2019/01/27 のログ
ご案内:「タナール砦」にカインさんが現れました。
カイン > 数刻前まで激しい戦闘の起きていた砦。
今は王国側の旗の翻る門の前で、億劫そうな表情を隠しもせず番をしている男の姿があった。
幸い死傷者はそう多くはない物の、先ほどの戦闘で被った被害はそれなりのようで、
結果として外様の傭兵までもが門の前に駆り出される始末である。

「……しかしこいつは、まずいんじゃないかね?」

そう独り言を漏らす物の、それを聞く者は誰もいない。
騒々しい声の聞こえる砦の内側に視線を向けると、
多くの人影が右往左往している所が見て取れる。

「砦をとったはいいにしろ、維持できないんじゃお話にならんなあ」

カイン > 「ま、そうなったら殿でも買って出るか。
 他にできそうなのも数がおらんだろうし、
 今の国軍に手練れが居るならそれでいいんだが」

雇い主が消えてしまっては報酬がおじゃんだし、
何よりも肩を並べた相手がくたばるのは目覚めが悪い。
仕方がないと流す程度の感傷とはいえ、酒が不味くなるのは宜しくない。
顎に手を当てながら剣を軽く叩くと、息を吐いて少し気合を入れる。
何せ相手は魔族である。何を仕掛けてくるのか分かったものではない。

カイン > 「…お、交代要員か。遅かったな?
 全く、このまま一日中立たされるものかと思ったぞ」

漸く現れた二人組の見張りにそう声をかければ手を挙げて、
そのまま横に振りながら入れ替わりに砦の中に去っていく。
持ってきた酒でもとりあえず飲んでしまおうと頭の中で算段立てながら。

ご案内:「タナール砦」からカインさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 墨を刷いた様な黒い空に、欠けた月が寒々と輝く夜。凍てつく空気はそよとも動かず、ただしんしんと辺りを冷たく満たしている。

昼間、ヒトとヒトならざる者、両軍がぶつかり合ったという砦からいくばくか離れた草原。砦内――今は辛うじて、人間側らしい――から漏れる篝火を視認するにもそう難しくない場所で、佇む灰色の影ひとつ。

「……兵どもが、何とやらか…」

フードを被った奥で赤銅色の頤が微かに動き、白い呼気が漏れる。続けて小さく溜息を吐くと、足元―――武器の破片、防具の欠片、はたまた肉体に、血溜り―――を注意深く選びながら、その激しい戦闘痕の中心へと歩みを進めた。