2019/11/05 のログ
ご案内:「タナール砦」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 砦の前で、ヒトの軍勢と、魔族の軍勢が、砦の前で戦っている。
確保した砦を守る魔族と、それを奪い返すための人間との戦いという構図。
個としては強い力を持つ魔族だが、しかし集団戦となれば人の方が一枚上手。
戦場は概ね、人間優位で進んでいた。

そして、その最前線で、青い闘牛士服を着た男もまた、戦っていた。
人と魔物の間を駆け、戦線が崩れた所を繕う様に。
およそ、兵士たち以上に敵を屠り、味方を守る男だが、その表情は不本意に満ちていた。

「くっそ、まさか、奪回戦に参加する事になるとは思わなかった……!」

何時もなら、砦を奪った所で義勇兵として参加して、ぬくぬくと砦勤めをしていたのに。
今回は応募のタイミングが悪く、奪回戦に参加する羽目になっていた。

「まあ、このままなら、人間が勝つだろうし……頼むからこのまま押し切ってくれよ……!?」

そう、魔族と人がまともに戦えば、集団戦に長ける人が勝つ。
それを押し返すほど強力な魔族が、向こうに居なければ、だが。

クレス・ローベルク > 基本的に、男は一対一の戦いを基礎としている。
しかし、多対多であれば、周囲の兵士を盾として使う事で、『短期的な一対一』に持ち込むことは出来る。
ただ、それには常に周囲に気を配る注意力と集中力が必要であり、つまりそれは主観としては、

「流石に、ちょっと疲れたな」

めんどくせー、と男は心の中で呟く。
後ろから襲ってきたゴブリンに、素早く刃を突き込みながら、男は、

「(んー、どうすっかな。さぼっちまうかなー……俺一人抜けてもそこまで穴でかくないでしょ。
どうせこの戦い、人間側が勝つだろーし……)」

と、サボりのタイミングを模索していた。
敵を多く倒しているから気付きにくいが、実はじりじりと後ろに下がっていたりもする。
尤も、この部隊には督戦している者が居るはずで、その人物にバレたら怒られるだろうが。