2018/06/10 のログ
ご案内:「タナール砦」に紅月さんが現れました。
紅月 > ーーーからころ、からころ。

早朝、夜型の多い魔族がおねむな時間帯。
砦獄中の捕虜魔族の皆さんには申し訳ないけど、叩き起こすように…や、ちゃんとNot暴力ですよ?
一人一人ゆっさゆっさと揺り起こして、半寝でいいからとメディカルチェックをさせてもらい。

いつもより早くサービス早出を終わらせて、次は人間の方を叩き起こし…あっ、こっちは物理です、なかなか起きたがらないんで。
そしてこちらもメディカルチェックと治療とをサクッと始めて…えっ、どう起こすかが気になる?
…今度、他に希望者が出たら検討しておきましょうか。

それで、普段なら昼休みまでにやればいい仕事を全てこなして引き継ぎもしてから。
…ゆっくり、砦の向こう側へ。

「いやぁ、何とも…やっぱり、穢れっぷりが凄まじいな……」

奪い奪われ、殺し殺され…そんなのが積もり積った、黒の大地とも言える禿げっ原。
穢れを可視化できる己には、とてもじゃないけど原っぱとか言えない。
いっそ蠱毒のようにすら見える。

紅月 > そう、何で態々早く仕事を終わらせたかと言えば…あまりにドヨドヨした此所らの様子が見ていられなくなったから。
友人にも言われてしまったが、己は気になると首を突っ込まなきゃ居られないのである。

それでまぁ…祓うモノを祓って、送るモノを送りたいのだが。

…目立つ、見張りさん達から見て。

なので、まずは自分に強固な認識阻害の幻術をかける所から始まる。
次いで探知阻害か。
…それでもまぁ、例えば直接触られれば当然バレてしまうけども。

そうして『殆ど居ないもの』になってから、ようやっと、環境整備が始まる。

ところで、己は得意不得意の分野が結構ハッキリしております。
得意なものは詠唱や特殊動作無しで発動出来たり。
では、得意でない分野は…というと。
紅月の術は、舞と謌にて祷る事で発動させやすくなる。
なんなら特殊な謌でなくてもいい、普通に唄うだけでも精霊や高位存在の気を惹いて交渉できる。

…故に、だ。
ひとつ舞って、ふたつ舞って、時に鎮魂の謌を捧げては…また舞って、舞って。

謌に、舞に合わせて…大地から、魂が空へと浮かんでは青の中に消えてゆく。

紅月 > きらきら、少しずつ空へと還されてゆく…これが白んだ晴れ空でなければ、目立って仕方なかったろう。
きっと夜に見たら凄く綺麗だったろうとも思う、が…土地が土地、場所が場所だけに命のリスクが大きすぎる。

早朝、晴れ、認識や探知阻害…更には術発動の儀。
全てを揃えてようやっと、行動に移せる代物である。

…なんでまたそんなことを始めたか問われれば、おそらく気紛れだとか酔狂だとか。
御人好しさも過分に有りすぎるのであろうが、どちらかと言えば今回は憂さ晴らしが近いような。

何にせよ、彼女が鬱憤を爆発させる時と言うのは、何だかんだあまり他者に悪影響の出ないものを無意識で選択している様で…たまたま目の前にあった手段が此れであった、と言うのが一番答えに近いのだろう。

大声だして大掃除しつつ運動している、という字面だけ見れば…成程確かに発散方法としては間違っていないのやも知れないが。

紅月 > 淀みに淀んだ空気が、少しずつ少しずつ薄まってゆく。
まさかタナール付近を一掃などとは間違っても考えていない…直近の、いつも戦場になるエリアのみ。

…それでも頭痛が引き息がしやすくなるような気がするから不思議である。

もっとも、紅月は半魔のようなものであるから…穢れや瘴気の類よりも、死者の嘆きや断末魔の声の騒音の方がよほど堪えるのだが。
聴かないで済むよう自衛はしているものの、聞こえる事に気付いてしまうと気になるというか…普段人と共に在るからか、何となく主観が人間臭くなっているきらいがある。

とにかく、元々むしゃくしゃしていたのもあり暴れたくなった…というところか。
着々と亡者の魂が有るべき輪廻に還ってゆく。

「……、…は、はぁ、っは……あー、ちょっと気が晴れた…かも」

砦から真っ直ぐ直進する形で、魔族領へ向かって行った…丁度互いの領地の中間点辺り。
後ろを振り返り眺めれば、まるでパカンと割ったかのように穢れのこそげとられた清い直線の道が出来上がっている。
…壮観、である。
もっとも、自慢したくともそれが見れる者なぞ限られているのだが。

ご案内:「タナール砦」にカインさんが現れました。
カイン > 魔族の国の方から一人の男が歩いてくる。
誰もいない筈の場所に人影を見つければ、
訝しげな表情を浮かべながらも近づいていき。

「…ん。なんだ、お前か。こんな所でどうしたんだ?」

見知った相手の顔を見れば目を瞬かせてから問いかけ。

紅月 > 「……ん、う? …っ、あれっ?カイン?
や、私は久々に全力の運動してた所よ…たまにはキチンと力使っとかないとさ、錆び付いちゃいそうだし。
…と、後、なんかこう凄く衝動的に血に餓えて。
オイタしちゃいそうだったから…自分の煩悩退散がてら、タナールから此処まで真っ直ぐ邪気払いしてみた」

近付かれて、ようやっと気付いた…気が晴れてきたからと力を抜きすぎたか、隠密系の術が弱まってしまっている。
思わず自分自身に苦笑しつつ、疲れたような表情で男の質問に正直に答えて。

今立っている場所から砦に向かって、ラインの部分を指さすものの…はたして魔の者のカインにそのスッキリ感が伝わるかは甚だ疑問であるが。

「カインは?里帰り?」

カイン > 「そりゃまた大変だな」

さび付くという言葉に肩を竦めて言い返しながらも、
クックと喉を鳴らしながら砦の方に視線を向け。

「いいや、斥候だ。他にやれる人間がいないらしいでな。
 …血に飢えるというのも大概難儀な体をしているなお前」

話に聞いたことはあるが、呆れた様子で言い返す。
吸血鬼やら何やらという連中はそういうのがあると聞いたことはあるが、
自分自身はそういった物とは縁遠いだけによく解ってないようだ。

紅月 > 「斥候、あぁ成程…いいなぁ、私はイマイチ斥候向かないからなぁ」

自分の髪を見せるように弄ってみせて。
…どこか宝石質な煌めきを持つ紅は確かに、魔術的に隠蔽でもしない限り潜むには不向きそうだと誰もが思う代物だろう、か。

「…まぁ、ねぇ。
正直難儀も難儀よ、新月が近いから余計に…しかも今回は久々に鬼の闘争本能剥き出しなんだもの。
こう、殺りあいたくて殺りあいたくて…誰かに血を貰うだけで静まってくれりゃあいいんだけど」

心底困った、といった表情で自分を抱き締めるようにしながら憂いの溜め息を吐き。

カイン > 「お前はまず格好から見直すべきだな」

その恰好じゃあ無理だろうと上から下まで相手を見て言い放ち、
顎に手を当てながら言い返す。

「血、血か。それくらいなら別にやっても構わんがな。
 戦うというのは中々難儀だな?」

クックと喉を鳴らして言い返しながら手招きして見せれば、
そのまま首を鳴らし。

「ま、暫くは暴れる相手も出てこなさそうだからな。
 寝て果報でも待つか?」

紅月 > 「えー?さすがに潜む必要出たら洋装するってぇ。
あ、何なら今度カインが見立ててよ、私のお洋服」

苦笑し、けれどもイイ事思い付いたと手を叩いて、ぱぁああっと目を輝かせて。
好奇心半分、本気半分…物は試しと頼んでみる。
本当に助言をくれるならめっけもんだ。

「え、カイン…『食事』くれるの?や、私は凄く嬉しい、けど。
…ん、ここいらの魔物なんかじゃもう紅はゾクゾク出来ないんだもん。
困っちゃった」

少々困惑した表情で相手を見詰め、るが…何となしに視線が首許に逸れる辺り、嘘のつけない奴である。
魔物の評価に至っても本音なのだろう、溜め息が重い。

「うぅ、物足りないよぅ…!
…なんかこう、カインが『寝て待つ』とか言うと意味深に聞こえるのは何でだろうね?」

きょとんとした顔をしている辺り、悪気のない一言である。

カイン > 「ほんとかね?イマイチその辺り俺はお前さんの事はよく解らんが。
 見立てなあ、別に構わんけど…さてどうしたもんかな」

正直洋服の事などよく解らない。
やる分には構わないがと片眼を瞑り。

「…なんとまあ、ロクでもない事を言ってるな」

クックと喉を鳴らして言い返しながら相手の体を抱き寄せれば、
そのままうなじに軽く歯を立てて見せ。

「そうだな、じゃあ折角だし部屋にでも行くか?」

そう笑ってニヤリと目を細め。

紅月 > 「そりゃあ和装は落ち着くけど、死装束を除いては命に関わるような場で無理に着たりせんよぅ。
ふふっ、楽しみ!ちゃんと仕事着に出来そうな範囲で選んでよね?…ま、私服の方でもいいけどさー?」

ケラケラと愉快げに笑って。
相変わらずウィンクの様になる男だなぁとしみじみ思いつつ、純粋に彼のセンスが見れそうな事にワクワクと楽しげにして。

「…ロクでもない事と言いつつに、イマイチ間違っては、っきゃん!
う、うぅぅ…このバカイン、や、野外で何て事すんだ!」

頬を染めて抗議する。
抱き寄せられた所までは、だんだんこの国にも慣れ始めてきたし…相手は仲間だしで許せるが。
く、首を急に食むとは何事か。

「…いや、行くけどさぁ……」

何となく腑に落ちない、といった顔でカインをジトーっと見詰めるのだった。

カイン > 「そういうもんか?ま、服選ぶのはいいが飾り気がなくても文句は言うなよ」

そう笑って言い返しながらも相手の体を寄せたまま背中をポンポンと叩く。
文句を言われればそれを半ば以上スルーしながら、
相手の手を取り。

「それじゃあエスコートしますよお嬢様?」

ニヤリと笑って言い返しながらその場を後にしていくのだった。

紅月 > 「…ふふっ、隠密用に飾り気求めないって!
何なら飾りは自分で作れるしさー?」

抱き締められたままクスクスと笑って。

「はいはい…ついてゆきますよ、ナイト様?」

冗談混じりに返して、彼に続くのだった。

ご案内:「タナール砦」からカインさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」から紅月さんが去りました。