2016/11/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にオーギュストさんが現れました。
■オーギュスト > 「んがっ!?」
衝撃にオーギュストは叫ぶ。
まったく、痛い。
急にしりもちをついてしまった。
ゲートを通り、ついでにそこらへんにいた邪神を切り伏せ。
そして通り抜けてみれば……
「――っしゃ、戻ってこれたか」
勝手知ったるタナール砦である。
■オーギュスト > 重いナップザックを置き、そして見回す。
うん、タナール砦だ。強いて言えば、多少ボロっちくなっているか。
まぁ、修復する人間も魔族もあまり居ないだろうから。
「さぁってと……」
まずは王都に帰らなければならない。
とりあえず報告と、第七師団の様子を見なければ。
世界を離れて何ヶ月かたっている。
こちらと向こうで時間の流れが違っていなければいいのだが……
ご案内:「タナール砦」にテイアさんが現れました。
■テイア > 魔族と王国とのあいだの砦の奪い合い。
今は魔族側に勝利した王国軍が、砦に陣取っている。
第七師団将軍の捜索の任務の為に砦地下に張り巡らされるダンジョンを見つけたものの、魔族との戦闘をこなしつつ、時に砦を魔族に奪われ思うように攻略は進んでいない。
将軍が行方不明になってから時間が経つにつれ、聖騎士団で構成された捜索隊も徐々に縮小していくようにと上から言われ始めている。
「全く…。」
地下からでた足で、物見台の方へと歩みつつ嘆息をこぼす。
こうまで見つからないということは、やはり彼はすでに息絶えていて亡骸さえ残っていないということか。
上からの指示も、行方不明になっている期間を考えれば妥当なところだろう。
そう、女は考えながら砦を見渡した。
そこでふと、騎士団とは違う人影を見出してそちらの方を注視した。
オーギュストが視線をあげれば、遠く高い位置にある女の二色の瞳と視線があうか。
■オーギュスト > 「ん……」
ふと見ると。
なにやら見たことのある女。
いや、これでも抱いた事のある女は忘れない。
あれは……
「よぉ、テイアか」
どれほどの騒ぎになっているかなど知りもせず。
オーギュストは気軽に声をかけた。
■テイア > 「………。」
ほうぼうの騒ぎなど知らぬ、といった体でかけられる気軽な声に暫し沈黙が流れた。
腰に手を当てると、はーっと先程よりも長い嘆息が溢れて。
「呑気なものだ。そなた今まで一体、どこで、何をしていた」
あまり表情は変わらないものの、少々責めるような声色になってしまったのは、致し方ないことだろう。
■オーギュスト > 「ん、まぁちょっと楽園にバカンスにな」
かっかと笑いながら軽く言う。
まぁ、あんな世界の事、言っても信じないだろうし。
何があったかを語るには、長くなりすぎる。
「とりあえず、だ。こっちの状況はどうだ?」
城壁に腰掛ながらたずねる
■テイア > 「バカンスにいくのは結構だが、次からはきちんと休暇申請を出してからにしてもらいたいものだな。」
笑いながら言う男のなんと憎たらしいことか。
軽口を返すが、声は一層冷たさを孕み。
ひょいと物見台の塀を飛び越えると、高所から地面へと落下する。
風を操り、地面に着く直前に体を浮かせて羽のような軽さで着地すると、腰掛ける男の方へと歩み寄り。
「そなたが突然行方が分からなくなったことで、色々と混乱が起きた。第七師団には、解体の話まで出ている始末だ。」
様々な者が、オーギュストの行方を探し奔走したこと、王城での魔族側の貴族の動き、第七師団の状況、最近のタナール砦の攻防の状態などを順を追って説明していき。
■オーギュスト > 「解体ねぇ」
馬鹿な貴族どもの考えそうな事だ。
まったく、あの楽園の連中の一万分の一でも頭が回れば、少しは考えそうなものだが。
「まぁ、そんな所だろうと思ったが、サロメは踏ん張ったか」
くくっと笑う。
なかなか肝が据わってきたようだ。良い傾向じゃないか。
「しかし、王国軍も情けねぇなぁ。俺の穴くらい、誰かが埋めると思ったけどな」
第七師団を乗っ取り、私兵にするくらいの気概がある奴が居てもいいと思ったのだが。
肩を竦めながら、ナップザックをごそごそ探る
■テイア > 「ここぞとばかりに、目の上のたん瘤を排除したかったようだな。
一番の貧乏くじは彼女だろうな。会ったら十分勞ってやれ。
そんなこんなで、第七師団も身動きがとれない様子だったのでな、聖騎士団が出しゃばらせてもらった。」
第七師団の中での信頼関係ゆえに笑みなのだろうけれど、呆れたようにその笑みを見やって。
「残念ながら、そなた一人がいないだけで魔族戦線はがたがただった。
もう少し今後は後継を育てることも考えてもらいたいものだ。」
ただでさえじゃじゃ馬の第七師団、それを御せる器の人物は少ないだろう。
壁に凭れて腕を組みながら、ナップザックを漁る仕草を眺めて苦言を呈す。
■オーギュスト > 「あぁ、たっぷり可愛がってやるよ。
向こうじゃ色々ご無沙汰だったからな」
向こうは色々とあったが、ただひとつ、女だけはご無沙汰だった。
あのビデオとかいうのは凄かったが、やはりオーギュストは生身の女が好みだ。
「あん、知らないな。俺は俺でしか……ってほら、土産だ」
投げて渡すのはアーモンドチョコ。
向こうでは銅貨で買えるお菓子だが、こちらでは超高級品だ。
■テイア > 「…そういう意味で言ったのではないのだがな。まあ、彼女も望むのなら労いになるか…。」
明け透けな物言いに、やや呆れたように横目で男をみやり。
こういう男なのは、すでに分かっているから肩を竦めて嘆息して。
どこに行ってきたかは知らないが、ご無沙汰だという男。
その欲求を受け止める方は大変だろうな、と他人事ながら思い。
「後継を育てるのも上に立つ者の義務だ。
っと……チョコ?こんな高級品どうしたんだ」
奔放なのはいいが、今回のような事がたびたび起こるのは避けたいと、少し強めの口調で言い放ち。
投げられたそれを受け取れば、それはチョコレートだった。
貴族や金持ちくらいしか口にするものはいないだろう、その甘いお菓子。
チョコと男を見比べて問いかけ。
■オーギュスト > 「んー、まぁ楽園でな。
すげぇぞ、そのチョコ、楽園だと銅貨5枚程度だ」
笑いながら自分もチョコバーをかじる。
こっちでは高級品だから、これからはあまり食べられないと思うと寂しい限りだ。
こっちでも造れるようにならないものか。
「まぁ、色々とな、他に土産話もある。
――そういえば、お前はドラゴンフィートの連中と面識があるんだっけか?」
ドラゴンフィート。
あれを創った男に、話がある。
■テイア > 「チョコが銅貨5枚?嘘だろう?」
流石に高級品のチョコが銅貨5枚というのには、驚いた表情を浮かべ。
しかし、自分に渡したのとは別に男がチョコバーを取り出し齧るのをみれば信じるしかない。
「全く本当に、どこにいっていたんだ。
…ん?ああ、ドラゴンフィートと森は友好関係を結んでいる。そなたが行方不明になったと聞いて、あそこでも人を出して探してくれていたようだぞ。」
チョコが銅貨5枚に、男が楽園と称する場所。
この国とは全く違う土地なのだろうと、土産話に興味をもつ。
そこで出てきた集落の名に、頷いて肯定しそこも彼の捜索を行っていたことを告げる。
危険な魔族領の砦に、彼が囚われていないかと探しにきた人物にあったことを話して。
■オーギュスト > 「ほう、そりゃ礼を言っとかないとな」
随分といろいろ動いてくれていたようだ。
アレの創設には確かに動いたが、まぁ義理堅い事だ。
「あいつらに、話とかなきゃいかん事がある。お前とサロメも付き合え――お、気になるか?」
かかっと笑いつつ、色々と取り出してみせる。
まずは、胡椒の大袋だ。
「なに、あの戦いの後に、どうやら異世界に飛ばされたみたいでな。
すげぇぞ、なにせそこじゃ、この胡椒一袋で銀貨1枚だ」
こちらで買えば、同じ重さの黄金が必要になると言われる胡椒。
たっぷり買ってきたので、今度これで羊肉を焼いて食うつもりなのだ。
■テイア > 「そなたを探すために、様々な者が動いたからな。顔の広さというか、人徳というのか…。」
自分が知らないところでも動いていた人物は多いのだろう。
礼を言って回るのは大変そうだ、と小さく笑い。
「…私もか?まあ、興味もあるし同席させてもらおう。」
色々と取り出されていくのを興味深そうに眺めて
「異世界…よく戻ってこれたものだな。…胡椒が?それだけはいって、銀貨一枚?物価が安いのか…それにしても安すぎる…」
胡椒の大袋、その価値を知っていれば驚くのは無理もないことだろう。
チョコレートに胡椒、こちらではかなりの貴重品でも向こうではそうではないのか、それとも金の価値が高いのかと真剣に考え。