2018/04/16 のログ
ご案内:「タナール砦」にラヴゥチンさんが現れました。
ラヴゥチン > 今日も今日とてラヴゥチンはタナール砦の兵士たちの心の傷や悩みを聞くために活動をするためタナール砦にいた。

「私に出来ることはすくないですけれど」

魔族すら話せばわかるというスタンス。
もっと前線に出てお話をしたいと考えているのだけれど、今は悩める仲間を助けることに従事することにする。

砦の教会……と呼ぶには小さな部屋で今日も彼女は祈りを捧げているのである。

ご案内:「タナール砦」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > タナール砦を取り巻く状況は決して明るくは無い。
常に戦火に晒され、人間と魔族が日々飽きもせず争っている。

「……ふぅっ」

故に、国軍兵士だけではなく、男のような冒険者も仕事に駆り出されることも多い。
負傷した兵士、その欠員埋めから物資輸送、兵士の治療、果ては砦防壁の修理まで。
猫の手も、ならぬ冒険者の手も借りたいというヤツなのだろう。
男としては、正式な依頼であり、報酬が出るならなんでもいいのだが。

「さぁ、食え。食って血を作れ。
 ……うん?」

そうして、怪我をした兵士に食料や薬を配っていた男。
兵士たちから、食料を届けて欲しい人がいる、と聞き。
二つ返事でその頼みごとを聞き、食料を運ぶ。

「失礼するぜ。えっと、この部屋で間違いないかな」

何でも、兵士たちの心の支えになっている女性がこの部屋にいるらしい。
どんな人物か興味を持ちつつ、男は部屋の扉をノックし、静かに入室する。

ラヴゥチン > 「はい、どうされました?」

かちゃんかちゃんと鎧の音をならしながら扉の方を向く。
聖職者というには完全防備であり、兵士というには優しさを携えすぎた笑顔を持つ女性である。

セイン=ディバン > 「……へぇ」

兵士たちが、ぜひとも優先的に食事を届けて欲しい。
心の支えだ。女神様だ。なんて言うからどんな人物かと思えば。
目の前にいたのは、きっちりと装備を整えた女性で。
男は思わず声を漏らしてしまうが。すぐに表情を引き締める。

「あぁ失礼。冒険者ギルド『エデン』所属の、セイン=ディバンだ。
 食料配給の時間だったので、アナタにも食事をお持ちした。
 ……戦線の兵士たちが、アナタには特に暖かい食事を食べてもらいたい、と」

男は一度頭を下げ、持ってきた食事を差し出す。ややボロい木の器に並べられている食事。
暖かいが具の少ないスープ。パン。干し肉。決して上等な食事ではない。
だが、この砦の備蓄の中ではまともなレベルの物だ。
これも、どうしても目の前の女性に食べて欲しいと、兵士たちが言って聞かなかった。
どうやら、ずいぶんと信奉されているらしい。

ラヴゥチン > 「そうでしたか………私はいらないといっているのですが」

困ったような表情をしながらそれでもありがとうとお礼を言う。
食事をする時間があったら少しでも教えを布教したいと考えている。
食事をする時間があったら少しでも人の話を聞き心の負担を軽くしたいと考える。
幸いにも長い間食べなくても平気な体をしているのだ。

どうしたものかと思案しながら

「他にご用事はありますか?何か悩みがある、祈りを捧げたいのであれば是非どうぞ」

目の前にいるセインさんに尋ねる。

セイン=ディバン > 「そいつは良くないな。兵士たちは、アンタを大事に思ってる。
 ならしっかり食べて、元気な姿を見せてやるのもアンタの仕事だ。
 アンタがここで何を担当してるのかは、俺は知らないがな」

相手の言葉に、男は目つきを厳しいものにして言う。
食事は大切だ。それは冒険者たる男はよく理解している。
いざというとき、空腹で力が出ないのでは話にならない。
目の前の女性が、非戦闘員であったとしても。とっさに動けるだけのエネルギーは必要なのである。

「……用事は、無いが。悩み? 祈り?
 ……もしかしてアンタ、シスターか何かか?」

そのナリで? と相手の装備を指差して尋ねる男。
どう見ても。装備だけなら、騎士か兵士という姿。
前線に出ていないから、指揮官か何かだと思っていたのだが。

ラヴゥチン > 「私はもう3日断食して神に祈りを捧げております。私が弱っているように見えますか?」

並の女性ならアーマーの重さで潰れているだろう。男だって歩くのだって体力を使う。
それをものともせずそれをつけ続けているのである。

「えぇ、私はシスター。そして、教えを広める宣教師でもあります。
宣教相手は敵です。前線にて教えを説き続けるための装備。教会からの秘蔵の支給品ですよ」

自慢げに語るのはその誇り故だろう。
自分にしかできない。自分がすべきことだと立候補してこの地位についたという自負のためである。

セイン=ディバン > 「……あー。そりゃ失礼した。
 だがな。アンタが食事をした、ってのを確認することで、兵士が安心するって部分もあるんだぜ?
 まぁ、ムリにとは言わんがな」

相手の言葉に、驚いたような表情になる男。
どうやら目の前の女性は第一印象よりもよほどタフな女性らしく。
男は、相手に食事を摂らせようというのを諦めたように頭を掻く。

「へぇ。そんなシスターもいるのか。さながら戦場に咲いた一輪の花、ってか?
 ……ふむ。じゃあ、下賎な名無しの冒険者の悩みも聞いてくれたり。相談に乗ってくれたりもするのかい?」

頭が固い人間ばかりだと思っていた教会にも、なかなかハデなことを考える人間がいるのだな、と。
男は内心感心しつつ、備え付けのイスに座り、相手に再度尋ねる。
ぎいぃ、と鳴るイス。すこし頼りないが、男の体重くらいはなんとかさせてくれるようであった。

ラヴゥチン > 「そうですか……
ここで食べ物は貴重なもの。重傷者へ分けてあげてください。神の思し召しです」

安心よりも一人の命を救う確実な方法をとりたい。
干し肉はともかくスープは重傷者にも飲める影響のある物だろう。
他のものはもうすぐ傷が治りそうな人へもしくは医療スタッフに食べてもらうことにしよう。
そんな事を考えながらセインを観察している。

「戦場にも女性はたくさんいますよ。私はただ教えを広め。教えを信じる人を助けたいそれだけですから。
もちろん、ここにいる方なら相談も悩み事もうけつけますよ」

セインが座るのを見届ける。
こっちは立ったまま座ることなくにこやかにセインに微笑みかけ続ける。

セイン=ディバン > 「……はぁ。わかったわかった。
 そこまで言うならそうするよ。アンタから分けてもらった、なんて聞きゃあ……。
 兵士たちの士気も上がるだろう」

とことん頑固な相手の言葉に、男は両手を上げて降参の姿勢だ。
仕草や言葉こそ可憐ではあるものの。どうにも、まるで鋼鉄の如き意志を感じる。

「いや、そういう意味ではなくてだな?
 シスターながら鎧に身を包み、兵士たちと共に戦場にいるアンタが、兵士たちにとっての華であると言いたかったんだが……。
 ……じゃあ、せっかくだからちょっとした悩み事を聞いてもらおうかな。
 え~っと……名前を聞いても良いかな、シスターさん?」

相手の言葉に苦笑しつつ、男はそのまっすぐな微笑を受け止める。
なんとも。男みたいなタイプの人間にしてみればやりづらい相手だ。
そもそも、男はシスターという職種の人間に縁が少ないので。

「……その、だな。人間と魔族、亜人に魔物。全種族の生物が共存する世界を目指しているんだが。
 どうにも障害が多すぎて、上手くいくヴィジョンが見えない。
 こんな時はどうしたらいいと思う?」

そうして、男は最近の悩みを語り始める。それは、冗談めかしたような口調ではあったが。
間違いなく、男の本気の悩みだ。

ラヴゥチン > 「わかればいいのです。ふむ、私の名前ですか?」

名前を聞かれて少し悩む。
個人に悩みを打ち明けるのが苦手な人のためにあえてここではなるべく名乗らないようにしていた。
きっとそのため兵士たちも部屋の場所だけを伝えるしかなかったのだろう。
しかし、質問をされた場合は全て正直に答えるという制約を行っている。
ここは制約を優先すべきだろうと納得して、セインに向き直り名乗りあげる。

「私はラヴゥチンです。以後よろしくお願いします。
共存ですか……そも、共存とは一体何でしょうか?」

セインの問いに優しくと問いを返す。

セイン=ディバン > 「ははははは。アンタ、本当に一本気なんだな。
 あぁ。仮にも悩みを聞いてもらうのに、アンタ、だとか。オマエ、だなんて失礼だろ?」

わかればいい、なんていわれてしまえば男は両手を上げたまま笑う。
どうやらこの女性、自分の信念は簡単には曲げないタイプらしい。
そのまま相手に名前を聞こうとした意図を説明する。
なにせこの男は悪評もかなりのもの。もしも相手が自分の噂なんて知っていたら。
ナンパですか? とか言われかねないのである。

「ラヴゥチンさんか。なんとも不思議な名前だな。
 あぁ、改めてよろしく。
 ……何か、って。そりゃ……。
 争いが無くて……互いが互いを尊重している、世界、だろ」

真正面から尋ねられ、男は言葉につまる。
口にした返答は、どこか白々しい。いや、男にしてみれば。
『ナントモ気色悪イ』と。自分で思うような言葉だ。

ラヴゥチン > 「その時は素直にシスターとお呼びいただければいいんではないですか?」

わからずや決めたことには一本気。
昔からよく言われていたことであり、ラヴゥチン自身それを褒め言葉だと思っている。
ラヴゥチンは立ったまま首をひねりながら教義に則りながら自分の考えも交えて話を続ける。

「争いがなく、お互いがお互いを尊重しているですか。
それは大変素晴らしい事です。しかし、それはきっと難しいことでもありますね。
たとえが悪いかもしれませんが、われわれは馬と共存していると言っていいでしょうか?共存していると仮定しましょう。
しかし……馬が『我々の尊厳を認めてほしい』と言って来たら私たちは困ってしまうでしょう?
馬が人間と同じだけの荷物しか持たず、馬も人間に乗っていいだろうとのしかかってきたら……
きっと、共存とか共生というのは人間が上に立って安心できる世界を作るというのが大前提になっているのではありませんか?」

セイン=ディバン > 「……あ~。そうな。そういう手もあったか」

思わず納得し、間抜けな声を上げる男。
確かに、シスター、と呼びかけるのは一般的かもしれない。
これでは、男がナンパ目的で名前を聞いたと思われても仕方ないだろう。

「……ふ、む。なるほどな。
 あ~……スマン、ラヴゥチンさん。俺ぁ学が無ぇからよ。
 要するに、人間である俺が、『共存』だの『共生』だのと口にしても……。
 それは、人間である俺の勝手な思いで。そもそもそういう考えを持つのが大間違いの増上慢、ってことかい?」

相手の説明に、そんな考え方はしたことがなかった、と目を見開く男。
なるほど確かに。相手の言葉には筋が通っている。
そもそも、男は共存共存と言ってはいても、具体的なビジョンなどなかったのだ。
故に、こういった例え話で指摘されれば、その底の浅さが露見することになってしまう。

ラヴゥチン > 「そういうことですかね。
魔族や魔物の中には人間を孕ませて繁殖するものもいると聞いていますし、中には人間を食べることで生きながらえる者。人間を変質させて仲間を増やすもの……
人間の生命に依存している種族もいるわけです。そういう種族をどうするのか……すべての種族が平和に暮らすというのは本当に難しい事です。
こればかりは私たちの教えには載っていません。
ヤルダバオートを崇めていればその崇めている人は助かると乱暴に訳せばこんな言葉は載っていますけれど…きっとあなたが求めている答えとは遠いと思いましたので」

はにかむ様に笑いながらぺこりとお辞儀をする。かちゃかちゃと音を鳴らしながらアーマーを全く苦にせず動く。

セイン=ディバン > 「う、むっ……。なんか、見透かされてる気分だ。
 ぶっちゃけると、俺の考えてた方法って……。
 『人に仇成す種族を全滅させて、人外に仇成す人間を全滅させる』とか。
 『俺が魔王以上に強くなって全種族が協力する様に仕向ける』とか。
 そういう方法しか考えてなかったからなぁ……」

自分なんかとは違う、思慮深い言葉に男は思わず腕組みし唸る。
どうやらこの女性、自分より年下みたいだが。ずいぶんと大人だぞ? と。そこで男は頭を下げる。

「いや、勉強になった。どうやらもう一回アプローチ方法を考え直さないとダメみたいだな。
 おみそれしました。ラヴゥチンさんは凄い人なんだな」

相手を敬うように言いながら顔を上げる男。その表情は取り繕ったものではなく。
男自身の本性というか。地の出ているような様子だ。

ラヴゥチン > 「それも一つの解であるとも思います。私もきちんとした答えをしっているわけではないのですから」

頭を下げられて驚いてこちらも頭を下げる。
頭を下げられるということに若干慣れていないようだ。

「はい、あなたに神のご加護がありますように……
私はただ本を読んでいただけです。おかげでこんな眼鏡をかけていないと何も見えないんですが」

腕を組みセインの為に簡単に祈りを済ませるとパタパタと腕を振って恥ずかしそうにしている。

セイン=ディバン > 「うん? 俺の考えを否定しないんだな。
 ……はぁ。なんともまぁ。大人だなぁ……」

迂闊この上ない自分の考えを否定しない相手。
男は頭を掻きつつ、完全に参った、という様子を見せていたのだが。

「ははは、俺ぁ神サンは信用しないことにしてるんだが。
 ラヴゥチンさんの信じる神サンなら信用してみてもいいかもな。
 ……いやぁ、その眼鏡。良く似合ってて可愛いと思うぜ?」

男は笑いながら言うが。相手の恥ずかしそうにする姿を見れば……。
相手にするり、と近づき。そんな言葉を口にする。

「ラヴゥチンさん、もう一つ、悩みを聞いてもらってもいいかな?
 できれば、解決するのに力を貸して欲しいんだけど」

そう言う男の表情は、やや不穏な笑み。
勘のいい人間なら、ロクデモナイコト、を考えているのは分かるだろう。

ラヴゥチン > 「無宗教なのも仕方ないです。ですが、私のこの身は神の御業そのもの。
戦場に出る機会が多ければ、きっとその内、ノーシス主教に入るはずです。この鎧とかこの盾とか本当にすごいんですから」

子どもが自慢する様にばんばんと盾と鎧を叩く。
かなり豪快な音がしているが傷1つないのは流石というべきなのだろう。

「ふふ、ありがとうございます。もう少しレンズが薄くなるのが一番なんですけれどね。
おや、まだ悩みがあるんですか?いいですよ?迷える人に道を指し示すのが我々の務めですから」

セインが近づいてきても表情を崩さず笑顔のまま、私にできる事ならお力になりますと意気揚々である。

セイン=ディバン > 「……いやいやいやいや、とことん凄いなぁ。
 俺が知ってる教会関係者ってのは、どんな宗教かに関わらず。
 『入信せよー』『信じよー』って言ってきたもんなんだが」

この子、なんでこんな大人なの? なんて内心驚きつつ。
防具を自慢するかのような相手にくすり、と笑う。
男の鑑定眼と宝物鑑定スキルは、その装備の質の高さをしっかり把握している。

「あー。それは俺もかも。もう少し薄くて、耐久性が高いといいよね。
 ははは、じゃあお言葉に甘えて……」

自身も眼鏡をつけているので、その悩みは共感できたりするのだが。
男は、相手のやる気満々な言葉に、更に相手に近づき。

「……ラヴゥチンさんの魅力にまいっちゃった。
 ラヴゥチンさんとイヤラシイコトがしたいんだけど、どうしたらいいかな?」

そんな、唐突な言葉を投げかけ。男は相手に一気に近づき、その手を握ろうとする。
もしも相手が回避しないのならば。両手で相手の手を握り、笑顔を向けるだろう。

ラヴゥチン > 「薄くて軽くて透明度が高ければ言うことがありませんよね」

瓶底眼鏡のせいでたまに怖いといわれてしまったりするのでこれはかなりの悩みの種のひとつであった。
セインの共感の言葉にほっとしながら悩みを聞く体勢に入る。

「えっ!?私とですか?いやらしいこと……」

制約がある以上、正直に答えるしかないのだがこればかりは答えに詰まってしまう。
手にもしっかりとガントレットやアームガードがもちろんついている。
重くて反応が遅れたわけではないが、セインに手を握られて難しそうな顔をする。

「それはーかなり不可能だと思いますよ。
難しいです。イヤラシイコトの種類にもよるかもしれませんが……神にささげた身ですから」

セイン=ディバン > 「そうだねぇ。エンチャントして望遠機能が付いたりとか……。
 後は、日光を遮るようなオマケとかあれば……」

眼鏡談義に花咲く二人。案外に、この国ではまだまだ眼鏡普及率も高くない。
それに、眼鏡も案外に高級品なのだ。

「うん。ラヴゥチンさんと」

真正面から相手を見つめながら、自分の言葉を再度強調。
しかして、さすがにシスター。いきなりの失礼な言葉に、表情を曇らせてしまう。
当然といえば当然だった。

「ははははは。まぁ、そりゃあそうだねぇ。
 でもさ。もしも俺がここで、無理やりラヴゥチンさんを襲って、犯そうとして。
 それを阻止できるかな?」

ケタケタと笑いながら言う男。無論、そんなつもりは……半分くらいしかない。
だが、実際男はやろうと思えば、そういうことを遠慮なくやる男だ。
男とて荒事には多少自信がある。もしもそうなった時。相手はどうするつもりなのだろう、と。
興味本位で、男はそんな意地の悪いことを尋ねた。

ラヴゥチン > 「私の盾と鎧をどうにかできるなら……というより、これが私の最初にして最後の武具ですから、これをどうにかされたら降伏するほかないんですよ」

これをどうにかできる相手に抵抗するのは無駄

「でも、これは誰にも破れません。その自信がありますから……
なので犯そうとするのは時間の無駄だと思いますけれど。それでもいいならどうぞ」

しかし、この鎧と盾に立ち向かうことはそれ以上に無意味である。
ラヴゥチンは本気でそう思っているようだ。
だから逃げないし、回避もしない。

セイン=ディバン > 「うん? 俺は神聖系魔術には明るくないんだけど。
 例えば、相手のそういった欲望を沈静化させたり。
 魔術師の『眠りの雲』みたいな、無効化系、妨害系呪文とか使えないの?」

男が習得しているのは、いわゆる単純な魔術系統呪文。
回復は使えるものの、加護などの聖なる呪文は習得していないので。
率直にそう尋ねてみた。

「……へぇ~。そうなんだ。さすがは教会からの支給品、って訳ね。
 逆に、ラヴゥチンさんが相手を認めて、求めた場合は?
 あぁ、この人になら抱かれてもいいなー、とか思っちゃった場合とか」

どうやら、相手の言葉に知識的欲求、探究心を刺激されたらしい。
男の中の欲望は沈静化し、相手を質問攻めにしてしまう。
相手をいい女だ、とは思っているが。悩みを聞いてくれているのに無理やり犯す、なんてしたいと思わないらしい。
この辺り、この男の小物、小悪党っぷりが現れている。

ラヴゥチン > 「え、私も神聖魔術はさっぱりですよ?どうにも相性が悪いみたいでさっぱりつかえないんです。でも宣教師はそういうの関係ないのであんまり気にしたことはなかったですが」

きょとんとしながらセインの問いに答える。
溢れる魔力はかなり上質なものなのだが、どうにも使えないらしい。

「私が男を求めるですか、あんまり想像はできませんがその時はこの鎧は脱いでいきますよ。戦いに行くわけではありませんしね?」

鎧は脱げないわけではない。自分の意思さえあれば脱ぐことは出来る。
しかし、今の所鎧を脱ぐという行為を自発的に行ったことはない。
健康診断だったり、鎧が必要ない街中ではシスター服でいることが多いんですと説明を付け加える。

セイン=ディバン > 「なるほどなぁ。まぁ確かに。俺が知ってるシスターや神父も。
 全員が全員神聖魔術使えたわけでもないしなぁ……」

そういう相性とか、向き不向きってあるよね、と。
腕を組んでうんうんと頷く男。
男自身、攻撃系魔術はなぜか習得できずにいる。
コレに関しては、自分自身才能がないのだろう、と諦めている次第。

「ははははは、そりゃそうだ。
 でもまぁ、単純にオレがキミとヤリたいから言うわけじゃないけどさ。
 愛する人とのセックスってのはいいもんだよ?」

いきなりイヤラシイコトをしたい、なんて言った後では説得力なんてないかもだけどねー、と付け加えつつ。

「ラヴゥチンさんも、好きな人が出来たりしたらそういう気持ちにもなるんじゃないかな?
 シスター服か。その姿のラヴゥチンさんも見てみたいな」

やはり、似合う似合わないではなく。この相手の振る舞いなどに対して、装備は少し物々しすぎる気がした。
どちらかといえば、シスター服の方が似合うだろうな、と。
そんなことを語る男からは、相手を抱きたいという欲求はすっかり消えてしまっていることが分かるだろうか。

ラヴゥチン > 「はい、その分肉体とかこの鎧に魔力を使えるので私にはちょうどいいのですけれど」

むしろ、それだからこそきっと自分にこれを授けてくださったのだろう。
自分の才能を見出してくれた教会には感謝しきれないほどだ。

「愛する人。私の場合は神になりますから、死してからになるかもしれませんね。
ここを離れる時もあります。その時はひょっとしたらシスター服かもしれませんね」

次にここを降りるのはいつになるかとカレンダーを見る。
まだまだ少し先になりそうだが、近いうちに降りることになるだろうなと頭の中で計画を立てる。

セイン=ディバン > 「そういう考えもあるか。
 なるほど、何事も考え方次第だな」

前向きな相手の一言に、ほほう、と納得したように言う男。
このポジティブさも、相手の素質の一つなのかな、なんて。

「う~ん。徹底的に神に仕えるシスターさんだな。
 なるほど、じゃあその時にシスター服を見れるのを楽しみにしておくか」

まったくぶれない相手の姿勢。ここまでくるといっそ感服する、とばかりに。
男は苦笑を続けるが。そこで一息、息を大きく吐くと、相手から距離を取ってイスに座りなおす。

「おっけおっけ、わかった。今日のところはラヴゥチンさんを襲ったりはしないよ。
 ただまぁ、次にあった時はどうするか分からないけど。
 なにせ、キミはすっごく魅力的だ。キミみたいな女性を前に我慢する、ってのは結構男としては辛いんだ」

くすくすと笑いつつ、男は両手をひらひらと振り、強姦などしないよ、とアピールする。
だが、言葉通り。次にどこかで出会ったときは、我慢できず襲ってしまうかもしれない、なんても思っている。

ラヴゥチン > 「シスター服の時にあなたを見かけたら十二分に注意することにしますね」

冗談交じりに笑顔でセインに告げる。
きっとまたどこかで会うことになるのだろうと思っていた。

ご案内:「タナール砦」からラヴゥチンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からセイン=ディバンさんが去りました。