2019/03/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 平時の砦は意外と暇だ。
勿論、雑用などはあるし、それは決して楽ではないのだけれど。
反面、何も仕事がない時にやる事は殆ど無いのだ。
そんな訳で、休みを貰った男は、砦の修練場に来ていた。

「よいしょっと」

誰も使っていないことを良いことに、修練場の真ん中に、練習用の人形を置く。
丸太に打ち付けられた木製の人形だが、特別な魔法がかかっていて、真剣で切っても刃物を抜けば直ぐに修復されるらしい。

「流石に最前線ともなると、良い訓練道具使ってるんだなあ」

マジックアイテムとなればそこそこの値段するだろうにと呟きながら、人形の前に立つ。
そして、

「せいっ!」

と人形に向かって自前の剣で切りかかっていく。
どうやら硬度もそこそこあるらしく、軽い音を立てて弾かれたが、気にせず次々に剣閃を生み出し、人形を攻撃する。

クレス・ローベルク > 幾度も剣が弾かれる音が続く。
男の剣筋は軽くは有るが、その割に隙はなく、力が抜けているということもない。
素早く、重く。矛盾する二つのバランスをギリギリ見極めたもの。
悪く言えば、中途半端だが。

「(それにしても、流石に疲れるな……っていうか暑い……)」

闘牛士服は見た目に反して動きやすく作られているが、それでも長袖であるので体温が高くなれば熱がこもる。
既に身体は汗だくで、闘牛士服の青が更に濃くなっている。
とはいえ、これを脱けば、今度は冷えた外気に身体が晒される。

「(まあ、我慢するしか無いか)」

そう思いつつ、間断のない打ち込みを続けていく。
既にその数は百を超えていた。

クレス・ローベルク > 男の鍛錬は続く
ご案内:「タナール砦」からクレス・ローベルクさんが去りました。