2018/02/12 のログ
ご案内:「タナール砦」にカレンさんが現れました。
カレン > (砦は依然人間側にある。
 しかし、降雪のため地面がぬかるみ、
 足場の悪くなったこの時期、
 王国軍は苦戦を強いられていた)

負傷したものと交代しつつ、前線を維持せよ!

(自らも長剣を振るいながら、
 カレンは部下に命令を下す)

カレン > (飛んでくる毒矢をマントでなぎ払い、
 襲ってくるゴブリンを剣で切り払う。
 魔物の個々の強さはそれほどでもないが、
 なにせ数が多い)

いいか!倒すことは二の次だ!
負傷し戦えなくなる事態は避けろ!

(カレンの部隊は100人。
 一人失うだけでも指揮系統が上手く維持できなくなるのだ)

カレン > (王国側は駐屯兵を合わせて2000ほどだろうか。
 所属も命令系統もバラバラなので、
 全開に機能しているとはいい難い。
 対して、魔物の数はこちらより多いだろう。
 少数ずつ部隊を編成している。
 このまま続けば、戦略段階で負けが決定してしまう)

…退くべきだろうか?

ご案内:「タナール砦」にイヴリィさんが現れました。
イヴリィ > 「あら、退いちゃうの?」

戦場に似つかわしい声が上から響き。
まるで空を踏みしめるように虚空に立つ金髪真紅の童女。
くるり、くるり、と日傘を回しながら。
面白そうに笑みを浮かべたまま、女騎士を見下ろして。

カレン > (頬にはね飛んだ泥をこすり、
 上空を見上げる)

貴様は…指揮官ではないようだが…

(いわゆる「気まぐれ魔族」というやつだろうか。
 戦闘をあまりせず、魔王として君臨するものが多いとも聞く)

あいにく、退くことは恥ではない。
砦を失うこともな。
領地に攻め込まれるのが恥なのだ。

(周囲へ警戒しながら、そう叫ぶ)

イヴリィ > 「ええ、無関係の通りがかり」

くるり、くるり、と日傘を回してから、音もなく雪混じりの大地に降りて。
それを見やったゴブリンが飛びかかってくるが、足元の影が蠢き、それを串刺しにする。

「ええ、ええ。そうね。だから……気まぐれで力になってあげようかしら、と思ったのだけど?」

くすり、くすり、と笑いながら首を傾げ。
くるり、くるり、と日傘を回してあどけない童女の笑みを浮かべる。

「もちろん、ただで、とは言わないけれど」

カレン > 気まぐれで力になるだと…?

(人間の味方をする魔族もいないではない。
 しかし、急にそんなことを言われても、
 カレンは総指揮官ではないのだから、
 困ってしまうのであった)

…悪魔と取引するつもりはない。
何を奪われるかわかったものではないからな。
命なら私一人で済むが、
もっと大きなものは私の権限では動かせない。

(自分の命は惜しくないが、
 ここは使いどころではない。
 退却するほうがよほど騎士の誇りにかなっている)

イヴリィ > 「いえ? 血の匂いにあてられてね」

くすり、と笑い、くるり、くるり、と日傘を回しながら。
自身に襲いかかるものはすべて影の槍で串刺しにされながら。

「お姉さんを食べちゃいたくなって……あ、別にそっちが食べる側でもいいのよ?
 淫魔の血が混ざってるとこういう時不便よね?」

幼気な容貌のまま、かくり、と首を傾げて。
小柄な体躯に不釣り合いな胸を強調するように押し上げて。

「そういう条件ならどうかしら?
 殲滅するも、退くお手伝いでもどちらでもいいわ。
 私、人のお金とか権力とかそういうのあまり興味ないもの」

カレン > 血の匂い…?

(よくいる吸血種だろうか。
 それならば人間とはある意味共生関係。
 力になるとの言葉も頷ける)

食べる?淫魔…?
つまり血を吸うとか、身体を捧げろということか…?

(訪ねつつ、周囲のゴブリンを一掃する。
 息があがり、視野が狭まっているのがわかる。
 ノーシス信徒として自分の胸に聞いて見るとする)

…今のところ、答えはノーセンキューだ。
殲滅してくれるなら心強いが、
退いても問題ない場面。
この砦で魔族と交渉はできない!

(勝っても負けても国の動きに大きな差はないだろう。
 そんな場面で、もし本当に「食べられて」しまったら、
 騎士道にもとるというものである)

イヴリィ > 「せいかぁい。淫魔と吸血種のハーフなの。私。
 だから正直いないと困るのよね。人」

くるりくるり、と日傘を回しつつ。
こてん、と首を傾げてから。

「別にそっちが食べる側でもいいのよ?」

そういうことではない。
周りのゴブリンを次々と串刺しにしながら、女騎士と向き合ったまま。
造作もないように、影は蠢き、敵を食っていく。

「ええー? もっとこう……ね?
 せぇっかくこうやって顔出したのだもの。
 ちょっとぐらい味見させてくれてもいいじゃない」

そういう問題ではない。
こんな雑談をしながらも、童女が食い殺すゴブリンの数は増していき。
気づけば戦局も変わっている事に気づいているであろうか?

カレン > …思い切り人間の味方じゃないか、その立場は…

(いっそ、魔族に力を貸す理由がないほどである)

食べる、という言葉が引っかかってな…

(もちろん性的な意味だろうが、
 戦場で通じる冗談ではない。
 実際に死体を食っている魔族もいるのだ)

味見だの何だの、私は貴様より下の存在ではない。
力は敵わぬかも知れんが、貴様の餌でもない。

(長剣を振ってマントで血を拭う。
 どれだけ圧倒的な力が相手でも、
 こと戦場においては、騎士道が優先される。
 戦局に気づかぬほど鈍感でもなく、
 カレンは部下に後退させる)

イヴリィ > 「ええ、そうよ? だからこうしてお話してるんじゃない」

こてん、と首を傾げてから。
くるり、と日傘を回して真紅で見やり。

「……食欲的な意味じゃないわよ。流石に。
 よっぽど飢えてないと食べないわ。ええ。
 ……一月半ほどご飯がなかったときはやむなかったけれど二度とは口にはしたくないわねぇ……」

食ってた。
けれど遠い目をして、真紅の目尻に微かに浮かんだ雫。
よっぽど辛かったのか、不味かったのか。
そうしてる間も減りつつあるのはゴブリンの群。

「……? 下とは見てないわよ?
 見てたら押し倒してるもの。関係なく。
 だからこうして交渉してるんじゃない?」

カレン > こっちは命がけなものでな、殺気立っているんだ。
これ以上混乱させないでくれ…

(奪い奪われ、騙し騙されるのがこの砦。
 腹芸が得意ではないカレンにはきつい交渉だった)

だから、貴様が飢えているかどうかわからんというのだ…

(命をかけて戦場に立たないものとの交渉は困難である。
 前提条件が違いすぎるからだ。
 この少女は、自分がここで死ぬなどとは考えてもいないだろう。
 一方カレンは、部下100人の命を背負っている。
 緊張の糸をほぐせというのが無理な話である)

えーと…
なんというか…

(返答に困る。
 彼女にはこれが日常なのかもしれないが、
 カレンにとっては命の遣り取りをする場なのだ。
 そういう意味で、
 イヴリィとカレンは同じ土俵で交渉してないのである)

…とにかく疲れた。
お陰で敵もだいぶ減った。
礼だけは言っておこうか。

(これだけ相手が減れば、
 他の師団でも守りきることができるだろう)

イヴリィ > 「あら、それはごめんなさいね?」

くるり、と日傘を回してから首を傾げ。
影は蠢き、ゴブリンを貫き続け。数も減り続ける。

「飢えてるわよ。性的に」

そんな事無関係と言わんばかりに。
傲岸不遜なまでに……死なぬがゆえの余裕か孤独がゆえの気楽さ故に。
童女はくすくす、と笑いながら告げる。

「別にいいわよ? こっちが勝手にやっていたことだし。
 …………あら。
 …………………ぁー」

お礼としてするはずの行為を、無意識でやっていたことに気づき。
退却の状況が整ったのを見回せば、ぁー、と呟き。

「…………やらかしちゃったかしらコレ」

カレン > …うーん…

(強いのだが、強いのだが。
 この吸血淫魔にはこちらの状況が伝わっていないようだった)

…あー、そうだな。
もう少しピンチを誘ってから、
命欲しくば抱かせろ、という方が自然だったかもな。

(魔物が弱ってしまえば交渉材料はなくなる。
 あるいは、最初から味方をして、
 カレンが断れなくするという手段もあったかもしれない)

ウム!今回は非常に助かった。
私はカレン・クラフト。
私も甲冑を脱げばただの女だ、淫魔を拒む理由もない。
貴様、名前は?

(魔物も人間も後退を始めた戦場で名を聞く)

イヴリィ > 「……えー……?」

不満そうにしてから首を傾げて。
くるり、と日傘を回してから、周りを見回して。
うーん、と首を傾げてから。

「……どうにもわからないわ人って。
 単独で数万なんのそのとか薙ぎ払うようなのいるし。
 個々の性能差ひどすぎない?」

首を傾げてから、くるり、と日傘を回してから。
そのように告げられては。

「嫌よ。両方楽しまないとえっちなんてつまらないじゃない!」

何ぞ変な矜持を持っていた。
この童女、交渉下手なのには間違いない部類。

「……はぁ……お姉さん食べたり食べられたかったりしたかったのに。
 これじゃあ骨折り損のくたびれ儲けよ。
 私はイヴリィ。イヴリィ=スゥよ」

くるり、と日傘を回してから心底残念そうにため息をついて。

カレン > 一騎当千の化物もいれば、せいぜい百人を従えるしかできないものもいる。
魔王からゴブリンまで幅のある魔物も似たようなものだと思うがな。

(最も、人間には魔物特化の聖剣を持つものがいたりするので、
 一概には比べられないのだが)

うん…私もそう思う…
だから、今度腹が減ったら、平和な場所で声をかけて欲しい…

(この吸血淫魔は敵ではないとわかったので、
 剣を鞘に収める。
 そろそろ退き時だ)

まあまあ。
上手く行かないからこそ、
相手を口説き落としたときの制服感がたまらないと思わないか?
イヴリィだな、覚えておく。
次に会うときは、温泉旅館の風呂の中などがいいだろう。
私も睦事は嫌いではないのでな。

(マントを翻し、さっそうと砦に戻っていく。
 交渉が下手な吸血淫魔のお陰で、
 この冬、砦は人間側が持ちこたえられそうだ)

イヴリィ > 「あれはそもそも種族違うじゃない?
 人間って一括りの癖に性能差激しいわ、いんきちよいんきち」

ぷんすか、としながら日傘をくるり、と回して。
はぁ、とため息をついて。

「次見かけたら絶対食べるのだから!!
 覚えておきなさいよ、カレンッ!!」

とん、と言う音をあげればふわり、と体が舞い。
虚空を踏みしめればばさり、と黒い皮膜の翼を広げ。

「ぜったい、ぜぇーったい食べてやるんだから!!
 私、しつこいのよ、覚えてなさい!!」

悔しそうな吸血少女はそうして空に消え。

ご案内:「タナール砦」からカレンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からイヴリィさんが去りました。