2019/09/29 のログ
ご案内:「タナール砦」にルヴィルクインさんが現れました。
ルヴィルクイン >  
月も出ぬ夜
だと言うのに空は煌々と明るく照らされている

「ふふっ、フフフッ。ほら、ほら。逃げないと丸焼きになっちゃうのよ、ブタちゃん達」

突然現れた赤髪の魔族によって放たれた紅蓮の炎が、砦を正面──この場合は魔族の国の方面を覆い尽くす壁となって燃え上がっていた

ルヴィルクイン >  
背後を炎の壁で絶ち、魔族の女は悠然と砦の中へと歩みを進める
女の周囲には生命を得たかのように踊り狂う炎魔がいくつも生まれ、片っ端から駐屯する兵士達に飛びかかってゆく
消えない炎に巻かれ、逃げ惑う兵士を薄ら笑いを浮かべて眺める

なぜこんなことをするのか──と聞かれれば、女は笑いながら答えるだろう
『愉しいから』と…

ルヴィルクイン >  
剣では切れぬ無形の魔物
しかも消えぬ炎とあれば、準備もなしで人間の一般兵が対処できる筈もない
ただただ、漫然と砦内を闊歩する女から逃げる他なかった

無論、追いかけ、炎魔をけしかけ、焼き殺す
それを楽しんでいる女からすればもっともっと必死に逃げろ、と言いたい気分だろう

「~♪ 立ち向かってくるような愚かなブタちゃんもいるかと思ったけど、なんてことないのね。有象無象じゃやっぱりこんな程度?
 なんだったら、動きもしない魔王達に変わって私がこの砦を支配してあげようかしら?」

好き放題言いつつ、砦の中を練り歩いてゆく

ご案内:「タナール砦」にヴィルアさんが現れました。
ヴィルア > ―――不運だった、と男は思う。
以前魔族を捕らえたこともあり、しばらくは砦は人間が占拠できるかと思っており。
更にそこに目当ての貴族が視察に来ており…追加の物資を届けていた矢先の襲撃。
突如現れた炎魔たちにあっという間に砦は崩壊していく。

元来、英雄や特殊な技術を持った人間しか太刀打ちできない魔族の襲撃に対して
今、この砦にある戦力はあまりにも少なかった。

砦の内部、中心に近いところに入っていたことも災いし、逃げるのも今からでは間に合いそうもない。
対して鍛えてもいない自分では炎魔に敵うはずもない。
ならば…活路は前にしかあるまい。どうせ死ぬのなら、最後にこの騒動の元凶と相見え。
運よく交渉する余地があるならば、まだ生き残る道はあると男は考える。
手練れの護衛を観測と犠牲に使い…炎魔たちの間を命からがらすり抜け…砦の中を歩く女を見つける。

ただの人間である自分にもわかる、格の違い。
生存本能からか、直感した。この女こそが、襲撃の元凶だと。
ここで、ひるんではいけない。相手の気分を阻害しないようにしつつ…取るに足らない相手だと思われないようにしなければ。
炎で焼かれる肺に活を入れ、言葉を絞り出す。

「お目汚し失礼する。私はヴィルア・リルアール。王都の貴族だ。
―――私の目で見る限り、貴女は大層名のある魔族と見受けるが…どうか、見逃してはもらえないだろうか。
私に差し出せるものなら、差し出そう。人間でも、金でも。」

両手を上げ、魔道具などの、相手を害するものは何も身に着けていないことを示す。
仕立てのいい服のあちこちに焦げ跡を作りながらも、怯えず、真っすぐに相手を見て。
自分にできる最大限の威勢で、命乞いをする。

ルヴィルクイン >  
「…ふぅん?」

視界に入る、身なりの良い、人間の男
炎魔達は当然襲いかかろうとするが、女がそれを手を振って制する
停止した炎魔達は目の前の男ではなく、他の犠牲者を求めて砦の中を走っていった

襲うのを辞めさせたのは、この人間が逃げなかったからである
この場においては珍しい個体である、と認識したのだろう

「…貴族?ふーん…別にアンタが何者でもいいけど…なんで逃げないのかと思ったら。まさか逃してもらう交渉に現れるだなんて」

左右に二匹の炎魔を残し侍らせた女は顎先に手をあて、値踏みするように男を見てからそう言葉を返して…

「タダの人間なんていらないし、お金なんてもらっても仕方ないのよね。
 私、ブタちゃん達が逃げ惑ってのたうち回って死ぬのを見に此処に来たのだけど」

冷酷な視線と共に見た目にそぐわぬ冷ややかな声色が向けられる

…とはいえ兵隊が逃げ惑う中、貴族が逃げずにやってくるのも妙な話
あちこちを炎に巻かれるこの砦の中で自分を見つけたことといい…
ただの人間、として片付けるのは勿体ないかもしれない、という思いが生まれていた

ヴィルア > 「―――――――…」

炎魔たちが、護衛を残してどこかへ去っていけば、できるだけ悟られないように、一つ、息を吐く。
この女が炎魔を操っているのなら、言葉を発したとしても雑音と取られ、即殺にかかられていても不思議ではなかった。
飛びのくくらいはできるようにしていたつもりだったが、幸い、話程度は聞いてくれるようだ。

「そうか。貴女は、そういうものを見るのが好きなのか。
…魔族が、貴族制度に興味があるとは思っていなかったが、私は王都に顔が利く。例えばだが…」

重要なのは、ここで自分が生き残ることによって、この魔族に得があると思わせることだ。
そのためならば、どうせ悪徳に塗れたこの身だ。生き残るためならばなんでもしよう。

「ただの人間はいらない、とは言っていたが。人間を減らすのは、魔族の本懐だろう。それに協力する。
何も知らない兵士や人を、貴女の望む場所に、貴女が望むタイミングで送ろう。逃げる者を追う遊戯をしてもいいし、好きに焼いても構わない」

そこまで言って、反応を見る。
…正直なところ…後に浮かぶのは非常にばかばかしい、成功率の低い案が一つだけだ。
人間を差し出す提案が飲まれなければ、それを告げるしかないが。

そんなことを考えるとは私もヤキが回ったか、と。この状況でもふ、と…笑みが漏れてしまう。
どんな商談よりも緊張する会話が、知らず、自分を昂らせていて、それ故に漏れた笑み。魔族にはどう取られてしまうかわからないが、出てしまったものは仕方がない。

ルヴィルクイン >  
「みっともなく命乞いをしたと思えば、
 今度は自分が助かるために平気で他の人間を生贄にする。
 フフ、汚い、ブタちゃん達の貴族らしい、なんて汚らしいヤツ。
 …でも、別にいらないの、そういうの。
 私は私の好きな時に好き好きにブタちゃん達で遊びたいだけ…誂えられた供物には興味ないのよね…」

蒼翠の瞳が細まり、その顔から笑みが消える
この程度の人間なら、わざわざ特別扱いする必要もないと見たのだろう

「赤の司書ルヴィルクインが命ずる…ブタちゃん達は皆殺し、好き放題に暴れまわりなさい、炎魔達!」

再び、左右に鎮座していた炎魔が燃え盛る
同時に、男が笑みを零していることにも気づいたが…

「ふっ…気でも触れたかしら? ほら、他のブタちゃん達みたいに逃げ惑いなさい♪」

ヴィルア > (やはり、享楽、か)

自分が、奴隷となった者を好きな時に更に貶めていくことに対して愉悦を感じるのと同じく
この相手は、自分の好きな時に自分の好きなことをするのだろう。
炎魔が燃え盛り、今にもとびかかってきそうだ。恐怖で足が竦む。

最初から逃げまどっていれば少しは可能性があったかもしれない、という思いも浮かぶが。
時すでに遅し。自分はこの戦場に立ってしまった。
ならば、どんな薄い可能性にでも縋りつかなければならない。
あまりのバカバカしさに、喉が声を出すのを拒否しようとするが、それを意思の力でねじ伏せて。

上げていた手を片方、魔族に突きつけて

「――――貴女を、満足させよう!!」

端的に、しかし魔族の予想とは違い…逃げずに叫ぶ。
一瞬でも動きが止まれば、矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
乾燥した空気に咳き込みそうになるが、無理矢理に唾液を飲み込み、湿らせて。

「貴女が今、ブタを殺しているのは、自分を満足させるためだろう。
ならばその代わりに私が貴女を満足させよう。玩具としてか、あるいは性的に、な。
どうせ、この砦は既に陥落していることは、わかるだろう?
もうブタもほとんどいないだろうな。ならば、最後に、一人ぐらい遊んでもいいのではないか?」

炎魔を操り、ある程度の情報をそこから得られるのなら、砦の中には既に戦力などなく。
制圧したといっても過言ではないだろう。
非常に馬鹿な提案だと思う。自分から魔族の玩具を志願するなど。
ただ、興味を引くにはこれくらいしか切れるカードがない。
そういったことを出すからには、彼にも自信がある。切り刻まれれば死んでしまう身だが、手練手管は磨いてきた。
瞳に強い意志を宿して、少しでも魔族を面白がらせるため、声を張り上げた。

ルヴィルクイン >  
「…はぁ?」

女と、炎魔の動きが止まる
呆気に取られたような表情、大きな眼を丸くして…

「…あ、そう。だったらちゃんと逃げ惑いなさいよ。
 死にたくないんでしょ…?少しでも疾く逃げ出したほうがいいでしょうに」

しかし、男の言うことはあながち間違ってもいない
既に砦の中から兵隊は撤退し、召喚した炎魔達も砦内をぐるぐるとまわっている状態のようだった

「ブタちゃんとえっちする趣味はないんだけどナー」

凌辱し殺すのであれば話は別なのだが…

かといって、男は逃げ惑う様子も見せない
砦のあちこちから炎魔が集まり、女に纏わりつくようにして魔力に還り、消えてゆく
砦の中で燻っていた炎からも魔力が消えて、周囲からは急激に熱が引いていった

ヴィルア > 不意を衝くことには成功したようだ。
冷汗が全身をだらだらと流れるが、まだ心臓は痛いほど鼓動を刻んでいる。
まだ活路はある、ということが私に力を与えてくれる。

「ああ。だが逃げたら殺すのだろう?私は逃げない。
各地から集めた護衛を焼かれ、このまま逃げては損しかない。
ならば、貴女にも損を背負ってもらう。逃げない私を殺せば、貴女の楽しみは減るぞ。
貴女が私を殺そうと、私はこの誇らしい顔のまま、死んでやる」

相手が見たいのはおそらく、恐怖し、みっともなく命乞いをする者を殺すことだろう。
…熱が引いていったとはいえ、気まぐれで首が飛ぶ可能性もあるが、その享楽に付け込むしか今は手段がない。
脚が少し震えながらも男が浮かべるのは、度重なる商いの重圧で鍛えた完璧な作り笑い。
表情にはどこにも怯えを見せず、交渉を続ける。

「趣味がないなら、見逃せ。あるいは、その体を預ければ…存外、楽しいかもしれないが?」

不敵に笑いつつ、街で会っていれば目を奪われる容姿の相手に、選択を委ねよう。
どうあがいても、自分に選択権はないのだから。

ルヴィルクイン > 「私にも損をさせるですって…?汚らしい魔族の家畜の癖に!」

それはつまり対等であると言っているに等しい
激情家であるのだろうルヴィルクインはその感情を露骨に表情に現す
笑顔のマスクを作っているヴィルアとはまるで対象的に…

「…よく回る舌ね。満足気に死んでいく豚なんて見てもつまらないじゃない。
 ──ふん、それで随分と"ソッチ"に自信があるようだけど…
 そんな口車に乗ってブタちゃんにこのカラダを触らせると思う?」

打って変わって挑発的な笑みを浮かべ、得意げに腕を胸を持ち上げるように組み、笑みを浮かべる

「──丸裸になりなさい♪玩具として散々弄んでから殺してあげる♡」

そして屈辱を与えれば、その表情に変化も出るだろうと女は踏んだらしい

ヴィルア > 怒った、ということは、それが図星だということだ。
感情を露骨に出す相手に、変わらず笑いかけ。
この反応を見ただけでも、彼の今までの経験は無駄ではなかったが。
本題はここからだ。

「ああ、いいだろう。裸など、命に比べれば安いものだ。特に、貴女のような美しい女性の前ではね
ただ、殺されるその瞬間まで、私は笑みを忘れない。それは覚えておいてもらおう」

相手の狙いは、もうわかっている。だからこそ毅然として、仕立てのいい服の留め金に手をかけ。
裸になれ、というのはまだいい部類の命令だ。
なにせ、人智を超える絶世の美女が目の前にいるのだから…色を好む自分が裸にならない方が失礼だとも思える。

怪しい動きをしないようにしつつ、まずは上着を脱ぎ。
次にズボン、靴下、靴、下着…と脱いでいく。裸足となった足裏が少し熱いが我慢して。
現れるのは薄く筋肉の乗った細身の体と、人間としては大きめの陰茎。
命の危機からか、あるいはその豊満な肢体を見ているからか、こんな状況にも関わらず陰茎は雄々しく起ちあがっており。

「さ。脱いだぞ。魔族様。次はどうすればいい」

脱いだ服を適当に放りながら、言葉通り不遜に笑みを保ったまま告げる。
この程度では何も動じない、と目に力を込めて。

ルヴィルクイン >  
魔族の女、ルヴィルクインは挑発的な眼で男の脱ぐ様を眺めていた
自分の命令に忠実に、豚と呼び詰る人間の男が行動することに表情を緩めて

そして、否応なく、このような状況で熱り立った男の男根へと視線が向かう

「──なぁにそれ。殺されるかもしれないって言うのにそんなにして」

床を踏み鳴らし、丸裸となったヴィルアに近づいてゆく───

「死の間際に何を期待してるのかしら、このブタちゃん。
 さてどうしようかしら、このまま魔族の国に持ち帰って晒しモノにしてもいいけど…
 アンタ、どうやったらその薄ら笑いのカオを変えるのかしら?」

するりと手が伸び、ヴィルアの反り立つ男根を少々乱暴に握りしめて…

ヴィルア > 「男は単純でね。そんな格好の美女がいれば、どんな状況でもこうなるさ」

いつの間にか少し砕けた口調へと変化しつつ。
見られても、多少その男根が跳ねる程度だ。
虚勢を張った以上、最後まで貫き通さなければ…貴族として、そして商いを生業とするものとしての誇りがある。

「魔族様が、それを私に聞くのか。
魔族の国に私を持ち帰っても構わないが、表情は変わらないとだけ言っておこう。
自分で言うのもなんだが、頑固なのでね」

乱暴に男根を握りしめられれば、心臓が冷えるような思いがするが。
自分より背丈自体は小さい魔族を見下ろして。

「しかし、そうだな。家に帰れば安心してほっとした顔くらいはするだろう。
それに、貴女を抱けば、表情が変わるかもしれないが?…少なくとも痛めつける類では一瞬しか変わらないさ。
貴女が見たい、怯える表情は出さないと宣言しよう。」

要求は変わらない。
そして、更に表情を変えない、と宣言することで自分自身も戒める。
いかなる暴虐がこの身を襲おうとも、苦痛の表情は長くは出さないと。
この相手に、失望されてはいけない。
面白いやつだと少しでも、思わせなければならない。

ルヴィルクイン >  
「──その一瞬でアンタを殺せばいいワケだけど」

冷たく、その眼を細める
乱暴に掴んだその手を緩め、さするようにその裏筋へと這わせる
女の手は灼ける程ではないが人の常温よりも妙に熱い

「何か隠し持っているのかと思えばそんなこともないし…変な人間…。
 本当にタダの人間じゃ、お姉さま達のお土産にもならないわね……。
 ──ま、いいか…」

遊んで、飽きたら、殺してしまおう
クス、と小さく笑みを浮かべた女は屈み込み、立ち膝をついて男の肉棒の前へとその顔を近づける

「動いたら殺す…あと、イっても殺すわ、いーい?」

再びその手を熱り立つ男根に添えて、その先端に赤い舌を伸ばして…
熱いその口内へと、その亀頭を咥え込む───
そういう"遊び"へと、シフトしたらしい

ヴィルア > 「一瞬で殺されたとしても、完全に息絶えるまでの間に笑顔を作って見せよう。
まあ、丸裸だし、便利な道具を持っていればそれを使っているさ」

軽口で答えつつ、男根を握られた手を緩められれば…少なくともそこを引きちぎられることはない、と判断して
姉がいるのか、などと考えながら…相手が屈めば少し戸惑いが浮かぶもそのまま立ち尽くし。

「ああ、わかった。それにしても、魔族様直々の奉仕か。イっても動いてもならないが、堪能はしてもいいだろう?
せっかくの機会だからね。…遊んでくださるなら、ルールを決めたいところだが…、魔族様は人間と勝負するのは負けるのが怖いかな…?」

魔族ゆえか、炎を操るからか。
裏筋を這う手も、亀頭を咥えこむ口内も…気を抜けば勝手に腰が動きそうなほど熱く、心地がいい。
雄としての本能を押さえつけるため、笑顔で見下ろしながら、言葉を続ける。
ふーむ、と息を漏らし、煽るようなことを言いつつ…内心では必死に動き出そうとする体を抑え。
ここで動いては、玩具にすらなり得ない。一息未満で自分の首は飛ぶだろう。
こんな緊迫した状態で受ける奉仕は初めてだな、とまた笑いが漏れてしまう。

ルヴィルクイン >  
平均よりは大きめの、ヴィルアの男根を咥え込むその仕草は慣れたもので
的確に心地よいポイントを舌でつつき、先端を灼けるような舌が舐り、吸い上げる
しばし弄んだそれを開放し、再び握るようにその手を添えて

「──本当に死ぬ間際にそれが出来るのか試すのも面白そうね?
 …奉仕?莫迦なこと言わないで、ちょうどよい大きさの玩具だから練習台に使ってあげているのよ」

そう言って唾液で濡れたそれを扱くように手を滑らせて

「ルールだとか勝負だとか。馬鹿馬鹿しい。
 玩具にそんなことを提示する権利があるわけないでしょ?
 ──それともやっぱり何か狙いでもあるのかしら」

でなければ、その笑いの説明がつかない
本当に気が触れているというのか

そして男の提言を無視するかのように、服に抑えられ圧の高いその乳房の谷間へと、その男根を誘う
これも女の言うところの練習台か、だとしてもなんの練習なのかは、女は口にしないのだが

「フフ…人間にしては大きいけど…これくらいなら根本まで埋まっちゃうわね」

ヴィルア > 自分でも、平時ならばその奉仕にあっという間に果て。
あさましくも続きを要求していただろう。
けれど今は、丹田に力をいれ、決して先走り以外は漏らさぬように気を張る。
それでいて、彼女の言う笑みを崩さないようにするのは大層辛いものだが。
命をやり取りしているからこそ、何とか耐えられる。
それほど、彼女の奉仕は巧みで、人外の快楽を与えてくるものだ。

「言うだけならタダだろう。…狙い?…そうだな、強いて言うなら。馬鹿だと嗤ってくれて構わないが…
何度も言うように、男というのは単純でね。きれいな女性は欲しくなるのさ。
貴女とは…いい関係になれると思ってね。」

しかし自分も伊達に女を抱いてきたわけではない。
よりよく相手を調教するために自分が先に果ててしまっては意味がないため、快感のこらえ方も人一倍知っている。
意識を反らすため、口を回し、会話を続け。

「ああ、思わず目を奪われる素晴らしい胸だ。傍から見れば奉仕そのものだが…受ける方としては、心地がいいね。
ところで…練習台、と言ったが…こんなことを甲斐甲斐しくする恋人でもいるのかな?」

客観的な意見を言いつつ。練習という女の言葉が気になり、言及してみる。
しっかりとした答えが返ってくるとは思わないが、気を紛らわす種にはなる。

ルヴィルクイン >  
「馬鹿げたことを言うのね…莫迦だと嗤う他ないじゃない?」

人間が魔族を口説き、いい関係になれるなどとほざく
侵略する側とされる側だということを知りつつ言えるのであれば、文字通りの馬鹿だろう
故に、女に殺されずこういうことになっているのかもしれないが…

「恋人…?ふん、ブタに話すようなことでもないわ。──心地が良い、止まりね。
 アンタがただの人間とはちょっと違うってことは、よくわかったけれど…」

大抵の男なら此処で大体アウトだったのだろう、男根を解放し、最後に一撫でしてから、立ち上がる

「いい関係って?
 …内容次第じゃ、生かしておいてあげる」

男、ヴィルアの評価がどうやら女の中で変わったようだった
虚勢もここまで張れれば見上げたもの…別の意味で、興味を引く

ヴィルア > 先走りは、その男根の先端からだらりと垂れ
彼女の乳房を汚してしまうだろうが。
一撫でされ、ようやく解放されれば、少し深く、鼻から静かに息を吐いて。
非常に危なかった。…彼女が心変わりしなければ、数分後には間違いなく死んでいただろう。
弁舌ならば、自分の得意分野だ。

「…金も人もいらない。縛り付けることなどできるはずもない。
ならば、私を差し出そう。確かに、貴女の体は少し触れただけで気持ちよかった。それは事実だ。
ただ…練習台と私を呼んだな。練習ということは、本番を想定している、ということだ。」

先ほどまでは、自分に切れる札はもうなかった。
けれど相手が零した練習台という言葉を引き寄せれば光明が見えないかと考えて。

「本当に、君の練習台になろう。満足するまで、私でその体の使い方を試せ。
…ただ、それまでは私を生かしてくれ。どうだろう?、ここで私を生かせば、君にも少しくらいは得になるのではないかな?」

これは、問題の先延ばしに過ぎない。
彼女が練習台に飽きてしまえば殺されることに変わりはない。
しかし、自分には自信がある。何度か会えば、絶対になんとかできる、という自信が。
それができなければどうせ死ぬだけだ。死が早いか遅いかだけだと、腹を括る。

ルヴィルクイン >  
窓を塞ぐ、僅かに燃え残ったボロ布を引きちぎるように手にとり、汚れた乳房を無遠慮に拭う
ぽいと無造作にそれを放り捨てれば、改めて男…ヴィルアと向き合って

「ダメね」

男の申し出に淡々とそう言葉を返す
しかしなぜか女、ルヴィルクインは笑みを浮かべて

「それだけではダメだわ。確かに我慢強くて良いモルモットだけれど、それは他を使い捨てれば良いだけのこと。
 さっき貴方が言っていたコト…それもプラスでなら考えてあげるわ。
 ここに人を集めなさい?魔王が狙っている、でもなんでもいい、噂を流布するの。
 退屈になった此処タナールにもっともっと、人と魔族の血を流させるのよ」

何を言い出すかと思えば、女は人間だけでなく魔族の血などとまで言い出し始めた
口元に浮かんだ笑みは悪意の現れだろう

「わかったらさっさと服を着て逃げ出すことね。…私の気が変わらないうちに」

ヴィルア > ダメ、と言われた瞬間、終わったか、と覚悟を決めたが。
続く言葉と笑顔に密かに安堵する。
たとえそれで、幾多の犠牲が出ようとも。

「―――は。私の仕事を知っているかのような要求だな。
…いいだろう。それは、私にも得な提案だ。それならば…その場に私もいた方がいいだろうな
勿論、提案は飲もう。この地に、魔族を討伐できるほどの手練れや、数で押せる兵士を集め、争いを誘発させよう」

確かに犠牲は出る。
が、争いが頻繁に起これば、彼も武器や保存食、日用品などをより多く売れる。
まるで見透かされているような提案。
これを全て考えていたのなら大したものだが、それは今考えても仕方がない。

「厚意に感謝するよ。最後に、取引相手の名前くらいは、聞いておきたいのだが…」

逃げ出せ、と言われれば是非もない。
ささ、と下着とズボンを履き、靴下を履かずに靴を履く。
上着を簡易に羽織り、最後まで笑いつつも去っていきながら。
少し振り返り…最後に、またもや答えてもらえるかわからない問いを投げかけてから、去っていこう。

ルヴィルクイン >  
「取引相手?勘違いしないで頂戴。
 あくまでもアンタは私に命を握られた下僕、私の命令を聞く他ないの。
 それでもご主人さまの名前ぐらいは覚えておかないとね…」

勝手なことをのたまいながら、その去りゆく背中に声をかける

「ルヴィルクイン、とだけ覚えておけば十分よ、ヴィルア…でしたっけね」

──男が砦を去って間もなく、ほんの僅かな時間の支配に飽きた女、ルヴィルクインは砦を去る
もぬけの殻となった砦に最初に到着するのは魔物か、それとも人間か…

今後此処で起こる争いを楽しみにしつつ、女は魔族の国へと姿を消すのだった───

ご案内:「タナール砦」からルヴィルクインさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からヴィルアさんが去りました。