2018/06/24 のログ
ご案内:「タナール砦」にサロメさんが現れました。
サロメ >  
「迅速に運び込め。哨戒も怠るなよ」

無人となったタナール砦が一際騒がしくなる
これまでとは一線を画す規模の騎士、魔道士、聖職者、そして傭兵
第七師団に名を連ねる者達が大挙し、砦へとやってくる

「砦の確保と保全は作戦の礎となるものだ。各自、作業の間も決して隙を見せるな」

砦の中央にて指揮をするのは第七師団の女将軍
先日の魔族との交戦によって右肩を負傷し右腕を包帯に下げてはいるが、
普段と変わらぬ凛としたその声に師団の指揮は高まってゆく

サロメ >  
今頃、うちの将軍殿は王国で啖呵を切っていることだろう
王国貴族達を納得できるかどうか…そんなことはもはや考えるだけ無駄だ
おそらくあの男は王国軍そのものに楯突くことになってもこの作戦を実行する

ならば志を共にした自分も同じ
こうやって、いち早く作戦の準備にかかるのみだ

「監視体勢だけは絶対に緩めるな。
 魔族の軍勢や、要塞の出現を確認したらすぐに応戦体勢に入るよう全軍に通達しろ」

必要な指示全てを終えると、砦の屋上へと上がる
此処からは魔族の国を眺め渡すことができた
暗雲が立ち込め、人間の恐怖心を煽るような、その先の光景──

「…例え魔王が相手だろうと滅ぼせるだけの準備をしてきた。
 オーギュストの到着まで…作戦が成功し此処へと帰還するまで、砦を確保するのが私の仕事だ」

深く深呼吸を行う
緊張感が高まってゆく
これだけの作戦指揮は…ティルヒアの動乱以来か

ご案内:「タナール砦」に黒須さんが現れました。
サロメ >  
──怪我の影響で最前線に加われないことが悔やまれる
あの男、オーギュストの無茶を冷静に嗜めるのが副将である自分の役割だというのに

「(…いや、やれることをやるだけ、か)」

そして、やれることはこの砦の防衛指揮だ
この砦を拠点としない限り、魔族の国への侵攻などはありえない

そしてそれは、魔族達もよく理解っている筈──

黒須 > 「くぁ~…あー、参ったな…。」

(何もいない静かな場所に現れたのはその場に合わない様な獣であった。
大柄な体で両腕を大きく上に伸ばし、あくびをして、頭をボリボリと掻いては周りを見る)

「焼けのみし過ぎて、場所がわからなくなっちまったな…ここはどこだか?」

(仕事や日々の趣味がうまく行かずにストレスが溜まり、酒を飲み続けた結果、酔ったままでここに来てしまった。
しかし、方向音痴は日常茶飯事適当に歩けば帰るだろうと思いながらもフラフラとそこを歩いている。
しかし、見た目が見た目であり、遠目から見れば魔族の一人の様にも見え、勘違いされても仕方がないような姿。
所謂、人狼の姿をしており、運悪く兵士の居る方へのこのこと近づくように歩いている)

サロメ >  
──ただでさえ魔族の国侵攻への血気高まるタナール砦
そこに一見魔族のようにも見える者が現れた、となれば……

警笛が鳴らされ、伝令が走る
人狼を目撃した兵士達は即座に彼を包囲するだろう

「…現れたか」

一息つき、マントを翻して屋上から降りてゆく──

黒須 > 「…あ?」

(気が付けば多くの兵に自分が囲まれる。
周りを見ても逃げられるような隙間は無い。)

「…おいおい、こりゃどういうことだ?」

(屋上から降りて来る少女を見ながら、めんどくさそうな口調で、めんどくさそうに後頭部をボリボリと掻き、状況を理解できなくなる)

サロメ >  
兵達が割れ、道を作るようにして女騎士は現れる

「…一匹だけか? …仲間がいるかもしれん、周囲警戒の人数を増やして哨戒に当たれ」

言葉を部下へと向けながら、左手で剣を抜き放つ
冷やりとする冷気が辺りへと立ち込めた

「何の用で此処へ来た、答えねば斬る」

漂う冷気よりも冷たい声と視線が、向けられる

黒須 > 「…王城の者か…。」

(女騎士を通る様に兵隊が分かれる姿を見ると、すぐに分かった。
直接会ったことが無いが、何度か王城近くを歩き、たまには見る事もあった。
その時の動作によく似ている)

「…あー、なんつぅんだ?酔っ払って来ちまった…じゃ、ダメか?」

(冷気が立ち込めるも、革ジャンと厚手の毛皮のおかげで寒さは感じない。
声と視線だけには何も自分を保護するような態度ではないのは分かった。
しかし、答えろと言っても酒を飲んで、ここへ来たしまったとしか言えず、ダラダラと長文を言わずに完結に話す)

サロメ >  
「…厳戒態勢の砦に魔族らしき者が姿を現した。
 その事実をただ酔っ払って迷い込んだ、と済ますのは些か難しいが」

周囲の兵士達の殺気が高まってゆくのを感じる

「待て。…本当にただ迷い込んだだけならば、我々を攻撃する意思がないと考えて構わないのか?
 で、あるならば我々にそれを示すことだ」

それを制するように言葉を発する

黒須 > 「ふぅむ…なるほどな…。最近の政治は…よくわからねぇな…?」

(ポケットに指を入れて周りをキョロキョロと見てはため息を一つ漏らす。
殺気を感じれば、きっとその魔族だと自分は勘違いされているらしい。)

「示すか…。めんどくせぇな」

(少し嫌そうな顔をすると、まず革ジャンを脱ぎだす。
武器がない事を確認する様にポケットをひっくり返して中身を見せる。
次にベルトを外せばゆっくりとサロメに近づき下ろす。
魔術で蛇に化けていると思われればすぐさま首が飛ぶと思い、そういう小細工は無いと示すため、目の前に置く。
最後にズボン。こちらも革ジャン同様に収納スペースを裏返し、中身も見せる。
最後には毛むくじゃらの体と割れた灰色の腹筋。黒のボクサーブリーフ姿のまま、囲まれる始末である。)

「これでどうだ?これ以上は勘弁だな?俺も、変に騒ぎを起こしたくないのでね?」

サロメ >  
「面倒だろうが従ってもらう。今のタナール砦には魔族の可能性がある者は塵一つとてその侵入を許すわけにはいかないんだ」

言葉を待つまでもなく従う獣人の男
武器らしきものは持っていなさそうだが、その巨躯はそれだけでも武器となり得るだろう
周囲の兵士達が警戒を解く様子は見せていない

「…敵意がない、ということを君なりに示したと受け取ろう。
 本来ならこのままさっさと消えてくれ、と言いたいところだが──」

ふむ、と一息

「数日ほど監禁させてもらう。君がこの砦の様子を探りに来ただけの草とも限らないからな。
 君の潔白を完全に証明できる何かを示せるならば、話は聞くが」

ご案内:「タナール砦」にクラリッサさんが現れました。
クラリッサ > 今日もタナール砦まで歩いてやってくる。
最近魔王として忙しい、早く静かにしてほしいものだと思いながらタナール砦が見える位置までやってきて。

「あら?今日は人がいますわね」

無警戒にタナール砦の前までやってきて大きく息を吸う。

「すみませーん!人間の方が駐在しているのでしたら速やかに退去をお願いします!こちらとしても事を荒立てたくはないので大人しく従ってくれるとうれしいのですが!」

いつもの退去勧告。
しかし今回の兵士はいつもとは様子が違う様にも見える。
用心はしておいて。

黒須 > 「監禁か…ま、死ぬよりかはマシだな?」

(そう言うとそのまま置いた服を持って再度着始める。
きちんと正装になればまた同じ場所で立ち止まる。
サロメの後ろに立てば不意を突くだろうと思われ、武器や殺気を向けられる。
ならば、自分が居た場所で大人しくしようとするまでである)

サロメ >  
「話がわかるようで助かる、では……」

それなりの待遇で軟禁させてもらおう、と言おうとしたその時──

「…どうやら本物の敵が現れたようだ。
 君のことをどうこうと言っている余裕はなさそうだな」

マントを翻し、退去勧告を行っている魔族の元へと駆け出す
一挙に砦は慌ただしくなり、現れた魔王の周囲を迅速に、訓練された兵達が取り囲んでゆく

───

「コトを荒立てたくないのであれば、姿を表さず魔族の国の奥にでも引っ込んでいることだ」

相対する魔王に向け、畏怖などは感じさせない声色で言葉を差し向けた

黒須 > 「あ?誰だ…」

(声のする方を見る。
そこに居たのは…)

「あ?あんときの…?」

(兵士にゆっくりついていくように現れた女性の元へと近づく。
この前、暇故に歩いている時に出会った女性だと思い込むが、気軽に声をかけられる雰囲気ではないと察した)

クラリッサ > 「あのですね、今にも侵攻開始しますよって相手に何もしない馬鹿がどこにいますか…いいじゃないですか今まで通りここを取ったり取られたりで」

頭を抱えてため息を漏らす。
どうやら話が通じる相手ではない様だ。

「私は王国なんて今の所どうでもいいんです、どうせあの様子じゃほっといても滅ぶし…って先日の酔っぱらいの人?」

視線が合えばぽかんと口を開ける。
なんでこんな鉄火場にこの人がいるんだ、といった顔をして。

「えー先に言っておきますけどその獣人の方は私とは無関係です、早い所帰っていただいてください」

再び頭を抱える。
以前のように迷い込んだのか、ある意味才能と言えるだろう。

サロメ >  
「今まで通り、お前たちに怯えて暮らせと。話にならんな。
 放っておけば滅ぶ、その可能性の一つに貴様ら魔族の存在もあるということだ」

すっと剣の切っ先を向け、言葉を続けてゆく

「どうでも良いというのならそれこそ放っておけ。
 どの道今回の目的地は貴様のテリトリーではない」

オーギュストの目的は、吸血姫だ。眼の前の魔族ではない──
無論、今回の作戦の目的は、というだけであるが

眼の前の存在、その言葉にちらりと獣人のほうへと目を向けて…

「……本当に魔族とは無関係だったようだな。
 監禁する理由も余裕もなくなった、好きにするといい」

黒須 > 「ああ、やっぱりお前か…。酒の件はありがとよ」

(うまい酒を貰ったことはあったため、そこに関しては軽く礼を言う。
その後、自分は魔族と関係のない事が判明され、やっと肩の荷が下りる気持ちになる)

「好きにか…。じゃ、そうさせてもらうか…。」

(そう言うとゆっくりとサロメの隣に立つ。
隣で拳の上に自分の手を添えてぽきぽきと戦闘態勢を整えるように鳴らす)

「興味が沸いた…。俺も、なんだ…?その、奪還戦か?参加させてもらうか…。
死んだら、酔っ払いが倒れたってことで報告しといてくれ」

(あまりにも適当過ぎる事を言い放つ。
それもそうだ。最近は稼ぎが少ないため、前に言われたギルドの入団を考え始めた。
これはそれの一つ練習として参加しようとしているのである)

クラリッサ > 「怯えて暮らせって…あなたたちが勝手に怯えてるだけでしょ、断言できますけど魔族が人を殺す数より人間が人間とミレー族のような奴隷を殺している数の方が多いですよ」

囲まれていてもニコニコしながら答える。

「って、助けたつもりだったんですけどこの前の獣人の人ー!」

なんか助け船だ出したつもりが敵に回られた。
思わずこの状況でも突っ込んでしまう。
こほん、と咳払いをして。

「あーつまり私の領土内はどうにもしない、と、どこ攻めるつもりですか?魔王とあなたたちのただの喧嘩なら確かに私は口出す権利はないんですが」

サロメ >  
「話を摩り替えるな。数の問題でもなければ意識の問題でもない。
 …作戦内容を漏らすことは出来んな。信じたくなければ信じずともいいが、万が一貴様の巣を我々が突いたらならば、その時は遠慮する必要はない。その覚悟を以って証明としよう」

向けていた切っ先を地面へと突き立てる
これで相手が納得するかどうかは、また別の話だが、とりあえず嘘は言っていない

「……? 奪還戦ではなく砦の保全と魔族の国への侵攻が我らの任務だ。
 それはいいとして、無関係である君が危険を侵す必要はないぞ」

黒須 > 「わりぃな。酒は助かったが、俺はこっちの方だからな。」

(サロメを親指で指さす。
一応、自分的には人間の分類に入ると考え、のちに入るなら筋は通っている。
ま、どっちを取るかなんて話なら、コインでも決める程面倒だと考えたのである)

「あ?なーに、そのうち無関係じゃなくなるからよ。
前に、冒険者の仲間入りでもすりゃどうだ?って言われたんだよ。
どうせ、こんな腐れ外道の俺が使うよりかは、こっちの方が儲かるし、適材適所ってやつじゃねぇか?」

(親から教えてもらった護身術をただ持つだけでは宝の持ち腐れであるため、有効活用した方が得である。
それに、いつも金を貸して集める仕事にも飽きが出て来たのである)

クラリッサ > 「話になりませんね『攻め込む気はないけど誤爆したらゴメンネ―てへぺろ』って舐めてるんですか?それと獣人の人、とりあえず今回は話だけで終わるか一方的に追い出すかの2択なんで大人しくしててください、ステイ、ステイッ!」

全く持って話にならない。
といわんばかりにニコニコしていた顔がだんだん真顔になる。

「ええっと、帰ってもらえないなら実力行使と言うことになりますが…とりあえず1万でいいですか?」

サロメ >  
「魔族の領土を隅まで把握しているわけではない。
 攻め込まれるのが困るならば領土を明かしてもらわぬことにはな。
 ──悪いが魔王を相手どる準備も我々はしてきている。実力行使で退去させられると思っているのならば、考えが甘い」

剣を構え直す。片腕は使えないが、それでも勝算は万全の準備を礎として確立されていた
周囲の兵達も冷静さを欠く様子は見せず、ポジションを保っている


「……ならば、先程も言ったとおり好きにするといい」

どうやら本当に魔族ではなかったようだ
獣人というのはいくらか見てきたが、その中でもかなり魔族寄りというか…だったので見た目は大事だと再認識する

黒須 > 「…あー、はいはい。わかったわかった。」

(クラリッサの言葉に素直に耳を傾けると両手の平を見せるように手を広げてステイステイをするようなジェスチャーをする)

「んじゃ、話し合いなら手を出さねぇし、来るなら参加ってことだな」


「あいよ…。んじゃ、もう一つ…。
お前の盾になってやるよ」

(構えたとき、剣なら両手を使うはず。なのに、もう片方を使わないのであるならば、そっちを補うように自分もやろうかと考える。
指をさしながら言うも、その顔は普通の無表情のような。
とにかく、好意もめんどくささもない普通の顔で言い放つのである)

クラリッサ > 「そうですか」

短く一言言った後。
地面から1万人のクラリッサが生えてきてタナール砦を包囲した。

「これでご不満でしたらあと2桁増やせますけど…魔王舐めてます?」

少なくとも軍隊相手なら領土内で負ける気はしない。
これでも威勢を放つのなら突撃するまで。
1万人が突撃準備をしつつ返答を待っていた

サロメ >  
「………」

一瞬で多勢に無勢へと陥る、この魔王の力は底知れぬものなのだろう
しかし、ここで退去すれば全てがやり直しになる

「我々が後ろに下がれない以上、話し合いの余地はあるまい。
 ──何、魔王を舐めているわけではないさ。…後に退けないというだけだ」

魔王へと、その剣を差し向ける

「増えるだけ増やしてみろ。本体を潰せばコトは足りる」

地を蹴り、氷の魔剣の切っ先をクラリッサの腹部目掛けて突き放つ
同時に周囲の兵達も動く、彼らとて雑魚ではない。魔族との戦線を維持するに相応しい猛者達だ

「砦を死守しろ!魔王単騎に屈するなどは第七師団の名折れと知れ!!」

黒須 > 「ほぅ…なるほどな…?」

(周りに現れた大量のクラリッサ。
これが魔術かっと呑気に関心すると戦闘にすぐに入る様子が出て来る)

「流石兵士…動きがはえぇな?んじゃ、俺も…」

(そう言うと四つん這いになり、サロメを抜いてクラリッサの後ろへ。
基本武術は護身術。自分から手を出してもよいダメージも隙づくりも出来ない。
ならば、下手な動きをした際に、それをサポートするため、ひるませるための一撃ぐらいは出せる。
嗅覚と視力を使い、両方の動きを観察し、すぐに対応できるように行動ととる)

クラリッサ > 元々躱すつもりはなく、微動だにもせずに氷の刃が腹部をあっさりと貫く。
あまり手の内は明かしたくないが今回はやむを得ない。

「残念、私『も』分身です、本体はあなたの知らないとっても遠い場所、そもそも…本体がのこのこ…出てくるわけないじゃないですか」

包囲されたクラリッサの体が無数の触手になって崩れて地面に消える。
そして1万人のクラリッサがタナール砦の門に向かって突撃をかける。

サロメ >  
「全てが分体、ということか。なるほどな」

突き刺した対象が崩れ消える
剣を振り払うようにして鞘へと収めて──

「前線は持ちこたえろ、今その位置が絶対死守すべきラインだ。
 ──君も分体の迎撃に向かってくれ、数は多いほうが助かる」

獣人の彼へと言い残し、足早にサロメは砦の中へと消える──

そして数分後、十数名の兵士達が砦壁の上へと大きな樽を担ぎ現れる
そして即座に砦の周辺へとその中身を注ぎ落とした

聖水でもなく、酒でもない、妙にどろりとした光沢を放つ液体を、砦の周囲へと次々に落としていた

黒須 > 「…了解。隊長殿?」

(気だるそうに敬礼をする。
そのあと、四つん這いで走りだし、協力な脚力を使って飛び、突進をするクラリッサの軍隊の前に立つ。
そのあと、一番先頭に来たクラリッサを見極め腕を捕まえると、その場を中心にジャイアントスイングを出す。突進の勢いもあり、台風の様な回転数で回り、軍隊を後ろの方へ飛ばしていく)

クラリッサ > 「集団戦で足止めちゃダメですよ~」

どうやら集団戦は初めてのようだ。
ジャイアントスイングの範囲から素早く離れ。
ジャイアントスイングされたクラリッサは光に包まれて自爆しようとする。
その間に500人ほど別行動を取って砦の回りに張り付いて謎の液体に触れようとした。

「さてさて、これは何でしょうか」

碌でもない物なのは確実だが、試してみないことにはしょうがない。
分身ならいくらでもいる、強行偵察もお手の物だ。

サロメ >  
兵達はその液体を被らぬよう、何かの号令を待つように決して無理に攻めることなく立ち回っていた
投擲された無数の樽から零れ落ちた液体は地面へとじわじわと染み込んでゆき、黒く変色した範囲を広げてゆく

……しばらくして、屋上へとサロメがその姿を見せた

「──退け!!」

声を張り上げ、号令を叫ぶ
前線を維持していた兵隊達は合図を待っていたように、その戦線を僅かに下げた

「──氷盾、我が前に!!」

掲げた氷の魔剣に光が灯る。更にはその後方、魔力をアシストする数名の魔道士の力を借りて、砦の周囲を覆う程の冷気の結界を発動させる
青白い光の壁が閉ざしたその中で───

「さあ、何桁でも増えてみせろ。魔王」

その液体は触れると指先にぬるりとした感触を与える──周りの地面にたっぷりと染み込ませたのは──油だ
結界の外側へ火が放たれる
刹那、轟音と主に砦の周囲に超高温の爆炎が噴き上がる
灼熱は勢いのままに地を舐め、その地中すら焼き尽くしてゆく

黒須 > 「ッ…!だらぁ!!」

(そのまま掴んでいたクラリッサを斜め上に豪速球で投げ飛ばし、自爆を免れる。)

「…あいよ!!」

(サロメの指示と兵士の行動を確認すればすぐさまその通りに動き出す。
強力な脚力ですぐに屋上へ向かう。しかし、門から出られてば危ういため、すぐに移動できるところで止まり、様子を見る。)

「…すげぇな。」

(燃え盛る炎を見れば子供でも思い付くような簡潔な言葉を放ち、燃え盛る地中を見る)