九頭龍山脈へとその身を飛翔させたのだった___。
ご案内:「タナール砦」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からソラムさんが去りました。