2019/08/08 のログ
ご案内:「タナール砦」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 砦の傍に整備された訓練場。
ジリジリと皮膚を焦がす陽光が真上に来た時が、砦の訓練時間だ。
今日の訓練は組手。
兵士達が円状に囲んでいる中、一組のペアが戦い、負けた方が抜ける負け抜け方式の訓練だ。
敗者は勝ち続ける戦い方を学び、勝者はその勝利が何処まで長く続くかを計る――兵士達が手を抜かねば、有効な鍛錬法だ。

「(あっちぃ……)」

つまり、今待機中の闘牛士服の男には全く有効ではないという事ではあるが。
この男、明らかに余力を残した状態であるにも関わらず、二勝三勝した時点でわざと負けて円の中に戻ってしまうのである。
なまじ、その戦いの内容が割と接戦であるから、教官も頭ごなしに怒鳴る事もできず、こうして男がサボっているのを許容することになってしまっている。

「(そろそろ、俺の番かなー?)」

実際、息も絶え絶えな同僚の中、男の顔は涼しい顔だ。
教官の睨みも何処吹く風、男は一人、次の順番を待ち続ける。

クレス・ローベルク > 「(いや、別に真面目に戦ってないって訳じゃないんだけどね……?)」

男の言い分としては、『勝っていい試合』だけ真面目に戦い、『負けないといけない試合』で負けてるだけとなる。
勝ち続け、試合数を重ねれば、不注意や怪我のリスクは高くなる。
故に、戦いつつ自分の限界を見極め、『まだいける』なら勝ち、『もう無理だ』となれば負ける。
二勝や三勝で終わるのは、単純に此処の兵達の質がよく、一戦ごとの疲労度が高いからだ。
尤も、神聖魔法で治るのだから、別にそれで良いという考えもあるが、

「(いたいのやだしなー)」

やはり根本的にはやる気はないのであった

クレス・ローベルク > ――暑い日差しの中、訓練は続く
ご案内:「タナール砦」からクレス・ローベルクさんが去りました。