2017/06/12 のログ
ご案内:「タナール砦」にサロメさんが現れました。
■サロメ >
馬を駆る、灰髪の騎士が夜の砦へと現れる
格式張った礼をする見張りを労い、砦の中へと───
「…異常はないようだな」
足早に響くグリーブの音に、駐屯している兵士達の気も引き締まる
「(この砦は第七師団による侵攻作戦の要でもある。
今までのように取ったり取られたりという状況では作戦の実行にすら関わってくる)」
思案をしつつ、足早に
砦の内部の視察、補給物資は足りているのか
防衛に足る人足が配備されているかのチェックを急ぐ
■サロメ >
やがて砦の奥の間へと通され、一旦そこへ腰を落ち着ける
防衛としては十分な数の兵士が配備され、
民間からの傭兵達の姿もちらほらと伺える
「…魔物、そうだな。魔物程度の襲撃ならば問題はないだろう」
石造りのテーブルに手を置き、現場の兵士達数人との会話
これだけの状況ならば早々に落とされるということもない
…ではなぜいたちごっこになっているのか?
「──魔物というよりは魔族、それも上位どころではなく魔王の類。
連中の力は底が知れない。文字通り暇潰しにこの砦を攻め、そして落とす」
■サロメ >
「マグメールにも魔王と立ち会える戦士はいるだろう…が、
数が多いわけではない。何よりそういった力持つ者は利己的なものだ。
"砦を落とされたくないから砦に篭っていてくれ"など聞く者のほうが珍しい」
そう、人間の中にも怪物は多くいる
知る限りでも1、2人
魔王を恐れず、魔王を打ち倒せる力を持つ者は確かにいる
ただし彼らを扱えるのかといえば…その答えは怪しいものだ
そうなれば──
「やはり、傭兵か」
魔族の国の奥、水晶の谷へと兵を差し向けるならばこの砦の拠点としての機能は盤石でなければならない
多少金銭の都合を効かせてでも、魔王達への対策は盛り込まねばならないポイントだろう
■サロメ >
「傭兵に高い金銭を払うならば当然王国貴族達に頭も下げねばならないしな…」
タナール砦に今必要なものは、
常駐する一個戦力。それに尽きる
周囲の兵士達は一様に肩を竦めた
当然だ。そんな扱いづらそうな者と防衛戦で協力せねばならないのは現場の人間である
「一朝一夕に決められる話でもない。
貴君らは砦の防衛に一心を尽くしてくれ」
とりあえず兵士達へのあたりを見るのみ
……ぽんぽんとうまく話が進みそうな気はしなかった
■サロメ >
話をそれで締めくくり、兵士達には現場へと戻ってもらう
薄暗い石造りの部屋に一人佇む
椅子にかけ、暑苦しいガントレットを外す
「──前途多難だな。
これでいて敵は魔族の国だけでなく王国内にもいると来た」
頭が痛くなる
金銭が絡む以上、どうあっても貴族連中に頭は下げねばならない
吐き気がするような相手も多いというのに、
そういう貴族達に限って十分すぎるほどの財を持っているのだ
ご案内:「タナール砦」にダグラスさんが現れました。
■ダグラス > 「やれやれ、何とか休めそうな場所についたな」
少々薄汚れた格好と表情で、同じようにどこか焦燥した様子の十数名の部下を引き連れ。
現在は人間側の物なのだろう、旗が掲げられた砦の前につけば深く息を吐き出し。
「だれか!いないか!つかれた傭兵の仲間に一晩の寝床を求めたい!」
大きく息を吸い、砦全体に響きわたるような大声て声をかける。
自分を含め、率いる男どもは魔族にも劣れを取らない猛者である自身はあったが、前線近くで野宿するほど無謀でもなく、多少いけ好かなくとも、王国兵の近くで寝れれば外で寝るよりは安全を確保できるだろうと考え。
■サロメ >
「──? 何だ…」
夜中だと言うのに
無駄に魔族達を刺激しかねない大声だ
ぱたぱたと兵士達が泡立ったように砦の入り口へと向かっている
「…ふむ」
席を立って、装備を正す
………
やがて、人間の国側の正門から灰髪の騎士が姿を見せる
「大声の主は貴様か。
知っての通り此処は魔族の国との境界だ。
夜間は兵達も疲弊している、無駄に刺激するようなことは───」
そこまで言葉を放って、彼の後ろにいる十数名の様子に気がつく
探知魔法が働かない。魔族の変装による罠…ということもなさそうだ
「──とりあえず砦に入れ。食料の備蓄は余分に在る」
そう一声かけなおし、踵を返す
部下の一人が大広間へと案内するだろう
■ダグラス > 「ほぉ……どうやら、胡散臭い騎士の相手をせずにはすみそうだ」
正門から現れた、おそらくこの砦を守る部隊の隊長らしき女が出てくれば方眉を上げて。
横にいる部下に聞こえるか微妙な声量でつぶやき。
「助かる、腹が減っては戦えないからな」
なかに入る許可を得られれば部下とともに砦の中に入っていき。
普段は荒くれで通る海の男たちも流石に王国騎士が守る砦の中で不要に暴れることもなく黙って大広間についていき。
そこで食事を出されればむしろ下手な田舎騎士よりも落ち着き、礼儀を払った様子で食事を進めていく。
しかし、それでも最低限の警戒を緩める気はない様子で、全員すぐとれる位置に武器を置いていて。
「助かった、少々不手際があってな。前線からここまで歩いてきたもんでな、部下たちもさすがに疲れておったのだ」
食事を進める部下をしり目に、食事の礼を言って軽く頭を下げ。
■サロメ >
大昼間の長テーブルには簡素ながらも王国からの支給らしい、それなりの食事が並ぶ
柄の悪そうな者が多く兵士達も警戒していたが、大人しく食べている様子を見れば一人ずつ持ち場へと戻ってゆく
「前線…ハテグか?
王国の部隊ではないな、傭兵か」
長テーブルの端で椅子にかけ、ダグラスを見据えながら答える
傭兵団、にしてはこの男を中心に統率が取れているように思える
「礼などいいさ。
一夜を貸す程度なら問題はない」
今は自分の他に騎士団長クラスの人間はおらず、現場の指揮権は自分にある
彼らが何か問題を起こさないかぎりは何事もないだろう
■ダグラス > 「まぁ、傭兵も請け負っている。本来は海の仕事がメインだが、報酬次第でなんでも請け負うぜ」
部下たちとともに、軽く腹にたまるパンなどをのどに流し込み。
当座の空腹を抑え込めば水でのどを潤して相手の言葉に頷き。
「そうか、助かるぜ。
せっかく仕事を終わらしたってのに、俺ともあろうものが人に助けを乞うってのも情けねぇがな。
糞ったれ貴族騎士のせいで今日は最悪だぜ」
自虐的な苦笑を零し。
相手の顔を見れば軽く肩をすくめ。
「まぁそのおかげであんたみたいな美人に出会えたんだから、終わりは良かったのかもしれねぇな」
■サロメ >
「海?商船護衛か?」
成程屈強な連中ばかりのはずだと納得する
「何やら災難があったようだな。
……よせ、腕以外を褒められたところで誉れにもならん」
美人と評されれば苦笑を返す
そして一息を置いて───
「名を伺っておこう。
私はサロメ=D=アクアリア。第七師団の将軍副官を務めている」
■ダグラス > 「なに、本当のことを言ったまでだ。
この規模の兵を率いるんだ、腕もかなりのもんだろう」
相手の謙遜に口元に笑みを浮かべ、装備の上からでもわかる相手のバランスよく鍛えられた身体に視線を走らせ。
強い女を抱くのが好きな身としては、一度味わってみたいとは思うものの、さすがに食事をもらってすぐに襲うようなことはせず。
「これは失礼。
俺はダグラス、こいつらを率いていろいろ身体を張った仕事をしている」
■サロメ >
「この砦は私一人で指揮しているわけではないからな。
私も王城警護の任についている故、砦に常駐はできない。
今日はたまたま私よりも位の高い指揮官が不在だっただけのことさ」
さて、と一呼吸おいて
どうやら彼らの喉も潤い、腹も満ちたようだ
「この人数ならば空いている部屋で足りるだろう。
魔物の襲撃がいつあるかわからないが…一先ず休めはするはずだ」
此処も前線には変わりない、油断は当然許されない
案内してやってくれ、と残った兵士に声をかければ敬礼の後、先導するようにして部屋の入り口に立つ
彼らに着いていけばひとまず一夜を過ごすことができるだろう
すっかり人気の減った広間でサロメは首を傾げる
「──ダグラス…ふむ。
貴公、王国騎士団に縁はないか?」
その名にどことなく耳覚えを感じてそう問いかける
■ダグラス > 「重ねて世話になる。
お前たちは先に休め、明日まで疲れたなどとほざく奴は尻を俺の斧で叩き割ってやるからな」
案内として出てきた兵士についていくよう指示を出す。
歴戦の勇士とて、連戦はできないが、十分に休息と食事をとってさえいれば魔族軍とも張り合えるだけの頼もしさはある。
人払いの済ませた部屋で相手と向かい会い、相手の質問を受ければ僅かに口角を上げて。
「さあな。
貴族どもの中には俺の得意先もいるから、そのせいじゃないか?」
海賊として、不正貴族や騎士に商品を提供することも多い身である以上。
騎士団である相手が自分の名前を知っていてもおかしくは無い。
しかし、付き合いが付き合いであるがゆえに、指名手配等はされていないことは把握していて、余裕の満ちた表情で相手の感情を読み取るようにじっと見つめ。
■サロメ >
「……そうか。
珍しい名ではないしな。」
──思い違いか、と眉を顰める
かつて王国に在ったという100人隊長の話
問題が多く、処罰直前に行方を晦ましたという男の名が確か──
自身が口をつけていたタンブラーをテーブルに置き、立ち上がる
「貴公も休むといい。
今は静けさすらあるタナールだが、先程も言った通り此処も前線。
魔物が攻め来ればすぐにでも戦場に早変わりだ」
魔物であればそれで済むが、魔王が現れれば文字通りの死闘となる
こうやって静かなうちに休ませておくに越したことはないのだ
■ダグラス > こちらの過去とどうやら一致しなかった様子で立ち上がった相手とは対照的に、ゆっくり息を吐いて椅子に浅く座り。
「そうか。
そうだな、また襲われて今度は魔族に奴隷落ちでは騎士の名折れとなるだろうからな」
まるで過去に相手が凌辱を受けたことを知っている口ぶりで言い。
軽く周囲に視線と気配を走らせて、他に聞いている人間はいないことを確認し。
軽く顎を上げて座りながらに相手を見下ろすように見て。
「サロメ=D=アクアリア。かつてティルヒア動乱で名をはせるも王都への魔王侵入を許し失墜。
長らく肉奴隷となるが、仲間の助けて復帰、今は以前のように活躍しているようだが。
叩き込まれた雌の喜びはまだ忘れられないのではないか?」
■サロメ >
「──……」
見せた表情は一瞬の強張り、
しかしその表情はすぐに元に戻る
「…成程、貴族達と付き合いがあるのだと言っていたな」
目を伏せつつそう言葉を零し、一度戻した椅子を引いて、再び腰を降ろす
「魔王の侵入自体は不可抗力だったが、
元々我々王国の騎士は王国貴族に対し逆らうことが難しい。
──概ね、貴公の言った通りの仕打ちを受けたよ。
下衆な連中の玩具にもされたし、貴公の言う通り仕込まれたものは簡単に消えるものでもなかったが、
払拭するのに躍起にもなりいつのまにやら記憶の彼方だ」
そして、慌てずともついてきた結果として今の彼女があるのだろう
「──して、なぜ今そのような話を持ち出した」
向けた表情は眼孔鋭く、文字通り射抜くような視線