2016/10/08 のログ
ご案内:「タナール砦」にミリーディアさんが現れました。
■ミリーディア > 移動方法を変えていればこういう事にはならなかったのだが…
駆けて向かう事にも意味はあったのだから、それはそれで仕方ないのだろう。
やっとの思いで到着してみれば、人っ子一人居ないという何とも言えぬ状態の砦が見て取れた。
来るまでにも色々と何かがあったのだろう事は、何と無く分かるが…まぁ、今はこうした状態だ。
「踏んだり蹴ったりというのは、こういう事を言う。
…見事に出遅れたといった感じだ」
もはや何も残っていない砦周辺を見渡しながら、今のところは誰か居る訳でもないだろう砦へと向かってみる。
正直に言えばさっさと帰りたいが、何か残っていたらそれはそれで…である。
■ミリーディア > 研究施設に滞在する者達と連絡を取ってもみたが、今だに状況に変化は無いとの返答。
まぁ、王城内では第七師団をどうするかだの、色々と話が挙がっているところだろうか。
これを機に、なにやら企む人間や魔族達も湧いているだろう。
「………やれやれ、何があろうとゆっくりと出来ていたのは連中のお陰だったのだが…
このままではその関係の面倒な話がこちらに回ってきてしまうではないか…それでは困るのだ、儂としては」
魔族の関係した案件が挙がれば、今やすべて第七師団送りとなっていた。
それは、対魔族として挙げてきた実力と名声のなせる業というものだろう。
お陰でそれ以前に自分に回されていたものも無くなり、のんびりとした生活を送っていたのだ。
さて、それが消えたらそういった話はどこへ流れるだろうか?
…考えるまでもない。
破壊の跡も新しい門を潜り、砦の中へと足を踏み入れる。
考えてみれば、入った事があるのはどれだけ昔の話だろうか…その頃の砦内の記憶は意味がない。
初めて入ったと同様の状況か…非常に面倒である。
■ミリーディア > なんにしても、まずは状況確認だ。
とは言っても何も無い砦内を歩き回ってはいお終い、という感じになるだろうと考えていた。
静かな通路に響く足音は一つ…いや、離れた場所から同じく入り込んできた多数の足音が聞こえてくる。
位置的には反対、となると魔族側の者達か。
「まだ探し始めたばかりなんだが…」
ぽつりと誰に言うでもなく呟けば、その足はそちらへと向かって進んでいった。
相手の方もこちらの存在に気付いたか、何やら足音が止まり話し合うような声が聞こえてくる。
気にする事もない、少女は歩調を緩める事なくその者達の前へと歩み出た。
…確かに魔族だ、しかも数人、軽装なところを見ると様子見に来たといった感じだろう。
「あぁ、すまないが…今、君達に対しては立ち退きを願いたい。
数日後に改めて来るように頼んでおこう、まぁ…強制なのだがね」
こちらの言葉に文句の一つも出るのは当然だろうが、聞くつもりはない。
ゆらりと揺れる右手が振り下ろされれば、魔族達の足元を囲むように魔法陣が光り輝き…魔法陣もろとも魔族達が消え去った。
魔族の国に適当に戻しておいたが、さて、ちゃんと戻っているだろうか?
それは連中の運次第、まぁ、変なところに飛ばされていない事を祈ろう。
■ミリーディア > 「一騒動があったばかりだというのに、ご苦労な事だ。
それにしても…」
飛ばした者達に対し、呆れたように溜息と共に洩らす呟き。
すいっと視線を辺りへと移し、軽く考える仕草。
「感じ的に大罪の者達ではないな。
となると、連中以外にも遊びたい盛りの魔王様とやらが現われるようになったか…?
派手に遊ぶのは良いが、厄介事を持って来られても困るものだ。
あれだな…もっと節度を持って欲しいが…まぁ、無理か」
実際の話、やったのは魔王ではないのだが、相応の力は持っている者が居たのは事実。
でなければ、あの第七師団の主力が壊滅なんてそうそう無い。
色んな者達に対する愚痴を零しながら、再び静かになった砦の中を歩き始めた。
ご案内:「タナール砦」にリンさんが現れました。
■リン > 「うひぃぃぃ~」
通路の向こうから今ひとつ間の抜けた声が響く。
そして装具の鳴る耳障りな音。
見れば冒険者か何かだろうか、マントを羽織った少年が魔族に追われて必死で駆けてくるのがわかる。
追いかけているのは何体もの魔獣や骨の魔族の兵隊だ。
取るに足らないような下級の魔物どもであったが、戦いに長けていない者にとっては多勢に無勢だろう。
■ミリーディア > 「………沈黙を破るのは、か弱き少年の叫び声、か」
通路の先から聞こえる声と物音に、のんびりと呟いた。
先発隊がすぐ後に控えていたのか?とも思ったが、どう見ても追われる少年の後ろを追っているのは獣と骨、間違いなく違うだろう。
こちらに向かってこられては、あの獣や骨に自分と言う存在が気付かれてしまうと思ったが…もう遅いか。
少年を追う事に拘りを見せるならば、その追って追われての様子をしばらく眺めているつもりだ。
もしこちらへと矛先を変えるような事があれば…少年を恨めしそうに見遣るだけである。
何かをするかと言われれば、何もしない。
勝手にこちらへと襲い掛かってくる者達は、常に張られている保護用の魔術結界に触れて吹っ飛ぶだけだ。
■リン > 一対一や、ある程度距離に余裕がある状態ならまだしも、
この状況では如何ともしがたい。
こんなつまらない死に方をするとは……次生まれ変わったらもう少しうまくやろう。
と、少年――リンは思った。
「あれ?」
分かれ道の曲がり角を曲がったところで、兵隊どもが追いかけてこないことに気付く。
その次に轟音。
見れば黒ローブの少女へと標的を変えたザコ魔族たちはものの見事にふっ飛ばされてしまったようだ。
彼女の魔術が為せる業と正確に理解したわけではないが、なんとなく何が起こったかを察した。
ふっ飛ばされた連中はそのままお亡くなりになったのか単にのびているだけなのかはわからないが、
無害化されたことは確かである。
「あのー。ひょっとして、ぼく、助けられた?」
ひょこりと顔を出したまま、どうやら救い主らしい少女に呼びかける。
柔和な顔立ちだが、どうにも信用しづらい印象の愛想笑い。
■ミリーディア > 少年は駆けて行く、横を通り抜けて曲がり角の先へ。
自分が小さいのは分かっているが、気付かれず駆け抜けてお土産まで置いていかれるとは思ってもいなかった。
吹っ飛び、衝撃で意識を失った獣と、砕け散った骨の残骸へと視線を向ける。
「まさか注意をする前に突っ込んでくるのは予想外だった…いや、言っても理解しなかったかもしれんか?
まぁ、自業自得だ」
伸びたままの獣を軽く足の爪先で小突き、肩を竦めた。
そして、次いで逃げたと思った少年の声が掛かれば、そちらへと顔を向ける。
「勝手に自滅したな。まぁ、捉え方次第だが、助けた形にはなったかもしれん。
…いや、助けた事にしておこうか、何者であろうと恩を売っておくのは大事だ」
曲がり角から顔を出したままの少年に、さらりと答える。
答えながらも、ふと思い至ったようにその内容を堂々と変えた。
しかも、その理由まで付け加えて。
言葉ではどうとしても、追っていた魔物を倒した事実は変わらないのだ。
■リン > 「あー、いや、この砦薄暗くて見えづらくて最初気づけなかったんだ。
あと小さかったから……」
多少ばつが悪そうに、しかし素直に感じたことを口にする。
言ってから失礼だったかもと気づいたのか目を泳がせて口を手で塞いだ。
小さい者に小さい小さいと言い続けると怒られることが多い、という学びがあった。
そろそろと黒衣の彼女のもとへと近づく。
「あ、自滅……ん? 助けられた? はい。助かりました……」
堂々と都合のいい方向に転換されて戸惑う。
まあ、助けてもらった、ということにしておいたほうが良いのだろう。
頭を下げて、自分の名前がリンであること、
冒険者として、砦の調査の依頼を受けて王都からやってきたことなどを手短に伝える。
しかしいわゆる冒険者にしてはなよなよとした風貌である。
マントの下には楽器入れと思われる木製のケースが覗いている。
「それで命の恩人たるきみ……いえ、あなたさまは?」
腰を低く尋ねる。何者なのか? と。
■ミリーディア > 「儂が140程度として、君は160程度と想定出来るな。
20㎝程度の差で見えないというのも少々無理がないか?」
少年を見、手で軽く自分の頭の上と、少年の頭の上に身長差を示すよう平行に手を揺らす。
そうしながら、もっともな意見を述べるが…人間、慌てふためいている時はそんなものである。
別に小さいと言われた事自体には対して怒ったりはしていないのは、そう変わらぬ表情を見れば分かるだろう。
「よろしい。さて…リン君、感謝ついでにせっかくだ、その現段階の調査結果を儂に伝えてくれ。
出来ればある男を見付けていてくれれば大助かりだが、期待はしておらん。
…ミリーディア。恩人の名前だ、しっかりと覚えておくと良いだろう」
なるほど、といった感じに頷きながら言葉を返す。
言葉通りには受け取ってはいないが、そう気にする事もないだろう。
とりあえず、今は少しでも情報が欲しい。という訳で、問う。
自分の事に対する問いには、簡潔に答えておいた。しっかりと恩に着せるようにしながら。
■リン > 「はい、申し訳ございません。すべてわたくしの迂闊でございます」
ごもっともなのでうなだれるほかない。
ちょっと自分でも弱すぎるのではないかと思ったが、
目の前の少女にはなんというか、逆らい難い独特な何かがある。
自分よりも年下に見えるが、立ち振舞は尊大だし、見た目通りの存在ではないのかもしれない。
時々そういうのには出くわす。
ミリーディアと名乗った少女に調査結果を教えろと命ぜられれば素直に従う。
あの部屋は今は魔族が屯していて、あの区域が手薄で、……
とはいえそこまで有用と言える量と質の情報ではない。
「巷で話題のオーギュスト卿なら、魔族も把握してないようだね。
さっきぼくを追いかけてくれた連中も、卿を探していたようだ。
砦のどこぞに隠し穴でもあるんじゃないか、ってね」
木っ端冒険者にわかることなんてこれぐらいさ、と手をひらひらさせる。
どこか白々しい素振り。
「きみはその彼を探しに来たのかい?
……ひとりで」
名前しか解らない恩人に、そう何の気なしに問う。
■ミリーディア > 「素直だな、殊勝な心掛けだ」
項垂れる少年に対し、こちらは満足そうに頷くばかり。
誰もがこう簡単にいければ助かるものだが、世の中はそうはいかない、面倒な事だ。
問えば、その通りに情報提供までする少年には本当に満足させられる。
期待してなかったが、やはり欲しい情報は無かった。仕方ないのは分かっている。
と、まさに探していた相手の名前が出たのは意外だったか、首を軽く傾げる。
「なるほどな、誰もが見付からず終いだったか。
まったく、どこをほっつき歩いているのやら…困ったものだ」
ふぅ…と長い溜息をつきながら、困ったように腕を組む。
隠し穴、隠し通路、隠し部屋…まぁ、どれにしたって面倒な代物だ。
本当にそうならば、こちらから探すよりあちらから出てくるのを待たねばならない。
その間にも、そこらの混乱やら何やらが大きくなっていくのだ。
さっさと出てきて欲しいものである。
「探しに来たのも、ここに一人で来たのも、色々とあってな、たまたまこうなったのだ。
本当ならば、今頃はのんびりと部屋で寛いでいるところだろうさ」
調査にきて、ついでに視察をして、連絡を受けて探索に…本当に色々とあった。
考えれば考える程に、頭が痛くなってくる。
■リン > 「長いものには巻かれろというのが信条でしてね……」
相手が溜息をつくと、こっちも一度鞄や楽器ケースといった荷物を下ろし、
砦の壁に寄りかかって小休止する。
さっきまで命を賭けた全力疾走をしていたのだ。疲れているのである。
「そりゃ、なんだかお疲れ様です。偉いひとは大変ですね。
……命を救った対価としてはこんなもので満足?
それともまだ何かある? なんなら肩でもお揉みしましょうかね?」
えへへ、と。軽薄な笑みでそう口にして、悩ましげなミリーディアの表情を伺う。
もちろんご機嫌取りの一環ではあるし、何もないならそれでかまわないのだが――
このリンとて、幼く見える少女が憂いを帯びた表情をするのを見てしまうと、
何か力になってやりたくなるものである。
■ミリーディア > 「君は長生きをするタイプだよ、本当に」
良い意味でも悪い意味でも、周りに似たような者達が居るのだ。
休憩を取る少年の言葉に、さて、どうしたものか?と考える。
命を救った対価か…そう言葉にされれば、これで満足すべきなのかどうか迷うところだ。
「そこまで大したものでもないさ、下手に偉くなったりしようものなら厄介事を多く抱え込むだけだ。
程々が一番、何事においてもな?
そうだな…リン君はこの砦はすべて調べたのか?
もしそうでないなら、その残った場所も調べてきてくれ」
本当に命を救ったのならば、対価としては安過ぎるものだろう。
その辺りは結構曖昧だからか、面倒事を押し付けて済ませる事にしておいた。
承諾を得られたならば、側にある扉を指し、その扉の部屋…執務室で自分は休憩をする事にするだろう。
■リン > 「うぇっ。……ぼく一人でやれと?
ぼくさっき命からがら魔物から逃げてきた程度のザコなんですけど。
もう懲り懲りなんで帰っていい加減な報告して済ませようと思ってたんですけど……」
再探索を命ぜられて露骨に不満そうな顔をする。余計なことを言ってしまったという表情。
ちょっとだけあった良い感じの義侠心はどこへやら。
リンが一番大事なのは自分の命なのである。
まだどこにどんな危険が潜んでいるのかわかりゃしないのだ。
「靴でもなんでも舐めますからそれ以外でまかりません?」
詰め寄ってどうにか食い下がろうとする。やや見苦しい。
■ミリーディア > 「仕方ないな、さすがにもう何も居ないとは思うが…居たら居たで厄介か。
そうなると、そうだな…」
自分でさえ面倒と思う事だ、それは相手だって面倒に思える事だろう。
明らかな不満顔を浮かべる少年に、他の事かと思案してみる。
それ以外ならば何でもするかのような言葉に、ふと何か思い付いたようにぽん、と手を打つ。
「よし、分かった。ならば君には少しばかり儂に付き合って貰うとしよう。
…本当に靴でも何でも舐める度胸はあるのだね?」
食い下がろうとする少年に向けられる言葉。
それを発しながら向けられる表情は、きっと何かを企んでいるかのようなものだと分かるだろう。
とはいえ、これは少年が自身で紡いだ言葉だ、無碍に断れるかどうかは…少年次第だろう。
了承を得られたならば、それで良し。少年を連れ立って、今示したばかりの執務室へと向かうつもりだ。
断られたならば、別にそれでも構わないとは思っていた。
その時はその時だ、帰りの暇潰しに付き合えとやはり連れ回すには変わらないもので。
■リン > 考え直してくれる様子に胸をなでおろす。食い下がったかいはあったらしい。
仮になおも探索を要求されるなら適当にバックレるつもりではあったが、
この手合を誤魔化したり出し抜いたりを試みるのはあまりいい予感がしなかった。
しかし、続く思わせぶりなミリーディアの発言には
また別の厄介な予感があった。
「え……ええ。そりゃもう……あ、命に関わるようなのはなしですよ?」
ゴブリンから逃げてドラゴンの生贄にされるような真似はごめんだ。
ともあれ了承し、荷物を抱えて、彼女に従って執務室へと向かうだろう。
■ミリーディア > 少年の思惑はどうであれ、こちらの案には承諾を得られた。
連れ立って向かう執務室に、軽く視線を向ける。
「もちろん、そこまで酷い事をするつもりは無い。
…多分な?」
くっくっ、とわざとらしく含み笑いをしてみせ、余計な一言らしき言葉を添える。
当然、冗談交じりのからかいの言葉だ。
もっとも、そこまではいかずともそこで何があるかは…それは2人だけが知る事である。
執務室の扉は開く、その中へと2人の姿は消えていくだろう。
ご案内:「タナール砦」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からリンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にリンさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からリンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にカリーネさんが現れました。
■カリーネ > 《これで……最後だ!》
(傷だらけの鉄巨人が叫ぶ。同時に繰り出された巨剣が、魔獣の最後の一匹を刺し貫く。
その数秒後、軋むような音とともに鎧の前面が開き、小さな姿が鎧から転がり落ちた。)
いてて……。 このあたりの魔獣はこれで全部か。 それにしても、よくやってくれたものだ。
(自分が転がり出た、巨大な全身鎧を見やり小さく呟く。 限界以上のパワーで駆動し続けた全身鎧は
関節の節々から煙を上げ、魔獣の攻撃で頭部、そして片腕が破壊されたそれは、修理するまでは使い物になるまい。
辺りを見回し、敵影が無いのを確認してから、座れそうな瓦礫に腰を降ろした。)
それにしても、お互い随分と派手にやったものだな。
君たちの戦いは……無駄にならない時がくる。必ずだ。
(辺りには瓦礫と、倒れた人と魔獣…動くものはない。
怪我しないように気をつけながら終わったばかりの戦場をぺたぺたと歩き、
倒れた兵士たちの目を閉じさせて、簡単に祈りを捧げてやる。
今の自分にはこれくらいしかできない。
戦うにしても鎧は壊れているし、動いている魔獣もいないのだ。)
■カリーネ > (ひとしきり兵士たちを弔ってから、その辺の比較的無事な瓦礫に腰を降ろす。
戦の昂りを宥めてくれるようで汗にまみれた身体に風が当たって心地よかった。)
あとは他の連中がうまくやってくれればよいが…うまく勝ちを収めたとしても、
処理は必要になるだろうな…。
(鎧を脱いだ自分の姿は、軍の中でも機密事項だ。 ミレーが筆頭騎士として
軍に存在することを知れば、きっと兵士たちはショックを受けるだろう。
過去にこうして鎧を破壊されることが無いわけではなく、予想していないわけでもなかった。
そのために、記憶を曖昧にさせる魔法も覚えてはいるが、あまり使いたくはない。
仲間に向ける剣も魔術も持ち合わせてはいないのだ。 そんなことを考えながら
壁にそっと背中を寄せる。 目の前に広がる凄惨な光景は何度見ても慣れそうにない。)
ご案内:「タナール砦」にクィジナさんが現れました。
■クィジナ > どこからか羽ばたくような音。
戦いで崩落した砦の壁、そこに翼を持った人影が降り立った。
墨色の髪の少女だ。背中にある大きな白翼は、どこか神聖なものに見えなくもない。
きょろきょろと落ち着き無く周囲を伺っていたが、
小さなミレーの存在に気づいて、きょとんと首をかしげる。
「あれぇー? 迷子かな?」
あどけない口調だが、どこかわざとらしい。
周囲の凄惨な光景に構うこと無く、カリーネへと近づこうとする。