2018/06/30 のログ
ご案内:「タナール砦」にアルテリエさんが現れました。
アルテリエ > (砦を見上げる魔側の軍勢。

――数日前に比べ、その数は有る程度減っていた。
理由は明白、先手を打たれてしまった、魔の国内への侵攻軍に対し。
追跡、否、追撃を開始したからだ。)

本当は。向こうに行きたかった、けど。

(彼の城に匿われた無辜の民達。その中に含まれる、己が下の者達も護りたかったけれど。
寧ろ此度の戦、それ全体を考えればこそ。己は、前線に残らざるを得なかった。

理由は、二つ。

砦の将と交わした約束を守る為…それによって、無益な戦闘とそれによる損害を避ける為。
もう一つは、この砦へと退いてくる人の軍勢が有れば…彼等に後背を突かれ、大きな被害が出るのを食い止める為。

本来ならば、全軍速やかに退くべきなのかもしれないが。
そうすれば、あの砦から別の将や師団が、更に討って出て来る可能性も有る。
――あくまでも。均衡を、膠着を。保つ事が優先事項…
…王国軍側に何かが有るか。魔の同胞を押さえきれなくなるか、等によって。
次に事態が動くその時迄。)

アルテリエ > 報せは?
……そう、未だ――か。

(そうして本国へ取って返す者達からも。本国、その物からも。
報告らしい報告は届いていない。
彼方も未だ、事が動いていないのか――報せを出す暇もない程、動いてしまったのか。

何れにせよ、待つ事と、その間兵達を出来るだけ減らさぬ事、無駄に怨恨を重ねぬ事…それ等を約束し任じた以上。
此方から約束を破るのも。手慰みで兵達に命を賭けさせるのも。
貴族たる者の道義に、責任に、反するというものだ。

――焦れる。そんな己を、律す。
何もしないから悪いのだ。そう決め込めば、陣内で立ち上がり。
今出来る事、今やっても構わない事に取りかかろう。
歩き乍ら矢継ぎ早。部下達に指示を出していく。)


今は、動かない。それでも……何時如何なる時にでも、動けるようにだけは、しておいて欲しい。
使っていないラグは解け、直ぐ必要ではない物は積み込んでしまえ。
魔馬の準備は怠るな、此方も――翼軍が何時でも飛び立てるようにしろ。
前にも、後にも。どちらにでも向かえるように。そして、迎え撃てるように。

アルテリエ > (こうして動いている間だけは、余計な事を考えずに済む。

――戦の中心に在るのは、己とは比較にならない、真祖…神祖と呼ばれるにも値する存在だ。
負けるとは思っていない、だが、きっと被害は出てしまう。
民がか、国がか、街々がか。何れか、否恐らく、何れもかが傷付いてしまう。
それが同族へ。同胞へ。より近しい存在達へ及ぶなら。)

   ………そう、考えてしまうのは。 …いやだなぁ…

(各々の役割に部下達が散った、僅かな暇。
気を張る、らしく振る舞う、そんな事の出来無い本音が。零れて落ちた。

――――いや。これでは、駄目だ。示しが付かない。立つ瀬が無い。
部下達には気取られなかった筈だ、そう決め込んで。こつりと一度額を小突き。
一度伏せ、そして再び上げた顔には。もう弱音など浮かべまい。)

アルテリエ > (そして。再び、前線の維持へと戻る。
あくまでも維持。退かず、奮わず。
散発的な小競り合いは、血気に逸る者が行えば良い。

己はあくまで、被害を食い止めるのだ――全ては。約束した時を完遂する為。
人を信じさせてくれた者を裏切らぬ為。
そして――彼の者と真逆の、魔国に仇なす者達に、次なる暴挙を赦さぬ為に。)

ご案内:「タナール砦」からアルテリエさんが去りました。