2020/11/09 のログ
ご案内:「タナール砦」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > あいも変わらず、王国軍が占領した直後にやってきた、有能な穀潰しことクレス・ローベルクは。
その友人であるゼロの元にやってきた。
男の方は、休憩時間であるが、しかし知り合いがいなくて暇であったのだ。

「や」

と手を上げて、挨拶して、勝手にゼロの隣に座る。
片手には、ワインボトルを持っていた――恐らく酒保で買ったのだろう。
流石に、戦場でワイングラスなど持ってる訳もないので、木のジョッキに注いで呑んでいるが、

「調子はどうだい?俺の方は、商売もリアルも、まあまあ充実って言った所だけど」

ゼロ > 静かに立ち尽くし、静かに夜を、闇を見守る。仮面の少年、その仮面は魔法の装備故に、夜闇の中を見通す仮面であり、今現状でも周囲の事が昼間と同じように見える。
その視界の中には特に誰かが潜んでいるようには見えず、魔族が襲ってくる様子にも、見えない。
だからこそ、少年は静かに佇み、沈思黙考しつつ、ある。
そんな事をしているのであれば、交代の時間が近づいてくる。
もうすぐ交代の人物が来るだろうから、引き継ぐ準備をしておこう、と、言っても、引き継ぐべきことは特になく。
来たら、敬礼と引き継ぎの会話をして、移動するだけだ。

休憩になれば、まずは食事にでもしようか、と考える。
流石に食堂などは、壊れたりしているだろうけれども、全く何も食べられない筈ではない。
食堂などの休息に関係する場所はまず最初に修復される、其処で休憩や食事が出来なければ防衛などまた夢のまた夢となる。

「―――――。今は、任務中だ。」

思考のさなか、入り込んでくる声は、友人と呼んでいい相手だ。
時に此処に来て軽くしゃべくったり、時には、彼の本拠であるダイラスの闘技場で殴りあったり。
一般的な友人という物とは少しずれているかもしれないが友人である。
少なくとも、少年はそう考えている相手。
何やら今回もよろしくない友人系なムーブをするのだけれども、取りあわない。
融通の利かないことで有名な少年は、仕事中は友人だろうが、塩対応。

まあ、この友人であればそのぐらいは知っているだろう。
そして、交代が来て、休憩に入れば、対応してくれることも。

クレス・ローベルク > 「おっと。タイミング悪かったかな」

と、頭をかいて、しかしその場から去る気配はない。
相手が仕事中だからといって去る様な殊勝な精神の持ち主ではないし、構って欲しいからと言って無理に対応を強請るほど幼稚でもない。
だから、一人で勝手に酒を注いで、一人で勝手に呑んでいる――見様によっては滑稽な図でさえあるが、しかし男は気にしない。ゼロも、恐らく気にしないだろうからだ。
だから、

「なんてーか、一寸先は闇って感じだよねえ」

と、話しかけるが、別に返事を期待している訳ではない。
ただ単に、思った事を聞かせてるだけ、という風。
一寸先は闇、というのは物理的な今の状況でもあるが、同時に今の王国を表す言葉でもあろう。
内の腐敗と、外敵――それも、外敵は魔族だけではなく、人間も含まれている事を考えれば、尚の事。
勿論、今この時、この闇の向こうから魔族の予備戦力がやってくれば、今の平穏はあっという間に崩れる。そういう意味でも、一寸先は闇ではあるが。

「不安にはならないけど、面倒っちゃ面倒なんだよなあ。この戦争って奴は」

とため息をつく。
まあ、要するに。ゼロが答えないのを良いことに、一人で愚痴っているのだった。

ゼロ > 彼の愚痴の時間、と言う物を聞いているだけ、少年は聞いている。
少年にとっての任務と言うのは、兵士としての義務であり、そして、義務の完遂と言うのは、国民を守ることに繋がっている。
だから、少年は手を、気を抜かない、自分と同等の強さを持つ友人と言っても兵士としての少年から見れば、守るべき国民と言うカテゴリに入るのだから。
彼らがいるから、兵士が成り立つ、その意識を持つからこそ、友人の愚痴は、良い情報源であり、少年にとっての新しい見解を作り出す大事な要素なのだ。

そして、それは思ったよりも早く終わることになる。
交代の人間がやって来た、少年は、彼が思うよりも前から此処に立っていて、警戒をしていた。
警戒の時間は、決められている、どんな人間でも疲労などによる注意力と言うのがあるのだから。
少年が当てはまらないとしても、ルールと言うのは、大多数の普通の人間を基に作り上げられているから。
交代の決まりごとに従い粛々と、敬礼と、状況説明。交代に来た兵士は胡乱げな目で、友人を見るが、気にしないようにと、ゼロは交代の兵士に言う。
交代の手続きを終わらせれば、友人の首根っこをつかみ引きずるように歩き始める。

「他国との戦争、魔族との闘争、そして、アスピダの内乱……か。普段もきな臭いけれど、今は一層、と言わざるを得ないな。」

休息の時間であれば、公の兵士ではない、だからこそ、彼の雑談に対して、返答を始める。
訊いていた内容をしっかりと覚えて、まとめてとなるので、彼からすればちぐはぐかもしれないが。

「酒を飲むなら、食堂の方が良い、飯も食えるし、俺は腹が減ってる。
それに、戦争は―――人も、食事も、物資も浪費する、子供の喧嘩のようなものだ、面倒くさいなんてものじゃない。」

 自分の様な人間を作り上げるし、そして、其れのおおもとの理由が、国の上層部の、意向と言うのは、少年でもわかる。
 子供の喧嘩と揶揄する程度には。

「で、俺の調子は……そうだな、人肌恋しいな。」

クレス・ローベルク > 「まあ、こういうのは大体において、気にするだけ――お?」

と、そこで別の兵士が来た。
どうやら、交代の様だと思い、立ち上がろうとしたところで首根っこを引っ掴まれ、ぐぇ、と唸る。
実際はそこまで苦しい訳ではないが、いきなり引きずられればそういう反応にもなる。
とはいえ、勿論引きずられっぱなしではなく、彼の力を利用して、上手く立ち上がって、

「俺は外で呑む酒も好きだけどねえ。
でも、腹が減ったならそっち優先だな。俺も腹は減ってるし
っていうか、君も人肌恋しいとか思うんだな。ちょっと驚いた……まあ、でも奥さんいるんだもんな」

と言いつつ、男は彼に並んで歩く。
この少年は、見た目や立ち振舞い程には機械的ではない(正確には、機械的で無い時間は長いと言った方が正確だろうが)というのが男の持論ではある。
そして、彼が言う戦争論に頷く。シンプルな語り口だが、確かに現実を良く捉えている。

「そう。正に子供の喧嘩なんだよな。
面倒なのは、この子供の喧嘩で、大人の喧嘩までが勃発してる事だけど」

構図としては、シンプルなのだ。ただ単に、魔族という外敵が攻めてきたので守っている――だが、それで生じているあれこれは、決してシンプルではない。
複雑怪奇としか言えぬものがある。

「人も、資源も喰うくせに、戦争って奴は始めるより終わらせる方が難しい。
特に、貴族や王族たちにとってはそうだろうな。否、彼らの大部分は或いは……続けることを望んでいるのかも――ああ、いや」

と、そこで話を打ち切る。
それは、彼が話題についていけないとか、話題が退屈だからと言うよりは、何か不味いことを言ってしまった、というように周りを見渡して。

ゼロ > 自分で動かない様な相手であれば、そのまま引きずっていくのだけれども彼は違う、最初は引きずったが、直ぐに体勢を整え立ち上がる。
其れならそれ以上引くことは必要がないので、手を放して見せる、隣に移動する彼を仮面は振り向くことはないが居る事を確信しながら進むのだ。
食堂には、食事があるのだから。

「酒は―――酔えない、それで高いから、飲む気になれないな、付き合えというなら、付き合う程度だ。
ああ。サヤ、だな。今頃、何処かの誰かと肌を重ねてるんじゃないだろうか。

―――気にしなくてもいい、彼女が大事だと思ったから守る、それが彼女との婚姻の理由。
だから、肉体関係までは婚姻の理由にはなってないんだよな。

偶には、生殖もしたく思うよ。」

酒に関しては、酔ったところを襲われることを危惧した製作者が酒に酔えないように改造をした。
だから、味は判っても、酒で酔う事が出来ず、酒を美味いと、感じることができない。
酒に強いではなく、酒を瞬間的に解毒するような類なので、飲ませまくっても無駄、と言うものである。

そして、人肌恋しいという所に関しても、奥さんがいる。居るのだけれども、それは一般的な婚姻関係とは違う。
彼女は今も屹度自分の思うがままに、誰かに犯されているのだろう、それが趣味だと言っていたし。
彼女のとの関係は、確かに子供は作った。
しかし、精神的な庇護契約のようなものであり、彼女との交わりは、其処まで多くはなかった。
ゼロ本人は、それで良いと思って居るから、淡々としているのである。

因みに。機械的な時の方が長い。彼を初めとして、知り合いや、対人の時、機械的な物が解除される、と言うのが正しい。
知らなければ、彼のような誤解もあるかもしれない。

「―――――。」

戦争論に関しては、それ以上は言わない、と言うか、国の兵士としては言えないと言うのがあり。
ただ、彼の方に仮面をかぶったままの顔を向けるだけ、仮面で顔が完全に隠れているのは、ある意味僥倖。
感情の一切を見せることが無いのだから。

「飯、何を食おうか。」

そして、強引にもほどがあるぶった切り方で、話を逸らす

クレス・ローベルク > 「そういえばそうだったな。酔えない――か。一度、見てみたいけどね、酒で理性無くすまで酔ったゼロ。笑い上戸だったら尚よし」

と、勝手な事を言う。
尤も、雑談などそんな感じだろう。悪口が全く言えない友達より、悪口をぶつけあう友達の方が健全だ、というのは粗野な労働者の多いダイラスの論理だろうか。

「ある意味究極的にプラトニックな関係だな……。守りたいから結婚したってのは。
でも、そういうことなら、欲求不満は娼館派かい?俺は大体そうするけど」

男の場合、性欲自体を試合に向けてコントロールしないといけないから、他の男ほど娼館に行く機会は少ないが。
それでも、長期的に試合がなかったりする時は、良く利用はしている。

「あー、お気遣いどうも。まあ、いつか平和になりますようにって事で――今は来たばっかりで、運動してないからカロリー抑えめかな。魚の干物とか、野菜多めのメニューがあれば良いんだけど……」

と言って、メニューを見る。
基本的に、保存が効く様な物が中心となるので、どうしても魚や野菜は出にくい。
パンと、干し肉と、それからちょっとした小料理というのが定番であるが――占拠したての今は、それさえ期待できるかちょっと怪しいところだった。

ゼロ > 「どう、なんだろうな……?どんな状態なのか、酒に酔うと言うのを知ってみたい気もする。」

ただ、それをすると、仕事にならないだろう、兵士としては―――休日ならばいいのだろうが、休憩では、さてどうだろう、まず無理だ。
笑い上戸なら兎も角、絡み酒とかいろいろあるし、どれになるのかは――永遠の謎なのだろう。
勝手なことに関しても、本人なりには、全力で考えてみるのが、この少年クオリティ。

「娼館?金、掛かるじゃん。」

性欲はあるし、性欲を感じることがあるけれど、それは我慢することが出来る―――――と言うか、基本はそれで。
上手な発散のさせ方が判っていないと言うのもありそうだ。
運よく相手してくれる相手が居れば、と言う程度そもそも任務で、一年近く魔族の国で一人で居たりするので。
ある意味どころではなく相当溜まっているのである。
だからこそ、人肌恋しいとか、生殖したいとか漏れる、そんなレベル。

「修復始まったばかりだしな、そんなに上等なものが残っているとしても―――。
まあ、指揮官とかそっちに割り振られると思うけれども。

――やっぱりな。」

彼の想像通りに、保存食、運が良く干し肉があるようで、スープは肉入りだ。
少し豪華だと言えるそれと、水を少年は注文をして、普段の少年の行動パターン通りに、奥の隅へと移動をする。
仮面をずらしながら食べるから、と言う理由だ

クレス・ローベルク > 「解毒効果自体は仮面の効果だから、外せば酔えるんだろうけど――まあ、少なくとも此処じゃ無理だよなあ。
休みの日に会ったら、一緒に飲めるのかもしれないけれど」

ただ、この少年の場合、普段から仮面を着けていそうである。
それこそ、この少年が酔った所を見るには、戦争が終わるまで待たねばならないのやもしれない。

「まあ、君はそう言うと思った。
ただ、あんまり性欲溜め込みすぎると、イライラしやすくなったり、判断力が鈍ったり――あー、いや。君の場合どうなんだ?」

仮面の効果で、その辺りもオミットされているのだろうか。
人肌恋しいと思うということは、自発的な精神現象までを封じるわけではなさそうだが。
しかし、仮に効果が発揮されないとすれば、性欲とかその辺りを我慢していてこの冷静さな訳で。それはそれで凄いが。

「……あー、駄目かあ。儚い望みだった。
まあ、しょうがない。素直に貰ってた食べるか」

乾パンと、それからスープ。侘しい食事だが、この際仕方ない。
補給が来るまでの我慢だと思い、彼とともに隅っこに移動する。

「まあ、戦争が続くかどうかはともかくとして――
それならそれで、飯の質はどうにかしてほしいもんだよなあ」

とぼやく男。
別に驚く程に不味くはないのだが、とにかくバリエーションが少ない。
無論、それを含めて給料分と言える訳だが――

ゼロ > 「そもそも、生命維持のための仮面、外せって、死ねって言うのと同義。」

軽く冗談を一言。

少年の仮面は、鎧は、生命維持のためのそれである。仮面と鎧が無ければ、日常生活はぎりぎりで問題なくとも、戦闘は出来なくなる。
そして、仮面の方には、解毒がない、回復力の強化である。鎧も同じで。
毒が効かないと言うのは体質―薬漬けにされた体の特性の方であるのだ。
だから、酔う事が出来ない。酔うとしても、其れこそ、物理的に飲めないレベルでか。
若しくは、其れこそドワーフでも飲めないぐらいの強さのお酒が必要ではないだろうか、試したことがないので何とも言えないが。

「―――少なくとも。判断力は鈍ってると思う。クレスに、女を紹介してもらうのはどうだ、とか思ってるし。」

イライラに関しては、多分ないだろう。判断力の鈍り方と言っても、兵器として作られているので、その辺りも手を加えられてれてると思わしい。
性欲で判断を鈍ったり、等を感じたことはない。
仮面の効果―――かもしれない、其れに関しては、鑑定したことがないのでしてみないと判らないところがあるが、魔法的な幻覚だけではなく、精神的な魔法を防ぐなら、平静にしている効果があるかもしれない。
ウーム、と彼の前で首を傾いで見せる。

「正直、君はおいしい物を食べている。羨ましい。
之でも、凄くごちそうだぞ、肉が入っている。」

ぼやく男に対して言う少年。
これは、少年にとっては、本気も混じった言葉である、今は復興中だが、補給が祟れている時などは、食べられないという事もある。
拠点だから、まだましなんだと、彼には、理解が難しいかもしれないが、言って見せる。

クレス・ローベルク > 「ああ、そういえばそうだっけ。何か、殆どヤケクソみたいに強化魔術がかかってるとか。
普通に、そういう機能を持ったアイテムを作った方が良いと思うんだけどねえ……何で人にかけたのかね」

少なくとも、男の実家はそうした。
或いは、それはゼロに対する絶大な信頼――というよりは自信の現れかもしれないが。

「悪いが、流石に今此処で紹介できる女性は居ないぞ。
街に戻ったら、そりゃ紹介できるけど……あー、でも下手したら絞られかねんかもな……」

男の知り合いとなると、どうしても剣闘士か多くなる。
それも、犯し犯される事を受け容れて、楽しんでいる様な手合いだ。
当然、性のテクニックは相当な訳で、そんなのが性欲を持て余した若い男を紹介などされれば――まあ、どうなるかなど大体解ってしまう訳で。

そんな会話をしながら、パンにスープを浸して食べる。
ぶっちゃけ、塩味に多少の出汁の味しか感じないが、ゼロにとってはこれでもごちそうらしいと聞いて、うぇっと、顔を顰める。

「これがごちそうかあ――やっぱ、タナールは占拠直後に来るに限るな。
これ以上貧しい食事になったら、魔族軍に乗り込んでいって、魔物の肉でバーベキューを始めそうだ」

と、半ば以上本気で言う男。
実際、男はその気になれば、魔物や魔族の肉を調理することも出来る――そういう教育を受けている。
とはいえ、流石にそれをしようという気にはならないが。

ゼロ > 「目的の違い、じゃないだろうか。戦争の駒が欲しいから作り上げた。道具は、奪われるもので。人は、首輪をつけられる。」

生産コストと考えれば、術式が完成すれば後は焼き付けるだけで、魔力は当人の物を使える。
首輪、と言うのは文字通りの首輪であり、精神支配系の魔法などで支配することも出来るだろう、道具はそれをするとなるとさらにコストがかかる。
そういう、胸糞悪い理由で作られたのが、このゼロ――――試作品だった、と言う話だ。

「今すぐできるとか言ったら、クレスの評価が色々変わる処だった。
搾り取ってくれるなら、それはそれで。溜まったままなのはよくないのだろ?」


彼の言葉に、冗談を込めて少年は返答する。剣闘士とか、職業などはどうでも良い。
そして、性のテクニックも実は重視はしていない、そもそも、テクニックを考えるほど少年は性行為をしてないのだし。
用意できると言うのであれば、その時は彼の評価に、女を何時でも連れているが含まれてしまうのだ、それがいいか悪いかは、知らない。
ただ、たっぷり性行為はしたいし、女を孕ませたいという原始的欲求自体は、隠すことはない少年だった。
一応、牡ではあった模様。

「占領直後よりも、安定した方が良いのくるよ。補給が来るかどうか、が問題だから。
美味しい物が食べたいなら頑張って、占領状態を維持するという所で。
其れもありだけど―――対策立てられる。」

食事と言うのは一番油断しやすい物で。
魔物の肉を狙うなら、その魔物に毒を仕込むとかされたことがある。
それを食べた王国軍は―――と、実際に訊いたことのある話を伝えようか。

クレス・ローベルク > 「成程ね、かえって、そっちの方が合理的だったってわけだ。
ウチの場合、魔族殺しの技術を伝承する都合上、長生きしてもらわないと困るってのもありそうだけど……」

そういう意味では、真逆の考えだ。
一代限りの最大出力を追い求めたゼロと、幾代にも渡って技術を伝え続けたローベルク家。
どちらが正しいかと言えば、どちらも最悪としか答えようはないわけだが。

「どちらかというと、女性とはゆっくり時間をかけて仲良くなりたい派だからね。単に並行して仲良くなってる女の子が多いだけで。
……まあ、確かにそれはそうだけど。っていうか、搾り取られたことってあるの?」

と、ちょっと気になって聞いてみた。
まあ、そりゃ全く性的な事をしない訳でもないのだろうから、必然、攻めた攻められたが発生するのだろうが。
しかし、ゼロが受けに回るというのは、どうにもイメージし難いものがある。

「あー、成程。食事と仕事の楽さはバーターか。
とはいえ、流石に食事のために死ぬ可能性を上げるのはなあ。
魔物肉を狙うのも難しいとなると――もういっそ、食事持ち込もうかな」

ジャーキーなどの嵩張らないものなら、何とか持ち込めるはずで。
流石に食事にはならないだろうが、おやつにはなるかもしれないと。
そういったところで、スープを全部飲み終わって。

「さて、と。そろそろ俺も仕事の時間だ。
周辺の偵察任務だから、一旦お別れだね。
また、暇があったら話そう」

そう言って、男は席を立って――

ゼロ > 「そういう事になるよ。―――と言っても。」

自分の方は自分を作り上げた所が、今現状どうなっているのかはわからないし、そして、似たようなことを考えるのは、何処も同じなのだろうと、彼の話に考える。

「―――関係を結ぶならその方が良いと、俺も思う。
 クレスの様な器用なことは出来ないのだけれども―――。

 いや?ない。」

搾り取られると、いう事に関しては、彼の思う通りに首を横に。
たくさんエッチなことが出来るという認識だったと言うのが、実際の話である。
受けに回る―――と言う認識すらなかった。

「沢山持ち込んで、分けてくれ。」

仮面の下の表情が判るだろう、切実な、お言葉、持ってきてplease。
ご飯美味しいのは、誰も、食べたい。

「お疲れ。クレス、仕事、頼む。」

彼の仕事は知らないのだけれども、仕事を真面目に行なう事に好感は持てるから。
頑張れと言うのはあまり好きではないから、任せるという意味で。
その後、少年も、仕事に戻るのだった―――

ご案内:「タナール砦」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。