2019/03/19 のログ
クレス・ローベルク > ――戦闘音が、やんだ。
普通なら、戦闘が終われば安堵すべきなのだろうが、今回は真逆だ。
勝ったのがどちらか解らない以上、つまり男の運命はこれから決まるのだ。

「くっそ……こうなったら最悪、格闘術で何とかするっきゃ無いか……」

最初に着た者が武器を持っていたら、それを奪って逃げるぐらいしか、今の男には考えつかない。
魔族に捕虜にされて、幸せな生活が送れるとは到底思えない以上、そして恋人のもとに戻れない確率が高い以上、降伏など最初から眼中にない。

「よ、よーし、やるぞ、取り敢えず座って、相手を油断させてから……」

あぐらをかいて座りつつ、男はその時を待つ。
果たして、来るのは人か、それとも……?

クレス・ローベルク > かつん、かつんと足音が聞こえる。
果たして現われたのは――上司だった。
傷だらけの彼は、クレスを見るなり怒鳴った。

「何を牢に隠れてるんだ!せめて仕事はちゃんとしろ!」

「ええー」

流石にこれは理不尽だろと思う男であった。

ご案内:「タナール砦」からクレス・ローベルクさんが去りました。