2018/12/11 のログ
ご案内:「タナール砦」にジェネットさんが現れました。
■ジェネット > 王国軍の実質的なお抱え傭兵となって早くも数週間が経った。
とはいえ、そう軍が出向くような大きな仕事もなく、平和な日々が続く
――相変わらず領有権が行ったり来たりするタナール砦の日常を平和と思える辺り、だいぶ王国流に染まった気もするが。
さておいても、タダ飯喰らいでいるわけにもいかない。
傭兵たるもの、雇用関係がイコール信頼関係。ベッドを借りて飼葉を貰って、喰って寝て出陣を待つだけでは見限られるだろう。
そこで始めたのが教練。人馬族の騎兵ともなれば、騎馬を用いた機動戦はお手の物。王国軍騎兵にとっても多少なりと学びはあるはずだ。
そんな発想でスタートした教練は、まず軍馬育成からスタートした。
気弱な馬は斥候として悪路でも転ばぬ走法を、
やたらと度胸のある馬はこちらにのしかかろうとした所で一発蹴りを叩き込んで突撃訓練を、
残りの素質がありそうなやつは手綱や声掛けから騎手の意思を読み取る練習を。
数日間の練習で、馬たちはみるみる練度が上がった、と思う。
――この調子で行けば、臨時報酬もあるかも知れない。そうなれば、娼館遊びがまたできるな……
と、外周を走り込む馬たちを見守り砦の門前で腕組みしながら、フルフェイスの兜の中で頬が緩む。
■ジェネット > 欲に緩んだ頭をぶんぶんと振って、教官らしい威厳を出すべくマトモなことを考えてみるとしよう。
題目は――そうだな、この戦線について。
タナール砦を巡る攻防戦は、双方一進一退を繰り返し決定的にどちらかに戦況が傾ぐことはない。
少なくとも今まではそうだと古参兵から聞いた。
腐っても最前線であることに間違いはないので、王国も魔族も"見かけ上"無尽蔵とも見える戦力を投入して奪い合っているわけだが――
「この見かけ上というのが曲者だな」
いるらしいと伝え聞く魔族の怪しい死霊術師が屍を蘇生して戦力を増強するのと異なって、
王国軍の主体は多少のゴーレムと機械人形、そして大多数が人間だ。
主力の兵士が人間である以上、死ねばそこで終わる。死ぬと同時に後方で訓練済みの兵士が生えてくるわけではないのだから。
となると、補充兵が要るわけだ。王国の圧倒的な国力故に、今までその補充兵が足りないという事態は無かったようだが……
いつまでもこの戦線で兵力の削り合いをしていれば、いずれ必ず破綻する戦略ではあろう。
特に一気に戦局を打開する大規模侵攻の意図が無いままでは。
では現状の戦略を維持しつつ、この致命的な兵士不足を先延ばしにするにはどうしたらいいのか。現場レベルで可能な戦術は何があるか。
「――やはり高速重騎兵部隊による指揮官狩りだな」
防御力と速力、攻撃力を兼ね備えたマルチロールファイターたる重装弓騎兵。これからなる突撃部隊を以て、敵軍の指揮官を狩る。
将軍クラスを狩ってしまうと思わぬ敵の暴発を招きそうなので、隊長クラスに留めて、という但書は付くが。
それでも、ただ刀剣の類いを振り回す多少の才覚があれば簡単に補充されてしまう歩兵をすり潰しあうよりも、
十全な教育を受けた稀有な存在である士官を潰して回ったほうが良かろう。
そして私がその先駆けを走れば、報酬金もものすごいことになるはず。
あるいは救国の英雄とかになるだろうか。
「んふふふ、これはちょっと私天才ではないか? 軍師になれるんじゃないか?」
自分の考えがさも天啓のように思えてきて、あっという間に天狗になる。
教練の時間が終わったら早速上官に提案してみよう。
――ああ、今日は襲撃もなく平和である。とりあえず今のところは。
ご案内:「タナール砦」にカレリアさんが現れました。
■カレリア > 「よくない、ですわね…ここまでとは。」
人間の国に落とされかなりの時が経った
にもかかわらず未だ魔族側はこの砦を取り返せないでいる
この地域は長らく奪い奪われの半中立地帯であった
それがこの始末…思わず爪を噛みそうになる
「始めましょう。奪還です、壊してでも無力化してしまいなさい」
物資も流れ始めた今、ここで王国兵を叩いておかなければ戦争のバランスは一気に崩れる
それだけは必ず阻止しなければならない…どんな手でもどんな物を使っても
「オーガ達、盾を構え前進なさい。」
魔物の群れが砦へと向かう
巨大な盾を構えながら隊列を組んで…それだけでも王国の人間にとっては良様な光景だろう
魔物の群れと仮面をかぶった少女が今、襲撃を開始する