2018/04/29 のログ
カイン > 「……お?」

何やら上が騒々しい。そう思った直後に、
気配を感じるとそのまま横に避ける。
なんとなく嫌な予感がした、などという物ではなく影が見えたからだ。
一拍おいて視線を向けてみると、何やら降ってくる人影。

「…何だ一体?」

少し考えた後、とりあえずといった様子で顎を引っ掻きいて
結局落ちてくる影の様子を下から眺める。
落ちてくるからには大丈夫な目算があるのだろうといった様子見の構え。

紅月/コウゲツ > 「…え"、まさか………」

最近、見た覚えのある、灰色…のような。

「よ、と…」

空中でくるりと回転し、とん、と着地する。
膝の砂をぱっぱと払いついでに、衛兵を見てみる。
…わお、カインじゃん。

衛兵ではなく傭兵だったらしい…人手不足の波がこんなところにも、ってやつなのかしら。

…いやいや、そうではない。
まさかこんなところで知り合いに会うとか思ってないから女の姿だ…やっちまった。

「…ど、どうもー?お勤めご苦労様です…?」

とりあえず、感づかれないことを祈って…髪についた砂埃を軽く払いつつ笑顔を向けてみる。

カイン > 「……。ああ。お疲れ様、だ。
 それはいいのだがなぜ上から?」

まじまじと相手を見る。はて、見覚えはないと思うが、
どこかで見たような気もする。既視感に首をひねりながらも、
真っ先に問いかけたのはやはりなぜこんな行為に及んだのかである。
女と上の様子を交互に眺めながら顎に手を当て。

「別に大事無いから構わんけどな、お転婆というにも色々と問題がある気がするぞ」

その恰好とか、とからかうように告げながら喉を鳴らして見せ。

紅月/コウゲツ > 「ん?いいのいいの、ほぼ普段着だし。
さらに言えば、普段は治癒士してないし」

首もとの木札を軽く揺らして。

「理由かぁー…
いやぁ、ちょっと…草木と戯れたくなりまして…?」

他に何か理由はなかったのか、と思わなくもないが、本当にコレなのだから仕方ない。
鉄扇で肩をポンポンと叩きながら頬をかき、苦笑する。

…鉄扇に見覚えがあれば何か思い出すかも知れない。

カイン > 「それが普段着というのもなんというか、大したものだが。
 女性の衣装というのはよく解らんな」

割と露出の高い衣装の人間が多いのがこの国ではある。
そういうものなのだろうかと首をひねりながらも視線を周りに向け。

「それでわざわざ飛び降りてくるとは、実に酔狂なことだな。
 しかし…ん?その扇、東方では一般的な物なのか?
 つい最近同じような物を手にした男を見たことがあるのだが」

はて、と不思議そうな表情を浮かべながら問いかけ。

紅月/コウゲツ > 「あー…コレ防具兼ねてるのよ、軽装鎧?になるのかねぇ?
動きやすいのが好きでさー」

意外と頑丈なのよ、と、自分でも軽くかかとを上げて半身をひねり腰の辺りを見たりしながら笑って。
実際この格好のままダンジョンに潜ったりもするし、軽装は戦闘スタイルに合うのだ。

「…へ?コレ?
この子は墨染桜から貰った特注品だから、この世に一対しか存在しな…あっ」

はて、と、目の前の男と同じような不思議そうな顔で首を傾げ…かけて、はた、と固まる。
うっかり口を滑らせた事に気付き、若干口の端が引きつる。

カイン > 「そりゃあまた、大層なもんだな。
 此方ではあまり見かけない装備だが」

成程、と納得いったかどうかはさておき頷いて見せる。
東国で暫し滞在したことはあるとはいえ、やはり知らぬ文化も数多い。
と、いった処で続いて聞こえた言葉に思わず胡乱な視線を向け。

「はて、ということはお前さんまさかアカツキか?
 あの格好は幻術か何かかね」

それともこっちの恰好の方が偽だろうか。胡乱な眼差しを向けるまま、
半信半疑といった様子を隠しもしない。

紅月/コウゲツ > 「おぅふ…あー、うん。
『雨の日も中々いいもんだ』よ、ね?」

あははー…てへ、と苦笑。
そりゃあまぁバレますよねー…自分のバカ正直な気質に今日ばかりはゲンナリする。

「まぁ、どっちも私っちゃあ私なんだけどねぇ?
…こっちも同じ紅の月で『コウゲツ』っていうのよ、街じゃあ治安がイマイチだから男の姿になってたの」

おそらく、あの街を拠点にしている者ならこれで通じるとは思うんだけど…つまり、虫除けなのだ。

カイン > 「生憎と、俺はそうは思わんがな」

以前出くわした時に言った言葉を返しながら喉が鳴る。
随分と素直に認めた様子に肩を竦めて見せながらも首を鳴らし。

「ふうん?そいつはまた、難儀な体質なようだな。
 使い分けられているのならむしろ便利なのかもしれんが。
 なるほど、面白い性を持っているもんだな。
 …クック、悪い虫にそれを知られたな?随分と運のない事だな?」

おどけて言い返しながら、少し考える仕草をした後に、
冗談めかしてひょいと腰を抱き寄せてしまおうと手を伸ばし。

紅月/コウゲツ > 以前と同じように言葉を返す男に、こちらもころころと笑み。

「色々便利だし、結構面白いよー?温泉とかこっそり両方入れるんだぜ!
…まぁ、父上の熱烈な希望で女として育てられちゃあいるけど、ね?」

おちゃらけて答えた後、付け足すように言う。
…ご覧の通り、お転婆なんです。

「ん?悪い虫…って、こらこらこら」

きょとん、と首を傾げていればカインにあっさり捕まり…けれどもベシベシと軽く腕を叩いて苦笑する。

「運がないかは、まだ決まっとらんさ」

カイン > 「それはうらやましいな。随分と眼福な光景が見れそうだ。
 最も、女の体になって間でそう思えるかどうかは解らんが。
 ふむ…お前さんも色々と苦労しとるんだね」

親の都合という所に何か思う所があったのか、
しみじみと告げながらもゆっくり頷いて見せる。
叩かれながらも動じた様子なく、引き寄せられはしたのにクックと喉を鳴らし。

「それはまあ、確かにそうだな?
 俺としても脅してなんてのは好みじゃなし。
 ま、それはそれとしてそろそろ交代も来る頃合いだしこの後俺の部屋に来るってのはどうだい?」

脅す気はないが口説く気はある。あっさりと口説きにかかり、
にんまりと笑いながら相手の顔を軽くのぞき込む。

紅月/コウゲツ > 「個人的にはどっちも美味しいやな、どっちも極めりゃ美しいもんよ。
そうさねぇ…でもまぁ、家督争いだのがない分楽だわね」

肩を竦めて宣った後、苦笑してみせ。
続けてベシベシ叩かれながらも何処か面白げな男な表情に、ヤレヤレといった風な視線を送る…が、顔を覗き込まれれば頬を桃色に染めて。

「あーもー近い!近いって!
からかわないのっ!
全く…なぁに~お茶でもする?それともお酒かしら。
お酌くらいならしたげるけど?」

少し焦りながら軽く腰を反らし…丁度なにかのダンスのような形で上手く距離を保ち。
けれど、自分も休憩のために外に出ようとしたのだ…やはり飲み友がいるなら一緒にいた方が楽しかろう、招かれてみるのも一興かもしれない。

カイン > 「はっはっは、そう感じられるようになるなら大したもんだと思うんだけどな。
 家督争いなんてのは俺にはとんと縁のない話ではあるが、
 実際にその渦中にいる連中はそうも言ってられまいしな」

そう笑って見せながらも、存外初心な反応を見せる様子に意地悪く目を細め。

「別にからかったつもりはないんだけどな?
 そうさな、酒はあるからそれは出してもいい。
 折角だし酌してもらうとしようか」

上機嫌に笑ってそういえば、少し逃げた相手を強く引き寄せることはせず、
そのまま手を解けば相手の指を絡めるように相手の手をとろうとし。

紅月/コウゲツ > 「全くもう…どうして西の男共はこう、顔が良くて手が早いのかねぇ?
少し分けてもらいたいもんだ」

やはり、仕方ないなぁといった様子で笑って。
案外スッと解放された腰にホッと一息。

「ふふ、何なら私が持ってるのも出すよ。
今仕事上がりでね…こんな辛気臭い気分、飲まずにやってられるかっての」

手を浚われ指を絡められても、どうやら気にならないらしい…変わった繋ぎ方するなぁと軽く首を傾げるものの、そのままカインに連れ立って砦の門を後にした。

カイン > 「そりゃあ引っかかる男が悪いんだな。
 存外男運はない方なんじゃないか?」

自分の事を完全に棚に上げて、いけしゃあしゃあと言い放つ。
安堵している様子を見ながらも、手を取るのにも反応が薄いのに少し目を細め。

「まったく、そういうのはせめて部屋に入った後に行った方がいいと思うぞ。酒は楽しみだが。
 …さて、それじゃあいこうかね」

そう笑って連れ立ち、砦の中へと去っていくのだった。

ご案内:「タナール砦」からカインさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」から紅月/コウゲツさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にカインさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からカインさんが去りました。