2018/10/14 のログ
ご案内:「タナール砦」にカインさんが現れました。
カイン > 数刻前まで激しい戦闘の起きていた砦。
今は王国側の旗の翻る門の前で、億劫そうな表情を隠しもせず番をしている男の姿があった。
幸い死傷者はそう多くはない物の、先ほどの戦闘で被った被害はそれなりのようで、
結果として外様の傭兵までもが門の前に駆り出される始末である。

「……しかしこいつは、まずいんじゃないかね?」

そう独り言を漏らす物の、それを聞く者は誰もいない。
騒々しい声の聞こえる砦の内側に視線を向けると、
多くの人影が右往左往している所が見て取れる。

「砦をとったはいいにしろ、維持できないんじゃお話にならんなあ」

カイン > 「ま、そうなったら殿でも買って出るか。
 他にできそうなのも数がおらんだろうし、
 今の国軍に手練れが居るならそれでいいんだが」

雇い主が消えてしまっては報酬がおじゃんだし、
何よりも肩を並べた相手がくたばるのは目覚めが悪い。
仕方がないと流す程度の感傷とはいえ、酒が不味くなるのは宜しくない。
顎に手を当てながら剣を軽く叩くと、息を吐いて少し気合を入れる。
何せ相手は魔族である。何を仕掛けてくるのか分かったものではない。

ご案内:「タナール砦」にクロエ・ラ・シャアルさんが現れました。
クロエ・ラ・シャアル > ふわり、と男のそばに降り立つ。
それは突然現れたかのように。

「こんばんは、オジサマ。
今日はお仕事中なのかしら?」

ローブに身を包んだ子供――クロエが声をかける。

カイン > 「……おや?」

不意に聞こえた声に、驚いた表情で視線を動かせば見た顔がそこにある。
目を瞬かせながら顎に手を当て。

「ああ、勿論仕事中だとも。
 お前さんみたいな子供が此処に居ると危ない類の、な。
 一体今日はまたこんな所まで散歩かい?」

クロエ・ラ・シャアル > 「ええ、お散歩よ。
夜は私の庭。
闇は私の世界、だもの。
だから知り合いがいたらちょっと気になって見に来たりはするわ」

くるくると男の周りを歩き、ちょっと演劇かかった口調でしゃべる。
土色のローブによって残念ながら女優には見えないが。

「それにしても、ここがタナール砦なのね。
初めて来たけれど……何もないのね」

カイン > 「お前さんの時間にはまだ少し早くないかね。
 ま、そこはどうでもいい話だが」

ゆっくり笑って言い返して見せながら、相手の頭を乱雑にひっかき回してしまおうと手が伸びる。
その合間に視線を左右に動かせばなにもないという言葉には肩をすくめ。

「そりゃな、もうちょっと早く来てたら大立ち回りが見れたが。
 戦争やってる所にのこのこやってくるやつはいないからな」

何も起きようがないと笑ってみせる。
それこ発生するのは戦闘というイベントくらいだ。

クロエ・ラ・シャアル > 「~~っ、昼も夜みたいなものよ!
それに、こんな空気の重い場所、夜みたいなものだわ!」

抵抗する間もなくぐしゃぐしゃ~と髪が乱される。
ぷんすぷんすと怒りながら髪を整えつつ謎理論で押し通す。

「あら、オジサマの雄姿を見れなかったのは残念だわ。
……どこか怪我とかしてない?」

脇腹や、太ももをつついて刺激を与えてみる。
どぅれ、ここら辺は怪我していないか?と触診しているようだ。

カイン > 「たしかにな、此処は死地だ。誰かがそこらじゅうでくたばってる。
 そんな場所がまともなわけもない」

相手の言葉に喉を鳴らして笑って見せながらも、
怒った様子をどこか微笑まし気に眺めて喉を鳴らし。

「おかげさまで怪我なんてのはしてないがね。
 …なんだ、血が出てたほうが良かったか?」

相手の正体的にとからかうように告げて目を細め。

クロエ・ラ・シャアル > 「そんな場所に身を置いているオジサマも、まともじゃないと思うわ。
100年以上でしたっけ?傭兵稼業は」

確かそんなことを言っていたような。
前はお貴族様だとか。

「……そんな、いつもお腹を空かせている孤児みたいに言わないでくれます?
ただ私は、オジサマが怪我して泣きべそかいてる所を見れなかったら残念だから、怪我してるか確認しただけよ」

人差し指を突き刺し突き刺し。
からかうような声色にちょっと顔を赤くして物理的仕返しをしてやるのだ。

カイン > 「そりゃそうだ、まともだったらこんなところにはいないとも。
 そもそもまともな魔族、なんてのは殆ど見たことがないがな」

どいつもこいつもどこかがおかしい。少なくとも人間の基準に照らし合わせれば、だが。
笑い飛ばして肥肉めいた言葉に返答して見せれば、クックと喉を鳴らし。

「美味しいものがあったら食べたいと思うのは身分に関係はないだろう?
 あっはっは、そりゃあ見れなくて残念だったな、っとイタタ」

チクリと感じる痛みに目を白黒させながら、
お返しとばかりに両手を伸ばせば少女の体をひょいと抱えあげようとしてのける。

クロエ・ラ・シャアル > 「……それも、そうね」

まともな魔族、といわれて数瞬してから同意の答えが出る。
そういえば会った魔族は全員、頭がおかしかった気がする。
唯一、自分を除いて。

「自惚れないでちょうだいな!
確かにオジサマの血は少し特殊だったけど、そんな美味しいものじゃ――ひゃっ!ちょ、ちょ、ちょっと!!」

ひょい、と体を抱えられれば、じたばたと手足をばたつかせる。
なにやら「レディの扱いがなってない」などと喚いている。

カイン > 「その当たりは考えるだけ無駄、という話だな。
 いっそ種族柄みたいなもんだし」

クックと喉を鳴らして言い返しながらも相手の反応を見れば、
楽しげに笑いながら正面から抱く形で顔を覗き込んで額と額を軽く合わせ。

「立派にレディらしく扱ってるだろう?
 ま、前にリトルとか付きそうではあるが。
 しかし軽い体だよなあ、肉を食え肉。もうちょっと色々付けないと後々大変だぞ」

ポンポンと背中をあやすようになでて言いながら少女の体を見下ろして大変失礼な事を言い放ち。

クロエ・ラ・シャアル > 「ふぅん……、まぁ私はほとんど魔族とかかわりがないから何とも言えないけれど。
元人間にはちょっと解らないかも」

それも、ただの村娘には到底想像つかない。
魔族側になったとはいえ、人間側でずっと過ごしているわけで。

「唐突に抱き上げるのがマナー違反といってるの!
それに私はリトルじゃないわ!もう立派なレディ!
あと私はスレンダーなの!む、胸なんてなくていいのよ!」

きしゃー!とまるで猫が怒るように毛を逆立て。
噛まれたら最後、血を飲まれるだろうけども。

カイン > 「元人間、ああなるほど。そういう風になるのもあるか」

相手の身の上というよりも種族のことを思い返して納得した様子である。
顎に軽く手を当てながら何となく相手のアンバランスさに得心いった様子で頷き。

「胸よりも尻な気がするな。それでなくても全体的な肉付きってのは大事だと思うが」

セクハラそのものの発言をいけしゃあしゃあとしながら相手を見下ろして言い放つ。
ちらりと視線を砦の方に向けてクックと喉を鳴らし。

「ま、それはそれとして散歩っていうなら、
 そこまで暗くならないうちには帰れよ?
 此処はこわーいオッサンだらけだからな」

襲われても知らないぞとおどけて言い放つ。

クロエ・ラ・シャアル > 「あら、言ってませんでした?
元はただの村娘ですのよ、私」

にっ、と笑って吸血鬼の牙と、胸の宝珠を主張する。
元々はこんな牙も宝石もなかったのよ、と。

「しょ、しょうがないじゃない!
この姿だってもう50年ぐらい前からずっと変わらないんだから!
きゅーけつきって姿が変わらないのよ!知ってるかしらオジサマは!」

ずびし、ずびし、と脇腹を人差し指で刺す。
セクハラおじさんには吸血鬼の尖った爪でお仕置きをしつつ。

「やだ、こわぁい。
それじゃあ危ない目に逢う前に帰らないと。
――で、も」
背を伸ばし、顔を向けて、男の首をちろり、と舐めて、流し目で見る。
「――オジサマに襲われるなら、わたし、もうちょっといようかしら?」

なんて、ちょっとからかってみつつ。

カイン > 「そいつは初耳だな。
 なるほど、道理で負けん気が強いわけだ。その性格も納得だな」

クックと喉を鳴らして笑って見せながらも、肩をすくめて見せればゆっくり目を細め。

「ああ、そいつは大変だ。ご愁傷さまと言うか何というか。
 体質のことばかりは同しようもないな…イタタ」

全くとちょっと困り顔になって言い返しながらも、
相手の言葉に意地悪くにんまりと笑って見せる。

「へえ?言ったな、じゃあこのまま襲ってしまおうか?」

そう笑って言いながら額に口付けを落として、
ゆっくりと臀部をなぞりながら笑い。

クロエ・ラ・シャアル > 「……なんだか今、田舎娘、と馬鹿にされたような気がしたけれど、気のせいかしらオジサマ」

ムムっとした顔。
なるほどとはどういう意味なのか。
道理でとはどういう意味なのか。
説明を求める、みたいな顔だ。

「このままって――ひぁっ!?」

優しくなでられた、とはいえそうそう触られる部位でもないために声を上げ。
そして声を上げた自分を恥じて顔を赤くし。

「い、いや、ちょっとまってオジサマ……。
こ、ここお外だから……」

まんざらでもなさそうだが、しかしこのまま外で、というのはいろんな意味で恥ずかしいために腕をつかんで止めようとする。

カイン > 「別にそんなつもりはないんだがな。
 …ま、悪い意味のつもりはない」

大丈夫だと笑って言いながら額にそっと口づけを落とす。
子供をあやすようなそんな仕草である。

「んー、まあ確かにそうだな。
 一応仕事に段落をつけねばならんし、
 それじゃあ砦の中に行くとするか」

流石にこのままでは怒られる。少し考えた後に提案して、
砦の方へと視線を向け。

クロエ・ラ・シャアル > 「そ、そう?なら別にいいのだけれど……」

額にキスをされる瞬間にびくっ、と震えて受け入れつつ。

「う……えっと、じゃあ、部屋まで案内しなさいっ。
で、出来るだけ声が隣に聞こえないような部屋にしなさいよ!」

カイン > 「はいはい、それじゃあ行こうかね。
 何だ、声を抑える自信がないのかい?」

からかうようにそう笑って言い返しながら少女の体を揺らし、
その場を後にしていくことになるのだった。

ご案内:「タナール砦」からクロエ・ラ・シャアルさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からカインさんが去りました。