2020/10/19 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………あぁ、まったく…いつもいつもいつも、面倒な事じゃ」

タナール砦、人間と魔族の国の境界とも言える砦。
奪い奪われと繰り返す、そんな砦に現れたのは、一人の少女。
もっとも、今はどちらが占領しているのか、と言った状況。
点々とした灯り、そこから見える人影は、どちらのものであろうか?

そんな呟きを漏らす少女は、一歩、また一歩と砦へと近付く。
現れたのは、人間の側か、魔族の側か。
ただ分かるのは、その不機嫌そうな表情は、余りよろしくない感じである、と。

砦からの動きは、今のところ、見られない。
単に、少女の存在に気付いていない、それだけなのか。
気付いてはいるが、たった一人の少女、気にする必要はなしとされているのか。
それとも、少女が何であるか気付き、下手に誰か寄越す事をしていないのか。

そのどれであろうと、少女がそれを、気にする事はない。
何も無ければ、ただ通り過ぎるだけだろうし。
何かあれば………まぁ、その時は、その時だ。

ご案内:「タナール砦」に黒須さんが現れました。
黒須 > (いつも通りの服装をしながらもいつも通りの歩幅で歩きながら、砦に向かう男が居た。
黒須・狼。第七師団に所属しているがゆえにこの砦の防衛を行うのが仕事でもある彼がやって来たのだった。)

「ったく、人手不足だと言って派遣すんじゃねぇよ…めんどくせぇ…。」

(現状、砦はどちらの物とも言えないために状況把握もかねての出動だった。
嫌そうな顔をしながら髪を掻いて、現場に向かうも目の前に見たことある影を見つける。
小柄だが、どこか知っている雰囲気のその様子を感じてその存在に近づく。)

「…あ?タマモじゃねぇか。こんなところで何してんだよ?」

(仕事先に現れた知人の狐だと判明すれば背後から声をかける。
雰囲気だとか、そんなものは一切感じておらず、とりあえず出会ったのなら一つ挨拶をと思い、声を掛けたのだった。)

タマモ > この少女を、一体何が不機嫌にさせているのか?
まず、それを知る事が、機嫌を収める第一歩だろう。
現れる相手が、それを出来るか、出来ないかは、どうとも言えぬが。

ぴくり、少女の耳が揺れる。
それは、現れた相手の呟きに反応したか、足音に反応したか。
聞こえた音に、ゆらり、と揺らぎながら、半身をずらし背後を見遣る。
その瞳に見えたのは…見覚えのある、一人の男。

「………ふむ…?…こんなところ…ふむ、こんなところ、か。
さて、どうしてじゃろうな?」

軽く首を傾ければ、視線を男から僅かに逸らし、少し思案した後にそう返す。
問いに問いを返し、軽く肩を竦める。

黒須 > 「質問を質問で返すのかよ…。」

(細かい所を聞き返すよな言い方。
しかし、それ以前に少し気になったこともあった。)

「…なんか考えごとでもしてたのか?
いつもと比べて…めんどくさそうな顔してんな。」

(勝手な印象だが、この少女はかなりの楽天家の様に見えていた。
いつも自由気ままと言うのがいつもの様子と思っていたために、今日とは違う様子に片眉を上げていた。)

「ま、不運にも…こっちも同じようなもんだな…。
たっく、今日は厄日かなんかか…?」

(軽く後ろ髪を掻く黒須。
恐らく、自分も相手と同じようなめんどくさそうな顔をしているに違いないと思い、勝手に同類にした。
結果的に言えば、かなり不運が回って来たと心底思ってはいたが)

タマモ > 「うん?…まぁ、そう言う時もあるものなのじゃ」

ぴっ、と指を立て、そんな理由ともなってない答え。
と、次いでの言葉に、ぴしり、と一瞬空気が凍て付いた。
ぎ、ぎ、ぎぎぎ…と、首が奇妙な動きをみせ、視線を逸らす。

「………気にしたら、負けじゃ」

明らかに、何か不都合な問いだと言うような、そんな仕草。
まぁ、その様子から、それを読み取れるかどうかは、別だが。

そして、ふっ、と遠い目をすれば。

「世の中、理不尽な事も、数多くあるものじゃ。
………ああああああぁっ!思い出しただけでも!腹が立つ!」

不運、厄日、その言葉に視線が、ゆっくりと男の方へと、改めて向けられ。
次の瞬間、だむだむっ、といきなり地団太を踏み出した。

黒須 > 「・・・。」

(なんだか今日はめんどくさそうだと思いながらも目のまで地団太踏み始めるタマモをただ黙って見る。
何か知らない地雷を踏んだようで、今になって爆発したようだった。
それに関しては自分はどうする事も出来ず、とりあえず、掴んでは肩に乗せて回れ右をして歩き出そうとしていた。)

「何あったか分かんねぇがよ…とりあえず、落ち着け…。
この近くに宿があるからよ…そこで酒でも飲んで話を聞いてやるよ…。」

(めんどくせぇとは思ったがこうなったのも自分が原因だ。
そのことへの謝罪を込めて一杯奢ろうと思った。
暴れようとも、落ち着こうとも落とさないようにしっかりとつかみ、そのまま近くにある宿まで運んでいこうとした。)

タマモ > その怒りの理由は、今だ口にはしない。
口にしたら、余計に怒りを感じるからなのか。
少女を詳しく知る相手ならば、言ったら負けとか、そんなくだらない理由とか、そんな風に考えるかもしれない。
ともあれ、ただただ怒りを現わすように、少女は地団太を踏んでいた。

「………ふぅ…ん?」

そう経たず、気が済んだのか、ただ疲れたのか、地団太を止める。
…のだが、そこを、掴まれ肩に乗せられれば、不思議そうに、そんな相手を見下ろす。

「ほほぅ…酒か…いや、酒と言うか、宿?
こんな場所に、宿なんぞ建っておるのか?
酒は遠慮なく頂くが、こんな砦の側にのぅ…」

奢りの話が出れば、あっさりと受ける少女…そこ、現金とか言わない。
それはさて置き、宿の話が出れば、首を傾ける。
ここは人間と魔族の争う境界線、そんな場所近くにある宿とは…なかなかに、宿の主は度胸が座っているものだ。
………ただの、馬鹿かもしれないが。

黒須 > (しばらく道を歩いて行く。
静かな砦近くの道、岩が周りに散乱しているような殺風景な道をただただ歩き、落ち着いて酒を受け取ろうとし、宿に首を傾げる少女を肩にしながら歩き続けた。
しばらくすればちょどいい所に石が置いてある適当な場所に下ろした。)

「宿の話は嘘だ。こんな近くにそんな都合のいい場所なんざねぇだろ…。
だが…。」

(宿がこんな近くにあるわけもなく、ただただ落ち着かせるための軽い嘘を吐いただけだった。
適当に座れば懐からウィスキーの瓶を取り出し、布に包んだ小瓶を置いて注ぐ。)

「酒があるのは本当だ。
どこであれど、飲めるようにしてあるからな…。
ま、もし都合よく宿があるなら、酒飲みついでに、お前をいただこうと思っていたがな…。」

(軽くゲスイことを言いながらもウィスキーショットを飲む。
一杯飲めば、フゥっと息を吐き、新しいのを注いでは空を仰ぐようにする。)

「…お前が何に対してむかついていたかは知らねぇが、ともかく…酒でも飲んで忘れろ。
それでも足りねぇなら、適当に相手してやるからよ…。」

(酒の他にも手合わせも出来るし、愚痴を聞くこともできる。
ただ単に目の前で起こっためんどくさい出来事を速く収めたいと思っていたのだった。)

タマモ > 道を歩くのは、肩に乗っている男。
その向かう先に、何も無い事は、そう経たずして分かる。
当然だ、宿があるならば、何かしらの音が聞こえるから。
しかし、その先からは、何も聞こえない。

が、その場に着いて、男の言葉を聞けば、はふん、溜息を一つ。
下ろされた場所に立ち、ぽりぽりと、頬を掻く。

「やれやれ、困った男子じゃのぅ。
まぁ、貰える物は貰う、当然じゃが。
………ちなみに、残念ながら、側に宿は無いようじゃぞ?」

やれやれ、と呆れたような様子を見せて。
酒を飲む男に、ずぃっと片手を差し出す。
言うまでも無い、己の分も寄越せ、と言っているのは分かるだろう。

「あー…これは、いつもの事。
妾の元に居る、困った式の一人のせいじゃ。
忘れようとも、どうせすぐに思い出してしまうものじゃが…
酒は頂く、が、妾の相手はせん方が良い。
特に、今の妾の相手は、ちと危険過ぎるからな」

ふふんっ、となぜか自慢気に胸を張る少女。
ほれ、ほれ、と言った感じに、差し出す手を揺らす。
それは当然、酒を急かす仕草であるのだが。

黒須 > 「そりゃどうも。
こちとら、セックスレスでな…女運に恵まれてねぇと言うか、ここら最近じゃ、嬢ちゃんのお世話ばかりだからな…溜まっちまって仕方ねぇんだよ。
それと…その気になりゃ、俺は宿が無くても、今ここでおっぱじめようとすりゃ、いつでもできるぞ。」

(ここ最近、丁度良い相手が見つかっておらずに溜まる一方でどうにも満たされない気持ちになるのが多々あった。
少女の相手をするのが最近多くなり、そもそもそう言う相手にすると言う気もないため、どうにもムラついていいたのだった。
そのまま、差し出されたグラスに酒を注げ、晩酌を始めた。)

「そうかい…そりゃ残念だ…。
折角、久しぶりに一発決めれるかと思っていたんだがな…。」

(ポーカーフェイスのままだが、どこかケッと少し不貞腐れた様子を出しながらも酒を進める。
またの機会にあるのなら、その時にでも満足行くまで乱れようと思い、ショットを決めていく。)

タマモ > 「そんなもの、あれじゃ、適当に見繕えば良いじゃろう?
行くところに行き、探ってみれば、案外に見付かるものじゃ。
ここは、そんな事の多き、楽しい国じゃからのぅ」

すぅ、と瞳を細めながら、男へとそう答える少女。
この地は、その気になって巡れば、その手の出来事は事欠かない。
拘りや倫理を捨てれば、更にその可能性は増すだろう。
もっとも、それを本当に行い、後にどうなるか…まぁ、言うまでもないか。

大丈夫、命の遣り取りにまで、到らなければ。
少女からすれば、そんな感じなのだ。

「やれやれ、初めから、素直に甘えたいと、そう言えば良かったものを…
………あぁ、いや、今さっきの妾には、無謀な行為じゃったな。
日が悪い、そんな時も、あるものじゃ。
ふふ…次は、そうでないと良いのぅ?」

注がれた酒を、ぐいっ、と一気に呷る。
ぷあー、と吐息を吐けば、そんな言葉を紡ぐのだ。
とりあえず、酒にあり付き、僅かに気分は和らいだ様子だ。

黒須 > 「そういや、かなり楽な話だ。
だがな、俺でも言葉にできねぇ俺流のルールってもんがあるんだ…そのせいで簡単にはみつからなねぇって話なんだよ。」

(言ってしまえば気分である。
対面した時に気分で相手を抱きたいかどうかが変わるために、中々その波長に合わずに相手を見つける事が出来ていないと言う話だ。)

「甘え、か…。
確かに、そうかもしれねぇな…。
ま、アングラな世界からこっちに来ちまったせいか、気持ちにもまた人間らしさが出ちまってそう思っちまったんだろうな…。
だが、たかが女狐一匹に任される程、柔な精神は持っていねぇって話だ…。」

(甘えたいと言うのはどうか。
自分はただに夜の相手が居るのならそれで十分だと思い、甘えとは思っていなかった。
それでも、その言葉が一番正しいように聞こえたせいか、その言葉に同意を示した。)

タマモ > 「ほほぅ…?…あれか?
それが俗に言う、おれさまるーる、と言うやつかのぅ?
いやはや、それはそれは、困ったものじゃな?」

立てた指を振りながら、己の事を棚上げし、優越的な笑み。
困ったとか言ってはいるが、明らかに、困ってなさそうな。
目の前の姿は、先日の己の姿、己もまたそうであったのだが。
それをいちいち気にするような、そんな少女ではないのだ。

「そうであるか、そうでないか。
それは、誰も知る事のないものじゃ。
ただあるのは、そうである事実のみ、じゃぞ?」

指振る腕を戻せば、手を腰に、胸を反らして偉そうに。
それも、すぐに戻せば、飲み終えたグラスを男へと返す。

「さて………そろそろ、妾は行かねばな。
今日の決着、いい加減に着けねばならんからのぅ。
なかなかに、酒は美味かった、礼は言っておこう」

次の瞬間、とん、と少女は足場を蹴る。
ふわりと少女は宙を舞い、何もない空中に、緩やかに立って。
軽く挨拶代わりに手を振れば、今立つ場を蹴るように、その姿を消すのであった。

黒須 > 「ま、難しい事は考えねぇ主義だ…。気が合えば、そのうち寝るだろうよ…。」

(よくわからないルールもいずれは消えてなくなって、普通になる子tだろう。
もちろんの事気分だからこそ、気が付けば丁度良い相手が近くに居ることもあるだろう。)

「あいよ…また、今度な…。」

(飲み終えたグラスをそのまま布で巻いて戻し、そのまま姿を消した。
その後、瓶に栓をしては懐に片付けて帽子をかぶり直す。
そのまま、フゥっとため息を一つ漏らせば自分もその場から居なくなる。
団長から指示はほぼ無視していたため、この後の説教を受けるしかない運命だが、それも後回しで良いかと思い、ひとまずは今の気持ちのまま過ごし終えようとした。)

ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」から黒須さんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にフリムスさんが現れました。
フリムス > 数時間前まで、魔族と人間が入り乱れての戦が行われていた砦。
だが今日の勝者はどちらでもなく、唯一の生者は屍の山の上でラベルの剥がれかけたワインをあおっていた。
どちらでもいい、少しは骨があるやつがいるだろうかとちょっかいを出してみたが、どいつもこいつも有象無象といったもの。
何一つ心身に響かぬ刃しかなく、つまらんと溜息を零しながら全てを殴り潰した。
結果、血潮が人魔どちらとつかず混じり合い、潰れた肉も混合されて紫色に変色する始末。
そんなものの上で、ただ退屈そうに酒を飲み干すと、空瓶を投げ捨てる。
ひゅっと風切る音の直後に、壁に激突して砕け散るけたたましさが響き渡り、手の甲で口元を拭う。

「足りねぇなぁ」

ただの喧嘩ではもう満たされない。
すこしは歯ごたえがある女を叩きのめして、じっくりと堪能したい。
そんな願望を浮かべながら夜空を見上げるも、虚しい独り言にしかならなかった。
寂しい自身の言葉に嘲笑するように口角を上げながら、軽く肩をすくめる。

フリムス > 暫し運動と酒に火照った体を秋風に晒して冷やしていたが、冷え込みの早くなった今となっては、あっという間の時間だ。
落ち着いたところで屍の山から飛び降りると、気だるけな表情を浮かべつつ首を左右に傾けて音を鳴らす。

「帰ぇるか」

また気が向いたら暴れるとしよう。
今日は少しだけ血の疼きが落ち着いただけマシとしつつ、ふらふらと夜道へと消えていく。
魔族の国か、人の里か、自身にとってはどっちも変わらぬような場所へ。

ご案内:「タナール砦」からフリムスさんが去りました。