2019/03/25 のログ
空木 >  さる要人の護衛をするというのが今回の仕事内容だったが、魔術を食らってしまい昏睡したところを閉じ込められたらしい。
 女は、黙ってさえいれば見た目麗しい年頃の娘に見える。閉じ込めてそれだけで済ませるなどということはあるまい。

「……それもまた乙なものでございますが、風情がない」

 無理矢理もいいものだ。いいが、自由を奪われて転がされているなどつまらないにも程がある。
 武器さえあれば扉などこじ開けてくれる。
 女は扉を熱っぽい視線で見つめていたが、ややあってするりと立ち上がった。
 いつの間にやら腕にかかっていた縄を抜くと、屈みこんで次に足にかかっている縄を抜いてしまう。

「傷を付けぬように配慮をしたのが運の尽き、と」

 よく通る声で言えば、扉にぴたりと耳を押し当てて押し黙る。外にいたはずの見張りがいなくなっている。呼吸音がしないから容易にわかった。

空木 > 「ならば押し通りましょう」

 身を引く。いつの間にやら握られていた妖刀を構え、じりじりと足を動かした。
 女の持つ刀は尋常のものではない。離せば近づく。壊せば直る。封じれば、いつか生じる。手元から離れぬことのできない武器である。
 故に奪った程度で絆を断つことができるはずもなく、刹那鞘走る閃光が三度瞬いた頃には扉が軋みを上げて倒れていた。
 チンッ。涼しい音を立てて刃が鞘に収められる。

「お世話になりました……」

 場にそぐわぬセリフを吐き、歩き出す。
 人間と魔族の最前線の真っ只中、剣のみを帯びた女が野犬のように駆け抜けていった。

ご案内:「タナール砦」から空木さんが去りました。
ご案内:「タナール砦」に黒須さんが現れました。
黒須 > (現在、人間側が収めている砦。
ただただ静かであり、生き物の気配を感じさせないほど空気が死んでいた。そんな中...。)

「...だーくそ...。暇だ。」

(ただ1人の男がその場に居た。
黒いズボンに黒い革ジャン。黒いYシャツとその場の雰囲気に合わないほど私服臭えお漂わせて暇をしていた。
しかし、タバコを吸って黙っているかと言えばそうでも無い。
現在は第7師団の活動の元、魔族の侵入を防ぐ為の護衛任務に着いていた。
けれども、そんな緊張感も出さず、適当な岩に座り大欠伸をしながら過ごしている)

黒須 > (しばらくすれば煙草も燃え尽き、口から離しては握り締めて風に乗せて捨てる。)

「魔族がいりゃ、ちっとは仕事になるけどよ...いねぇとなりゃどうにもやる気が起きねぇな...。」

(立ち上がって準備運動を始める。
前職では金貸し屋を営んでおり、そこまで戦闘はしなかったものの、何かあればするような日々であったためそれなりに活気があった。
今の仕事には不満は無い。給料も良いし楽。
ただ、指示があるとなればめんどくさく思い、何かあるまでしばらく居なければならないのであった。)

「はぁ...なーんかどでけぇものこねぇのか...?」

(半分馬鹿らしく適当なことを呟きながらとりあえず見張りを続けることにした)

黒須 > 「...けれども、ケジメをつけたのは...結局の所、俺か...。」

(何も無い岩肌が広がる元戦場を眺めて、思い出す。
現在の師団長と背中を合わせて戦ったこの場所。
久しぶりに暴れ周り、手強い相手であった為に自分も我を忘れて突撃をしていた。
戦いの後は入団することを決意し、再度盾になることを決めていた。
そんな昔話を思い出せば立ち上がり、軽く伸びをする。)

「...めんどくせぇ。ちっと待ってみるか...。」

(欠伸混じりの決意をした。
表から見れば適当そうであるが、その本心にはキッチリと尽くす気持ちを持っていた)

ご案内:「タナール砦」に黒須さんが現れました。
ご案内:「タナール砦」に黒須さんが現れました。
ご案内:「タナール砦」に黒須さんが現れました。
黒須 > (最後に周りを見渡し、人の気配を感じ取ろうとする。)

「...ん、いねぇな。」

(何もいないことを感じるとそのまま新しいタバコを咥え、どこかへ行く)

ご案内:「タナール砦」から黒須さんが去りました。