2019/12/26 のログ
ご案内:「タナール砦」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「……」
魔族と人類の争いの最前線、タナール砦。
その砦周辺の小高い丘の上で、一人の男が細巻をくゆらせていた。
男の視線の先では、魔族の軍勢が陣形を組み上げ、砦に向かって侵攻していた。
だが、軍勢がとある地点に差し掛かった瞬間。
「……Kaboom」
男が呟くと同時に、魔族たちが爆発と炎に巻き込まれる。
凄まじい音、衝撃に魔族たちは怯み、撤退し始める。
何のこともない。男が、魔族の侵攻ルートに仕掛けたトラップ、爆薬が爆発したのだ。
「……足止めはできてるけど。
なんだろうな、この無意味さ加減」
男は、本日ギルドから依頼を受けてタナール砦の防衛に当たっていた。
こと、防衛戦において、この男は無類の強さを発揮する。
奇襲、トラップワーク、策略。
要するに、真正面からの戦いよりも搦め手や卑怯な戦い方の方が得手なのだ。
「こうして守ってても、またすぐに攻撃されるだろうし。
本当に、キリねぇよなぁ」
タナール砦の戦いは、とても長く続いている。
この防衛任務にも、意味はあるのか、と。
疑問に思いつつも、男はこれも仕事だ、と納得し。
丘を下り再度罠を仕掛けに行く。
現状、男のトラップにより防衛は問題なく進んでいるが。
この場所では、予想外の出来事が起こってもおかしくはない。
■セイン=ディバン > 男が防衛している間。
砦周辺には爆発音が響き渡った……。
ご案内:「タナール砦」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > タナール砦の、魔族の国の方面の門に、白銀の鎧の少年は居た。
両の手に持つは鉄でできた槍であり、少年はそれを振り回している、横凪の一線で、魔族の一体が薙ぎ払われて飛ばされ、木に激突し、動かなくなる。
報告に戻り、居合わせたというだけの状態ではあるが、魔族の襲撃、小競り合い程度のそれなのだろう、少年はすぐ様戦線に入る。
第七師団の一員として、魔族を見つけた瞬間に、魔族を叩き切るのが役割を持つ師団の一員として、門の前に立つ少年は、魔族から見れば、まさに悪鬼羅刹なのであろう。
侮り、近寄れば、槍で、拳で、短刀で絶命させられ。魔法を売っても短刀で薙ぎ払われる。
其れだけでは済まずに石ころ拾って投げつけられればそれは、魔族の頭をぶち抜いていく、鎧から漏れるのは赤い光で、魔力の光。
少年は、淡々と、魔族を処理する存在となるのである、力を持ち、それを以て、魔族の進行を一時留める。
その間に、他の第七師団の騎士が、兵士が、魔族を屠る。
襲い掛かってくる魔族を押しとどめるではなく、跳ね返す勢いで戦いは行われている。
現在は、砦は、人族の拠点として機能を、している。
■ゼロ > 少年は槍を振るい、その穂先で、魔族の喉を突き、そのまま引き抜いて頭から穂を叩きつける。鋼鉄で作られた槍は、魔族の頭を叩き潰し、それを踏み込んで掴んで持ち上げる。
其処に飛び込んでくるのは、魔法の炎で、魔族の体を盾にして、少年は身を守り、そのまま魔法を撃ってきた魔族に投げつける。
命中を確認することすらせずに次の獲物に意識を向けて、少年は槍を振るうのだ。
「――――っ!」
そして、魔族の攻撃―――火炎がダメであれば雷撃の魔術。鎧は金属故に少年の全身を焼くライトニングの雷光。
しかし、其れで止まるのは少年ではなかった、仮面が、鎧が少年に死ぬのを許さない。過剰に掛けられている、自己再生の魔力が少年の焼けた肉体を修復し、神経を直していく。
それまでの間は数舜有るだろうが、逆を言えば、数舜の足止めにしかなっていないという事であり、少年は再起動する。
驚愕している魔族には礼だとばかりに、手近な巨木を掴んで引き抜いて、それを投げつける。
でたらめな腕力の理由は、その修復する鎧にもあるのだろう、全力に耐えられないぐらいの力でさえ、少年の鎧は修復し続ける。
人の限界を超えたそれを発揮し続け、魔族を屠るのだ。
■ゼロ > 少年は、その鎧に似合っているのか、似合わずというのか、戦闘方法には、容赦と言うものが一切なかった。
とある魔族の頭と胴を掴み、泣き別れにさせてしまったり、命乞いをするサキュバスに。一瞬のためらいもなくとどめの一撃を与える。
少年に向かい、少年と戦う存在、負けると、例外一つ無く、止めを刺していく。
その槍も、その鎧も、魔族の血で濡れ光る状態になれば、武器庫からとって来ていた予備の武器や敵の魔族の使っている武器。
はたまた路傍の石や、砕かれた城壁、その辺の木、ありとあらゆるものを使い、戦うのだ。
狂戦士と言う表現が正しいのかもしれない。
狂戦士と言うには、冷静、平静が過ぎるのではあるが、その動きは、まさにと言う形。
魔族たちの狙いを阻んだのか、それとも狙い通りなのか、第七師団は、魔族を追い返すことに成功したらしい。
目に見えて数が減り、視えているだけでも、逃走を始めるのが見えるのだ。
―――当然、逃走する魔族の背中に石を投げ、その頭を打ち抜き、減らしていくが。
他にも、師団の仲間は弓なり、魔法成り、で落としているのも見える。
「―――……。」
そして、去っていったのか、まだ、居るのか、少年は警戒をするのだ。
油断なく、周囲を睨み据える。
■ゼロ > 「……―――――。気配は、無いな―――。」
暫くの間、周囲警戒を行う第七師団、しかし、引いてからは、今の所襲撃の気配はなかった。大丈夫、と太鼓判を押すことはしないのは、この場所故ではあるが、交代の休息をしても良いのだろう。
とは言え、だ。
少年自身は体力に余裕があるし、ダメージも深刻なものは一切ないので、他の仲間に先に回復や休息をするように伝えるのだった。
それに、視えないというのは居ないと言う訳ではない、魔力で身を隠している可能性もある、だから、魔力感知や幻影看破の出来る少年が、警戒をするために残るのは当然と言えば当然でもある。
防衛のための部隊も、組み合わせもできているから、少年は魔族の国の方面の門の前で立つのである。
視線は油断なく。
意識は常在戦場。弛むという事を忘れたかのようでもあるのだが。
少年にとってはそれが普通であり、日常の状態、別段気を這っているというレベルではないのだ。
修復などが始まったのだろう。
砦の方が戦場のそれとは違う、活気が出てきたように思える
■ゼロ > 一度、視線を砦の方に向けてみる。砦の修復作業が始まっているのが見え、そして、食堂では食事を始めている姿も見える。
何をのんきな、と思う人もいるだろうが、食事できるときにするのは兵士の務めである、自分の状態が万全ではないから負けましたは通用しないのだと、少年は思うのだ。
とは言え、其れは少年の感覚であるから、他の人がどう思うかはまた別なのだろう。
視線を砦から外して魔族の国の方へと向けなおす、又魔族が来ないとも限らない、引いたように見せかけて、油断を誘って襲ってくるというのは良くある話でもある。
故に、常時警戒をしていないといけない、そう思うのである。
ある程度落ち着いたら、又任務のために、砦からでなければなるまい、だが、今は。
「――――。」
少年は、静かに門の前に立ち、見張るのだ。
■ゼロ > 暫く警戒していると、後ろからの足音、視線を向けてみれば、第七師団の兵士であった。
交代の時間らしい、其れならば、と先ず、彼が偽物ではないかと、確認をして……問題はなさそうだ。
少年は、引継ぎの連絡を行い、交代をしてから、そして、食堂で食事をし、部屋で軽く休息をとる。
次の交代の時間までの短い時間を休憩に充てることにして。
また、任務に戻るのであった―――。
ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。